ワンコイン・ムービ-レビュー

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UNDERWORLD ライジング

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あらすじ

「100年の眠りから目覚めたヴァンパイア。その命を付け狙う、吸血鬼ハンター。宿命の対決を描く、ヴァンパイア・アクション最新作!(パッケージより抜粋)」

 

 主人公である吸血鬼ハンターのオッサンは小汚いベストを着こんだパッとしない中年オヤジである。彼は特別な存在らしいが、何がどう特別なのかは最後までわからないままなので特に意識しなくてもよい。非常に好戦的な人間である彼は「ヴァンパイアになった者も被害者であり救済されるべき」という教会の方針と真っ向から対立する。彼は「救いとは死であるわ」とわめきつつ、一般人に暴力を振るいながら吸血鬼を追い詰めてゆく。射撃や張り込みといった捜査に関する能力の欠如を一通り露わにした後の決戦シーン。彼は無様に返り討ちに合う大活躍を露呈したのち喉笛を噛まれて無事死亡した。

 

 ヒロインの女性は、19世紀に吸血鬼化して現代によみがえり、なんとか生き抜こうとするも警察や主人公のオッサンに追い詰められるうえに吸血衝動にも苦しめられるという薄幸の美女である。彼女は吸血鬼化して超人的能力を手にする。彼女は「加速装置、オン!」的に走り回る。その様は映像の早送りとゼンマイ人形のカクカクした動きをミックスさせた一種のロボットダンスである。どうみてもギャグである。救いはない。

 

 脇を固めるサブキャラクターも魅力たっぷりである。ヒロインを餌として利用しまくり、その血を賞玩しまくっていたクズ吸血鬼が突如「ヒロインがいなければ生きている意味なんてない!」と叫び昇天する自家撞着もさることながら、深夜の路上でヒロインを襲い手マンを楽しむ神父もなかなかの傑物だ。こんなやつに神や道徳について語ってほしくない。やはり宗教はクソである。

 

 主人公のオッサンは無駄死にし、ヒロインも結局吸血衝動に負けて闇落ちする。ラストのカメラはそんな彼女の背中をやや上方から映し、テロップを付け加える。曰く、「奇跡は起こる!」と。スポーツ中継で無能なアナウンサーが無駄に興奮しながら叫ぶチープな煽り文句のようなこの一言に私が励まされたことは言うまでもない。

 

 

総合評価・星2つ(500円の価値無)

★★☆☆☆

 

以上

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