Adobe画像生成AI「Firefly web版」正式リリース 商用利用が可能に

AdobeはかねてよりWebアプリとして公開してきた、独自の画像生成AIツール「Adobe Firefly web版」を正式にリリースしました。

「Midjourney」や「Stable Diffusion」、「DALL-E2」など有名な画像生成ツールもありますが、どれも著作権の問題がグレーの状態で、特に商用利用はむずかしいのが現状です。

「Firefly」は商用利用に完全対応したため、仕事でも自信を持ってAI画像生成を行うことができます。

Adobeの画像生成AI「Firefly」とは?

Fireflyとは、Adobeが公開しているクリエイティブのための生成AIです。

Adobe Fireflyは、画像生成、テキスト効果、ベクター用の生成AIモデルを基盤としており、日本語を含む100以上の言語のテキストプロンプトをサポート。

商用利用として安全性を考慮した魅力的なコンテンツを、世界中のユーザーが生成できるように設計されています。

「Fireflyってどんなことができる?」というひとは、以下の記事で詳しく解説しています。

使い方に関しては以下の記事を参考に。ベータ版となりますが、操作は一緒になります。

Adobe Fireflyどう変わった?

これまでベータ版として公開されていた「Firefly」ですが、正式版リリースでどのように変わったのでしょう。

1.著作権問題クリアで商用利用も可能

「Firefly」のもっとも大きな変化がずばり、「著作権クリアで商用利用できるようになった」こと。

公式版がリリースされたことで、生成したコンテンツはすべて商業目的で利用できることになりました。

ベータ版は無料利用のみだったため、「これを待っていた」というひとも少なくないでしょう。

2.無料だったβ版からサブスクプランへ移行

Adobe Fireflyは、サブスク版のAdobe CC単体アプリとなり、無料とプレミアムプラン(680円/月)が提供されます。

その違いは生成クレジットの上限。

Adobe ユーザーは変わらず無料で利用できますが、プランに応じて生成クレジット上限が変わってきます。

各プランの詳細は以下の通り。

オファー生成クレジット上限上限を超えた場合
Creative Cloud無料メンバーシップ、Adobe Express無料プラン、Firefly無料プラン25クレジット/月翌月まで使えない
Fireflyプレミアムプラン(月額680円 | 年間6,780円)100クレジット/月生成AI機能は利用できるが、スピードが遅い
Adobe Expressプレミアムプラン250クレジット/月同上
単体プラン(Photoshopのみなど単一での利用)500クレジット/月同上
Creative Cloudコンプリートプラン1,000クレジット/月同上
生成クレジットの追加購入
100生成クレジットごと680円
100クレジット/月同上

Adobeの全ツールを利用できるCreative Cloudコンプリートプランが、1,000生成クレジット/月と最多。

生成クレジットがなくなっても、AI機能は利用できますが生成スピードが遅くなるとのこと。

足りなくなった分は、100クレジット(680円)で追加購入も可能です。

3.Adobeツールとの連携がより強力に

Firefly生成AI搭載のツールを使用すれば、あっという間にアイデアがカタチにできます。

いくつかの言葉から画像を作成したり、色を無限に組み合わせたり、人目を引くテキストスタイルを作成したりできます。

現在「Firefly」が搭載されているAdobeアプリは、次の3つ。

Photoshop編

これまでベータ版のみで利用できた「生成塗りつぶし」機能が、ついに正式リリース。

Photoshopの「生成塗りつぶし」と「生成拡張」 出典: Adobe

Fireflyの生成AIによって、画像にないものを足したり、不要なものを消したり、背景を拡張したり、置き換えたりできるようになりました。

さらに、ベータ版では英語のみだったテキスト入力が、日本語でもできるように。

これまで数時間かかっていた作業も、ほんの数秒で完了します。

Fireflyの生成AIを実際に活用した写真加工レビューを、後日投稿する予定です。

Illustrator編

Illustratorの生成再配色 出典: Adobe

テキストを入力することで、カラーパレットやテーマを複数生成。イメージに合ったものを選択し、ベクターの配色を即座に変更できます。

Adobe Express編

誰でもかんたんに魅力的なコンテンツを作成できる「Adobe Express」にも、Fireflyが正式搭載されました。

Adobe Expressでも「テキストから画像生成」と「テキスト効果」が利用可能に

UIが一新され、動画対応やPDF編集となど便利な機能が増えており、Fireflyで生成したコンテンツの追加も可能です。

Adobe Expressを「AIファーストのオールインワンコンテンツ制作アプリ」と位置づける、アドビの本気度がうかがえます。

SNSでよく見かける「動きのある」動画向けテンプレートも豊富に揃い、文字や写真を入れ替えれば、さくっとデザインを完成させることも可能。

文字と写真を入れ替えれば使えるテンプレートも多数

プレミアムプランは、写真やイラストなどのAdobe Stock素材や、高品質なフォントライブラリAdobe Fontsもアプリ内で利用でき、月額1,078円とお得。

アイデアを形にしてすぐ見せたい」というときは、ゼロから作るより圧倒的に早いと感じました。

本番コンテンツ前のアイデア出しや、ディレクションツールとしての使い方におすすめ。

4.自信を持って制作できる安心感

クリエイティブの可能性をストレスなく広げましょう。

生成塗りつぶしは、生成AIファミリーの一部であるAdobe Fireflyの技術を利用した機能。

Adobe Fireflyは商業利用が可能で、Adobe Stock画像、オープンライセンスの作品および著作権の切れた一般コンテンツでトレーニングされています。

今回の正式リリースでは、Adobe Fireflyで生成したコンテンツの商業利用も許可されたため、仕事でも安心して利用することができます。

エンタープライズ向けのプランでは、Fireflyで生成されたコンテンツに対して知的財産権(IP)に関する申し立てが発生しても、アドビからIP補償を受けることもできます。

Midjourneyなど他の画像生成AIツールが、著作権があいまいで訴訟が頻発している今、この安心度は大きいと言えるでしょう。

Adobe Fireflyを制作に活かす方法

「思いついたアイデアを形にしたい」

「でも作成にできだけ時間はかけたくない」

こんなときAdobe Fireflyを使えば、思いついたアイデアを言葉にするだけで、画像や写真を誰でも簡単に生成できます。

コンセプトのアイデアを伝えるのに最適なため、プロジェクトを分かりやすく視覚的に伝えるのにかかる時間を短縮にもつながります。

新たな機能が続々追加予定

今後搭載予定の機能をまとめた動画

まだ利用はできませんが、Fireflyは今後も機能を追加予定です。

今後も続々機能が追加予定
  • スケッチから画像作成 – シンプルな手描きスケッチをフルカラー画像に変換
  • 3Dから画像生成 – 3Dシーンからテキストで画像を生成
  • パーソナライズされた結果 – 独自のオリジナルスタイルでの画像生成
  • テキストからベクター生成 – 編集可能なベクターも一発生成
  • テキストからパターン生成 – テキストから継ぎ目のないパターンを生成
  • テキストからブラシ生成 – PhotsohopとFresco用に思い通りのブラシを生成
  • 画像を拡張 – 画像に映っていない部分を生成
  • テキストからテンプレート生成 – 文字一つで編集可能なテンプレートを生成

生成AIはツールのひとつ

これまでのクリエイティブツールと同じように、生成AIを操作するのはもちろん人間。

質の高い生成AI作品を生み出すには、学習が必要。

従来のソフトウェアで生成AIの画像を編集することが可能(いずれ必要となるはず)。

出典: Adobe Firefly

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Adobe Stockは、アドビがクリエイターのためにつくったストックサービスです。写真やイラストなど高品質な素材が約3億点。無料素材も100万点。
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参考URL : アドビ、Adobe Fireflyの一般提供開始と「Adobe Firefly web版」を発表

参考URL : Adobe ExpressでAdobe Fireflyの生成AI機能が商用利用可能に