ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

バトル・ハザード

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あらすじ

「AIに仕事を奪われる」

 

 東南アジアのある街で、ろくでもない企業がろくでもない研究をした結果、ろくでもないウィルスが流出して皆ゾンビになっちゃったんだぜというのが本作の前提である。主人公であるどんくさそうなマッチョはろくでもない企業のボスに、街に取り残された娘の救出を依頼される。

 

 ゾンビは音に反応する。そのことを把握した彼は消音銃とナイフでゾンビを手際よく倒しながらアホみたいな排気量のバイクを大音量で躍らせて娘を見つけ出す。

 

 娘は生き残りの仲間達の元にどんくさマッチョを案内する。リーダー格のジジイは「脱出は無理や」とどんくさマッチョをディスり、彼に手錠をかけ街灯にくくりつけるSMプレイを堪能する。

 

 やがて迫りくるゾンビ。どんくさマッチョはこれらを運動会の徒競走で無様に駆けずり回るオヤジの様な華麗な足さばきで蹴り飛ばし撃退する。セガールが衰えた現実を認めざるを得なくなった瞬間を思い出させてくれる、そんなシーンからは「アクションは期待するな」とのメッセージ性を感じざるを得なかった。

 

 やがてジジイの一味の兄ちゃんがどんくさマッチョを助けてくれる。理由は娘が妊娠していることがわかったから。父親はもちろん兄ちゃんである。兄ちゃんは妊娠に関して「あまりにも突然で…」「僕は研究者だ。細菌は得意だが子どもは…」と種馬としての自覚溢れる正々堂々の敗北主義を披露する。突然も細菌も関係ないだろう。避妊しろバカの一言で彼が論破されるのは火を見るより明らかである。研究者だかなんだか知らんが学歴と下半身は比例関係にないのは万国共通の様で全く嬉しくない。

 

 そんなこんなでどんくさマッチョと兄ちゃんが街を歩いているとロボットを目撃する。兄ちゃん曰く、ロボットは工場で暴走して人間殺して野放しになっているとのこと。なおウィルスとの関連性は無い。

 

 とりあえず何か出せばいいってもんじゃないだろとの思いをフルスイングでバンカーにぶち込みながらどんくさマッチョはロボと会話する。ロボットは「あ、なんか今回路直ったんで命令お願いッス」と味方になる。なんだこの茶番。

 

 ロボが加わったことでジジイも納得、脱出が開始される。それにしてもこのロボット、戦闘能力が高すぎる。腕の一振りでゾンビは10mぐらい吹っ飛ぶわ、腕に内蔵されたマシンガンで弾幕張るわ、溶接機能でバリケードつくるわ攻守兼ね備えたファイターぶりは主人公の存在価値を全否定するに余りある。なおこのロボットは日本製で東京から徒歩で来たとのことである。やはり日本の技術は凄いと思う一方で、こんなものを輸出する日本は武器を売りつけアジアを侵略する武器輸出大国と思われているのではないか。まさしく右傾化であり軍靴の音がバルツァーである。

 

 その後はジジイが逆ギレして死んだり、街が空爆されたりする。しかしながらどんくさマッチョと娘、兄ちゃん、ついでにロボットは炎に包まれながらもワレ生きとったんかーいHAHAHAでハッピーエンドである。

 

 主人公はろくに活躍せず、ゾンビの怖さも今一つ、あげくラスト30分で急に出てきたロボットが無双しだす展開。正直どうかと思うが、どんくさマッチョの持つMP5SD3に免じて星を1つ付け加えたい。マッチョにはゴツイ銃を持たせておけと言う適当なセレクションをしていないというのがその理由である。

 

 

総合評価・星3つ(500円の価値有)

★★★☆☆

 

以上