roricaの殴り書き板。

メモ用紙みたいな

EliteBook x360 1040 G8用に回線を契約してみた

ポヴォゴリヨウリョウキン

 

何の話か

先日購入したEliteBook x360 1040 G8に、5Gモデムが搭載されていたのでそれで遊ぼうという話です。

 

そもそも使えるのか

前オーナーがSIMスロット破壊してるとか、そういう悲しい出来事がおきていないか確認します。

やり方は簡単、Xperia 5 IIIに挿している楽天のSIMを挿したら普通に通信できました。

ということで、遊べます。

 

回線契約してみた

本機用に回線を1本契約することにしました。

とはいえ、ノートPCを常に持ち出すつもりは一切ないので、基本費用が安いものが良いです。となるとpovo 2.0が良さそうですが、トッピングがスマホアプリからしかできないのでやや不便です。悩みましたが、XperiaとかiPadからトッピング買えば良いし最悪エミュレーターという手もあるか?ということでpovoを契約することに。他に選択肢があまり無いっていうのもある。

 

対応バンド

本機に搭載されているSnapdragon X55 5G Modemの対応バンドを調べてみました。

ちなみにモジュールカードはT99W175が搭載されているようです。

対応バンドは

Band 1/2/3/5/7/8/12/20/28/38/41/66/77/78/79 (太字はpovoで使用するバンド)

のようです。B18/26をカバーしていないのがやや痛いです。

 

契約

契約はXperiaのアプリから行います。povo 2.0はeSIMでも契約でき、X55はeSIMもいけるので悩みましたが、飽きてSIMを移し替える際にeSIM再発行手数料を取られるのが嫌なので物理SIMで契約しました。

また、povoにはデータ専用プランと電話回線契約プランの2つがありますが、特に前者である必要性を感じないため普通に電話契約にしました。

当然電話番号を取得できますがWindowsでは使い物になりません。

 

SIMが届いたので使う

本人確認した翌日に届きました。なんとなくXperiaで一度開通を済ませてEliteBookに挿入。Windowsの仕様なのか、デフォルトだとeSIMになっているので物理SIMに切り替えます。

出かける予定が無いので、とりあえずデータ使い放題24時間を購入しau回線でPCの初期設定をしていくことにしました。

その前に、Windowsでpovoを使用する際にはAPN設定が必要なようなので設定します。SIMを挿しただけだとau回線として認識はされますが、通信しません。

設定は下記サイトを参考にしました。

internet.watch.impress.co.jp

  • APN:povo.jp
  • IPの種類:IPv4v6
  • APNの種類:インターネットおよびアタッチ

で繋がりました。

速度はまあまあ出ていました。

夜間に再測定したらトラフィックが減ったのか、もう少し出ていました。どちらにせよ、実用の範囲内です。

 

総評

あれば使うが無くても全く困らない、そんなかんじ。

筆者はPCをほとんど外に持ち出さないので、たまに持ち出す程度ならテザリングで十分でした。本当に遊んだだけ。

PC側のバッテリー持ちが良ければ、いざという時にモバイルホットスポット機能でAPとして使えるか?とも思いました。

EliteBook x360 1040 G8のSSDを換装してみた

SN770一強時代

 

何の話か

先日購入したコレ↓のSSDを載せ替えたという話です。

rorica.hatenablog.com

 

元のSSD

SamsungのOEM向けSSDであるPM991aの512GBが搭載されていました。

購入前の事前情報ではIntel 660pが搭載されているらしいということだったんですが、多少マシなのが来たイメージです。

が、PM991aはDRAMを削ったせいで前世代のPM981aよりも性能が悪いという非常に微妙なSSDです。

書き込み性能は1,800MB/sと、今の水準では微妙。

 

新しいSSD

先述の通り、PM991aは性能も容量もちょっとショボいので交換することにしました。

交換先のSSDですが、EliteBook x360 1040 G8は両面実装は厳しそうなもののM.2 2280はいけそう。

そしてCore i7-1165G7はスペック上PCIe 4.0がいけることになっているので、ワンチャンM.2スロットに割りあたってないかなーとか思った。

ということで、WDのSN770 1TBを購入。価格と性能と実用性を考えたときに、コイツくらいしか選択肢がない。

DRAM付きと悩みましたが、ただでさえ燃費の悪いEliteBook x360 1040 G8がこれ以上燃費が悪くなられても困るということで、多少省エネ志向で。

公称値を比較した表が下記。

モデル Intel 660p Samsung PM991a WD SN770
容量 512GB 512GB 1TB
NAND QLC TLC TLC
SEQ Read 1,500MB/s 3,100MB/s 5,150MB/s
SEQ Write 1,000MB/s 1,800MB/s 4,900MB/s
RND Read 90K IOPS 350K IOPS 740K IOPS
RND Write 220K IOPS 320K IOPS 800K IOPS

さすがはWD Blackを謳っているだけあって、HDDだと文句言われるので仕方なくつけましたみたいなSSDとは格が違います。

 

換装した

換装は、PC本体の裏蓋を星形ねじを外して開け、シールドを外し、SSDを換装するだけ。簡単。

 

一時期、こういう2/3スッカスカみたいなSSDの何も載っていない部分をぶった切ってM.2 2230にするみたいなの流行りましたね。

 

そんなことが横行したせいか(は知りませんが)、最近はメーカー側が対策(?)したのかSN770のように基板全体を使用する製品が増えた気がします。ところでこのSN770は今年の1月製だそうです。ツクモの楽天市場店で買ったんですがめっちゃ新しくないですか?

問題なく認識しましたが、CDIから確認した感じだとPCIe 3.0x4でリンクしています。(スクショは撮ったけど紛失しました。)

M.2スロットにGen4は割りあたっていなかったようです。

 

SSDのファームウェアアップデート

WD DashboardからSN770のファームウェアアップデートをしようとしたところ、なんかエラーになりました。

実は別件でIRSTが起動しないという問題が起きており、もしかしてと思いBIOSからVMDを有効にしたらいけました。

ただ、IRSTは相変わらず起動せず。

そしてこの状態だとWindowsからRAIDとして認識されます。

 

なんとなくBIOSからVMDをオフに戻したら無事起動しなくなったので、もう一度BIOSからVMDをオンにして起動できるようにしました。

 

Acronis True Imageが使える

SN770を選択する副産物として、Acronis True Image for Western Digitalのライセンスがついてきます。

このソフトはライセンスされた製品がPCに接続されているかは判定していますが、ディスククローンにライセンス対象のディスクが関与するかは判定していないため、EliteBookのシステムディスクに使っておくだけで、EliteBookに接続するあらゆるディスクをクローンできます。できるだけで、ライセンス上やっていいかは知りません。

 

ベンチマーク

筆者は基本的にノートパソコンはBitLockerをかけたい派なので、ついでにBitLockerをかけるとどのくらい性能低下するのか測定してみました。

 

ç´ 

PCIe 3.0x4の限界という感じの速度です。

 

BitLocker XTS-AES 128bit

 

BitLocker XTS-AES 256bit

とまあ、ご覧いただいた通り、実は暗号化してもそんなに速度は落ちません。(Read RND4K Q32T16から目を逸らしながら)

BitLockerの話が出るたびにしている気がしますが、最近のCPUはAES-NIという暗号化支援機能がCPUに内蔵されているので暗号化による性能低下はあまり起きません。

数値上だとランダムが弱くなる傾向にありますが、使用上体感できないですし、この程度の差であればデータの安全性をとるべきです。HDD並に速度が遅くなるとかでもないので。

XTS-AESの128と256で悩みましたが、筆者的には速度の違いがわからなかったのでXTS-AES 256bitで運用することにしました。

 

総評

正直に言うと、HDD→SSDの体感性能の向上が大きかったので、660pだろうがPM991aだろうがSN770だろうがCrucial T700だろうが、SSDなら、ましてやGen3ならそんなに変わらない気はします。

自己満足と増量換装、そしてクローンソフトゲット。それだけ。

雑に扱えるパソコンを調達してみた

Tiger Lakeっていう湖本当にあるんですね

 

経緯

筆者はSurface Pro 9とMacBook Proを所有しているのですが、ある問題を抱えていました。

どちらもやや高価である上に、耐久性よりはデザインに振っているため、物理的に雑に扱いにくいんですよね。

デタッチャブルであるSurfaceはまあ多少頑丈なのですが、MacBook Proはどちらかというと端末を壊さないように慎重に扱ってしまう節があり、正直扱いにくい。

そして、春ごろに購入予定のXPSもどちらかというと高価でありデザインに振っているPCです。

ので、雑に扱えるPCが欲しい。

そして、Windows PCが1台しかないので、ちょくちょくPC不足が発生するんですよね。

あと、1台しかないのでなんか検証とかで使いたいとなったときに1台しかない端末で検証を行う必要が出てきます。

ということで、ハード的にも、ソフト的にも雑に扱えるPCを1台生やすことにしました。

 

条件

下記以外にも細かいこだわり条件的なものはあるのですが、細かすぎるので大まかに紹介。

  • コンパーチブル型2-in-1
  • 14インチ以下
  • FHD以上の液晶ディスプレイ
  • Windows 11 Pro正式対応
  • メモリ16GB以上
  • Thunderbolt対応
  • 10万円以内

 

買った

中古でEliteBook x360 1040 G8を購入。

2年ほど前にEliteBook x360 1030 G3を使用していたのですが、バッテリーを使用していてもAC扱いになるというよくわからない不具合により解雇してしまいました。EliteBook x360 1030 G3は一応MIL規格準拠、2-in-1コンパーチブル、120Hz駆動ディスプレイと、雑に持ち出しで使うにはなかなか優秀なPCでした。ので、EliteBook x360シリーズの後継であるこの機種にいろいろ期待して購入したわけです。

 

付属品は65W ACアダプタのみでした。HP製ではありましたが、型番的に本機用ではないようでした。

 

構成

主要なところは下記の通り。

  • Intel Core i7-1165G7
  • Intel Iris Xe Graphics
  • LPDDR4x-4267 16GB
  • 512GB M.2 PCIe 3.0 NVMe SSD
  • Intel AX201
  • Qualcomm Snapdragon X55
  • 14インチ 4K HDR 550nit IPSディスプレイ 1677万色
  • Windows 11 Home MAR

 

CPUは正直ショボい

Core i7-1165G7はTiger Lake世代のCPUです。Tiger Lake自体が2020年末に展開された製品なのでそもそも4年前の製品という年式上の問題もあるのですが、折角なのでこの世代のCPUの不遇さを紹介します。多分今後Tiger Lake世代のPCを買うこともないので。

まずCore i7-1165G7は、旧世代のモバイル向けCore i7であるCore i7-10710Uに性能で負けています。Core i7-10710は6C12Tなので単純に物量が足りないという話です。とはいえ、Tiger LakeはComet LakeではなくIce LakeであるCore i7-1065G7の後継なので、この点についてはまあギリセーフと言えるでしょう。

そして、Core i7-1165G7は、1つ後の世代のCore i3であるCore i3-1215Uに性能で負けています。Alder Lakeの異種コア構成が優秀すぎたらしい。

上記の通り、Core i7-1165G7は前後世代と比較すると正直微妙な立ち位置です。特に、4C8TなのでAlder Lake以降の製品と比較するとかなり見劣りします。

PBP、MTPとかの仕様はHWiNFO読みでこんな感じ。

 

iGPUは優秀

微妙と言わざるを得ないCPUと引き換えに、iGPUは(この世代としては)優秀です。

まず、前世代のComet LakeのIntel UHD Graphicsや、Ice LakeのIris Plusと比べると格段に性能が上がっています。

そして、後世代のAlder LakeではこのIris Xeは特にテコ入れされていなため、見劣りしません。

つまり、優秀です。

また、機能的にも前世代と比較してHDMI出力が4K 30Hzから60Hzに引き上げられていたり、DisplayPortが4Kから8Kに引き上げられていたり、AV1ハードウェアデコードに対応していたりと、2025年でも通用する水準に引き上げられています。CPUのポンコツさをカバーできる優秀さです。

さらに、Iris XeはCPUのグレードによって実行ユニット数が変化するのですが、Core i7-1165G7は最大である96EU搭載です。

 

メモリは普通

強いて言えば増設できないのが気に入りませんが、2-in-1なので許す。

LPDDR4x-4267なので、もしかしたらDDR4-3200比でIris Xeの性能を底上げできるかもしれない。

 

チップはSK hinyx製のようです。

正直32GBにしたかったところではありますが、ここをクリアしようとするとその他の条件がマッチしなくなったので諦めた。32GBはXPSに任せましょう。

 

SSDはショボいと思っていたら、ちょっとショボかった

何言っているかわからないと思いますが、見出しの通りなのです。

筆者的には容量が512GBの時点で換装してやろうと思っていたのですが、念のため購入前に海外の分解レポートとかで換装難易度を調べていました。その際にコイツはIntel 660pを搭載しているらしいという情報を得た。

Intel 660pはQLC SSDです。まあQLCで問題になることはほとんどないと思いますが、SEQ Readが1,500MB/sでSEQ Writeが1,000MB/s、RND Readは90K IOPSでRND Writeが220K IOPSという、鼻で笑うどころか思わず真顔になるレベルのショボ性能です。

で、実際に届いたEliteBookはというと、Samsung PM991aを搭載していました。事前情報と違う。こちらはDRAMレスTLC NANDでSEQ Readが3,100MB/sでSEQ Writeが1,800MB/s、RND Readは350K IOPSでRND Writeが320K IOPSという、書き込みが微妙ながら660pよりはマシな性能です。一応、EliteBook x360 1040 G8のドライバー配布ページにSamsung製のSSDファームウェアのアップデートツールが置いてありました。一応公式で搭載されている可能性があるSSDであり、前オーナーが換装したとかよりは、出荷時のSSDである可能性が高いです。そもそもわざわざ換装してPM991aというチョイスだとしたらセンスを疑います。

 

Wi-Fi6と5Gに対応

Intel AX201はWi-Fi 6対応の無線モジュールです。筆者宅はWi-Fi 6環境なのでありがたいです。

そんなド定番パーツよりもSnapdragon X55です。EliteBook x360 1040 G8は5Gモデムを搭載しています。nano SIMスロットを備えているほか、eSIMにも対応しています。

これは遊べる、ということで実際遊んだので後日別記事を出す予定。

 

液晶は筆者を救う

雑に扱うPCを調達するうえで、液晶ディスプレイは外せません。有なんたらLディスプレイと異なり、画面を放置しても焼き付きを一切気にしなくていいというのは精神衛生上素晴らしいことです。

また、4K HDRディスプレイを搭載しています。輝度は550nitで1677万色というなんちゃって状態な感じですが、オマケとしては悪くないでしょう。ただこれバッテリー持ちにかなり影響しそうですね。

蛇足ですが、Tiger Lake世代のSpectre x360は有機ELディスプレイに手を出しつつある世代です。FHDの液晶か、3K2KのOLEDか、という迷惑な2択を迫られます。

 

Windows 11 Home MARが入っている

Windows 11 Proじゃないけどって感じですが、これはどうにかできそうだったので、どうにかしました。後述。

MARとは何かというと、Microsoft Authorized Refurbisherの略です。要はMicrosoftお墨付きで中古PCに対してライセンスを再付与するというものです。購入側は不正なライセンスやライセンス切れ品を掴まされるリスクを排除できるほか、販売側はマトモにWindowsのライセンスを買うよりも安いかつ安全に確保できる、そしてMicrosoftとしてはライセンスをもう一度買ってもらえるというメリットがあります。まさにWin-Win-Winの仕組みと言えるでしょう。

 

インターフェースとか

法人向けのビジネス向けモデルのため、この辺はまあ優秀です。

左側面

 

右側面

  • USB Standard-A端子 (USB 5Gbps)
  • HDMI 2.0端子
  • USB Type-C端子 (Thunderbolt 4) ×2

 

その他

 

合法的にWindows 11 Proを使いたい

先述の通り、この中古PCに搭載されているOSはWindows 11 Homeです。

ただ、EliteBookの本来の、HPから出荷された時点の搭載OSはWindows 10 Pro (Windows 11 Proからダウングレード) です。つまり、本来はWindows 11 Proのライセンスが割り当てられているはずなのです。

そして、OEMライセンスは本体と結びついているため基本的に剥がせません。よっぽど前オーナーがMicrosoftに目を付けられるようなことをしたか、MARのシステム的に前ライセンスをわざわざ塞ぐ必要があるとかがない限りは、ProのライセンスはM/B側にDPKとして残っていると考えられます。

とりあえずこちらに届いた段階ではWindows 11 Homeのライセンスが搭載されており、インターネットに繋いでライセンス認証してねという指示がショップからあったのでHomeのライセンスは通しておきました。

 

リカバリメディアを入手する

EliteBookの優秀な要素として、インターネット経由でHPからリカバリメディアを作成することができるんですよ。

jp.ext.hp.com

今回のように中古入手のためHPから出荷されたときのイメージがSSDに無い場合とかにかなり助かります。一応本体の型番とシリアルが必要ですが、現物が手に入っていれば全く問題ない要素です。

Cloud Recoveryを立ち上げると、EliteBookで立ち上げた場合は自動で型番とシリアルが認識されます。

OSは当然のようにWindows 11 Proのイメージを取得します。

Office Pro Plusは基本的に法人向けなので、個人利用だとライセンスが通りません。つまり、要りません。

ちなみに、ここで選べるOSはかなり多いです。

リカバリオプションはOSとドライバ、地域はAmericas and APJ、ダウンロードサーバーはAsiaを選択。Asia以外のサーバーがどうかはしりませんが、ダウンロードは遅いです。

USBメモリを挿せという指示があったので、試しにSSDをぶっ挿したら認識しなかった。

一緒にソフトウェアやドライバーパッケージがUSBメモリに保存されます。

ダウンロードとUSBへの書き込みに結構時間がかかるので夜間とかにやった方が良いです。

 

あとはUSBからブートしてWindowsをインストールした後に、USBメモリ内のEXEを実行してねという流れなのですが、筆者が試した限りでは、ドライバーはOSイメージ適用時点ですべて入っていました。が、一応実行しておきました。

地味ながら、HEVCコーデックのインストールもできるので実行しておいた方が良いでしょう。

Windows 11 22H2が入っていました。Windows 11の22H2はサポートが切れているので23H2まで上げておきました。24H2でも良いのですが、DWM LUT GUIが動かない等筆者環境で地味に問題が起きているのでSurfaceは24H2、EliteBookは23H2とバージョンをずらすことにしました。

 

余談ですが、一度Windows 11 Pro 24H2をクリーンインストールしたところ、インストールウィザードでタッチパッドドライバーが当たらないようでキーボードで初期設定する羽目になったので気をつけてください。USBマウスはいけました。

 

ライセンスは通るのか

最近のWindowsのライセンス認証は非常に楽で、インターネットに接続するだけ。

はい。Proのライセンスいただきました。

一応筆者が調べた限りでは、MARのシステムを利用した端末で旧ライセンスを使用することについては良いともダメとも書いていなかったので、特に問題がないと受け取っています。

 

ProなのでBitLockerが使える

Windows 11 Homeに対するProの利点として、BitLockerが使えます。最近のWindowsはHomeでも諸々条件を満たしていればデバイスの暗号化という弱体化BitLockerみたいな機能を使えますが、本家BitLockerではBitLocker to Goが使えたり、暗号化強度を設定できたりと色々勝手が良いです。

というわけでシステムディスクはBitLockerで暗号化。ちなみに、EliteBook x360 1040 G8はデバイスの暗号化機能も使えます。暗号化強度は少々悩みましたが、XTS-AES 128bitで十分な強度を備えているのでこれで。

 

また、BitLocker to Goが使えるので、1台持ち出し用のSSDを暗号化しておきました。実は、BitLocker to Goは暗号化をすること自体はProが必要ですが、復号化はHomeでもできます。つまり、暗号化したSSDはHomeでも使えます。

 

ProなのでRDPが使える

略Homeに対するProの利点として、RDPが使えます。Homeでもサードパーティーのソフトウェアを入れれば使えますが、ここで言うRDPはWindows純正のRDP機能です。

これが個人利用でも結構楽でして、ベッドでiPadからWindowsが使えるとか、シャットダウンし忘れたときにわざわざ立ち上がらなくて良いとか、結構メリットが大きいです。

もちろん今回のEliteBookでも設定したのですが、SurfaceとEliteBookで同じIPを割り当てるという謎のやらかしにより1時間ほどドブになりました。IPアドレスはちゃんと設定しましょう。

上記トラブルの切り分け時に実施してしまったのでわからないのですが、MSアカウントへPWを打たずにログイン(Authenticatorでスマホでログイン承認するとか)しているとRDPできない不具合って未だに残ってるんですかね?

 

良いところ

このPCの良いところを紹介。

 

Thunderbolt 4ポートを2ポート搭載

Tiger Lakeの特徴として、Thunderbolt 4のサポートがあります。

筆者宅は4K 120Hzディスプレイや、Thunderbolt 4ハブ、USB 40GbpsなSSDなどがあるため、これらの設備をSurface Pro 9やMacBook Proと区別なく使用できるという点はありがたいです。

Tiger Lakeは、CPUがショボいAlder Lakeと言っても差し支えない実用性です。

ただ、Alder Lakeと異なる点として、PCIeトンネリングはPCIe 3.0x4です。(Alder LakeはPCIe 4.0x4)

ASM2464PD+FireCuda 530なケースを接続してみた。CDI上ではPCIe 4.0x4と表示されますが、これはおそらくSSDケース内での話です。CDMを回してみるとPCIe 3.0x4の速度しか出ません。

また、これはAlder Lakeでもサポートしていないのですが、USB 3.2 Gen 2×2はサポートしていません。

Thunderbolt 4ポートとは別でUSB Standard-A端子を2つ備えているのもありがたいです。Thunderbolt 4ハブを使用してもUSB Type-C端子がちょくちょく埋まることがあるので、低速な機器はUSB Std-Aに投げても良いかもしれません。

ちなみに、Thunderbolt機器の管理はThunderboltコントロールセンターから行います。

 

SurfaceだとWindowsの設定アプリからいけて、逆にThunderboltコントロールセンターは入っていません。

Intel evo認定

CPUとかのエンブレムシールって毎回剥がすか剥がさないか迷う微妙なラインのデザインなんですよね。

Intelお墨付きのevo認定製品です。いろいろテスト項目があるのですが、実は筆者が買っているPCは3台ほど連続でevo認定製品なので、もはや当然になりつつあり、正直感動はないです。

 

指紋+顔認証両対応

出先でも宅内でも使いやすいです。

指紋認証がキーボードと一体になってしまったのがやや残念。キーバックライト使用時に指紋リーダーだけ光らないという見栄え的なデメリットもあります。ちなみに、この指紋リーダーはほかのキー同様一応押せます。打鍵感は他のキーと明らかに異なるほか、押しても何も起きないので何故押せるのかよくわかりません。

ところでSpectre x360 14-euの時も指紋認証と顔認証両対応だったのですが、明らかに顔をディスプレイに向けていないのに顔認証が突破できたり、顔認証と指紋認証どちらも使えなくなるというしょうもないというか、セキュリティ上欠陥と言わざるを得ない不具合がありました。今回のEliteBook x360はそのような不具合もなく、快適に使えています。

ちなみに、カメラのプライバシーシャッターは電動です。

 

B&Oクアッドスピーカー

最近のHP製品はPoly Studioに切り替わってしまいましたが、本機は古いのでBang & Olufsenです。高級感があります。それだけです。

実際の音質ですが、悪くはないもののイコライザーがおかしいのか音が波打つときがあります。

また、4つ中2つのスピーカーがパームレストの裏側にあるため、キーボードを使っているとややスピーカーの音が籠ります。

ぶっちゃけSurfaceのデュアルスピーカーで十分というか、あちらのほうが自然な音です。

 

打ちやすく使いやすいキーボード

HPといえば打ちやすいキーボードです。EliteBookのキーボードはキーストロークやキーピッチが程よく、打鍵感も良く、長時間タイピングしていても疲れません。

キーバックライト搭載で場所を選ばず使えます。

強いて言えばJIS配列の表記の汚さとEnterキーがデカさがやや見た目を損なっていますが、実用性を考慮すれば許容できる程度です。

 

メディアコントロールキーがない

EliteBookは事務向けとして展開しているため、メディアコントロールキーがありません。が、これに対する解決策は既に用意していました。

EliteBookのF12キー裏は、ユーザーが割り当て可能なキーになっています。Microsoft StoreからHP Programable Keyアプリを導入することで、キーの割り当てが可能です。

これに、Media ControlsというフリーソフトのPlayPause.exeを割り当てます。

これにより、若干のラグがあるものの、Fn+F12を押下することでメディアの再生・一時停止が可能です。

 

US配列が欲しかった

筆者宅ではキーボードのUS配列統一を推し進めており、MacBook Pro以外はUS配列化していたのですが、ここにきて余計な買い物をしてしまったためにJIS配列機がまた増えてしまいました。せめて使いやすくしようということで、Microsoft IMEの設定で、無変換キーにIMEオフ、変換キーにIMEオンを割り当てました。

これにより、少なくともMacBook Proと同じような操作感で入力することができます。早い話が、MacBook ProやSurface Laptopのキーボードの配列のパクリのような設定にできます。

 

コンパーチブル型2-in-1

筆者はデタッチャブル型2-in-1 PCとしてSurface Pro 9を所有しているのですが、実はデタッチャブルPCは外で扱いにくいというデメリットを抱えています。普通に考えればわかることですが、本体がディスプレイ側なので、安定しない場所では使いにくいんですよね。例えば、電車内やテーブルの狭い場所ではコンパーチブルの方が使いやすいです。

逆に、お絵かきタブレットとして使う場合はSurfaceとかのデタッチャブル型の方が安定します。

あと筆者はノートパソコンを使うときに、パームレストに肘を置いて頬杖をつくというクセがあります。このクセを発動するとSurfaceの場合はSignatureキーボードが湾曲するので、この点アルミ筐体のEliteBookは安心です。

 

4K HDRディスプレイ

14インチながら3840×2160の4Kディスプレイ、かつHDR対応です。

HDRオフのときは色深度は8bitですが、HDR時は10bitまで上がります。ただ、仕様上は1677万色と案内されているのでパネル側で10bit出してるかは不明。

また、4K HDRディスプレイは負の面もあるのでこれは後で触れます。

パネルはAUO製のようです。BenQ系なので、一定の信頼はあるでしょう。

 

ディスプレイを開きやすい

これはかつてのEliteBook x360シリーズ、筆者が使ったことがあるEliteBook x360 1030 G3比なのですが、ディスプレイが開きやすくなりました。というか1030 G3が本体とディスプレイがぴったりくっつきすぎだったので、改善してくれてよかったです。

あと、BIOSの設定からディスプレイを開くと自動で電源投入できる機能を有効にできます。

 

デザインが良い

事務向けで汎用性が高く道具としての性能が高いながら、デザインも犠牲にしていません。

また、MIL STD-810Hテストをクリアしており、一応耐久性も確保されています。その割にはシリーズ通してよくヒンジ周りが壊れますが、まあ一応頑丈らしいです。

 

良くないところ

電源ボタンがキーボードに移った

筆者的にはこのEliteBook x360をまな板スタンドに立てた状態で、RDPや外付けディスプレイで運用しようと考えていました。割とマジでそう考えていたのですが、「誤押下を防止するため」という理由で過去のEliteBook x360シリーズの側面電源ボタンが廃止され、キーボード側に移ってしまいました。

 

Tileがサ終してる

まずTileが何か?という話ですが、AirTag的な失せ物トラッカーです。

EliteBook x360 1040 G8は5Gモデムに組み込む形でTileが埋め込まれておりPC本体を探すことができます。できるのですが、その設定にMicrosoft Storeのアプリが必要です。

apps.microsoft.com

1週間に1回はApple Watchを自宅に忘れる筆者としてはかなり楽しみにしていた機能なのですが、しかし何故かインストールできません。

調べたところ、なんかMicrosoft Store版アプリがサ終してるっぽいです。こういう少し他と違った尖った機能って、メーカーの気分ですぐサ終するのでほんと良くない。

ちなみに、かなりゴリ押しな方法としてstore rg adguardという手段があります。要するにオフラインインストーラーを取得できる訳ですが、おすすめできません。

 

燃費が悪い

4K HDRディスプレイに加え5Gモジュールを搭載しているためか、明らかに燃費が悪いです。Battery Reportを確認した限りでは設計容量の8割ほど残っていますが、それを加味してもバッテリー持ちは渋く、動画を流していると5時間程度しか持ちません。

電源が無いところでは厳しいです。

ちなみにIntel evo認定のバッテリー持続時間の要件はFHDディスプレイという前提があるため、本機の場合要件は多分また別です。

 

ディスプレイが60Hz

筆者は手持ち機器の120Hzディスプレイ化を推し進めており既に完成していたのですが、EliteBook x360 1040 G8のディスプレイは60Hzです。

1030 G3のときは何故か120Hzディスプレイだったのでワンチャンないかなーと期待していたのですが、ワンチャンありませんでした。

 

HDR機能が正直微妙

550nitな時点で輝度が微妙というのもありますが、それよりも動作面です。

まず、FALDではないのでHDRオン時とHDRオフ時で大して差がなく、表示にそこまでメリハリがありません。

また、逆にHDRコンテンツ側が白飛びすることがあります。HDR機能を何度かオンオフしていると改善することがありますが、正直HDR機能に関してはほぼ使い物にならないレベルです。

 

総評

Surfaceよりも雑に使えて外で使いやすく、宅内でも使いやすい、ただし代償はバッテリー持ち、そんな端末です。

Spectre x360 14-eu以来のHP製品、1030 G3以来のEliteBook x360ですが、やはり使い勝手が良いです。MacやSurfaceはややブランドに寄ってしまっており、価格や耐久性が微妙でデザインだけ良いみたいな状況になってしまっている訳ですが、EliteBookは法人向けということもあり新品は高いものの中古は安く手に入りやすく、デザインも悪くなく、使い勝手も耐久性も良いという、まさに雑に扱えるPCです。

頑丈と言えばLet's noteということで、今回の雑に扱うPCの選定としてLet's noteのCF-Q*シリーズも候補に挙がっていたのですが、普通に高かったのでやめました。あとLet's noteは一部で異様に人気ですが、個人的にはあまり使いやすいと感じないんですよね。

とにかく、HPには液晶ディスプレイなx360を展開していただきたいです。でなければ、もっと有機ELディスプレイの品質を上げてほしい。あの程度の品質では使い物になりません。是非、使いやすくてデザインも良いx360シリーズに戻っていただきたいです。

安い自称USB4 SSDを買ってみたらハズれだった

季語に蝉が入った俳句ってどのくらいあるんですかね

 

経緯

ネット見てたら自称USB4ケースを見つけてしまったのが運の尽きです。

楽天でHIKVISION HS-ESSD-EliteX-512という、自称USB4な外付けSSDを約9,000円で見つけたので買ってみた話です。

USB4ケース単品で1万円前後することを考えると、まあ安いです。

調べてみると、今年の1月に秋葉原の実店舗で安売りされていたようです。その人たちからの評判は良いようですが、果たして。

 

届いた

 

意外としっかりした箱です。

他方、「USB4.0」という表記を見た瞬間に、ああこれは黒だなと確信しました。

 

箱の中にはSSD本体と、USB Type-Cケーブル(不燃ごみ候補)、USB Type-C to USB Std-A変換アダプタ(不燃ごみ)が入っていました。

  

よくわかりませんが、Elite Xというシリーズのようです。

どこぞの法人向けPCとは関係ありません。

本体はかなりシンプルかつ高速な外付けSSDとしては小型な部類です。


いろいろ繋いでみる

ここから検証パートですが、特筆なければケーブルはThunderbolt 4ケーブルを使用しています。

 

Surface Pro 9に繋いでみる

Surface Pro 9はThunderbolt 4ポートを2ポート備えていますが、どちらも機能は同じです。

まず、CDIを読んでみました。

Writeが公称1,800MB/sなところから嫌な予感はしていましたが、中身はHIKSEMI製の、所謂蝉族SSDです。

PCIe 3.0x4でリンクしているようです。

 

次に、CDMでテストをしてみました。

Writeは見なかったことにするとして、Readはまあまあな速度が出ています。

この時点ではまだASM2464PDの可能性が0とは言い切れないので一応白々しく「USB4?」なんて書いています。

 

最後に、Windowsの設定からUSB4ルーターのステータスを見てみます。

ベンダーID 8086はIntelです。あー。

 

MacBook Proに繋いでみる

MacBook ProはThunderbolt 4ポートを3ポート備えており、機能はすべて同じです。

AmorphousDiskMarkでテストしてみます。

こちらもReadは悪くないです。

 

Blackmagic Disk Speed Testはこんな感じ。

正直にいうと使い方がわからないのでこのブログではあまり使っていません。

 

さて、皆さんお気付きかと思いますが、ここで答え合わせです。

モード:Thunderbolt 3

つまり、このSSDはUSB4製品ではありません。

 

分解してみる

裏に六角タイプのねじがあるので開けるのですが、筆者が使っているドライバではサイズが合わず、星形ドライバで開けました。

開腹自体は簡単ですが、どうもUSB Type-C端子側はシールになっているようです。剝がすのが面倒なので片側だけ浮かせて基板を取り出しました。

 

JHL7440とJMS583を組み合わせた、Thunderbolt 3またはUSB 10Gbpsケース、というのが答えです。

SSDは俳句蝉HIKSEMI製とのことですが、コントローラーはMaxio MAP1202A、NANDはHKN6T1TBAB132C1です。実際の性能はともかく、大手メーカー製でない時点で筆者は日常用途には使用しないですね。

 

Gen4 SSDを載せたらどうなるか

みなさん、こうは思いませんか。

Eliteとか名乗ってるくせに書き込みがしょぼいと。

やる気が全く感じられないため、見出し通り、Gen 4 SSDであるEXCERIA PROに載せ替えてみます。

そしてSurface Pro 9に接続。

このケースはPCIe 3.0x4までのサポートのようです。というか、Thunderbolt 3自体がPCIe 3.0x4までだったような。

速度的にはPCIe 3.0x4で頭打ちになっているような感じですが、書き込みポリシーを有効にしているにもかかわらずWriteが遅いです。

 

USB 10Gbpsケーブルを使うとどうなるか

見出し通り、USB 10Gbpsケーブルを使用します。

JMS583側が動いてUASPになるかと思いきや、PCIe 3.0x4でリンクしています。

どういう状況なのか、USB4ルーターの状態を確認してみます。

どうやらThunderbolt 3 20Gbpsでリンクしているようです。そういえばThunderbolt 3も20Gbpsありましたね。

CDIでベンチ回してみます。

微妙にWriteが遅くなる現象なんでしょうね。

 

MacBook ProにもUSB 10Gbpsケーブルで繋いでみました。

こちらもThunderbolt 3 20Gbpsでリンクしていることが確認できます。Macのシステム情報はわかりやすくてありがたいです。

MacだとWriteもいい感じの速度が出ています。AmorphousDiskMarkがどこまで信頼できるかはさておき。

 

USB Std-A端子に繋いでみる

リンクスピードはおそらくUSB 5Gbps。

ここで、ようやくJMS583が登場。

速度遅すぎ。後から考えてみたら、書き込みポリシーの設定切れてるかもしれない。

 

使い道を考える

このSSDはUSB4のThunderbolt 3互換機能に全投げすることでUSB4っぽく振舞うだけの、Thunderbolt 3 SSDです。一応JMS583を積んでいるのでThunderbolt 3互換を備えないUSB4機器等では最悪でもUSB 10Gbpsで動かすことができます。

で、筆者のPCは毎度のことながら異様なほどにIntel機に執着しているため、実のところThunderbolt 3で動いてもらっても問題が無い訳です。

ということで、検証で突っ込んだEXCERIA PROをそのまま取り付け使用することにしました。また、高速ながら比較的小型なため、BitLockerをかけて持ち出し用SSDとして使用したいと思います。Surface Pro 9はUSB 3系のデバイスだと電力を出し渋る悪癖があります。これのせいでEXCERIA PROとUSB 3系のSSDケースでは使用することができずEXCERIA PROが余るという悲惨な状況ができていましたが、Thunderbolt 3では十分な電力を供給するようなので、今回の偽USB4ケースによってEXCERIA PROの救済ができました。

 

総評

USB4と書かれていたのでASM2464PDが入っている可能性に賭けて買ってみましたが案の定ダメですね。安物買いのなんたらです。

中のSSDと付属品はタダでも要りません。が、筆者宅にあるPCはすべてThunderbolt 4対応つまりThunderbolt 3の下位互換機能を備えているので一応使い物にはなります。ASM2464PDではなくJHL7440搭載品だと問題になるケースは、例えばRyzen搭載PCです。RyzenなPCはUSB4は備えていてもThunderbolt 3互換モードを備えている製品はおそらくかなり少なく、Thunderbolt 3でリンクできない以上USB 10Gbpsが上限値になってしまいます。ASM2464PDであればUSB 40Gbpsでリンクできることを考えると、汎用性にやや難があるといえます。また、ASM2464PDは一応Thunderbolt 3と互換性があることになっており、やはり汎用性が高く、PCIe 4.0x4にも対応しています。今から買うのであれば、ASM2464PD一択です。自称USB4.0なんて、微妙な製品を買う理由はありません。

今回の製品に限らず、JHL7440を採用するなら最初からThunderbolt 3 SSDとして売っておけば多少印象は良いと思うのですがダメなんですかね?USBコントローラーも付けたので遅くはなるけどRyzenでも使えますとか。そんなにUSB4.0(笑)に拘りたいならASM2464PD載せてこいって話です。

SSDケースを買ってみたら地味にトラブった話

またSSDについての記事です

 

 

外付けSSDケースを増やしたかった

筆者宅にはM.2 SSD用のケースが何台かあるのですが、コントローラーにRTL9210Bを搭載した製品が多い状態でした。筆者的はRTL9210Bをあまり信用しておらず、実際相性不良を起こすのは大抵コイツです。というわけで筆者が最も信用している、ASMedia製のコントローラーを搭載したSSDケースを買い足したいと考えたわけです。

現在筆者が所有しているM.2 SSDケースは、USB 40GbpsなASM2464PD、USB 20Gbps (USB 3.2 Gen 2×2)なASM2364、USB 10GbpsなJMS583とRTL9210B、Thunderbolt 3なJHL6340。ASMedia製のUSB 10Gbpsなチップである、ASM2362を所有していないのです。これを買い足します。

 

意外と売ってない

販売側としてはNVMeとSATA両対応を謳えるのが魅力的なのか、単にパーツが安いのかは知りませんが、RTL9210B搭載品ばかりでASM2362搭載製品はあまり売っていません。特に、2000円前後の安価な域になるとほぼ0です。

UGRE〇NというところからASM2362チップ搭載を謳ったものが2000円程で売られているのを見かけましたが、レビューを見たところRTL9210Bが載っていたという書き込みがあったためやめた。詐欺では?

マケプレでJNHというところから売られているMC-ME01GRCというヤツがASM2362対応を明記しており、レビューも特に問題なさそうなので買ってみることにしました。

これ以外のASM2362搭載製品は高いものが多かった。ので、vigooleというブランドから出ていてUSB 20Gbps対応のHE-C400というケースも購入。こちらはレビュー欄でASM2364搭載報告があり、そもそもUSB 20Gbps以上のSSDケースは大体ASMedia製コントローラー搭載なので、まあ裏切られることはないでしょう。

 

JNH MC-ME01GRC

2000円くらい。

 

開けてみる

Amazonの販売画面で「日本の中小企業」表示があったので調べたところ、社長は日本人ではないようですが本社自体は日本にある、らしい。

パッケージの時点で、明らかにほかの有象無象よりはしっかりとした作りになっています。説明文が不自然じゃなかったり、JANコードがあったり、リサイクルマークがあったりと、日本向け展開が大前提の製品のようです。

付属品は、SSDの取り付け器具以外興味がないので、写真撮り次第どっか行きました。取り付け器具は予備のようで、本体側に既に1つついていました。

 

 

分解

一応、コントローラーを目視しておきます。プラスチックのカバーに覆われています。

 

カバーはツメで引っ掛けてあるのですが、これが意外と硬く、外すのに苦労した。結構ツメがベコベコになりました。

 

しっかりとASMedia ASM2362が搭載されており、サーマルパッドもついている贅沢仕様です。

 

取り付け

この間中古で購入したEXCERIA PROを取り付けます。実店舗で在庫出してもらって見たものの、何も買わずに帰るのは店員に申し訳ないという、何とも財布に申し訳ない思考によりうっかり買ってしまったんですよね。こういうことやるからSSDが余るんです。

ちなみにマジで使い道がないので、単純にSSD用のケースとしての役割です。そう、本当に保管するケース。

ツールレスで取り付けが可能なのですが、個人的にはこの構造はあまり好みではありません。スライド式にされると、サーマルパッドやヒートシンクの取り付けができず、熱対策があまりできないんですよね。今回のケースはスライド式に加え、筐体がかなり狭いのでサーマルパッドの取り付けが限界でした。サーマルパッドだけで放熱できるのかはかなり微妙なので、何もつけずに取り付けました。

見た目がゴツいものの、今まで使ってたあのケースの比較にならない程度にマシ。

 

vigoole HE-C400

3000円くらい。ASM2364搭載製品も安い時代です。

 

開けてみる

箱の背面撮り忘れた。

サーマルパッド以外の付属品は興味無いので撮影次第紛失。この手のケースの割にはしっかりしてそうなケーブルではありました。

そうそう、こういう上から蓋するかつ横幅に余裕がある構造のほうが、冷却を考えたときにいろいろと手が打てます。

 

分解

ねじ4つ外すだけ、簡単。と思っていたら、なかなか基板が外れず苦労した。ぐりぐりやってたらなんか外れた。

 

こちらもヒートシンク付き、しっかりとASM2364です。素晴らしい。

 

取り付け

こちらはiPhoneやiPadでも使えて、かつ環境次第ではUSB 20Gbpsで駆動できるSSDを目指すので、EXCERIA PLUS G3を使用。

JMS583のケースに入れていましたが、引き抜いて移植しました。

 

動作確認

HE-C400+EXCERIA PLUS G3

Surface Pro 9でも問題なく使えるほか、iPhone 15 Proでも問題なく動きます。

筆者宅にはUSB 3.2 Gen 2×2を動かすことができる機器がかつてはあったのですが、諸事情により処分してしまったので、基本的にはUSB 10Gbpsな外付けSSDとして動くことになりそうです。特に触れていませんでしたが、ASM2364はUSB 10Gbpsと下位互換製があります。

 

MC-ME01GRC+EXCERIA PRO

ん?

 

ここで問題が起きた

MC-ME01GRCとEXCERIA PROの組み合わせでSurface Pro 9に繋いだところ、無事動きません。ケースの初期不良か分解時に破壊したかのどちらかを疑いつつ、とりあえずEXCERIA PLUS G3に載せ替えてみたところ普通に動いた。ので、ケース側の問題ではなさそうです。

じゃあEXCERIA PROとASM2362の相性が悪いのかと思いASM2364ケースに移しましたがこれも動かず。

EXCERIA PROを剥き出しでその辺に放置していたのがダメだったつまり故障したかと思いつつ、ダメ元でASM2464PDなケースに繋いだらこれは動きました。

じゃあEXCERIA PROはASM2464PDで使ってFireCuda 530はASM2462で使うか、と思いASM2362、ASM2364に入れたところこれが動かないんですわ。

と、文章で書くとごちゃごちゃしてくるので色々試した結果が以下

EXCERIA PRO + ASM2464PD → ⚪︎

EXCERIA PRO + ASM2364 → ×

EXCERIA PRO + ASM2362 → ×

EXCERIA PRO + JMS583 → ×

EXCERIA PRO + RTL9210B → ×

FireCuda 530 + ASM2464PD → ⚪︎

FireCuda 530 + ASM2364 → ×

FireCuda 530 + ASM2362 → ×

EXCERIA PLUS G3 + ASM2364 → ⚪︎

EXCERIA PLUS G3 + ASM2362 → ⚪︎

EXCERIA PLUS G3 + JMS583 → ⚪︎

以上の結果より、筆者は「EXCERIA PROとFireCuda 530に搭載されているPhison PS5018-E18が良くない」と結論付けました。

EXCERIA PROとFireCuda 530であれば、FireCuda 530の方が書き込み性能が高いためこちらはASM2464PDで引き続き採用、EXCERIA PROを使用する計画は頓挫しました。

 

Intel D3-S4510を買った

突然ですが、Intelのデータセンター向けSSDであるD3-S4510を買いました。

これについては別記事立てるか悩んでいるので詳細は書きませんが、とにかく買いました。3.84TBで書き込み上限が公称9.9PBWというバケモノみたいな耐久性なのですが、外付け化したところ、どうも消費電力が高いらしくiPhone 15 Proでバスパワー駆動できませんでした。今までどんなに消費電力が高そうでもSATA SSDであればiPhoneのバスパワー駆動範囲内に収まっていたのでちょっと計算外というか、がーんって感じですね。

書き込みテストのためにSurface Pro 9に接続したところ、なんと認識しません。もともとSurfaceに繋いでCDIとか読んでたのに、認識しなくなったのです。

壊れたのかと思いMacBook Proに繋いだところ、認識します。iPad Proでも認識します。

 

SSDの声を聞いてみよう

Surfaceに繋いだ状態で、D3-S4510に耳を近付けたところ「ピーギュルギュル」みたいな音が繰り返し鳴っています。実は、iPhoneに繋いだときも同じような音が出ていたのです。まさか。

 

TBTハブ経由で改めて接続してみる

筆者はSSDのテスト時は極力本体に直に繋いで検証するのですが、ここにきてSurface Pro 9のUSB-Cポートは供給電力がショボいんじゃないかという疑いが出てきました。

そんな訳でThunderbolt 4なハブ経由でD3-S4510を繋いだところ、認識します。

 

改めてEXCERIA PROを接続してみる

もちろん、ハブ経由で。EXCERIA PROをASM2362なケースに入れて繋いでみると、認識しました。

 

考察

Surface Pro 9のUSB-CポートはUSB 10GbpsとThunderbolt 4に対応しています。

が、ASM2464PDはバスパワーで動かすことができるあたり、USB4でリンクした場合は5V 1.5Aの7.5Wを供給しますが、USB 3.x系以下でリンクした場合は5V 900mAの4.5Wしか供給していない可能性があります。今まではたまたまThunderbolt 4ハブで繋いだり、省エネなSSDしかSurfaceで使用していなかったから気付かなかったというオチです。

Surface Pro 9で消費電力デカめの外付けSSDの使用を検討している方は注意してください。

 

番外編:ASM2464PDをUSB 3.x系でリンクさせたら?

USB 3.x系で供給電力が落ちるのであれば、ASM2464PD機をUSB 3.2 Gen2とかでリンクさせればSurfaceでは使えないのでは?とか考えました。

のでやってみたのですが、この状況を作り出すのが案外難しかった。

まず、単純にUSB 10Gbpsケーブルを使用してみたのですが、この場合はSSDケースがUSB 20Gbps (USB4)として繋がってしまいます。USB 20Gbpsでも腐ってもUSB4なので、7.5W供給している可能性が高いです。

ということで、USB 5GbpsなUSB Std-A(オス) to USB Type-C(オス)ケーブルに、USB 5GbpsなUSB Std-A(メス) to USB Type-C(オス)変換アダプタを繋いでSSDケースとSurface Pro 9を繋いでみました。

結果は繋がらず...です。が、根拠にするには余計な要素が多すぎますね。

 

Micro SDカードを買ってみた

Micro SDカード対応スマホだいぶ減りましたね

 

経緯

筆者宅には大量にMicro SDカードがあるのですが、64GB以下の容量のショボいものや、UHS-Iクラス1以下の速度のショボいものなど、ろくなものがなかったのです。

最もましなもので、SanDisk Ultra Plusの128GBです。

もともとXperia Z3とかに入れて使っていたものなので購入から10年以上経過していますし、速度もReadが90MB/s、Writeが30MB/sとか行くかどうかくらいなので、いい加減新しいものを買うかという話です。

 

SDカードを探す

とはいえMicro SDカードの活躍の場は明らかに減っており、筆者宅ではXperia 5 IIIとNintendo Switchに挿しているだけです。

ので、要件的にはこれらで多少快適に使える程度で良い訳です。

Xperia 5 IIIは最大1TBまでという情報以外特に得られませんでした。

Switchは2TBまでいけるらしいです。公式でUHS-I対応と60~95MB/sの読み込み速度を推奨していました。

support.nintendo.com

 

ただ、読み込みが~95MB/sの製品というのは、すなわち書き込みが30MB/s程度しか出ないであろうということです。今回SDカードの買い替えをすることになった決め手が速度が遅くてイライラしたことなので、もう少し速いSDカードを用意します。

ので、以下のようにしました。

まず、大手メーカー製にしぼります。ここで言う大手メーカーとは、SSD向けのNAND等を内製できるメーカーです。SanDisk、Samsung、KIOXIAあたりがこれにあたります。

次に、読み込み150MB/s、書き込み90MB/sを最低要件としました。これ下るとあまり買い替える意味が無い気がしました。スピードクラスはU3を必須としました。

そして、容量は256GBとしました。これは必要容量がこれであったというよりは、価格と容量のバランスが良く、10年使いつぶしても問題にならないであろう水準にするためです。

 

買ったやつ

Samsung PRO Plus MB-MD256KA/ECを2枚購入。

容量は256GB、転送速度は読み込み160MB/s、書き込み120MB/s。

決め手は上記条件を満たしていながら、約2,500円という価格の安さ。基本的にMicro SDやUSBメモリはGB単価が微妙なのですが、本製品はGB単価がSSD並です。

また、一応10年保証がついています。

 

使ってみた

Surface Pro 9にカードリーダー経由で接続し、セーブデータを転送しているところです。転送元はThunderbolt 3 SSDなのでSDカードまたはカードリーダーの速度で頭打ちになっていると思われますが、とりあえず100MB/s以上出るので問題なしです。

Switchに挿して使ってみましたが、特に体感でロード速度が上がるとかはありませんでした。Switch自体のマシンパワーが低いので、まあそんなもんです。

Xperia 5 IIIにも挿してみましたが、こちらは挿してるだけで実のところほとんど使っていないため、評価のしようがあまりないです。

 

総評

正直書くことがないので総評です。

Micro SD自体の出番が減っているので筆者宅でも数を減らしており、購入することも滅多にありませんが、たまに使うときに速度が遅くて毎回イライラしていました。USBメモリはスティックSSDにほぼ置き換えたので解決していたのですが、転送速度問題で最後まで残っていたのがMicro SDです。かなり久しぶりにMicro SDを購入しましたが、まあ快適ですね。数少ないMicro SDだからこそ、1枚あたりの品質を高めるのはなかなか悪くないかもしれません。

Apple Watchに付属しているケーブルの違いの話

腕時計風iPhone補助ツール

 

Apple Watchの充電機は大きく2種類

Apple Watchは専用の充電器が必要ですが、大きく2種類あります。

1つ目は普通のApple Watch磁気充電ケーブル、2つ目はApple Watch磁気高速充電ケーブルです。

要は充電器側が高速充電対応か非対応かの2種類なのですが、見分け方としてはApple純正品の場合高速充電非対応の場合は磁気部分がプラスチック、高速充電対応の場合はアルミニウム製です。

ただ、筆者はせっかちなので通常の充電器は所有していないため、今回は高速充電器のみの話です。

 

Series 10では編み込みケーブル

高速充電器を使用すればどのApple Watchでも高速充電できるのかというとそうではなく、Apple Watch Series 7以降のモデルのみ対応しています。そして、高速充電対応のApple Watchには、高速充電対応の充電器が付属しています。

で、Apple Watch Series 10では急速充電機能が強化され、より高速になりました。具体的には、Apple Watch Series 7~9が「45分の充電で最大80%充電」だったのが、Series 10では「30分の充電で最大80%充電」と、小さいようで大きく短縮されています。

そんなSeries 10ですが、Series 7の時の充電器と微妙に差異があり、ケーブル部分が編み込みになっています。

こうなると気になるのが、編み込みと編み込みではないケーブルに性能差はあるのか?です。

 

両方で充電してみる

Apple Watch Series 10が登場する前の充電器で、Apple Watch Series 10の高速充電機能に対応するのかが気になり検証。

Apple Watch Series 7時代の付属品である高速充電器と、Apple Watch Series 10付属の編み込み高速充電器の両方で、Apple Watch Series 10を充電してみました。

充電残量があると充電速度が遅くなるので、たまたま充電を忘れていて残量が2%になっていた日をチョイス。また、充電の最適化はオフ。

もったいぶっても仕方がないので結論を書きますが、どちらの充電器を使用しても特に変わりませんでした。

  • 充電器のみ接続でApple Watchを充電していないときは5V 0.02A
  • Apple Watchを充電し始めて1分ほどは5V 0.2A
  • Apple Watchを充電してしばらく経つと5V 0.7~0.9A

という感じで引いていました。

 

安物USBテスターをどこまで信じるか?はかなり微妙なところです。

ちなみに、0.9Aは瞬間的に引いていることはありましたが、平均的には0.7Aほどでした。

 

実は型番すら同じ

Apple Watch Series 7の充電器はA2515、Apple Watch Series 10の充電器もA2515です。つまり、最初から物自体はほとんど同じ扱いであったというオチです。

 

編み込みケーブル充電器の正体

編み込みケーブル充電器自体は、Series 10から付属されているわけではありません。もともとはApple Watch Ultraの付属品として登場し、その後は通常モデルであるApple Watch Series 9以降にも同梱されているというものです。

Series 8には付属していませんでした。

 

USB PD自体は非対応

Appleの公式ページにて、Apple Watchを高速充電する際は高速充電器と「Apple 製の 18W、20W、29W、30W、35W、61W、87W、または 96Wの USB-C 電源アダプタ」または「5W 以上の USB Power Delivery (USB-PD) に対応する他社製の互換 USB-C 電源アダプタ」が必要と記載があります。

support.apple.com

ので、てっきり充電器側はUSB PDを用いているのかと思っていましたが、違いました。

CT-3でUSB PDのパケットキャプチャをしてみたところ、USB PDアダプタ側からの通知に永遠に応答していませんでした。5V 1A引いているだけのようです。

 

結論

Apple Watch Series 7、8の付属品の急速充電器を所有している場合は、Series 10に流用しても最高速で充電可能です。

 

余談

Apple Watchの充電器は、Macに接続することで簡単に正規品かどうかの確認をすることができます。付属品で非正規品だったらかなり問題ですけどね。

support.apple.com

ケーブルの見分け方と併せて公式で説明されています。