2020年2月1日 宮城県登米市の横山不動尊 山門

2020年02月02日
0
0
宮城県 登米圏
仙台市の定義山で気仙大工の花輪喜久蔵氏の建築と石井寅正氏の彫刻を見て,横山不動尊を再見したいと思い,行って参りました。
定義山の記事はコチラ→2020年1月11日 宮城県仙台市の定義如来西方寺山門
ここは2016年の10月に一度訪れています。
以前の横山不動尊の記事はコチラ→2016年 10月10日 栗原市の薬師堂と糠塚遺跡  登米市の興福寺と横山不動尊
今回はじっくりと建築物を見学してきます。
縁起についてHPからコピペします。

仙台市より北東に80kmに位置する津山町の横山不動尊は日本三不動のひとつに数えられ、その不動堂は津山杉が蒼然と立ち並ぶ山麓に威風堂々たる構えを見せています。堂内には弘法大師の御作といわれる高さ約5mの木造の不動明王が安置され、その胎内には黄金の尊像が納められています。この像は保元の頃(1156~1158年)百済国から渡来したもので、この尊像を横山の中の森山中央に祀ったのが横山不動尊の始まりと伝えられています。
明王山金剛寺として約350年間続いたこの寺院も永正元年(1504年)に真言宗から曹洞宗に改宗の際に、白魚山大徳寺と改称され横山不動尊として呼び親しまれてまいりました。境内に立つ青銅五重塔は明和3年(1766年)の建立で、県指定重要文化財であり、毎年9月末になると塔の周辺付近には淡紅色の花を開く秋明菊が咲き乱れ荘厳優美な塔の姿を一層趣のあるものに演出してくれます。境内全域が南三陸金華山国定公園に指定され、お池に生息する天然記念物のウグイもみどころの一つです。

本尊を収めている不動明王像は平安時代の奥州藤原氏の治政の下で製作されました。
丈六の不動明王像なので,かなり巨大ですよ。
光背の火炎がひときわ巨大さを強調しています。
寄せ木造りですが,カツラ材を使用していることから畿内の作ではなく,地元で造られた物ではないかと言われています。
しかし指の欠損もなく,宝剣も当時のままということもあり,800年以上前の製作当時の姿をほぼそのまま残しています。
そのような稀少さもあり,国の重要文化財に指定さています。
写真の撮影はできないのですが,無料で寺務所に断れば見学できます。


駐車場に車を駐めて山門まで歩きます。
この辺は登米市になっていますが,もとは津山町といって三陸海岸一帯の本吉郡という行政区でした。
平成の大合併により,本吉郡から外れ,登米郡と合併して登米市になりました。
実際は海沿いではなく,山間の町だったので地理的にも登米郡との交流が多かったのでしょう。
山間地域なので津山杉と呼ばれる杉の木が特産です。
横山不動尊も鬱蒼たる杉山を背にして鎮座しておられます。
DSC_1356.jpg

山門の手前に手水舎があります。
龍がちょっと苦しそう・・・
IMG_20200201_112049.jpg

山門です。
現在の本堂は昭和に建設されましたが,山門はそれより以前からあったとのこと。
以前の本堂は仙台藩主伊達綱村の治政の下で再建されたので,山門もその時代と考えれば,約350年前の建築物になるのではないかと推定します。
八脚楼門ですが,楼上には十六羅漢像があるそうです。
IMG_20200201_124940.jpg

開口部からほんの少しだけ見ることができます。
DSC_1454.jpg

金剛力士像をお祀りしています。
DSC_1376.jpg

DSC_1380.jpg


山号「白魚山」の扁額は明治三舟の一人,山岡鉄斎の揮毫によるものです。
唐破風の彫刻は鳳凰と思われます。
長年の雨風による経年劣化でシャープさには欠けますが,非常に立体的で大きな彫刻ですね。
DSC_1358.jpg

楼上の蟇股です。左右とも同じデザインでした。
非常に彫りが深くてきれいですね。
DSC_1359.jpg

こちらは1階部分の蟇股です。左右とも同じデザインです。
こちらは透かし彫りになっていて,曲線の美しさが目立ちます。
肘木も複雑な透かし彫りになっていました。
この肘木はすごいですね!
天井部の垂木は楼上部と違い通常の巡らせ方をしていますね。
木鼻の装飾は控え目ですが,全ての木鼻をきちんと処理してあり,丁寧な仕事だと思いました。
DSC_1363.jpg

向拝部の蟇股は竜の彫刻が施されています。
ポーズが単純なので分かりやすいのですが,お顔の表情などなかなか細密です。
透かし彫りなので裏側も細密に彫り込んでますね。
DSC_1362.jpg

DSC_1375.jpg

内部の虹梁や蟇股も丁寧に彫刻されてますね。
DSC_1367.jpg

DSC_1368.jpg

DSC_1377.jpg

山門の裏側正面にある蟇股です。
こちらは龍などではなく,波になっていますね。
でもちゃんと透かし彫りになっていて,丁寧な仕事だなぁと思いました。
DSC_1381.jpg

屋根は二重の扇垂木です。きれいです。
DSC_1382.jpg

側面です。
肘木の彫刻が秀逸だと思いました。
DSC_1373.jpg

裏から見たところです。
DSC_1442.jpg

棟札やサインが見えないのが残念です。
お不動様は国の重文,お堂や青銅五重塔も県の有形文化財,お池のウグイは天然記念物。
山門もなかなかのものなので,指定して補修の助成などを出るといいですね。
後世に残したい山門だと思いました。
DSC_1453.jpg
関連記事
Snufkin
Posted by Snufkin
ご訪問ありがとうございます。
気に入ったところは何度でも行っちゃうんです。
どうぞよろしくお願いします。

Comments 0

There are no comments yet.