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宇宙戦争 ーファイナルインパクトー

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あらすじ

「古典レイプ」

 

 「H.G.ウェルズ『宇宙戦争』再映像化!」「独自の新解釈でこのSFの古典に挑む!」なるほど、素晴らしいではありませんか。古典の素晴らしさは時という審美眼に耐えうるだけの骨太さではありませんか。それをベースとして、本作はどのような世界を描き出してくれるのだろうか。

 

 火星人の乗ったトライポッドが地球人を蹂躙する。その光景は別の意味で凄惨である。CGで描かれたトライポッドの画像と共にレーザー砲だかビーム銃だかの効果音が流れ、同時にフラッシュが明滅する。刹那、私の脳裏を「かみしばい」という文字列が疾走する。2012年に作られたとは思えないこの牧歌的な戦闘シーンは観客から魂を抜き取るだけの制圧力を誇っている。

 

 Tidak apa-apa!CGなどという上っ面ではなく、重厚なストーリーテリングを楽しもう!火星人の襲撃を受けて負傷した中年女性。彼女は手違いから水と間違えて漂白剤を誤飲してしまう。血を吐いて苦しむ彼女。と、ここで彼女につきそう若い女性の回想が入る。「小さいころ、かわいがってた馬が足を折って、安楽死させたの・・・。その経験が忘れられなくてつらみが深い」。そう胸の内を吐露した彼女はともに避難していた男性を教唆して中年女性の首の骨をブチ折る。一言でいえば安楽死である。これにて一件落着!

 

 おわかりいただけただろうか。残念ながら私にはわからなかった。

 

 その後は保存していたスナック菓子を勝手に食べやがってこの野郎でケンカしたり、散発的にライフルを撃ったりする。この手の映画でありがちな棒立ちでライフル撃っとけば絵になるやろという技術的かつ精神的な怠惰もさることながら、そもそもちょっとしたビルぐらいの大きさのトライポッドに対人用自動小銃で何ができるのかという視点を一般市民も持ってほしい。ガン・リテラシーはキモオタの専売特許にしてはいけないのである。

 

 ペットボトルみたいな小汚い容器に爆薬を詰めてお手製爆弾を作った生き残り地球人はトライポッドを爆破成功、戦いはこれからも続くぜでエンドロールである。自爆しないだけカミカゼよりマシだと評価するべきだろうか。比べる対象がクソすぎてつらみが深くなったところで今日は〆ます。

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上