popoのブログ

超短編(ショートショート)

ネバーランドに迷い込んだ少年

永遠の夜が輝く、夢見る島、ネバーランド。

そこには、大人になることを拒み、

少年の姿のまま永遠の冒険を続けるピーター・パンがいました。

 

ある日、ネバーランドに迷い込んだのは、

いたずら好きで心ない少年、トーマスでした。

 

トーマスは、現実世界で友達がいなく、いつも一人ぼっちでした。

寂しさから、周りのものをいたずらで困らせたり、

嘘をついたりしていました。

ネバーランドに迷い込んだトーマスは、最初は面白半分で、

妖精たちをからかったり、宝物を盗もうとしたりします。

 

しかし、ネバーランドで出会ったのは、

いたずら好きなトーマスとは正反対の少女、リリーでした。

リリーは、純粋で優しい心を持った女の子で、

どんな生き物にも優しく接していました。

リリーは、迷い込んだトーマスを温かく迎え入れ、

ネバーランドの素晴らしさを教えてあげます。

 

リリーと一緒に過ごすうちに、トーマスは少しずつ変わっていきます。

リリーが動物たちと心を通わせる姿や、

誰とでも分け合う優しい心を目の当たりにし、

自分の心を恥ずかしく思うようになります。

 

ある日、トーマスは、リリーと一緒に隠された洞窟を探検することになります。

洞窟の中には、美しいクリスタルが輝いていました。

しかし、そのクリスタルは、ネバーランドの命の源でした。

 

そのクリスタルを狙っていたのは、狡猾な海賊フック船長でした。

フック船長は、クリスタルを手に入れ、

ネバーランドを支配しようと企んでいました。

 

トーマスは、リリーを守るため、そしてネバーランドを守るために、

勇気を振り絞ってフック船長に立ち向かいます。

最初は臆していたトーマスですが、

幼い体でも、守ることに一生懸命な、何の迷いもないリリーの姿を見て、

「僕が守る」と勇気を出すことができました。

 

激しい戦いの末、トーマスたちは、

フック船長を追い払い、クリスタルを守り抜きます。

ネバーランドの平和を取り戻したトーマスは、心から安堵し、

リリーに感謝の気持ちを伝えます。

 

ネバーランドでの冒険を通して、トーマスは心から変わりました。

いたずら好きだった少年は、優しい心を持った少年に成長したのです。

 

別れの時が来たとき、トーマスはリリーに約束します。

「僕はもう、誰かを傷つけたりしない。優しい心で生きていくよ。」

 

リリーは、微笑んでトーマスに告げます。

「いつでも、ネバーランドは君を待っている。優しい心を持った君は、いつだって歓迎されるよ。」

 

トーマスは、ネバーランドでの思い出を胸に、

現実の世界へと帰っていきました。

 

ネバーランドでの経験は、トーマスの人生を大きく変え、

彼は、優しい心を持った立派な少年へと成長していくことでしょう。