男はどうすれば栄光時代を忘れることができるのか。あるいはセクハラ発言の防ぎ方について

最近、お笑い界の重鎮、松本人志さんのセクハラ発言が話題となりました。

NGTの問題をなんとかしたいと主張する指原莉乃さんに対し、

「お得意の体を使えばいい」

と謎の返しをしたのです。


おそらく松本さんは悪意があってこのような発言をしたわけではなく、「笑えるネタ」のつもりで軽口を叩いたのでしょう。

しかし世間は「冗談」とは見てくれません。

ツイッターを中心に怒りが爆発し、松本さんへの大バッシングが起こりました。


このような、「不意にセクハラ発言をしてしまうおじさん」について考察したのが以下の記事です。

おじさん世代が「ジェンダー系の話題」に触れるときは、ものすごく慎重にならねばならない


一言でまとめると、おじさん世代は世間の常識が変わったことを認識し、もっと慎重に発言しなければならない、という主旨の記事です。

ポリコレ的なものが変わってしまったのかと。



それで、「なぜおじさんが不用意な発言をしてしまうのか」を考えてみると、世の中には2パターンのセクハラおじさんがいます。


(1)単純に空気が読めず、人の感情に配慮できない人
(2)若かりし頃にモテまくって、何を言っても許されてきた人


ただ会社で偉いだけのおじさんは「単純に空気が読めず、人の感情に配慮できない」パターンが多いかもしれませんが、

松本さんの場合は「若かりし頃にモテまくって、何を言っても許されてきた」のパターンで、「こういうことを言ったらドン引きされる」という失敗を学習する機会がなかったように思うのです。



モテる友人を観察するとよくわかりますが、10代後半から20代前半でモテていた人は、とにかく女性に甘やかされてきています。

「女の子は尽くしてくれるし、優しくしてくれるし、ちょっとくらい傲慢に振る舞っても愛してくれる」

そんな風に思い込みながら歳を重ねてきている人も多いはずです。


「こんなにどうしようもねェ俺を...愛してくれて、ありがとう」

みたいな。

エースかよ。

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イケメン


でも哀しいかな、どんなにモテてきた人でも年を取ってしまうし、
どんなにモテまくった男でも、女性から見るとただのおじさんになってしまうのです。






「俺はモテてきた男だ!

福山雅治のように下ネタで笑いを取れる40代なはずだ!」


などとセルフイメージを固め、おじさんなのに軽いノリで下ネタを言うと、周りにドン引きされます。


おじさんにとっての「モテ道」は動く歩道を逆走するようなもの。


もう栄光時代は返ってこないのです。


とはいえ、それまでの人生で培ってきた価値観をいきなり変えるのは難しいでしょう。

自分の価値観を変えるには、心から信じられる価値観に触れ、長期間にわたって自分自身を洗脳し、再教育していく必要があるからです。

ネットで赤の他人にバッシングされたからといって、人はなかなか変われません。

なのでおじさんがセクハラ発言を防ぐためには、短期の対策と長期の対策を分けて考えなければいけません。

短期の対策は「理性でブロック」

すぐにできるセクハラ発言対策は、「理性でブロックすること」です。

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理性でブロック

価値観はなかなか変えられません。

でも「何を発するか」は理性でコントロールすることができます。

価値観が源となって、頭の中に「発言内容」が浮かんだとしても、口から出る前にブロックするイメージです。

この「理性」は学習によって身につけることができます。


「こういうことを言ってはいけない」

「こういう言い方をしたら炎上する」

というのを学び、浮かんだ言葉が外に出ないようにするのです。

対症療法的な対策は理性ブロックでOKです。

では根本的な価値観を変えていくにはどうしたらいいでしょうか?

自己評価と他己評価のギャップを埋める

私はハゲです。

こんな私でも昔は割とチャラい感じでいけました。


たとえば20代前半の学生時代は

ビアガーデンのような人が集まる場所で

「ウェ〜イ!乾杯ィィィ」

的なノリで女の子に話しかけたら、

「ウェ〜〜イ」

みたいな感じで盛り上がり、一緒に飲んで乱痴気騒ぎ、みたいなことが多々ありました。


おじさんとなった今、HUBで

「ウェーイ」

したら、

「は?」

ですよ。


「何やこのハゲ?」

みたいな。


女のハートには全く刺さりませんが、逆に冷たい視線が私に刺さります。


基本男は幸せな生き物なので、脳内のイメージでは「最高だった自分」のままなのです。

多くの男の人が「最高だった頃の自分」「ハゲてなかった頃の自分」と「現在のハゲた自分」のギャップを埋められないのは、他者の評価にさらされていないからです。

会社の中だけ、家庭の中だけ、古くからの友人の中だけのぬるい環境にいると、自分の客観的な評価が下がってきたことに気付けません。

だから昔のノリで不用意な発言をして、ドン引きされてしまうのです。

自分の客観的な実力を確認しましょう。

たまに裸一貫で他者に評価される場に出ることで、自分の現在の実力を確認することができます。


目指すセルフイメージを切り替える

「自分が想像するカッコいい男」のイメージは誰しもあるはずですが、おじさんはそのカッコいい男像をチャラい感じにしてはいけません。

僕たちは軽快な下ネタで人を笑わせる福山雅治にはなれません。

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そして軽いツッコミで場を盛り上げる村上的な人にもたぶんなれません。

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なんというか、もっとどっしりとした、ダンディな男を目指さなければなりません。


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ダンディな男

こんな感じです。不倫してたけど。

ノリ良し、軽くて面白い♪

みたいな人ではなく、ダンディです。

ダンディを目指しましょう。

ダンディズムを理想とし、自分の中の規範を育んでいけば、たぶんセクハラしません。




まとめると、おじさんとなってしまった自分を認識し、客観的な実力を測り、行動規範を育み、ダンディになれば、セクハラ発言で自滅することはなくなるでしょう、ということです。