徒然なるままにその日暮らし

夢と現実の間をうろうろしながら
 

蛟堂報復録




昨日買ってきて、即読。
だって、これで完結っていうんだもん。

最初の方は、ただ単に物語の中に思念を呼び込んで依頼者の報復をするというだけだったけども、途中から、そうね、丑雄さんが出てきてあれあれあれ?と。

ぶっちゃけ、あのへんで挫折しかけたけども。


各々の都合のいい解釈によって、過去がねじ曲げられ、その結果、二人の関係がこじれてしまったって言うことですよね。

完ぺきな人なんて、どこにもいないんだよー。
辰史だって、そういう方向の能力は誰よりも優れてるかもしれないけど、普通の「人」としてどうかといえば、傲慢で金にうるさくて生活能力のないダメダメな人だもんなあ。

丑雄さんが嫌いだった。
「自分の正義」が必ずしも相手にとっても正義ではない。
それを押し付けるというのは、相手を否定しているのと同じことだからな。

尊翁の本心、辰季の願い。
ガッチガチだった丑雄の頭と心をやっとやっと溶かしてくれた。

囚われていた。
それだけ辰季のことを大事に大事に思ってたんだよね。


こういう大団円って、がっかりする人がいるのかもしれないけど、私はホッとした。 
どちらもが、自分勝手な思い込みで事実から目を背けていたことに気づけて。


太郎ちゃんのことにも触れなければならんか。
女子力高いよねーというのはさておき、なんというか。
辰史と比奈の関係に、本当に全然、全くなんにも気づいてないって、周りが気付かれないように気を使っていたにしても、どうなの?
そういうところは鈍いってことなんかな。
辰史だからこそ、そういう方面には縁がないと思い込んでたのかな。


息子のことを諦めず、追い込むこともせず、ただ「待ち」の姿勢で見守ってくれる、あきらくんのご両親は、いい親御さんだねえ。
普通はどっかで叱責したりするよね。
だからこそ、あきらくんがどん底まで落ちずに済んだのかもしれない。
比奈さん一筋もいいけど、脈は爪の先針の先もないんだから、早くいい人が見つかるといいねえ。
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