Adobeが独自のAI画像生成ツール、「Adobe Firefly(アドビ・ファイアフライ)」のベータ版をリリースを発表しました。
画像や動画、音楽などあらゆるAI関連サービスがリリースされるなか、この一年間沈黙を貫いてきたAdobe。
ついにラスボス登場、といったところでしょう。
3/31更新: 利用リクエストが通ったので、実際につかってみました。
AIイラストブーム到来、Adobe Fireflyベータ版の使い方
アーティストの権利を守る画像生成AIツール
Dalle-EやMidjourneyなど画像生成AIツールの多くが、どのようなデータを学習、訓練しているのか、詳細を明かしておらず、著作権もグレーなのが現状です。
しかしAdobe Fireflyの学習には、著作権が切れているか、トレーニング用にライセンス契約しているか、数億を超えるAdobe Stockライブラリのコンテンツを利用することで、アーティストやブランドとの著作権、IP(知的財産)トラブルをできるだけ解決しています。
商用利用できる他、Photoshopですでに採用されている、権利者や作品の編集履歴などを埋め込む、「コンテンツクレデンシャル機能」にも対応しています。
現在のベータ版では、ブラウザのみの利用ですが、PhotoshopやIllustrator、Adobe ExpressなどAdobe製品で直接扱うことができるようになる予定です。
Adobe Fireflyを使えば、クリエイターは経験やスキルに関係なく、画像、音声、ベクター、動画、3Dなどのコンテンツを、これまでにないスピードと手軽さで生成できるようになります。
Adobe Fireflyでどのようなことができるのか、詳しくみていきましょう。
なお実際に使う場合は、Adobe Fireflyのサイトでまずリクエスト申請する必要があります。
文字入力をベースとしたビデオ編集で、色やムード、雰囲気を瞬時に変更可能
「動画を冬の日に変更して」と入力すると、一瞬で寒そうな冬景色に切り替わりました。
さらにバリエーションも用意されているので、用途や目的にあったデザインを作成できます。
コンテンツに応じた画像生成で、クリエイティブの選択肢が無限に
フォトショップではおなじみの、コンテンツに応じた画像編集も、Adobe Fireflyではパワーアップ。
イラストの一部を選択するだけで、灯台など建物周辺のみがマスクされ、ボタン一つでデザインをガラリと変えることも可能になります。
手描きのスケッチからカスタムベクターやブラシ、テクスチャを即座に生成
手描きのロゴスケッチを読み込み、「このスケッチのバリエーションをベクター化して」と入力すると、一瞬でベクターファイルが生成されました。
ベクターなので、もちろんIllustratorでパスの変更など、編集も可能です。
文字や画像、ムードボードからテンプレートを自動生成
「ムードボードからテンプレートを作成して」と入力すると、デザインがはじめての人でも、数タップで魅力的なテンプレートの完成です。
Adobe Expressとの相性が良さそうな機能のひとつ。
3Dモデルから本物そっくりな画像を生成
シンプルな3Dコンポジションを読み込ませるだけで、スタイルのバリエーションから本物そっくりな画像を生成することも可能に。
バンド部分にはレザーやラバーの素材が適用され、時計のパネルにはメタリックな金属テクスチャが用意されました。
Substance 3Dにおいて、大幅な時短につながりそう。
Adobeは、テクノロジーの力を最大限に発揮するには、それを後押しする素晴らしい想像力が必要だと考えています。
ベータ版のプロセスを通じて、クリエイティブコミュニティやユーザーからのフィードバックを集め、この革新的なテクノロジーを進化させ、Adobeの各アプリケーションへの統合を順次開始する予定です。
またAdobeは、顧客のカスタムワークフローやオートメーションに統合したり、APIを通じてAdobe Fireflyが利用できる「エコシステムの構築」や、クリエイターへの報酬や対価の支払い、権利関係を明確にした「オープンスタンダードの提唱」なども計画中。
Aodbe Fireflyの正式なリリース日は、まだ未定となっているため、Adobe Fireflyベータ版への申し込みを行う必要があります。
参照元リンク : Adobe Firefly