先日Amazon Prime Videoで配信開始された『ザ・クリエイター/創造者』。
『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のギャレス・エドワーズ監督作品である今作。
主演が『TENET』のジョン・デヴィッド・ワシントンだし、渡辺謙も出てるしで、わたしは当時かなり期待しながら観に行きました。
ただ、初見で観るとちょっと頭が飽和状態になる映画かな?とも思ったり…。
わたしは今回アマプラで2回目を観たことで、「成る程」と思いながらスムーズに観ることができた感あります。
あらすじ
AIが発達し、人間と共に暮らしている未来。
しかし突然のAIの反乱により、アメリカに核が落とされた。
そこから始まった人間とAIの戦争。
人間側はAIの創造主である「ニルマータ」を探し、抹殺することを目的としていた。
そんな中、AI側が最終兵器を作ったとの情報が入り、奪取あるいは破壊のためAIが暮らす地域に潜入する主人公。
しかしそこには、幼い子供の姿をしたAIがいて……。
『ブレードランナー』系の世界観
SFと言ってもその世界観は色々。
ツルッと綺麗なスタイリッシュ系であったり、機械を寄せ集めたようなレトロな感じであったり。
この『ザ・クリエイター/創造者』はどちらかと言えば後者。
アジア系が舞台なので、『ブレードランナー』の世界観にかなり近いと思います。
まるで壮大な物語を読んでいるかのように章で分かれる今作
今作では起承転結を示すかのように、場面が変わるごとにアイキャッチのようなものが入るんですよね。
正直……これが集中をぶっち切られると言うか……個人的には合いませんでした。
上映時間は2時間13分。
昨今の2時間半越えの巨編に比べると、割と普通の映画の枠内に収まっている今作。
ただ、それが逆に仇をなしているような気がしなくもないんですよね……。
色々な情報、物語が詰め込まれすぎて、しかもそれがかなりテンポ良く進んでいき、そしてひと区切りのために章で分けられアイキャッチが挟まれる。
お話としては理解できるんですけど、感情や思考が追いつかないと言うか…。味わう間もなく次が始まると言うか…。
しかも言ってしまえば「実は悪かったのは人間」という流れだし、主人公は結局戦争とかどうでも良くて、ただただ妻を探して周りを巻き込みながら突き進む感じになってしまっている。
AIは生きるか死ぬかの真剣勝負って感じなのに、人間の自己中さがただただ際立って下手をすれば苛立ちさえ覚えるような浅さになってしまっているような…。
それでもラストは良かった
ただラストはとても良かった。改めて明確な目的を持った主人公と、AIの少女の2人が、AIたちの悲願を達成する。
そのひとつひとつの行動に「愛」が込められているんですよ。それがきちんと表現されている。
いや〜〜〜ラストシーンは良かったです。アツかった…。
***
まあ色々言いましたが、総じて「SF映画」としてはよくできている方だと思います。
映像や世界観が綺麗なんですよね。ストーリーは賛否両論あったとしても、背景や世界の作り込みは美しいと思います。
SF映画好きであれば一度は観るべき作品のひとつではないでしょうか。