nanoVNA + nanoVNA-Saver でコアの μ´、μ´´ の測定

ここのところ日常の話題ばかりだが、久しぶりにに技術ネタ。

MLA48 のメンバーから nanoVNA と nanoVNA-Saver(ソフト)でコアの μ´、μ´´ 測定ができることを教えてもらい、実験してみた。

 nanoVNA 用の PCソフト  nanoVNA-Saver は以前は使っていたのだが、どうも性にあわなくて、NanoVNA-App に乗り換えていた。いつごろからこの測定が出来るようになったのか知らないが初期のバージョンは、これを含めてそんなに多くの機能は無かったように思う。ソフトはこちらからダウンロードできる。

というわけで最新バージョンをダウンロードして測定してみる。まずは設定、スタート画面から Display setup をクリックすると、こちらの画面になり色々な設定ができる。

Display Charts のところでは、6個まで画面を表示することができるが、ここでは S11μを一個だけセレクトする。その他の設定はデータが見やすいようにフォントの大きさや線の太さ、色などを設定すれば良い。というわけで、素性の知られた #43 コアを測定してデーターシートと比較して見ることに。

メイン画面の表示エリアを右クリックすると設定画面が出るので

測定するコアの Core effective length(磁路長)、Core area(断面積)、Core number of winding(巻線数)を入力する。

写真のように、ゼロプレッシャーソケットを使って DUT を簡単に取り外しできるように製作した測定治具を用意して、中央の TOOL 使って Open、Short、Load のキャリブレーションを行う。コアにワイヤーを3 Turn 巻き付けて測定する。

手持ちの FT82-43 コアを用意して、

 Core effective length(磁路長)= 53.7

 Core area(断面積)= 49.5

 Core number of winding(巻線数)= 3

のパラメーターを入れて、100KHz ~ 100MHz のスパンで測定すると結果はこの通り。赤のグラフが  μ´(左側のスケール)、青の表示が μ´´ (右側のスケール)となっている。デフォルトの表示では Auto で表示されるため、グラフ上で右クリックすると設定メニューが出るので、見やすいように変更してある。

データシートのグラフはこの通り。

測定結果のグラフの Y 軸( μ )のスケールが Log 表示に設定できないためリニアスケールとなり、違う結果に見えるかも知れないが、 μ´・μ ´´ が交差する周波数 10MHz あたりに着目するとほぼ正確に測定できているようだ。

コアの巻き数など最適な測定方法を見つけられていないが、少なくとも素性の分からないコアや表示がない無くなったものの弁別に役立と思う。