archive: 2016年01月 1/1
繰り返し、やがて遠ざかる女の子と俺の生活習慣
No image
* 俺が一ノ瀬始(いちのせ はじめ)を好きになったきっかけは、実を言うとあまりよくおぼえていない。 騒々しい教室の片隅で、牛乳瓶の底のような眼鏡を通して、いつも一ノ瀬はどこか遠くを見つめていた。 こいつ、なにを考えているんだろう。 夏。退屈な授業中。たしか現国だったと思う。 初老の先生が朗読する古い物語の一節をBGMにして、セミロングの長さに揃えられた彼女の髪と、そこからのぞく形のいい耳と、細いう...
- closed
- 0
2016/01/05 (Tue) 21:46
Category Junk