徒然なるままにその日暮らし

夢と現実の間をうろうろしながら
 

心霊探偵八雲9




心霊探偵八雲9 救いの魂(角川文庫)

結構待った感。長かったっていうか、だって、文庫にならないと買えないからさあ。
もしかしたら単行本も、8と9との間が長かったのかもしれないけども。
八雲の感想って書いたことあったかなあ。

私の中ではやっぱり6の下巻が一番好きなんだな。

で。


闇に落ちていく八雲は見ていて辛かった。
雲海の言う「希望があるから、人は絶望する」「仮に彷徨う魂に希望を与えることができたとしても、それは即ち、他の者たちから希望を奪うことになる」は、本当に真理なんだよなあ。
だけど。

「裏切られる“かもしれない”」「失う“かもしれない”」の“かもしれない”は逆に「裏切られない“かもしれない”」「失わない“かもしれない”」わけで。

あー。なんて言ったらいいんだろう。

光にすがろうとして闇に堕ちてしまう。
だけど。

人は光の射す方へ歩いて行く生き物なんだよ。

雲海の思想を明確に否定出来ないんだなあ。どうすればあの人は救われるんだろう。



本筋とは違うところで言うと、石井さんと真琴さんの関係が少し進んだことがちょっと微笑ましかったかな。
宮川さんとか島村さんとか周りの人が(語弊のある表現だけど)あからさまに成長ぶりを口にするでしょ。

「変わった」みんな。
八雲はもちろん、後藤さんだって晴香ちゃんだって。

「足りない」からこそ、補いあう必要がある。
そこに「絆」が生まれるんだろうね。


そして八雲はこの後、どうなっちゃうんだろう。本当に見えなくなっちゃったのかなあ。
関連記事
Last Modified :
* Category :感想とか> 読み物
* Comment : (0) * Trackback : (0) *

コメント







管理者にだけ表示を許可