2020年 8月8日 福島県伊達市やながわ希望の森公園 その1

2020年08月19日
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福島県
私の父は生前、国鉄の機関士を勤めておりました。
蒸気機関車のD-51の貨物運転からはじまって、電気機関車のED-75の旅客運転まで、東北本線や常磐線で活躍していました。
そんなこともあって私が幼い頃は国鉄のアパートに住んでいたのです。
そこは貨物線と東北本線に挟まれた場所だったので、よく母に連れられて父の運転する列車を見に行ったものでした。
父が警笛を鳴らしながら機関車の窓からガムとかお菓子を投げてくれるのが嬉しくて、そんな父が誇らしかったのを覚えています。
なのでもっぱら移動は車中心の私なのですが、マニアではないにしろ、鉄道には興味があるんです。

そんなこんなで、以前から気になっていた福島県伊達市のやながわ希望の森公園に行きました。
なぜってここは蒸気機関車、SLが現役で運行しているところだからなんです。


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公園の中にあるアトラクションの一つみたいなもんで、遊園地によくある遊覧鉄道といっても間違いはないのですが、ここは伊達市が運営する公営の鉄道で、れっきとした旅客業務を執り行っているんです。
観光情報ポータルサイトからのコピペです。

阿武隈急行「やながわ希望の森公園前駅」から300メートルのSL西口駅から、公園入口(SL東口駅)までの800メートルを時速5km/hで走ります。公園のシンボルとして1987年4月に開通しました。

線路幅が762mmなので狭軌、いわゆる軽便鉄道なのですが、石炭を火力とした水蒸気を動力とするれっきとした蒸気機関車なのです。
運行は4月中旬~11月中旬までの土日祝とイベント期間中。
料金は片道大人(高校生以上)300円、小人200円。
往復だと大人500円、小人300円でした。
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梁川プールの駐車場に車を駐め、道路向かいにある西口駅に向かいます。
ちょうど機関庫からSLを出し、転車台から本線を経由して、機回し線兼用の車庫から客車を引き出して、ホームに横付けする場面でした。
石炭を燃やしている匂いがほのかにしています。
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このSL、B62418と表示されています。
Bは動輪の軸数でBは二軸あることを示しています。
62418は昭和62年の4月18日を意味し、この日に就役したことにちなんでいるようです。
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製造所の表示で協三工業と記されていますね。
協三工業は福島市にある工場です。
戦前から森林鉄道や軽便鉄道の機関車などの車輌作りをしていました。
東京ディズニーランドのウェスタンリバー鉄道の機関車もここで作られています。
リニアモーターカーの建設まで始まったこの現代において、日本で唯一、SLが製造できる工場なんだそうです。
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列車がホームに収まると、係の方がホームを開放してくださいます。
ちょっと興奮気味に写真撮影(*^^*)。
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やがて時間となったので客車に乗り込みます。
ダブルルーフを模したボギー台車のついた客車が3輌です。
デッキから乗り込みます。
中は2列と1列のクロスシートで前の方は開放式ですが、後ろの方には透明なプラスチック製の窓がはめこんであります。
この公園、線路に沿って桜並木があるので、4、5月は混雑するようですが、今回は始発ということもあって、私を含めて3グループのみでした。
おのおの別々の客車に乗り込み、コロナ対策もバッチリです。
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一番最後の車輌に乗り込んで、窓からカーブを曲がっていくSLの姿を撮影しようと思っていました。
出発です。
汽笛、シュシュシュっていう音、石炭の匂い、客車のカタンコトンという軽い音。
時間にして5分程度かな。え?!もう終わり? 
楽しいだけに時間があっという間に過ぎ去ってしまいました。
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終点は東口駅になります。
西口から東口までの単線なので、両駅に転車台と機回し線があって、機回し作業を見学することができます。
ここの見所の一つはこの機回し作業なんですね。
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客車から切り離されたSLは、トコトコと転車台の上に・・・。
機関士さんが運転席からスイッチを押すと、転車台が回転はじめます。
180℃回頭したところで、転車台が止まり、SLが機回し線に入っていきます。
その後、本線に合流し、バックして客車と連結すると機回し作業の完了になります。




帰りももちろん乗り込みました。
車掌さんにお願いして、デッキに出させてもらい、走行中の連結器の様子を撮影しました。
線路がうねうねと動く中、がっちりと手を握り合っているような感じでした。


またもやあっという間に西口駅に到着です。
こちらにも転車台があるので、機回し作業があります。
今度は機回し線からバックして客車と連結する様子を撮影しました。
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いやいや、これは想像以上に楽しい体験でした。
車に戻ると今度は東口駅に向かいます。
車を駐めてしばらく待っていると、汽笛や蒸気の音ともにSLが現れました。
国鉄時代のSLのような重厚感はありませんが、これはこれで可愛いくせにいっちょまえ的な雰囲気があって、いい感じでした。
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機回し作業を今度は前方から見学です。
車掌さんがきて、ポイントの転轍機をカシャンと変えます。
この転轍機も懐かしいですね~(*^^*)
ちなみに線路脇にはきちんと標識もあり、カーブの半径長や勾配など、JRと同じようになっています。
転車台から機回し線を経たSLがやってきて、一時停車した後、今度はバックで走って客車と連結します。
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ここまで見学した後、車に乗り込み、しばしSLと併走しながら次の見学地に向かいました。
開通してからもう30年以上たっているので、車輌や路線の保守整備も大変だと思いますが、産業遺産としての価値もあるかと思います。
どうかこれからも末永く現役でいられますように。
いやぁ楽しかったです!
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Snufkin
Posted by Snufkin
ご訪問ありがとうございます。
気に入ったところは何度でも行っちゃうんです。
どうぞよろしくお願いします。

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