popoのブログ

超短編(ショートショート)

おっちょこサンタ☆

今年もクリスマスがやってきた。

イブのサンタクロースは、世界中の子供たちに

プレゼントを配るため、そりの準備で大忙し。

 

「よし、これで完璧だな!」

 

サンタクロースは、プレゼントの山を確認し、満足げに頷いた。

ところが、そりを走らせる時、

なんとプレゼントの山から大きなぬいぐるみが転がり出てきて、

そりに引っかかってしまった!

 

「あっ!」

 

慌ててぬいぐるみをどけようとしたサンタクロースは、

バランスを崩してそりから滑り落ちてしまう。

プレゼントの山にダイブしたサンタクロースは、

鼻を赤くして「くしゅん!」と大きくくしゃみをした。

 

「しまった、風邪を引いてしまったかも…」

 

サンタクロースは、熱が出て体がだるい。

でも、世界中の子供たちの笑顔のために、プレゼントを配らなければ。

熱を下げる薬を飲んで、何とか元気を出そうとしたが、

なかなか体調は回復しない。

 

「どうしよう…このままじゃプレゼントを配れない…」

 

そんな時、トナカイのルドルフが心配そうに

サンタクロースを見つめていた。

 

「サンタさん、無理しないでください。僕たちが手伝います!」

 

ルドルフの言葉に、サンタクロースは感動した。

トナカイたちは、サンタクロースの代わりにプレゼントを配ることを決意。

 

「でも、僕たちは人間の世界のことをよく知らないし、プレゼントを配る順番もわからないよ」

 

と、トナカイたちが心配そうに言うと、

サンタクロースは、大きな地図を広げて説明し始めた。

 

「みんな、それぞれの国や街の子供たちの名前と、欲しいプレゼントが書いてあるよ。これを頼りに、プレゼントを配ってほしいんだ」

 

トナカイたちは、サンタクロースの説明を聞き、

一生懸命にプレゼントを配り始めた。

最初は戸惑っていたトナカイたちも、だんだんと慣れてきて、

子供たちの寝顔、笑顔を見ると幸せでたまらなかった。

 

一方、サンタクロースは、暖炉の前で休んでいたのであった。

 

「みんな、頼もしいな…」

 

サンタクロースは、トナカイたちの活躍を心から喜んでいたのであった。

 

「こうしちゃいられない。」

 

そして、クリスマスの朝。

子供たちは、枕元に置かれたプレゼントを見て大喜び。

トナカイたちが一生懸命に配ってくれたプレゼントは、

子供たちの心を温めた。

 

サンタクロースは、少し遅れて

プレゼントを配り終えた子供たちのところへ現れた。

 

「メリークリスマス!みんな、プレゼントは気に入ったかな?」

 

サンタクロースの登場に、子供たちは歓声を上げた。

 

「サンタさん、ありがとう!」

 

子供たちの言葉に、サンタクロースは笑顔を見せた。

 

「いや。実は…」リンリンリン!!

 

何かを言おうとしたサンタクロースの

口をふさぐかのように、トナカイたちの鈴の音が鳴った。

 

サンタクロースは外で待つトナカイたちと目が合った。

 

そして頷く。

 

「みんなが喜んでくれてよかったよ。来年もまた会おうね!」

 

そう言って、

サンタクロースとトナカイたちは空へ飛び立った。

 

こうして、おっちょこちょいなサンタクロースは、

トナカイたちの助けを借りて、世界中の子供たちに笑顔を届えたのであった。