診療室では、重曹水が炭酸飲料を中和する動画を皆様に
ご覧いただいているのですが、
まだ観ていない!、という方はおられますでしょうか?
ブログ用に小さく編集して掲載しようと頑張ったのですが
どうも上手くいきません。
まだご覧になっていらっしゃらない方は、
スタッフに「重曹の動画見せろ!」とおっしゃってくださいね。
動画の中身は、
pH3の炭酸飲料が、重曹水で瞬間的に中和されてpH7になる。
というものです。
ちょっと詳しく書くと、
重曹はNaHCO3ですが、
水に溶かすと電離してNa+とHCO3-になります。
このHCO3-は重炭酸塩とか炭酸水素イオンとか呼ばれていて、
これが
H+(酸)を中和するわけです。
こんな風になります。
HCO3- +
H+ → H2CO3 →
H2O(水)+
CO2(二酸化炭素)
このことは古くから知られていて、
歯科衛生士向けのテキスト*に載っています。
「う蝕に関わる要因」の中に
HCO3-が唾液の緩衝機能(この場合酸を中和する)
として右下端に書かれています。
また耳下腺唾液(噛むと出てくる唾液)の中には
HCO3(炭酸水素イオン)が含まれているという図もあります。
噛んだら出る唾液の量が多い程、
HCO3も多いのです。
だからよく噛んで食べましょう、というお話です。
これはDawesという方の1969年の研究です。
このHCO3-という物質が実は
重曹だった、
ということに歯医者が気が付かなかった、だけ(?)
いやはや、とんだ間抜けでした。
F-(フッ素)ばかりに気を取られていた、ということですね。
実は重曹は虫歯予防どころか、
虫歯の進行を抑え、
虫歯の自然治癒に絶大な効果があったのです。
重曹水の作り方、
ティー・スプーン1杯(3g)の重曹を500mLのペットボトルに入れて
水を口まで注ぎ、振って溶かすだけ。
使い方、
飲食後なるべく速やかに、
重曹水を口に含んで グチュグチュ(^~^)、ペッ。
たったこれだけ。
*「カリエスコントロール」飯島洋一・熊谷崇著 医歯薬出版株式会社