Rock_ozanari’s diary

ノージャンル。音楽系はまあまあ多いです。

若い人にウケる音楽ってどうしたらいいんですか?


俺は歌詠み鳥というユニットを組んで大体月に2回くらいライブしてるんですけど、客層がマジで親。親までいかなくても親戚のおじさん、くらいの年齢層の人が大半。
ライブハウスで同世代くらいのバンドと対バンして、俺がお客さんと喋ってる所を見たそのバンドのボーカルの青年に言われた言葉が「親子みたい(笑)」

音楽をある程度真剣にやろうと思ったら、ターゲットを決めないといけないと思うんですけど、それが俺たちには30後半から60くらい。実際それより下の人も観に来てくれるんだけど、大半は上の世代。40代が一番多いかな、多分。
目論見通りのお客さんが来てくれるのは本当嬉しいし、なんかめっちゃ酒奢ってくれるし本当嬉しいしなんというか本当にありがとうございます。アマチュアバンドマンやアマチュアバンドマンだった事がある人はわかると思うんですけど、元々友達でも知り合いでも無かった人が繰り返しライブに来てくれるようになるってめちゃくちゃ幸せな事なんですよ。
そんな中で1月に飲んだビール、缶、瓶、生全部含めて87杯だったんですが、その内76杯が人の奢りです。マジか。というか飲み過ぎでは。
飲んだ杯数を覚えているのには理由があって、それは後述します。

いろんなバンドやシンガーと対バンして、若いお客さんをしっかり集めてる若いバンドやシンガーに出会うんだけど、凄いんだよね。感性がちゃんと若い。音楽しばらくやってると大体みんな今活躍してるバンドのルーツになったバンドとかを聴き始めて、そればっかりになったりする。もちろん全員じゃないけど。
例えばだけど、ベースボールベアーを最初聴いてたけどスーパーカーとか岡村靖幸、ナンバーガールばかり聴くようになる、とか。ベボベも今や若いバンドでは無いと思うけど、例が思い浮かばなかったからベボベだ。ベボベの感性は若いしな。一生青春。

そんな中でちゃんと若い感性持ってやってるバンドって凄いなと思う。まだ自転車のタイヤにテニスボール挟むのとかスウェットで深夜のドンキ行くのかっこいいと信じてるんだと思う。
うちのユニットなんて完全に鬱病のおっさんですからね、感性が。ボーカルは女の子なんだけど曲と歌詞は俺だからこれはもうしょうがない。
たまにライブ終わった後に「めっちゃ良かったです!歌詞が〜」みたいな事言ってくれる若い人いるんだけど、だいたい目の奥に光が無いタイプの女の子だったりする。みんな幸せになってくれ。あと長袖を着てくれ。

話を戻して酒の杯数を覚えてた話なんだけど、俺はいつも金がかなりシビアにないんです。具体例出すと、主食が小麦粉を水で練って焼いた奴と業務スーパーで買ったゴミ一歩手前のモヤシ。あと健康に気を使ってカロリーメイト。
そんな境遇なのに酒が好きだから、歳上の友人たちがよく酒を奢ってくれて、最近はその境遇を知らない人でも、お客さんとか、その時たまたまライブハウスにいてうちのユニットを気に入ってくれた人とかが奢ってくれる。

ライブハウスのお酒って高いんですよ。相場だと一杯500円か600円。中ジョッキより少ない量の生が500円、ハイネケンなんかの瓶ビールが600円。この辺りが多分平均。もちろん経営にも金がかかる訳で、店としてやってる以上は成り立たせるって段階より一歩進んで、儲けを出すって所までやらなきゃいけない。それは当然だから、ライブハウスの酒が高い事に文句を言うつもりは本当に一切ないけど、高いというのは事実として確かに存在してる。
そんな割高な酒を、他人である俺に惜しみなく奢ってくれる。俺ももう大人だし金を稼ぐ大変さってちゃんとわかってるから、それに対する感謝って絶対に忘れちゃいけないと思うんです。こういう事いうと自己啓発っぽくて嫌なんだけど、でも実際そう。人から奢ってもらった酒の事は絶対に忘れちゃいけないし、だから毎月はやらないけど、一ヶ月くらいは杯数数えてみようかな、と思ったのが前述した酒の杯数を覚えていた理由。飲み過ぎ。

タイトルと全然関係ない所に不時着するのは俺のブログあるあるだよね。許せ。今夜も酒を煽って眠ってしまうのさ。

そんな訳で、若い人も若くない人も、良かったら聴いてください。気が向いたらライブに遊びに来てください。「歌詠み鳥」とYouTubeで検索すれば『化生』という曲のMVが出てきます。URLは以下です。

そんな感じで。若い感性がほしい。それでは。

春野海(http://twitter.com/Rock_ozanari)
歌詠み鳥(http://twitter.com/___utayomidori)

やりたい事しかやりたくなくない?


ハッピーニューイヤー。新しい耳。
2018年ですね。いかがお過ごしでしょうか。

あけましておめでとうございます。

2017年、急に「あ、なんかやりたい事全部やりてえわ」という思春期みたいな感情に支配されて会社を辞めた。俺にもうちょっと暴力性があったら人とか殴りそう。

やりたい事って例えば音楽、例えば物書き、その他諸々。大抵の人はそうだと思うけど、やりたい事って土曜日早朝の歌舞伎町に転がるゴミと人間を足した数くらいあって、でも全部は出来ないから生活や将来の安定の為にしなければいけないあれこれの隙間を縫って、出来る範囲でやっていく。それが大人って生き物なんだと思う。俺は大人になれなかったから、生活は破綻して、将来の安定は手の届かない所に放り投げてしまった。時々どうしようもなく不安になって、怖くなって、ストロングゼロやブラックニッカに逃げる。本当はそんなもの飲まずにサッポロ黒ラベルだけ飲んでいたいけど、安価でマズい酒でお手軽に逃げる。

俺はずっと、結構真面目に生きてきたんです。
義務教育を終えて、高校を三年、大学を四年できっちり卒業して、新卒で就職。ブラック企業だったから一年で辞めたけど、すぐに転職先も見つけて一ヶ月間をあけただけで再就職。
職場でも上司先輩後輩関係なく仲良くやって、人並みに仕事も出来て、辞めた今でも飲みに行ったり年越しを一緒に過ごしたり出来るくらいには良好な人間関係を築いた。多分このまま普通に仕事をしていれば、裕福とはいかなくても安定した生活は手に入れられたと思うけど、あっさりそれを手放した。ずっと真面目に普通に一般的に生きてきて、この先もそうやっていくんだろうなってぼんやり思い描いていた将来は空想になった。もしかしたらどこかでまた就職するかもしれないし、正直そんな気もちょっとしてるけど。

年越しは、前の職場の同僚とその友達で仲良くなった2人と俺の4人で新宿の神社。体育会系の元同僚と、うつ病のガチムチと、性癖がバグった良いやつと社会不適合の俺。
それ用のスペースのテーブルに並べたたくさんのストロングゼロをひたすら飲んで、時間も気にしていなくて、急に方々からカウントダウンの声が上がって、「やべ、年あけるわ」って慌てて乾杯。ストロングゼロが祝い酒。最悪だ。気温2度の新宿の神社で震えながら、具体性はないけど少しの危機感があった。多分俺こんなことしてる場合じゃないんだよなって。楽しいから良いんだけど、これからどうしようって少しだけ頭をよぎった。

俺の家は毎年正月を親戚一同集まって過ごす。今年は帰らないし帰れない。去年は純粋に仕事で帰れなくて、今年は仕事を辞めてたから帰れたけど、親からの「今年は帰ってくるんでしょ?」って連絡に「ごめん仕事」って嘘ついた。仕事なんてないのに。親の顔を見れない生き方を選んじゃったなって感覚はある。

去年の12/30から12/31にかけて、ほとんど無意識で曲と歌詞を書いて、読み返したら全部自分の事で、俺ってこういう感覚で生きてるんだなって少し思った。思ったより自分って弱いんだなって思った。世界に嫌われたくなくて誰かに優しくしてみても独りになるだけだし、そういう感覚で生きてるから、こういう風にしか生きられなかったんだなっていう納得。

もうすぐ生まれてから25年が経つ。長いのか、まだまだ短いのかはわからないけど、ある程度の事を自分で判断してどうにか出来る歳。新年って、日付が変わっただけじゃんとか言うほど冷めてはいないし、新年だから一念発起するぜって決意するほど熱くもない。何事も半端だから、いつも俺は。だからいい加減にやりたい事をやりたいってシンプルな欲望に逆らう事くらいはやめようって思ったよ。
嘘でも良いから誰か救ってよ。

しぶとく生きましょう。
今年もよろしく。

当方Vo。他全パート募集。作曲は出来ませんが作詞は出来ます」は、見えてる地雷。

 
「当方Vo。プロ目指してGt.Ba.Drを募集します。本気なのでやる気のある方のみ連絡してください。作曲は出来ませんが作詞は出来ます」
 
やる気あんのかお前。
いややる気はあるんだろうきっと。だってやる気なかったらこんな文面書いた紙スタジオの壁に貼ったりしないもんな。でも好きなジャンルややりたいジャンルくらいは書けよ。
 
しばしば揶揄される上記の文面。実際にスタジオの壁やバンドメンバー募集掲示板を見たことがある人ならわかると思うが、普通にバリバリ現役で現在も使われている。募集している側は真面目なんだろうから、多分テンプレを使用しているのではなく、普通に自分の中から滲み出たものがこういう文面として形になるのだろう。どうにかしろ。
当方Voマンはみんな楽器は出来ないし、作曲も出来ないが、なぜか作詞は出来る。つまりきっと来てくれるであろう未来のメンバーに作曲を丸投げして、作詞と言う美味しい部分だけを掻っ攫っていこう。そういう感覚な訳だ。偏見だが、事実なら殺されても文句は言えない。
 
実際の所、ピンボーカルを希望することはなんら間違いではないし、作曲は出来ない(しない)というボーカルも大量に存在する。それ自体はなんら悪いことではないし、自分の苦手分野を人に任せて得意な事に専念するのは間違った選択じゃない。だが当方Voマンの奴らは、果たしてどうなのか。
 
性格の悪い検証、というよりは、普通に良いボーカルを探して俺(Gt)と友人(Dr)の2人で、一か八かで当方Voマンと連絡を取り、スタジオに入った事がある。あの時の俺たちは泥酔していたから、まともな思考力なんて持ち合わせちゃいなかった。連絡を取った三日後、俺と友人と当方Voマンは、池袋東口のスタジオにいた。そう、アニメイトの近くのあのスタジオだ。
 
スタジオに到着し、待合室で髪の毛が緑や紫のにいちゃん達に震えながら当方Voマンを待っていると、男が現れた。
 
髪の毛が長い小デブ。服装は何故かV系。身長は160cmくらいで年齢は32。なるほど。
いやしかし、音楽は見た目じゃない。ハートだと信じていた当時のピュアな俺たちは、とりあえずはスタジオへ、という事で入室。その間の軽い自己紹介。
 
当方Voマン「好きな音楽はマキシマムザホルモンです」
 
俺「好きな音楽はミッシェルガンエレファントです」
 
友「好きな音楽はレディオヘッドです」
 
なるほどこれは見えてる地雷だ。明るい未来がまったく見えない。上司に無理やり連れて行かれたキャバクラで俺の隣についたキャバ嬢が昔の彼女だった時のような絶望感。その話はもういいじゃないですか。もう俺の心をこれ以上抉らないで。
 
スタジオに入って音出し、俺とドラムが適当に合わせて遊ぶ。当方Voマンは突っ立ってる。さては貴様マイクの準備の仕方を知らないな。仕方ないからドラムがマイクをセットし、また俺たちはセッションを始める。そして当方Voマンがマイクを口に近づける。身体をくの字に折り曲げ、そして…ッッッ!!!予想はしていていたが…ッッッ!!!
 
「ヴォオオォォオオォ」
 
デスボイスが下手すぎる。死人でるぞ。だからデスボイスなのかなってちょっと納得するレベルで下手。予定調和の絶望。なんで俺たちはスタジオを6時間で予約したんだろうな。ていうか俺ら今クリーントーンで演奏してただろうが。しかも声量が無い。死にかけの蝉の方がまだ良い声で鳴く。
その後も普通に歌い始めるも、シンプルに歌が下手。どうしたお前。なんで俺たちはスタジオを6時間で予約したんだろうな。
 
当方Voマン「じゃ、曲作ろっか」
 
正気か?
 
しかし出会った手前、そしてスタジオを6時間とった手前、まあしかたないかと曲を作り始める。簡単に4コードくらいで並べて作る。
 
当方Voマン「ここでスラップして欲しいんだよね」
 
ベースいねえんだから黙ってろ。
 
当方Voマン「ここでデスボイス入れたいんだよね」
 
うるせえ。
 
当方Voマン「ここでシャウトしたいんだよね」
 
こんな曲作ったらシャウトする事になるのは客側だよ。
 
出来上がった奇跡みたいな糞曲を演奏する。
 
当方Voマン「俺たち良いバンドになれそうだね!」
 
ならねえよ。
 
みんな、見えてる地雷は踏まないようにな!
 
でも今回は俺たちも悪かった。せめて最初はコピーする曲を決めておくとか、スタジオの予約は2時間程度に留めておくとか、色々やりようはあった。当方Voマンとは計画的に疎遠になり、その後も俺たちは合計4人の当方Voマンと出会い、計画的に疎遠になった。詳細は面倒なので省くが、当方Voマンは基本的には良くない。カラオケで上手くても、カラオケとバンド演奏では勝手が違う。だからこういう事になる。
 
あとこちら側から言える事としては、せめて当方VoマンはYouTubeに最低限カラオケで歌ってるところくらいは投稿して、好きなジャンルくらいは記載しておいた方が良いと思う。そうする事で、色んな悲劇は防げる。ボブディランも「戦争が無意味だと知る為に何発の銃弾が無駄になるんだ」って歌ってた。当方Voが地雷だと知る為に、今まで幾度もの出会いが無駄になった。バンドメンバー募集というのはシビアな世界だ。バンド歴6年の俺から言える事はあまりないが、正直友達と組むかライブハウスで直接声をかけてバンド組んだ方が良い。
 
そんな訳で、俺がやっている。豚というバンドと歌詠み鳥というユニットのMV置いておくから観てね。それでは。

 

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森田童子


俺の耳からイヤフォンを引っこ抜いて自らの耳に突っ込んだ女が「なにこの暗い歌」って笑った。
森田童子は暗くねえよ。ただ優しいだけだよ。優しさと哀しみと焦燥だけがあって、いつかの風景が網膜に張り付いて離れなくなっただけだ。だから多分いっつもサングラスをしてる。
そんな俺の主張はいつも受け入れられなくて、流し聴きの誰かに「暗い」と一蹴される。

どうして生きていいか解らぬ僕が畳の上に寝そべっている。

誰かといたって孤立無援だから、俺だったら絶望しちゃうけど、森田童子の歌詞はあまり絶望している様子がない。ただどうして生きていいのか解らなくて、畳の上に寝そべっている。その感覚はとても理解できるけど、絶望の感じ取れない穏やかな夏に絶望する。解るのは優しさと哀しみと焦燥だけ。

きっとなんともならないんだろうな、という感覚に陥った時、いつも森田童子しか聴けなくなる。そういう時期が定期的にきて、そんな時はただじっと張り付いた風景が剥がれるまで耐え忍ぶしかない。

俺は森田童子じゃないし生きてきた時代が全然違うから森田童子の事なんて全然わからないけど、それでもこんなに自分の中に落とし込める存在が過去にいたという事実。森田童子の歌詞は、全ての歌詞の中で一番好きです。俺は。
もうじき夏が終わるけど、というか多分もう終わってて、今は夏を世界が思い出してるだけなんだけど、どうしてもクーラーなんか消して、汗だくで畳に寝転がらなければいけないような気がする。俺の家は全部フローリングだけどな。それでは。

アマチュアバンドのブッキングライブに見る『バンドを作ったバンド』


アマチュアバンドのブッキングライブを観に行った事がありますか?

観たこと無い人の方が多いと思います。というか「ブッキングってなに?」という状態の人が多いと思うので物凄くザックリ説明したい。
本当に物凄くザックリだからな。

ブッキングライブというのは、異種格闘技戦みたいなもので、本来の意味やスタンスは置いておいて、6年バンドやってきて体感的に思うのはこれしかない。

アマチュアバンドでもそれなりに長くやってると仲良くなったバンドの企画とかライブハウス毎の独自のイベントとかオーディションライブだったり自分のバンドで開催したイベントとか、そういったものに出るのが主になってくるんだけど、ブッキングライブというのはそれ以外のライブ。

ライブハウス「この日出ませんか〜ノルマはいくらで機材費はいくらで持ち時間は何分です〜」

バンド「出ます〜」

ライブハウス「じゃあ詳細決まったら連絡しますね〜」

こういうノリでライブハウス側がバンドに声をかけたり、もしくはバンドがライブハウスにこの辺りの日程で出たいんですけど〜なんて声をかけて集まったバンドで対バン組んでやるライブ。これがブッキングライブ。

特定のイベントみたいに決まった方向性がないから、異種格闘技戦みたいになる。
あらかじめ言っておくけど、俺はブッキングライブ結構好きだし、ブッキングライブが諸々のイベントと比べて格下なんて言うつもりはない。出演の敷居は低いけど、それだけ。

例えば「弾き語りイベント」みたいなのに出たら、当たり前だけどバンドはいなくてだいたいアコギやピアノと歌。ブッキングライブにはそういう方向性はないから、本当様々。弾き語りもいればバンドもいる。エレクトロや、下手すればアイドルもいる。鬱ロックと煌びやかなアイドルの奇跡のコラボ。客層が地獄。

そういう状態なんで、ブッキングライブに出たり観に行ったりすると本当にいろんなジャンルのバンドが観れて面白い。
で、今回の主題な訳だけど、「バンドを作ったバンド」と言うものを知れる。
メジャーアーティストでもいると思うんだけど、「このバンドあれに似てるなー」「モロであのバンドから影響受けてるなこれ」っていうのがあるじゃないですか。
アマチュアバンドのブッキングライブに行くと、いろんな種類のそれを目撃できる。アマチュアバンドってプロデューサーとかいないし、やっぱり影響が色濃く出すぎるんですよね。

3年前くらいにアマチュアバンドのブッキングライブ観に行ってた人とかはわかると思うんですけど、ピンボーカル(楽器持たないボーカル)が腕ピンと伸ばして手のひら正面に向けて歌ってるのとか、だいたい一回のライブに1組はいたじゃないですか。あれなんか絶対ワンオクの影響ですからね。降ろせその腕。

今回の主題「バンドを作ったバンド」というのは、上記の通り、ワンオクみたいなバンドです。たくさんの腕ピン手のひら正面ボーカルをこの世に生み出した罪なバンドだぜ。

もちろん俺の100%主観だし、俺の行動範囲内でのしか知らないから偏るんだけど、そこは目を瞑ってほしい。
それでは言ってみましょう。

『ワンオク系』
何回言うんだよ。もう言うことないよ。腕おろせ。

『9mm系』
これは今でも良くみる。歌謡曲っぽい歌メロ(ロシアン民謡か?)に暴れ楽器隊。ギターはだいたいメロを弾きまくってドラムはモロ9mmのあのビート。あとやたら多いキメ。ベースは痩せてて前髪が長い。あまりにモロなバンドが多すぎる。7mmくらいはパラブレムバレットしてる。

9mmの曲ってよく「ダサい」って言われてて、でもやっぱあれ演奏するとめっちゃ楽しいんですよね。俺自身9mmが特別好きって事もないけど、大学生の頃サークルでコピーバンドやったらめちゃくちゃ楽しかった。バンパイヤガールのギターとか天才的に楽しい。歌詞は絶望的にダサい。神の十字架に縛られるのやめろ。ライブの時ボーカルが歌いながらちょっと笑ってる時あるぞ。あとだいたいこの手のアマチュアバンドは走り過ぎる。そういうとこまで本家をリスペクトしなくて良いだろと思うけど、楽しいんだから仕方ない。やる側の楽しさって観てる側にも結構伝わるもんです。

『凜として時雨系』
今ではさすがに少なくなってきたけど、一時期はヤバかった。小さめのライブハウス行ったらだいたいどのバンドにもディジタルディレイが組み込まれていたのは主に凜として時雨のせい。近い時期に斉藤和義の『やさしくなりたい』が流行って、あれのリフが付点八分プレイだからって理由のディジタルディレイ持ちもごく少数いたけど。後は空想委員会あたりの影響も多少なりあるんでしょうが、楽曲聴いてると時雨。

高音ボーカル、ギターのごとく動きまくるベース。だいたい女。ドラムはなんかもうヤバい。ピエール中野さんは凜として時雨ってバンドの中にいると神になれる。本当に自分のプレイがぴったりハマるバンドに居るって凄いことで、彼はよくサポートドラマーとしていろんなアーティストのバックでドラム叩いてるけど、凄すぎてうるさい。でも時雨は全員凄くてうるさいからしっくりくる。
逆に時雨もどきバンドのドラムが大人しいと練習しろって言いたくなる。でも言わない。無理だろあんなもん。
凜として時雨ってバンドやってない人でもだいたいわかると思うけど、演奏力とボーカル力が引くほど凄いから、時雨もどきバンドにとってはある種の地獄だと思う。比較するのは申し訳ないし当たり前だけど、みんな本家に比べたら技量が足りなさすぎる。他のバンドやれば上手いって言われる人でも時雨系だと駄目。ハードルが高い。少しは凜としろ。

『ミッシェル系』
普遍。先例の2つに比べるとだいぶ時代が遡るけど、今でもめちゃくちゃいる。ガナリボーカル。鬼カッティング。ベースライン楽しい。ドラム安定感のあるモヒカン。
俺自身前にミッシェル系のバンドをやってんだけど、やっぱ求められるハードルが高い。おっさん受けはするけど若者受けはそんなにしない。ギター弾いてて、ライブ終わるとギターのピックガードが血まみれ。
本家ミッシェルが有名すぎるせいもあってか、ガナリ声のロックだと結構ひとくくりにミッシェル系にされてしまう傾向はある。イエロースタッズとかそうだと思うけど、声だけでミッシェル系って言われてるようなイメージ。ちゃんと聴け。
ミッシェル系は数が多いのとミッシェルが偉大すぎるのとで敷居が高いよね。

『バンプ系』
いすぎ。プロでも多いですね。これに関しては曲とかよりも歌い方の問題な気もする。ヨネズケンシとかランプインテレンとかガリレオガリレイ。あと最近ではあんま言われなくなってきたけどラッドウィンプスとかね。
結局日本でウケるのってバンプオブチキンなんだなと思います。
うん。なんていうかわかります。バンプ良いよね本当。ずっと仲良くやってて欲しいと思います。バンプ系のバンドはなんか応援したくなるしね。青春っぽくて。

『銀杏ボーイズ系』
いすぎ。

まだまだいっぱいあるんだけど、3000文字近くなってきたし、何より俺が面倒臭くなってきたからこの辺でやめます。

こうやってアマチュアバンドに真似(語弊がある)される事が多いバンドってやっぱり偉大で、一つのブームを作ったんだな、と思います。
そいいうのを探す目的でも、アマチュアバンドのライブを観に行ってみても良いんじゃないでしょうか。目当てのバンドが無くても当ふらっと2000〜3000円くらいで入れちゃいます。アマチュアバンドのブッキングライブは基本的にお客さんが全然いないので、演奏側は泣いて喜ぶと思います。

アマチュアでもプロでも絶対何かしらから影響を受けているもので、俺がやってる『豚』ってバンドも『歌詠み鳥』ってユニットも、「◯◯っぽい」というのはあると思う。
ちなみに言われた事あるのは『豚』はイエモン。『歌詠み鳥』は山口百恵とか中森明菜。
本当にその辺りの影響受けてるのかというのは受け取る側の主観だけど、「◯◯っぽい」を探すのもそれはそれで音楽の楽しみ方だと思います。
下に『豚』と『歌詠み鳥』のTwitterリンクを貼っておきます。
そこからそれぞれMV観れるから、観て「◯◯ぽい」を探してみてください。あとついでに俺のTwitterアカウントも貼っておきますね。

豚は『豚 Hello』歌詠み鳥は『歌詠み鳥 化生』とYouTubeで検索しても出ます。
それでは。

豚

歌詠み鳥

春野海

優しさの暴力を受けたい時はインドカレー屋へ行こう


インドカレー屋って行ったことありますか?
割とどこにでもある見た目が怪しいカレー屋。それがインドカレー屋。
店員はだいたいネパール人らしいですね。美味いので国籍はどうでも良いです、俺は。

インドカレー屋の特徴として、以下があります。

・だいたいどこも安定して美味い。
・500円程度から1000円オーバーまで様々だがだいたいどこも安定して美味い。
・店員のネパール人が割と絡んでくる。
・ナンがデカい。
・いついってもだいたい客がいない。
・だから熱烈歓迎される。
・訳のわからん飲み物をよくサービスで出されるけど口に合わないと地獄。
・店員のネパール人がめっちゃニコニコしてる。
・ナンがめっちゃデカい。
・サービスが過剰。
・残すまで出てくるおばあちゃん家システム。
・店員のネパール人がめっちゃニコニコしてるから残しにくい。
・店員がやたらいる。客いないのに店員が5人以上いる。
・とにかくナンがデカい。

以上だ。

安いしめっちゃサービスしてくるし店員いっぱいいるしナンがデカいのに、経営大丈夫なのか…?
大丈夫ではない。少し目を離すと潰れてる。それがインドカレー屋。あの優しい目をしたネパール人は何処へ行ってしまったんだ…?
インドカレー屋のネパール人は本当に良い人ばかり。日本人は見習った方が良い。奴らは絶対にTwitterで見ず知らずの他人にクソリプ送らないし、芸能人の不倫に過剰な正義感で暴力をふるったりはしない。
インドカレー屋の半分は優しさで出来てるし、成分比率はほとんどバファリンだから多分頭痛とかにも効く。

めっちゃ万能。でも客がいないしすぐ潰れる。

職場の近くに贔屓にしているインドカレー屋があって、よく食べに行ったり弁当買いに行ったりするんですよ。弁当出来上がるまでにだいたい20分くらい待つんだけど、その時にサービスですってマンゴーラッシーとか出してくれる。メニュー見ると470円。470円のマンゴーラッシーをサービスで出してくる優しさの暴力。頼んだ弁当500円なのに、それの出来上がり待ってる間にサービスで出てくるマンゴーラッシーが470円なの。正気か?
で、客0。ブッキングライブのライブハウスみたいな状況。それで店員5人くらいいる。ブッキングライブのライブハウスみたいな状況。
そんな状態で470円のマンゴーラッシーがサービスで出てくる。正気か?

過剰なサービスを受ける側が求めてしまうと日本っぽくなってしまうから恐縮してしまうんだけど、最初に申し訳ないんで払いますよみたいな反応したらめっちゃ悲しそうな顔をされた。対応に困った顔じゃなくて本当に悲しそうな顔。そんなサービスしてたら潰れてしまうし、お気に入りの店に潰れてほしくない、もっと言えば彼らの笑顔を失いたくないから俺はめっちゃ通ってて、結局常連になってサービスが更に増えてる節がある。しっかりして。

あの店なんでいつも客いないんだろう。
みんなも優しさの暴力を受けたい時はインドカレー屋行こうぜ。それでは。

ポジティブな歌を聴くのが辛い

 
音楽って力ですか?
もちろんそう思う人もいると思うし、俺はそういう人を否定する気はないけど、俺は違うと思います。
 
それは経験による悲しい結論でしかないんだけど。初めて出来た彼女に包丁で腹刺されたから「もう女なんていらねえ」って言い始めるみたいな。でもそれでもまた誰かを好きになったりする訳じゃないですか、俺たちは。みんな一度くらい腹刺された事くらいはあると思います。頼む。
 
俺は音楽を聴いて「よし!明日から頑張るぞ!」って気持ちになれた事がないんですよ。もう本当これはただの俺の好みの問題でしか無いんだけど、ポジティブな歌を聴くのが辛い。聴かないから具体例をあげ辛いんだけど、コブクロとか。
コブクロはめっちゃいいデュオだと思いますよ本当。でも彼らはポジティブを着払いで送りつけてくるじゃないですか。厳しい。不在票とかめっちゃ入れてくるからねあいつら。コブクロをデカい方とちっちゃい方って分けるのやめろ。あとゆずを、ゆずとゆずじゃない方って言うのやめろ。
 
とにかく、皮膚の代わりにポジティブが張り付いてる人が歌うポジティブな歌って、俺みたいに後ろ向きな人間にとっては厳しい訳。疲れてる時に永遠に共にとか聴いたら自殺するかもしれない。そういう精神状態で生きてる俺たちは、音楽が力にはならない。
落ち込んでる時に暗い音楽聴いて落ち着く事はあるし、歌詞聴いて泣く事もあったかもしれないし、でもそういうのってだいたい前向きな感情じゃないから、力になるっていうのとはちょっと違う。格好いいバンドの格好いい演奏聴いてテンションあがるけど、そういうテンションは持続しない。酒飲んだあとのサッカーみたいにすぐ息切れする。
 
ポジティブな歌聴いてポジティブになれる人って凄いなって思います。俺はファンキーモンキーベイビーズとか、グリーーーーンとかをどういう精神状態で聴いたら良いのかよくわからない。奴らを聴いてると、なんか元気にならなきゃいけないような強迫観念に襲われて全部無理になる。Twitterでファンキー加藤から引用リツイートされた事あるの思い出してちょっと笑う。グリーーーーンは確か歯医者になったら顔出すとか言ってたのにその話はどうなったんだい?
 
俺は一応曲を作ったり歌詞を書いたりする人間なんだけど、別に商業でやってる訳じゃないから無理にポジティブに書く必要ない訳で、だからこういう事になるんだなあって歌詞が出来上がる。ライブやって知り合った初対面のおっさんに「社会の理不尽で職も家族も失って公園で飲んだくれてたら通報された50代のおっさんが書きそうな歌詞だね」とか言われる。正気か?俺は24歳だぞ。
 
とにかくそういう事情もあって、よくかっこいいバンドのかっこいいボーカルや可愛いシンガーが言うような、「誰かの為に作りました!」みたいなのが俺には全くない。
誰かを思い浮かべて書いた事はあるけど、誰かの為にっていうのは本当にない。
だから、自分以外の誰かの為に音楽やれる人って凄いなって思います。だって俺は誰かの為に音楽やれる程精神的に満たされてたら、とっくに音楽なんてやめてる。俺は俺の思いつきで音楽やってるのが楽しいです。
 
そんな訳で、誰の為にもならないしポジティブにもなれない曲のミュージックビデオが出来たので、良かったら下のURLから観てね。それでは。
 
YouTubeで、「歌詠み鳥 化生」って打っても出ます。