或る人のFIRE日記

日々思ったことを書いていくだけのブログ

すべて見えるものは、見えないものに触っている(1)

 

あるドキュメンタリー番組を見た。

 

タイトルは、「ユンボの遺言 ~真理子 23歳の肖像~」。

23歳で亡くなった、大崎真理子という若い画家を取り上げたドキュメンタリー番組だった。

 

番組紹介には次のように書かれている。

 

 

 

『23歳という若さでこの世を去った一人の画家がいる。亡くなる4日前に撮影されたという動画には、同級生と無邪気に踊る姿が残されていた。土佐市出身の大崎真理子。高知学芸高校から京都市立芸術大学に進学し、首席で卒業。大学院に進み、京都の銀行に作品が買い上げられるなど順風満帆に思えたが、自宅で突然亡くなってしまう。実家近くの国道56号線を描いた油絵など、真理子が残した数多くの作品は、写実と幻想が入り混じった不思議な感覚を見る人に与える。中でも遺作となった「あの日のユンボ」が完成するまでの過程には、一人の画家の苦悩と再起の足跡が凝縮されていた。

さらに、その突然の死は、ある女性の人生に大きな影響を与えていた。真理子とは中学時代からの親友だったという女性は、公務員を辞め、東京芸術大学の受験を決意する。彼女が語る真理子の存在とは。

絵を描くにあたって「見えるものと見えないもの」というテーマを追い求め続けた真理子。緻密さと情熱をもって作品に向き合っていたその素顔を、恩師や友人、母親らの証言から紐解いてゆく。』

 

 

 

遺作である「あの日のユンボ」は、実際の光景をひどく抽象的に描いたような絵になっていた。ユンボとはショベルカーのことで、彼女が幼い頃に荒川で見た「ユンボ」がその原風景になっていたらしい。

 

正直、私の目には彼女の絵の良さは分からなかった。

ただ、芸術大学を首席で卒業するくらいなので、才能に溢れた画家だったのだろう。

 

 

 

彼女は絵を描くにあたって「見るものと見えないもの」というテーマを追求していたという。

ドキュメンタリー番組に登場した、彼女の高校時代の担任の次の言葉がとても印象的で頭に残っている。

 

「授業の中で問題集を使ってまして、ノヴァーリスという人の一節が出てきたんです」

 

「すべて見えるものは、見えないものに触っている」

 

 

 

 

 

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