毎年、世界中のクリエイターが注目するPantone(パントン)社の「カラー・オブ・ザ・イヤー」。
2025年のテーマカラーとして発表されたのは「モカ・ムース(英: Mocha Mousse)」という、自然を感じさせる洗練された茶色。
昨年の「ピーチ・ファズ」は、新たな始まりや希望を象徴する明るいオレンジ系のカラーでした。
一方で、「モカ・ムース」は、その延長線とも言える安定感や調和を重視したトーンに進化しています。
この記事では、「モカ・ムース」の魅力とともに、グラフィックやWebデザインでの具体的な活用アイデアを掘り下げ、トレンドカラーを効果的に取り入れる方法をご紹介します。
2025年Pantoneカラー「モカ・ムース」の魅力と特徴
「モカ・ムース」(PANTONE® 17-1230 Mocha Mousse)は、柔らかなブラウンのニュートラルカラーで、穏やかさとモダンさを兼ね備えたおしゃれな配色。
Pantoneは、この色を2025年のテーマカラーに選ぶ理由として、「自然との調和」と「心の安定」を挙げています。
日常生活の中でリラックス感を与え、どんなデザインにもなじむ汎用性の高さが特長です。
2024年の色「ピーチ・ファズ」とどう違う?トレンドの変化を解説
2024年のPantoneカラー「ピーチ・ファズ」は、柔らかいオレンジ系の色合いで、新しいスタートやポジティブなエネルギーを象徴していました。
一方で、2025年の「モカ・ムース」は、その明るい希望が形となり、心の安らぎや落ち着きを反映しています。
これらのカラーは、プロジェクトにストーリー性を持たせたいときにも活用できます。たとえば:
- 「ピーチ・ファズ」: ポップでエネルギッシュなアクセントカラー
- 「モカ・ムース」: 柔らかで安定感のあるベースカラー
二つの良さを組み合わせることで、ポジティブで調和の取れたデザインを実現できます。
「モカ・ムース」の具体的な活用アイデア
1. Webデザインでの活用テクニック
背景色として使う
「モカ・ムース」は、ウェブサイトの背景色として最適な配色。
落ち着いた洗練された雰囲気は、ユーザーの視線を邪魔せず、コンテンツを引き立てます。
特に、ナチュラル系やミニマルなデザイン、 美容などコスメティックス分野、高級感のあるホテルやレストランなどにもぴったりです。
アクセントカラーとの組み合わせ
その落ち着いたトーンで信頼感を与えたい要素にもおすすめ。
CTAボタンやフォームの背景に使用することで、控えめながらもプロフェッショナルな印象を与えます。
たとえば、シンプルな白やクリーム色のフォントをボタン上に配置すると、視認性が高く、温かみを感じるデザインになります。
また、『モカムース』をボタンのホバーカラー(マウスオーバー時の色)として使用すれば、動きのある洗練されたデザインを演出できます。
マイクロインタラクションで動きと深みをプラス
マイクロインタラクションやアニメーションにも活用してみましょう。
落ち着きのあるブラウンカラーは、視覚的なストレスを軽減しながらも、動きによるアクセントを際立たせる効果があります。
アニメーションに取り入れることで、静的なデザインの動きを加え、親しみやすさとプロフェッショナルな印象を同時に実現できます。
2. グラフィックデザインでの活用テクニック
「モカ・ムース」 をSNS投稿向け背景に
落ち着きと洗練を感じさせる色合いは、ソーシャルメディア投稿の背景色にも最適です。
明るいクリーム系や「ピーチ・フィズ」と組み合わせることで、柔らかさの中にアクセントが加わり、視認性の高いデザインに仕上げることができます。
プロダクトパッケージで信頼感をプラス
ナチュラルやオーガニック志向の製品には、「モカムース」が特にマッチします。
穏やかで調和のとれた印象を与えるため、食品やスキンケア商品などのパッケージデザインに使用すれば、自然やサステナブルへの配慮や、高品質なブランドイメージを伝えやすくなります。
3. インテリアデザインでの活用テクニック
リビングルームで落ち着いた空間を演出
「モカムース」は、リビングルームの壁や家具に取り入れることで、リラックスした雰囲気を作り出します。
特に、木材や観葉植物との組み合わせが美しく、ナチュラル志向の心地よい高級感のある空気を演出できるのもポイント。
アクセントカラーとして明るさをプラス
落ち着いたトーンの「モカムース」をベースとして、クッションや小物に「ピーチ・ファズ」を取り入れることで、空間に明るさと活気をプラスできます。
「 モカ・ムース」のカラーシステム一覧
「モカ・ムース」(PANTONE® 17-1230 Mocha Mousse)のカラーシステムは以下の通り。ウェブサイトやアプリなどで利用したいときにどうぞ。
■ sRGBカラー : 164, 120, 100
■ HEXカラー : #A47864
■ LABカラー : 54.79, 17.05, 18.56
「モカ・ムース」と一緒に利用したい配色カラーパレット
Pantone社は、5つのカラーパレットを公開しており、ファッションや美容、インテリア、グラフィックやWebデザインなど幅広く利用できます。
#1 Uniquely Balance(ユニーク・バランス)
暖かい色と涼しげな色が混ざり合った、エキゾチックで多彩なカラーパレット。
豊かで穏やかなトーンによって、鮮やかな色合いを引き立てながら全体のバランスを整える役割を果たします。
#2 Floral Pathways(フローラル・パスウェイ)
春の庭園を思わせるこのパレットは、香りを連想させる花の色合いと 柔らかなブラウンが調和しています。
やわらかな緑色が、グレーの石畳を通る道筋のように描き、自然の調和を感じさせる配色。
#3 Deliciousness(デリシャスネス)
まるでおいしいお菓子を思わせる他の色と組み合わさり、視覚的に「味覚をそそる」配色を作り出します。
甘いスイーツからインスピレーションを得たパレットで、魅力的で楽しい印象を与えます。
#4 Subtle Contrasts(サトル・コントラスト)
洗練されたブラウン系の色合いが、青やグレーの微妙なコントラストと調和し、クラシックで落ち着きのあるデザインを生み出します。
さらに、輝くベージュ(バフドベージュ)がエレガントなアクセントとして全体に上品さを加えています。
#5 Relaxed Elegance(リラックスド・エレガンス)
ベージュ、クリーム、トープ、ブラウンなどの基本色が中心となるこのパレットは、力強く汎用性の高いベースカラーを提供します。
「モカ・ムース」も加わることで、洗練されたシンプルさを実現し、多彩なデザインの可能性を広げる落ち着いた配色。
歴代 Pantone カラー・オブ・ザ・イヤー
PANTONEが毎年12月に発表し、2000年の第1回目から今年で25年目を迎えるカラー・オブ・ザ・イヤー。
これまでの歴代の「今年の色」も一緒に確認したいときは、こちらからどうぞ。
これまでのPantone カラー・オブ・ザ・イヤーも、一緒に確認してみてはいかがでしょう。
「モカ・ムース」でトレンドを先取りしよう
2025年のPantoneカラー「モカムース」は、デザインに洗練とバランスをもたらす万能カラーです。Webやグラフィックデザインに取り入れるだけで、最新トレンドを簡単に表現できます。
Pantone公式サイトでは、「モカムース」を活用したカラーパレットや実例も紹介されています。この特別な色をプロジェクトに取り入れ、デザインにトレンド感をプラスしてみませんか?
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