『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』  監督 京極尚彦 原作 柳内たくみ  自衛隊が異世界に行っちゃた物語類型としては完成形の物語で、とても面白いです!!(つーか、ピニャ殿下の涙目がかわいすぎます)

「GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」 vol.12 動乱編III<初回生産限定版>【Blu-ray】

評価:★★★★星4つ
(僕的主観:★★★★★5つ)

異世界に行ってしまう物語類型の軍隊と文明ごと行けるようになって系統の物語です。且つ、自衛隊が、俺ツエェー系です。一言でいえば、自衛隊が補給を確保したまま中世レベルの文明の異世界に干渉する話です。物語としては、この類型の完成形ともいえる作品です。且つメディアミックスの漫画もアニメも、演出レベルが非常に高く、どれを見ても満足できる作品なのでおすすめです。実は、自分の批評的な観点を除けば、物語のカタルシス、登場人物たちの内面の掘り下げ、関係性、物語内部での現実レベルの維持のための演出の首尾一貫さ、などなど★5なのです。


が、僕自身は、感情的にはこの類型の物語が大好きで、すっごいカタルシスと面白さを感じるのですが、しかしながら、常に冷静な批評的な視点で、日本万歳!がベースになっていて、日本以外の国の視点が日本的に歪んで解釈されて、すべてが日本にとって都合よく解釈されている、他国の視点が抜けているこういう類型の問題点を、そのまま無視していいのか!!!といつも胸の中がもやもやしてしまうのです。この系統の物語類型の政治における中国やアメリカとの他国の外交関係の感触が、戦前の日本の大日本帝国の歴史書などを読んでいる時に感じる感触とまるで瓜二つなので、いつも、胸がもやもやッとしてしまうのです。それに拍手喝さいを感じて、感動するので、ああ、僕も日本人なんだなーと思うのですが、冷静な批評的な視点な自分が、それでいいの!?ほんとうにいいの!?って、いつも思うんです。


前にも書きましたがこういう植民地主義的な、文明の格差を利用として「常に上からの目線」で野蛮な波や文明を導いてあげる俺様が強い!という視点の冒険譚は、人類基本の欲望なんです。ヨーロッパ文明が最強を誇ったこの近年数百年には、そういった冒険譚や探検物語、溢れかえっているんです。たとえば、ポカホンタスとジョンスミスの話なんか、まさにそれですよね。アメリカ合衆国の国会議事堂(キャピトルヒル)に巨大な絵画が描かれたりするほどのストーリーですよ。リアル異世界転生チート物語です。まぁ、ポカホンタスと結婚したのは、ジョンスミスとは違うイギリス人でしたけどね。

ポカホンタス [DVD]

もう少し細かく知りたいした人は、以下もいいですよ。

アメリカ人の物語1 ポカホンタスとジョン・スミス: ジェームズタウン創建記 (歴史世界叢書)


僕は、異世界転生の物語類型において、この部分をいつも取り上げるので、過去の記事から抜き出してみましょう。僕の大好きな『本好きの下剋上 〜司書になるためには手段を選んでいられません〜』の記事からです。この作品をただ感情的に好きでなく、類型として大絶賛している理由は、この文明格差による植民地的視点によるチート臭を、どのように回避しているかという点にあります。いいかえれば、僕は批評的にそこがクリティカルポイントだと思っているわけです。

異世界転生の俺ツェェー系の類型の話に置いては、もちろんのこと、現代の進んだ文明の「格差」を利用する植民地視点的なチート視点がある、と過去の記事で書いたことがあります。そのチートさこそが、この類型の魅力のコアの一つだと。一昔前の『反逆のルルーシュ』のあたりで話していた、全能感の接続するものですね。僕はこの植民地的な視点というのは、告発的な揶揄で書いているわけではありません。人間は、こういうのが大好きなんです。前に書きましたが、19世紀には、フランスの海軍の将校がたくさんの小説を書いて凄い売れたそうなんですが、その内容が、まさにこの植民地的な文明の落差を利用したもので、ほとんどすべてが、現地の酋長や族長の娘を嫁に差し出される(苦笑)というものになっていて、ああ、、、人間の想像力はほとんど同じなんだなって思っています。アメリカでいうと、有名どころではポカホンタスの物語がまさにこの類型ですよね。なにしろアメリカの国会議事堂の絵画にまで書かれている有名な話です。ちなみに、ここでいったフランスの海軍士官は、もちろんこのころ日本や様々な未開の国、といわれるくにに軍艦で訪れていた体験記の体裁を取っていたようです(←そのまんま!(笑)。

逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)

あっと話がずれましたね。えっとね、うん、僕はそういう「格差」を利用したチートさを楽しむ類型の物語を、それそのもののことで、批判する気はないんですよ。植民地的、という表現は語弊があるかもしれませんが、、、、。人間って、そういうものなので、それを物語で楽しむのは、原初的な想像力の欲望なんで、そこは僕は肯定したいです。。。。とはいえね、本質的な底の部分を肯定した上で、それでも、全能感の時の議論に接続するんですが、、、ああ、僕が唯一といってもいいくらい、酷評と許せないと怒ったアニメーションのラインバレルという作品に対して、の問題点と同じなんです。

『鉄のラインバレル』 日高政光監督 主人公の醜悪なルサンチマンにひきませんか?
http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20090113/p1

仮に、そういった「文明」の格差を利用したチートが、厳然とあったとします。まぁ実際、この500年ぐらいは、西洋文明優位の世界が続いてきたわけだし、そういうものって、マクロ的とか、グランドルール的(僕的な言葉で云うと)にあるという状態があることはありえると思うんですよ。けど、仮にそういう外部環境があったとしても、そこに生きるミクロの個人が、そういったチート的な問題に対して、どのように倫理的に行動するか、考えるかということは全然別にあると思うんですよ。


『本好きの下剋上 〜司書になるためには手段を選んでいられません〜』 香月 美夜著  対等な目線感覚が、異世界転生のチートさの臭みを消去する
http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20140719/p1

本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第二部「神殿の巫女見習いIII」


そういう意味では、GATEは、この文明格差による植民地的視点からでるチートへの倫理問題は、とてもうまくあつかっていると思います。炎龍編のダークエルフ、ヤオの物語です。


アニメの15話しぐらいを見ている時にこうつぶやいていました。このヤオってダークエルフの女性は、自分の身体を差し出しても、すべてを差し出しても、どんな卑劣な手段をつかっても自分たちを助けてほしいと、自衛隊に、主人公である伊丹耀司に迫ります。これを見て、ああ、これが、たとえば、虐殺が続いているアフリカの国で、国連軍やアメリカ軍の兵士泣いて迫って自分たちを助けてくれといわれるのと、全く同じ構造だなと思いました。ヤオは言います。そこになんとかする力があるのに、それを使ってくれないのはなぜだ?と。けれども、現実に考えれば、中東が荒れているからといって、過去にはイギリス帝国が、その後はロシアがアメリカが軍隊を送りました。けれども、どうなったでしょうか?。軍隊を送るほどのお金をかけるのに国益を追求しない国はありません。そして、パレスチナ問題が生まれ、、、と、様々により複雑になっていきます。ことはそう単純ではありません。が、ヤオのような、自分たちの仲間が「今まさに殺されており、全滅の危機にさらされている」人にとっては、そんな先のことは考えても仕方がありません。ああ、人権外交による侵略というのは、まさにこの構図から生まれてくるんだ、とその原初的な姿をまざまざ見せられた気がして、いや、いい物語だなって唸りました。また、主人公の伊丹という青年の過去の母親を精神病院に叩き込んだトラウマの話が出てくるのはこのあたりですが、父親を殺されて精神を病んだテュカのドラマと重なって、「弱いものを助けるというのはどういうことか?」というドラマトゥルギーが上手く生まれています。主人公の過去(母親)の現在(テュカ)のミクロの動機の物語と大きな物語が接続されていて傑作です。弱いものを助けるということは、一緒に倒れる覚悟がある場合だけだ、というのはグランドルールです。けれども、そういってしまうと、結局のところ何もできなくなってしまう。なぜ人は力を求めるのか?といえば、圧倒的な力があれば、こういうグランドルールに支配された袋小路のどうにもならない状況を、解決できるからなんです。しかしその暴力的な「力」は、同時に権力を生み、格差を利用した支配、被支配の関係も容易に生み出してしまう、という難しさが、この世界の原理なわけです。いやは難しい。僕は、この炎龍編は、要は文明技術格差をベースにしたチート臭を、人権思想によってどう介入の力に変えていくか?というギリギリの話になるところが、面白いなーと思いました。物語としては、要は自衛隊が、困っている人を助けというだけのカタルシスの物語になるだけという枠組みもいいです。この辺りを丁寧に、特に飛躍なく描いていると、そもそもの文明格差によるチート問題という構造から浮かび上がるものが、じわじわ出てくるので、いい作品だなと思います。作品の中で、この問いに逃げていないからです。


しかし、一つ、この作品「だけ」の問題ではないので、この作品の評価を下げるというか、この類型の物語で、なんだかどうしてもモヤモヤするポイントがあります。それは、日本と他の国々との外交関係です。日本と異世界・特地の関係が、常に日本の方が道徳倫理的に正しい近代国家であるという「格差」によって成立しているところがこれらのチート物語のカタルシスなわけなんですが、それにひきづられる形で、日本と異世界の関係に介入してくる外国(とりわけ中国。それにアメリカとロシア)が醜悪な野心丸出しの国として描かれるんですね。日本側は、誠実に物事に当たっているのに、それをかき乱す、侵略意識丸出しの野蛮な国とでもいえるような扱になるんです。特に中国とアメリカが、そういった野心丸出しの国として干渉することが多いのです。もちろんこれは、2000年代の2010年代の昨今のリアルな政治状況の反映にあると思うのです。中国が、派遣意識丸出しで沿ってくる現在の秩序に対する挑戦者として描かれるのが、現代日本の感覚なんでしょう。典型的な漫画は、以下ですね。かわぐちかいじさんは、この辺の時代の空気を取り込むのが凄いうまいので、下記はおすすめです。

空母いぶき 1 (ビッグコミックス)

ただし、かわぐちかじさんの中国観は、常に同じで、僕は、そんな三国志的な武将みたいな中国人ばかりじゃないと思うなーといつも苦笑してしまいますが。でも、反逆のルルーシュの中国もそうでしたし、日本人の中国観って、ああいうものなのかなぁ、とため息が出ます。まぁ、物語的には、一枚岩の陰謀を巡らせる尊大な中国人!とかが一番わかりやすいんでしょうね。米内光正という戦前の総理大臣がいるんですが、この人は、あれだけ海軍のエリートになった割には、キャリアのコースは、かなりひどくて、中国の駐在武官やそういった凄い地味な仕事をずっとやっている人なんですが(なんであんなに出世できたのかキャリアから見ると不思議で仕方がない上に、欧米コースの留学者でもないのにあんなにアングロサクソンサイドに立つというのも不思議・・・・中国をリアルに見れると、そうなるのかもなぁ。)、日本は、中国のリアルというか、そのままを全く見えていないで観念だけで見ているというようなことを言っているのを何かで読んだことがありますが、そうなんだろうなーと思います。これも何かの本で読んだのですが、中国という国は、政治のエリート層と民衆は全く違うマクロの構造になっていて、これが複雑に入り組んでいることが、中国なんです。ところが、日本人は、そのどちらか一歩の部分を極端に観念だけで理解して、それと全く違う現実を見て裏切られた!とか、あの国はおかしい!とか騒ぎ始めて、本当にまったく外部のことが理解できないダメな国民だ的なことを、評論家か何かが言っていたのを思い出します。もっと中国のそのあたりのイメージを変えてくれるようなエンターテイメントが生まれてくれないものか、としみじみ思います。いまのところ最高なのは、やっぱり浅田次郎『中原の虹』『蒼穹の昴』シリーズあたりですね。まぁ他国を理解するのは難しく、本当に深く勉強して、そしてかつ住んでみないと、ほとんど実感まで行かないんですよねぇ。

太陽の黙示録(1) (ビッグコミックス)

ちなみに、まったく話がそれますが、いまは中国が海から侵略してきて、現在の秩序の変更をしようとしている!!という物語類型が目立つようになってきたので、同時に、下記のマンガも見ると、なかなか感慨深いです。これは、元の日本侵略の防衛のお話ですね。これまだ連載中ですが、素晴らしい傑作です。現在と見比べたり比較して考えると、いろいろ思うところがありますよ。いやーー時代変わったんだな、、、パラダイムが変わったんだなーと思います。米ソの冷戦から世界新秩序(ブッシュ大統領)の混乱の時代を超えて、中国や新興台頭の時代なんですねぇ。EUが壊れそうだったり、アメリカがシェールガス革命で中東がいらなくなって、あのへんがめちゃくちゃになったり、、、全く世界観が変わってしまった気がします。長生きするって面白いですねぇ。

アンゴルモア 元寇合戦記(1)<アンゴルモア 元寇合戦記> (角川コミックス・エース)


話を戻します。ということで、僕は現在の現実のナショナリズム的な脊髄反射を反映した、日本人のナルシシズム的願望が多分に入りすぎている、覇権識丸出しの中国、アメリカ、ロシアなどの大国が、道徳倫理的に優れた?というか四苦八苦する日本、それに特にシンボル化された防衛の実を軸とする自衛隊というファンタジーによって描かれる、諜報活動や外交関係に凄い違和感があるんですよ。物語的に、まずこれが描かれないと土台が生まれないし、そもそも人気が出ないということはわかるので、ダメと言うのはいいがたいんですが。できれば、その先が見たいんです。この外国との関係性のリアルが全く見えていないで、非常に自己過信と被害者意識を軸としたファンタジーって、戦前の大日本帝国の意識とそっくりだなぁって。


日本は戦後は、アメリカを中心とする連合国によって道徳倫理的に下位にポジショニングされて位置づけられた口惜しさとルサンチマンがあふれまくっています。日本人のいまの信条は凄いわかります。それへの反動なんだと思うんですよね。日本の右翼の、自虐史観という発想もこれですね。不当に貶められて捏造したといいたいわけです。また日本の左翼が、率先して従軍慰安婦など問題を世界にアピールするのは、二度と倫理道徳的下位に置かれるような失敗はしたくないという被害者意識の反動がこじらせているものだろうと僕はいつも思います。より自分たちが倫理道徳的に優れるために、率先して自分たちの問題点に対する、加害者としての部分にスポットライトを浴びせていこうという発想です。加害者を告発する側に立つと、倫理的に上に立てるという発想ですね。この欲望の流れは、非常によく理解できます。右翼も左翼も、悲しいほどこじらせていて、痛いんですが、まぁそうなちゃうよなーとしみじみ思います(苦笑)。日本にとってのWW2って、本当にインパクトがでかい。この辺の流れは、佐々木俊尚さんの下記の本が凄いおすすめです。

「当事者」の時代 (光文社新書)

ちなみに、この類型というようにたくさんあるような言い方をしましたが、例えば例は『銀河連合日本』です。これも面白かったんですよー。★4つ級です。なんだけど、やっぱり同じ問題点を、死ぬほど感じるんです。GATEの方が、ずっと抑制的で真摯な感じがすが、この作品は『幼年期の終わり』ばりにSF的に突き抜けているので、それの酷さも、ぶっ飛んでます(笑)。ただねー、大国意識のアメリカや中国が、めっちゃめちゃひどい目にあっていく様を見るのは、もうカタルシスバリバリなんですよ!最高っす。本当にダメだと思うんだけど、、、(苦笑)。エンタメとして、すっごいいいので、ぜひとも読んでみてください。なろうで連載していた作品ですね。すでに完結しています。ああ、でも、SFとして考えるとこのアイディアは、★5つ級かなぁ。

銀河連合日本 1 (星海社FICTIONS)

二〇一云年、日本に異星人の巨大な宇宙船が飛来した。この未曾有の事態に世界各国は動揺し、それまでの世界秩序を根底から覆す事態に陥ってしまう。……彼らは極めて友好的であったが、地球世界全体ではなく、「日本」という特定の国家のみと交流を持ちたいと言う。他の地球国家にはまったく興味がないらしい。更にはその異常なまでに発達した彼らの科学力を惜しみなく日本に公開、提供する異星人。地球の各国、特にアメリカ、ロシア、中国、EUは、異星人の日本に対する対応に世界のパワーバランス崩壊を危惧する。

なぜ異星人は、地球の小さな島国である「日本」に固執し、日本にしか興味を示さないのか。それには遥か昔の日本のある物語と、一人の異星人女性が関係していた……


銀河連合日本 作者:柗本保羽
http://ncode.syosetu.com/n5084bv/


えっと、結論なんですが、僕は物語を楽しみたい人なので、先にも書いたとおり、この構造を前提として「その先」が見たいんですよね。エンターテイメントで。別に、エンタメで日本人が楽しむんだから、大国侵略意識丸出しの中国やアメリカがいいように日本にやられるのは、スカッとカタルシスを感じていいんですよ。物語の面白さの基本てそこだからね。でも、それは、なんというか、脊髄反射のレベルの作品で、時代を超えるマスターピースになれないんですよ。あと、戦前の日本を勉強するにつけ、いまも継続する民族的病として、自国の外のことを客観してみることができない、外から見える自分に対しての客観視ができない問題点って、最後の最後のグローバルな基本の戦略を間違えるので、やっぱり、こんな脊髄反射レベル「だけ」の物語類型が溢れるのは、寂しいのです。


その先を見てみたい、と思います。


尚、GATE自体は、非常によくできた作品だと思います。穴がない。この物語のポイントは、自衛隊の補給がが可能であるという点にあります。なので対等ではないチートが継続してしまう。しかしながら『戦国自衛隊』のように、補給がなければ、現地には勝てなくなる可能性が高くなるんで、対等になるんですよね。いいかえればチートさを失い、その世界でしか生きられないようになれば、それは現地化なので、対等になっていく可能性があります。というのが構造上あるので、こういった異世界に文明丸ごと運べる場合には、その運べるゲートなどをどう閉じるか、当時ないか?ということがポイントになるんですよね。まさに、ちゃんとそこにつながるところは、よくできている完成度の高い物語です。

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まぁ、ぼくがアニメを見ている中で、思うのは、ピニャ殿下がかわいすぎるってことです。飲んでしまいたしです。ピニャコラーダだけに。



ゲート―自衛隊彼の地にて、斯く戦えり〈1〉接触編