nanoVNA + nanoVNA-Saver でコアの μ´、μ´´ の測定

ここのところ日常の話題ばかりだが、久しぶりにに技術ネタ。

MLA48 のメンバーから nanoVNA と nanoVNA-Saver(ソフト)でコアの μ´、μ´´ 測定ができることを教えてもらい、実験してみた。

 nanoVNA 用の PCソフト  nanoVNA-Saver は以前は使っていたのだが、どうも性にあわなくて、NanoVNA-App に乗り換えていた。いつごろからこの測定が出来るようになったのか知らないが初期のバージョンは、これを含めてそんなに多くの機能は無かったように思う。ソフトはこちらからダウンロードできる。

というわけで最新バージョンをダウンロードして測定してみる。まずは設定、スタート画面から Display setup をクリックすると、こちらの画面になり色々な設定ができる。

Display Charts のところでは、6個まで画面を表示することができるが、ここでは S11μを一個だけセレクトする。その他の設定はデータが見やすいようにフォントの大きさや線の太さ、色などを設定すれば良い。というわけで、素性の知られた #43 コアを測定してデーターシートと比較して見ることに。

メイン画面の表示エリアを右クリックすると設定画面が出るので

測定するコアの Core effective length(磁路長)、Core area(断面積)、Core number of winding(巻線数)を入力する。

写真のように、ゼロプレッシャーソケットを使って DUT を簡単に取り外しできるように製作した測定治具を用意して、中央の TOOL 使って Open、Short、Load のキャリブレーションを行う。コアにワイヤーを3 Turn 巻き付けて測定する。

手持ちの FT82-43 コアを用意して、

 Core effective length(磁路長)= 53.7

 Core area(断面積)= 49.5

 Core number of winding(巻線数)= 3

のパラメーターを入れて、100KHz ~ 100MHz のスパンで測定すると結果はこの通り。赤のグラフが  μ´(左側のスケール)、青の表示が μ´´ (右側のスケール)となっている。デフォルトの表示では Auto で表示されるため、グラフ上で右クリックすると設定メニューが出るので、見やすいように変更してある。

データシートのグラフはこの通り。

測定結果のグラフの Y 軸( μ )のスケールが Log 表示に設定できないためリニアスケールとなり、違う結果に見えるかも知れないが、 μ´・μ ´´ が交差する周波数 10MHz あたりに着目するとほぼ正確に測定できているようだ。

コアの巻き数など最適な測定方法を見つけられていないが、少なくとも素性の分からないコアや表示がない無くなったものの弁別に役立と思う。

Maker Faire Taipei(台北)2024 : 付き添いの旅 3

 Maker Faire も終わり、台湾旅行の目的「その2」を果たすべく台南に向かう。それは台南在住の夫の知人に会いに行くのに付き添うこと、である。夫の趣味は天文と無線通信用のモノ作りだが、台南の人は無線通信関連の人である。

 南港駅発、朝9時44分発の自強号に乗る。Maker Faire が南港で開催されたおかげでもはや南港も勝手知ったるもの、なんせ猫が子育てしてる場所まで知ってるくらいである。前日にチケットは買ってあるので月台に向かう。それはプラットフォームのことで、初めて知った時にはなんと風情がある名前だろうかと感動した。だが南港の月台は地下で、月も太陽も見えない。

 自強号が南港を出た時には客はろくにいなかった。それが駅を迎えるごとに増えていき、車内は満席となり、やがて台中で乗客は殆ど降りて、台南到着まで4時間と少し。九州ほどの大きさの台湾で、都市から郊外、よく言えば田園、それから郊外になり都市、と繰り返しながら台南にたどり着いた。

 ホテルで荷解きをしていると、メールが届く。ホテルまでお迎えに来てくださるらしい。日本語が堪能な奥様と、観光の他に会社も見せてくださるという。夫だけならともかく、従業員の皆様の手前もあるだろうから、ここはきちんとしなければ!と、かぶるべき猫の準備をする。

 初めてお会いする ヘンリー陳 さんは優しそうな面立ちの人だった。奥様の マリア李さんはと言えば確実に元気印!それでほっとして、かぶっていた猫は一部飛んで行った。ちなみにお二人の名前が横文字なのは英語教育のおかげなのだそうである。お二人は英語に日本語まで堪能なのであった。助かったと簡単に言っていいのかどうか。ははははは。

 その日は月曜日、あいにく旧所名跡は殆どお休みだそうで、唯一開いているという安平樹屋に連れて行ってくださった。台湾史において最初に出来た港が安平で、樹屋は元々商社の倉庫であったものがガジュマルによって倉庫の形に覆いつくされたもの。周囲は回収、整備されて偉人の旧居や商社の事務所などと供に公開されている。

 ガジュマルは元々排他性の強い植物で湿気と石灰岩を好む(沖縄なんぞは大好物)。
その上で枝から地面に気根を延ばし、地面についたところで石灰岩を溶かす物質を出しては改めて本物の根を下ろす。そしてまた別の枝の先からまた気根を延ばすことを続けていくわけでそんなガジュマルを現地では「走る木」と呼ぶのだと教えていただいた。

 かつてヨーロッパからの船は南からやって来たはずなので、台湾ならば最初に到着するのが台南。やがて時代が変わり、今度は北から中国や日本の船がやって来る。すると最初に到着するのが北の基隆。古い港である台南は長崎の出島のようなイメージがあるのだろう。お土産もののお菓子に印刷されているのはフェルメール。

 ガジュマルは写真で知るアンコールワットの遺跡のように広がっていた。かつての倉庫の裏手には池、そこには大きな鯉が泳ぎ、水辺には大きな鳥がたたずんでいる。向こう側は多分複雑な海岸線、そして堤防。私のイメージでは入り江で港と来れば、黒船なんですが。

 日暮れの太陽をスマホで撮れますよとヘンリーさんに言われて撮ってみた。マジですか、こんなのはお高いカメラで様々な条件をクリアしないと撮れないものだと思ってた。その堤防近くに「台湾省」というナンバーをつけた車が停車していた。今はこんなナンバーではないから廃車だろうと言いながら、それはそれで貴重なので夫は帰りに写真を撮らせてもらおうとしたが、帰ってきたら車は立ち去っていた。現役で使っているのだ。

 その後、ヘンリーさんの会社訪問。お話によればご子息が継ぐと言ってくれたので会社も家も新しくして拡大なさったらしい。一緒に働いている娘さん、リリーさんがジャスミン茶を淹れてくれた。とてもおいしい。

お孫さんにも恵まれて順風満帆だが、心配なのは、かの台湾有事。沖縄だって北海道だって心配なのだが、文化と言語が同じとなるとなおのことだろう。そこで無線通信の活用を語るヘンリーさんなのだった。

 一方、元気印のマリアさんは植物観察がお好きだそうで、屋久島どころか利尻島や礼文島まで行ってきたのだという。これが元気でなくてなんといえばいいのか。その後の食事会では違う植生を眺めるのは楽しいものだが、それに名札がついていたらなおも楽しかろうと牧野植物園を推すことになった。調子に乗って台湾の植物を多数記載しているはず、とまで言うのだが。

 同席したヘンリーさんのお友達によれば、早田文蔵という人がいて、同じ日本人でも牧野より多数記載している、と言われてしまう。「大体牧野なんぞは小学校もろくに出てないだろう?早田は東大出てる。」と言われ、あらやだこの人、なんでこんなこと知ってるの?素敵!てのはともかく遠い台南でまだ昨日のことのような朝ドラを思い出す。ドラマの中で牧野は延々とその件でいびられるのである。

 にわかな私はともかく、専門教育を受けた人は「牧野と言えばストリップ大好きだったんだよね!」と言い、別の人は「あの人は奥さんも捨てて好きなことばかりして、とんでもない人だったんだと叔母に聞きました。」と言うくらい、深く掘り下げられるほどの牧野である。

 帰ってから早田は台湾植物の父と呼ばれていることや台北植物園に記念碑があると知る。私も無知だとしても、早田があまり知られていないのは何故だ。自分のところならともかく、よその土地を盛り立てた人の事はどうでもいいのかしら??
 例えば十勝開拓の父と言われる依田勉三。彼は私の故郷の隣町松崎の出身である。だが帯広百年記念館に行って彼の出生地を見てやっと思い出すほど遠い人であった。そのうえで改めてあきれたのである。暖かい土地にお坊ちゃんとして生まれ、慶應まで行った(中退)挙句にクソ寒い北海道で何やってんだーーー!と。慶應まで行ったからこそハムだのバターだのを知っていて一時は事業化出来ていたのだが。早田の故郷は新潟らしいが、そこで彼はどういう扱いを受けているのやら、何故暑い台湾に行こうと思ったのか。早田も依田も、世界広すぎ。

 そこで「夕飯は屋台料理です」とマリアさんに言われる。「何を飲まれますか」とヘンリーさんに言われて、少し混乱する。台湾の屋台には行ったことがないが、あれはちょこっと食べては別の店に移動して、お祭りの屋台の梯子のようなものだと認識していたのである。その場合、飲み物はどう処理するのか想像もつかず。瓶と紙コップ持ってうろうろするのかと。

 だが連れていかれたのは、室内の席もあり、道路側にもテーブルのある屋台料理の有名店であった。テーブル二つから始めて(だったと思う}それが評判となってテーブルを増やし、やがて隣の店舗を買うことが出来てなおも大きくして、というわけでこちらは腰を据えたまんま、マリアさんのおかげでお任せで美味しい料理をいただけるのであった。

 そこで驚いたのが突き出しの小皿だった。それは親指のツメほどの長さの細い巻貝を煮たもので、小さな穴があけてあって、身と汁を吸い出しやすくなっている。美味しい。だがこの小さな穴を開けるのは誰で、いくらでどれだけもらえるのかを思うと、果てしなく怖い!!そしてやはり美味い。

あと、18ビールである。工場出荷から18日間だけ出回るそうで、そんなんありか。
30年ほど前には同じような、ビール工場というビールが日本にもあったけど、今ではないし。 そしてビール会社の営業というお姉さんがいて、お客さんに自社のビールを薦めるのが仕事なんだそうである。彼女はものすごく長い髪を延ばしていて、これが沖縄なら自動的に琉球舞踊関連の人がバイトをしている図、となるのだが、彼女がどうなのかはわからない。

 太刀魚、一粒が巨大なカキフライ、甘味が強いのがまた美味しい腸詰、小魚を揚げたのを炒め合わせたものなどなどが出て来て、飲んで食べた。被っていたはずの猫はとっくにどこかに遊びに行った。

 今思うに、日本の栽培好きが遠い台南の植生好きへ行くべき場所をアドバイスするとしたら。まずは、秘境専門の旅行社のサイトを見ろと丸投げするであろう。なんとなれば栽培好きは動かない。植物の水やりのためにもそんなに長期間留守が出来ないのである。

 マリアさんに私の好きなところをオススメするなら帯広の真鍋庭園、札幌の北大植物園、北海道庁前の庭も良かった。あとは前出の高知、牧野植物園となる。真鍋庭園は北海道で育つ樹木の見本園なので、南から来るならエキゾチックなことは間違いない。牧野植物園は、湿ったところも乾いたところも暗いところも明るいところも、浜辺や高山以外は網羅されている。その上で驚くほど名札が完備(これ、重要!)されている。

 他には、植生もへったくれもないが、山梨は勝沼のモモやブドウの畑である。桃源郷の名の通り、桃は美しい。ぶどう園は大概ブドウ棚の下にお店を作るが、それをネヘレスコールで作っているところを見せたい。ネヘレスコールとは世界最大のブドウであり、1mほどにもなる房がいくつもいくつも垂れ下がる様は言葉を失う。

 南から来るなら、雪景色もいい。どこでもある、ともいえるが山形からバスに乗り、
月山道路を通ることを薦めたい。バスは鶴岡まで行くが、そのまたバスを乗り換えた先にはクラゲで有名な加茂水族館もある。ちなみにその加茂は早田文蔵の故郷でもある。

 そんなこんなで好きなようにお世話になってしまった。この場を借りて御礼申し上げます。夫は長距離を歩けないのでその日は台南に行き、安平樹屋を眺め南の空気を吸うだけで疲れてしまった。翌日も厄介をかけられないのは誠に残念であった。←猫は帰ってこない

 翌朝は夫を置いてホテルの周囲を歩いただけで台湾新幹線に乗ることになった。新幹線台南駅に向かうタクシーの窓からにぎやかな市場が見えて、ちょっとあれは残念だった。中国語圏でスーパーマーケットを検索するにはスマホに「超級市場」と入れればいいとは知っているだが、肝心の場所に行ってみたら何もなかったりしたのである。

 早めに台北南港駅に到着し、猫たちはどうしているか見に行きたかった。時間が読めないので南港の駅で食べ物だけ買ってタクシーで空港に行った。心配しても何が出来るわけでもない。あの数の子猫を産んでちゃんと大きくしているのである。あの母猫は小さくても心身ともに健康で、ネズミをとるのが上手なのに違いない。変なおばさんがキャットフードを降らせる日だってあるのだから、もっとよい日だってあるだろう、という事にする。

 空港で南港の駅で買ったお弁当を食べ「新東陽」のお店で緑豆のお菓子を買って飛行機に乗った。本当のところ「新東陽」で買いたいのはお菓子などではなくて、味付きの干し肉である。しかしこれは日本国内への持ち込み禁止となっている。実際その日も羽田で堂々と新東陽の袋を下げている人がいて、税関の人に「中身を見せてくれませんか」と言われていたらしい。

 日本には肉類を持ち込めないが、台湾には桃やぶどうを持ち込めない。台湾の人が
桃やブドウを食べたかったらホテルやお店で食べるしかないし、家族や友人知己へのお土産には出来ない。肉よりそっちの方がむごいような気がするのは私だけだろうか。

 ハムフェアは夏、桃やブドウの季節に開催される。ネヘレスコールには少し早いが
買い出しに連れて行ってあげたいものだと思う。

おしまい。

Maker Faire Taipei(台北)2024 : 付き添いの旅 2

朝ごはんはシンプルに粥などですませ、コーヒーのお代わりをする。夫は南国フルーツのグワバとヨーグルト、あんまんを追加していた。

Maker Faire Taipei(台北)は教育の雰囲気が強く、会場は先生に引率された生徒たちもたくさんいた。この日は天気が良く、みんなで外でお弁当を食べていた。

 展示は夫に任せ、会場の通りを挟んだスーパーの裏側にあるマンションの周囲を歩いてみた。庭さえ居住者しか入れないようになっているのはいいが。いいかげんな剪定にからまったフェンスの向こうにいたのは、昼寝中の猫の親子だった。うわあああ、最低!!

すぐさまスーパーの横にあるペット関連の店に入り、ペット用のシシャモを買った。
もういなくなっていた。それはいい、見つけられるかどうかは運なので、シシャモを
投げ入れておいた。

 それから老店と書かれた古汚い感じのお店でお菓子を購入。箱にはオシドリの絵が
ある、婚礼の引き出物かなんか?の丸い月餅。重たいけど、美味しいのよこれが!!
で、どうなったかなとまた見に行ったら。さっきは一匹しかいなかった子猫の数が
増えて、もっとエサはないかとかぎまわっているではないか!!うわああああ、大変!!

 それでまた買いに行くのだが、ペットフード、高い。普通ならカリカリだろうが、剪定くずやゴミが散乱している場所でもあり、多少の大きさがないと剪定くずの下に落ちてしまい猫の口には入らない。投げ込むと若く小さい母猫は「うちの子たちに何すんの!」と威嚇。その小ささで何匹産んだんだか、若いって恐ろしい。威嚇されながらエサを投げ込み、だが今思えば味はついていれどもスーパーの焼き魚の方が安くてボリュームがあった気がする。あわてるとろくなことがないですね。 なんというタイミングか、その日駅ビルの方で保護猫の譲渡会が開催されていたのも見た。貰い手がつくようきれいに洗われて、猫は猫でおとなしやかに座っていた。

私が猫をかまっている間、会場では夫が今回のために購入した翻訳機を使って来訪者に説明・対応していたらしい。無事に二日目の展示も終わり、撤収してホテルにひきあげた。そして、夕食は世話役の高須さんが予約してくれた「儂來餐廳」というレストランでの参加したメンバーに台北在住の高須さんの友人も加えての懇親会。

このお店、味がよいことで有名なところだとか。

総勢14人での大宴会。はっきり言って、猫のことなどぶっ飛んだ。絵に描いたようなご馳走であった。歓声が上がった。中華のイセエビもアワビも初めて食べた。カラスミに至っては生まれて初めてで。それはそれは幸せだったが、一番面白かったのは、少し酸味がある、白菜の漬物を使った、みたいなスープだった。

そこでないと食べられないもの、お金の意味が分からなくなるようなものは素晴らしい。とはいえ一人当たり5000円の会費であのご馳走こそはお金とそこまで来た意味となったわけだが。ちなみにこの日のメニュー

  龍王三栟和風鮑魚

  台東玉米放山雛

  鮑粒佛跳牆

  樹子冬瓜龍虎班

  干貝蒸米〇

  麻油松坂腰花

  蘆筍干貝烩蝦仁

  照焼猪肋排

  香酥海大蝦

  鮮蝦海皇鍋

  季節水果

  甜点

12品 NTD$ 10,800 日本円で5万円強というところ。

夫は「また来たい」と言いだす。それなら今すぐにでも新しいテーマを見つけ出して展示として具体化しつつ、少しでも今より動ける身体を鍛えるしかない。でないとこういう場では消え去るのみ、となる。これがほんまもんのオマケのセリフとも思えないが。

Maker Faire Taipei(台北)2024 : 付き添いの旅 1

体調不良とコロナで止めていた海外旅行だが、再開第一号として「Maker Faire Taipei(台北)2024 」に行ってきた。例によって妻による旅の記録。長文注意です、

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台湾の台北で開かれるメイカーフェアに参加するからついてきてくれと言われ、一番最初に確認したのは椅子の形状だった。

 その昔、夫は東京の「Maker Faire Tokyo」にエントリーして当選、出展したことがある。おかげで私は荷物持ち兼トイレ番として、自分には全く理解できない、理数系の皆さんが醸し出すものすごい熱気の中、丸いスツール一つで過ごすことになった。それがどれだけ辛いのかは、やってみなければわかるまい。

 夫は楽しかったらしく、毎年「Maker Faire Tokyo」に応募した。夫は当選を願ったが、私はその間ひたすら落選を願った。エントリだけで参加できる時代もあったとのことであるが、今は競争率4倍とのこと。この数字がいかなるものか私にはわからないが、良くしたもので夫はここのところ落選し続けている。
 なのに今度は台湾。Maker Faire Taipei(台北)は審査がなく申し込みすれば出展できるとのこと。取りまとめてくれる方がおり、日本から参加費割り勘で現地集合・解散でみんなで参加しようということに乗ったのだ。台湾は嫌いじゃないですよ、むしろ好きです。けどまたあの丸椅子に座らなきゃならないの??余計な事を考えやがって! 「なんかね、机一つに椅子二つだって~」と夫は言う。だから椅子の形は!?
 
 何が出来るでもなく、出発の日は来た、わけでもない。メイカーフェアの後に、台南に行って知人に会うという。あ、そう。じゃ、ちゃんとしてないとね。社長なので会社も見せたい、って言われてるとなれば従業員の皆様の手前、やはりきちんとした格好で行かないとね。

 後はお土産だ。日本の果物が良いのだが持ち込みは犯罪である。干し椎茸などを想像したが、ネットによると台湾の人はエビせんべいが好きだという。それでデパートに行ってみた。袋入りのがあったので、それを購入。だがそれを持ってくるりと角を回ったら、そこには箱入りの立派なエビせんべいがあるではないですか!!

 それも買って、あけぼのの袋入りのはどうしようかと夫に聞けば、会場にやって来た子供にでもやればいいではないかと言う。んー、これじゃ足りないんじゃない?というわけで業務スーパーに走り、雪の宿とカントリーマアムと、もひとつエビせんべいを購入。いずれも個別包装であることが大事。

 

それやこれやの算段をして11月30日12:15 羽田を出発、台北松山空港に到着。会場近くの南港駅の界隈にホテルを取っているのでタクシーで移動。空港のインフォメーションにタクシー料金を訊いたところ検索して調べてくれ、ほぼその金額だった。

翌日、会場へ。会場は「瓶蓋工廠台北製造所」というところ。昔の工場跡の建物を展示場としているところ。

日本チームのブースはこんな感じ。

 夫の展示物はこれ。以前「 Maker Faire Tokyo」に出展した、大きな水晶を使った時計ともうひとつ Pico Balloon というもの。そんなこんなだったが私の仕事は荷物持ちとアシスタント、両方のシチュエーションに合わせた洋服やら靴やらまでは持てない。というわけで、理数系の若い人だらけのメイカーフェアの会場に、何のためにそこにいるのかわからない、場違いなオバサンが出現することになったが、いいんだもう、そんなのは慣れているからな。それに幸い、椅子はスツールではなかった。

 

お隣さんは回転したら絵になる見事な光物。京都から参加したそうだ。

 理数系でない上に、英語も中国語も関係ない気楽な生活をしているわたくしである。
なのでスマホに「これは水晶時計です」「担当者は只今席を外しております」「15分ほどで戻ります」という中国語の文章を入れて、人が来れば見せてしのいだ。他にどうしろと。ふと「老公」という言葉が聞こえた時には、夫も来たかいがあったのではないかと思った。

 夫さえいればいいので、私は会場近くの駅ビルをうろついたり、そこで食べ物を買って届けたりした。ついでに同じ机の人にも差し上げたが、菓子パンとか粽一つとかでひもじかったに違いない。だが次々にお客が来るので、口に入れる暇もないのであった。
時に夫が言葉に詰まると優秀なお隣さんが代わりに答えてくれたりもした。すいませんねえ、奥さんが役立たずで。まあ期待はしてないだろうけど。

 会場裏の南港の駅ビルは広い。そして日本まみれだった。空港では福砂屋のカステラを持ってる人を見かけたがそこに店舗があったし。ドンキもユニクロも「やよい軒」もマツキヨもあった。ホテルの目の前のモールには無印良品や「しゃぶ葉」あとは何故こんなに?と聞きたくなるほど街中ファミリーマートだらけだった。

 そういうのは別にいいので、調整役の高須さんが教えてくれた超級市場(スーパーマーケットをこう書く)に足を運んだ。食品売り場に立つと、あああああ、これよこれなのよ!!台湾なんだから、こうでないと!と震えるほどうれしくなる。うれしくなるけど胃袋は一つ。

持ってきた「雪の宿」がお菓子コーナーにあった。業務スーパーのに比べて量は入っているけど300円もする。こんなもんかとみていると男の人がやって来て、それと類似品を何種類かむんずとつかんでレジに向かい、歩き去ったのを見送った。

 夫はその頃、お菓子の袋を開けて小さな袋に入れ替え、おひとつどうぞ、とやっていたらしい。私がそれをやったら、小さい子供がお菓子をこちらに突き出してきた。何のことかと思えば「開けて」なのね。ごめん、パアで。というかこの子、生まれて初めて
言葉が通じない外国人の存在を知ったかな?

 

初日は懇親会→火鍋というコースがセッティングされていたのだが、時間が遅かったので、そちらには参加せず、ふたりで夕食をとることにした。南港駅の地下街フードコートを彷徨い、朱記餡餅粥店 に転がり込む。行列を待っている間にビールがあるかと訊いたら、無いので下のコンビニで買うように言われたので、遠慮なく持ち込んだ。ゆるいなー。

最終的にこんな感じの夕食になった。

伊豆へ

伊豆の妻の実家へ。義妹夫婦も近くにはいるが、一人で暮らす義母の様子をフォローする定期便。ウィークデーのせいか、13時過ぎに川崎を出発した「踊り子」はガラガラ。

伊豆大川のホームではストレリチア(極楽鳥花)が咲き始めていた。以前はもう少したくさんあったのだが、手入れする人が居なくなったのだろうか。

駅のホームから見える伊豆熱川の源泉はいつものように盛大に蒸気を出している。

踊り子の8号車に終点 伊豆急下田まで乗ったのは私たち夫婦だけ。迎えに来た義母と駅前の東急に行き、地物の魚などを仕入れて家に向かう。

 

家に着いて、これまで届いている書類などを点検する。義母は近くの道の駅に梅干を出荷していたのだが、食品衛生法の改正で許可が必要となった。やめようかとも言っていたのだが、設備を整備して申請し、無事許可をもらうことができた。

漬物製造の営業許可について、年初の説明では厳しい設備条件だったのだが、全国的に問題になり、これまでやっていた人たちを救済する形で設備条件が緩和されたようだ。この緩和措置が終了すると新規の許可は法律通りの設備が要求される。また営業許可は相続は出来ないとのことなので、義妹の名義で許可証をもらった。まもなく出荷を開始するそうだ。

 

今年は寒暖の差が小さい日が多いようで、ミカンはまだまだ青い。

早生ミカンはなんとか食べられるところまできた。20年近く前に植えたシークァーサーは良い具合になってきて、今年もたくさん実をつけた。以前は道の駅でもあまり売れなかったが、だんだんと知名度が上がり、出荷するひとも増えてきた。

レモンもシークァーサーも早くから取り組んで、高値で売れて良い思いをさせてもらったなー、などと語り合う。いまでは多くの人が出荷してレッドオーシャンになりつつある。沖縄の泡盛に入れると良い味になるので、たくさん持ち帰った。

 

伊豆に到着した日、日没後に西側の雲が切れた様子だったので、 紫金山・アトラス彗星を探した。金星を目印にしたのだが、思っていたよりも北側にあり、なんとか肉眼で確認できた。かなり薄かったが尾も見えた。双眼鏡を持ち出して観るとよりきれいに見えた。肉眼で尾まで確認できる彗星を観るのは何年ぶりだろうか。人生最後かもしれないなー。

Maker Faire Tokyo 2024 へ

東京ビッグサイトで開催の Maker Faire Tokyo 2024 に行ってきた。

makezine.jpかなりの人出、私の年代、年長組は少ない。子連れも多い。この人たちはどうやって開催情報を入手するんだろう。

歩くのが大変なので、半分も回ってみることは出来なかったが、いくつか印象に残った作品・プロジェクトなど。

NHK で放送されている「魔改造の夜」に出演したチームの現物。当たり前だが仕上げの良い作品。

中国から参加のメーカー Alientek、翻訳機 ポケトークを使って対応していた。他にも Google 翻訳での対応も。ツールをうまく使いこなしている。

ハーモニックギアのダイレクトドライブの小型赤道儀を展示しているブース。

ソニーのイメージセンサ IMX585 を使った CS マウントカメラも。RasPi などに接続して使うとのこと。価格は6万円くらいとのことで、ここの会社で入手できるようだ。

「自宅半導体製作プロジェクト」とのこと。

出来上がったもの。さらに積層・エッチング、ボンディングしてトランジスタになるとのこと。先は長そうだ。

基板を使って製作しているものが誰でも夢見るチップマウンタ。かなり工夫され、労力をかけたことが伺われた。

宇宙部門はロケットとキューブサットが交互に採択される。今年はロケットのようだ。同じ時期に開かれている ロケット交流会 と重複している。

その他にも、加速器を作るプロジェクトなどがあったが、写真を撮り忘れた。

 

今年の 11/30-12/01 に開かれる Maker Faire Taipei 2024 に共同出展の予定で、

その世話をしてくれる高須さんに Switch Science のブースでご挨拶。

 

体調が悪くなり、あまり歩けない日々が続いていたけど、この日の歩行数は 8,500 歩ほど。ここ2、3年で一番の歩数でかなり疲れたけど刺激を受け楽しい日でした。

ハムフェア 2024

土日は ハムフェア 2024 でした。

今年もマグネチックループアンテナ研究会「MLA48」で参加、二つのアンテナ作品を出展しました。写真の左側テーブル上の2台、ひとつは、20mm銅パイプで作った1.2mループと真空バリコンで作ったハイパワー仕様の MLA この大きさで 3.5/7 MHz で運用できる。もう一つは左側のコア給電方式の 24 ~ 28 MHz 用 MLA 。

いろいろな人が興味を持ってくれてたくさんの質問もいただいた。地方からの参加者は大きなアンテナで運用している人が多く、あまりピンとこない様子。効率は悪くても、小さなアンテナでローバンドに出られる MLA のメリットを強調した。

あまりスタスタ歩けないので、他ブースは見ることはせず、ジャンクあさりの買い物もほとんどしなかった。印象に残ったもの下の写真、イタリアのメーカーが製作・販売している MLA 、7 ~ 30 MHz 1KW 仕様とのこと。上部の巨大なバリコンが目に付く。全体として防水など大丈夫かなーと感じた。ちなみに値段は45万円くらい。

 

今年の会場は有明 GYM-EX かなりアクセスが悪く不便なところ。食事ができるところも無い。前回の国際展示場は屋根のあるところを通って行けたがここはダメ。私は足腰が悪いのでりんかい線の国際展示場駅からタクシーを利用した。来年もここだとつらいなー。