煮干しの一押しVOCALOID曲

VOCALOIDの話題や気になった事を書こうと思います

「何かを生み出す」と「何かを受け取る」者たち、それぞれの情熱を歌うVOCALOID曲

 

 こんにちは こんばんは 煮干しです

 

 先週の記事で「ワンチャンある」と予想しましたが、思いのほか値が上がってしまい、少し戸惑っていますw。これからどうなるかについては正直なところ分かりません。ただ、何となくではありますが、多少の上昇余地はまだあるように感じています。

 

そんな上昇相場で活気づく仮想通貨業界に、新たなビジネスニュースが飛び込んできました。なんと、先週の記事で注目していると公言したテゾス絡みのニュースです!。そこで今回はそのビジネスについて、己れの理解を深め、更に好奇心を満たすため、まとめてみました。

 

※これから書く記事は投資を、すすめる訳ではありません!。飽くまで酷く個人的な好奇心などの欲求を満たすためにしています。本記事で興味を惹かれて、投資して損失が出ても当方は責任を取りません。原則、投資は自己責任ですよ!

 

 

 

イエローケーキ(ウラン鉱石濃縮物)を個人取引できるサービス「uranium.io」

 

uranium.ioは、仮想通貨テゾスのスマートコントラクトを活用し、個人向けイエローケーキ取引を提供するサービスです。この取引では、所有権や譲渡に関する法的根拠としてイギリスの信託法を基盤としています。

 

これだと分かりずらいと思いますので、以下に詳細を分解して説明します。

 

イエローケーキ

天然ウラン鉱石を粉砕して粉状にし、さまざまな工程を経た後、最終的にろ過して不純物を限りなく取り除いた粉状のウラン物質がイエローケーキです。その名称の由来は、初期のウラン鉱山発掘の際、黄色い見た目のウラン鉱脈を見て名付けられたことにあります。

 

スマートコントラクト

スマートコントラクトとは、仮想通貨のブロックチェーン上に記録される取引台帳の一種です。ブロックチェーンの特徴である分散型の相互監視により、不正を困難にし、取引の安全性と透明性を確保します。

 

イギリス信託法

イギリス信託法は、信託制度の発祥の地であるイギリスにおける、非常に歴史のある法体系です。その歴史の長さから玉石混交の様々な資産を扱った実績があります。

 

要約すると、uranium.ioとは、イエローケーキの個人間取引を仮想通貨テゾスのブロックチェーン台帳で記録し、最終的な所有権および譲渡の証明をイギリス信託法によって担保する仕組みです。

 

 

 

なぜこのサービスが始まった?

 

需要の高まりに期待

ホワイトペーパーによれば、いわゆるカーボンニュートラル(脱炭素)をはじめとする環境への配慮による石油燃料の敬遠に伴い、原子力発電へと舵を切る各国の動きがウランの需要を押し上げると予想されています。

 

困難な取引を簡素化して、ユーザーの増加を目論む

従来の取引は専門的な知識と人脈が必要で、最低ロットは約45,359.237キログラム(12億円相当)からという規模でした。さらに、購入できたとしてもイエローケーキの保管には莫大な資金が必要で、更に政府の許可を得ることが必須条件。そのため、一般人にとっては到底手が届かない取引でした。

 

ですので、これから開始されるサービス「uranium.io」は、これらの高いハードルを取り除くことを目指しています。保管の必要がなく、小口購入が可能で、政府の許可も不要な誰にでも開かれた市場を提供という、この新しい仕組みにより、従来の閉じた既得権益者による市場よりも圧倒的に多くのユーザーが参加できるようになると考えられます。恐らく、上手く行けば取引量の増加に伴い、手数料による利益は莫大なものになるでしょう。

 

 

 

イギリスは何で関与しているの?

 

 これはホワイトペーパーには記載されておらず、あくまで推測に過ぎませんが、法的根拠を提供しているということは、この取引はネット上で行われているとはいえ、イギリスで実施されているとみなされるのではないでしょうか。つまり、取引によって発生する税金はイギリスの税制に基づくことになり、その税収を見込んでこの仕組みに参加した可能性があります。さらに、将来的には「ウラン市場=イギリス」という形を目指し、新しい産業の柱を作ろうとしているかもしれません。

 

 

 

 

まとめ

 

 いわゆる、メタルギアを個人製作するためでもなく、個人的にソロモン宙域でアトミックバズーカーを発射するためでもなく、いつの間にか玄関先にイエローケーキが置き配いされて被曝するわけじゃないサービスuranium.io。

 

飽くまで所有権を売買するサービスである uranium.io のホワイトペーパーを一通り読んでみましたが、非常に野心的かつ先見性のあるプロジェクトだと感じました。ヨーロッパなどでは、極端な環境配慮の影響でエネルギー価格が高騰し、多くの国民が苦しんでいます。そのため、為政者たちはこの問題を打開するために、原子力発電への移行を進める可能性が高いと考えられますので、需要は伸びる可能性はありそうです。

 

ここまでポジティブな雰囲気を演出していますがw、このプロジェクトが荒唐無稽だとは思わないものの、恐らくかかるであろうイエローケーキを所有した事によって発生する年間コスト、並びにテゾスネットワーク代のもろもろなコストの存在や、若干、怪しい感じも多々ありw、極めつけは英語が読めないため、アプリ翻訳では正確なニュアンスもわからず、参加するのは非常に怖いです!。

このプロジェクトが成功すれば、恐らく台帳に使用されるテゾス(Tezos)は高騰するはず・・・つまり、安心安全で無難なのは現物のテゾスを買う事だと自分は思いました。自分は現物のテゾスを少数塩漬けしているので、漁夫の利を得るべく、低みの見物を決め込む所存ですw。

 

まあ、色々と講釈をたれましたが、要するに自分は、たまたま持っていたので傍観するだけです。

仮想通貨では、本件のような事は日常茶飯事で、タケノコの如く誕生するプロジェクト若しくはサービスがそのまま音沙汰なしで消える事もしばしば。

つまり、いの一番、脊髄反射、前のめりの投資は絶対ダメ!。重箱の隅を突くような、粗探しして、ようやくするのが仮想通貨関連の投資なのです。

仮想通貨でかなり痛い目を見た自分が言う事ですから間違いないです。因みに直近ではエルフトークンでバチクソ損を致しましたw。

彼らはビジネスですから、次々と始めるのです、そして嘯く(うそぶく)、あれ凄い、これ凄いってね、重々お気をつけなはれw。

 

 

※最後に

 

 

 これまでの文章は、あくまで個人的に調べた内容をアウトプットして、好奇心を満たし自分の理解を深めるための咀嚼用の記事です。したがって、投資を勧めるものではありません。投資は自己責任でお願い致します。万一損失が生じた場合でも、当方は一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

 

参考文献 xU3O8 (ホワイトペーパー)

 

 

今回のお品書きになります

 

 

煮干しがお送りするちょっとした物語

 まず始めに、この物語はフィクションです。物語の中に登場する個人名、団体名、会社名は架空の物であり実在する個人、団体、会社とは関係ありません。

※チャットGPTで文書校正をしています

 

 

 俺は何でも屋として、恩人である片村さんの要請で人手不足の現場へ出張することになった。慣れない現場仕事ではあったが、的確な指導のもと作業は順調に進んだ。作業も終盤に差し掛かり、あと少しで終わるというところで天候が悪化し、やむなく中止に。撤収作業を進める中、ひょんなことから一匹の三毛猫を保護することとなり、俺たちはその三毛猫を連れて片村邸に戻った。

ようやく帰宅した俺たちを待っていたのは、鍋のご馳走だった。温かい食事に舌鼓を打ち、満足した気持ちで床に就いたものの、その夜、なんと強盗騒ぎに巻き込まれる羽目に! 幸い怪我人も出ず、大事には至らなかったが、警察の事情聴取を受けることとなった。

事情聴取を終えた帰り道、部下の日下部晴美から衝撃の事実を聞かされ、俺は保護した三毛猫に疑念を抱くようになる。それ以外にも、この猫には不審な挙動が多々見られ、次第にその正体への確信が深まっていった。そして、片村さんの後をつける三毛猫の姿を目撃した俺は、鼓動の高鳴りを抑えつつ、慎重にその動きを追い小屋に近づいた。

そこで目にしたのは、とても猫とは思えない奇妙な動きをする三毛猫の姿だった。「ついに正体を見破った!」と思った矢先、日下部晴美が現れ、事態は妙な方向に進む。例の三毛猫は自分の動きを見られたことに気づいたのか、露骨に猫らしい仕草を見せ、俺を挑発してきた。今にして思えば、それは俺の信用を失墜させるための策略だったのだ。

しかし、三毛猫の挑発的な態度に堪忍袋の緒が切れた俺は、冷静さを失い感情のままに荒唐無稽な言動を発してしまった。その結果、片村さんと日下部晴美をドン引きさせるという失態を犯してしまう。完全に三毛猫の策略にはめられた俺は、「しまった」と心の中で呟きつつもどうすることもできなかった。

そのとき、背後から俺にだけ聞こえる程度の小さな声でせせら笑う三毛猫のセリフが聞こえた。驚く俺をよそに、三毛猫は日下部晴美に甘える素振りを見せる。その光景に絶体絶命の状況に陥った俺は、しどろもどろになりながら場を取り繕おうと必死に言葉を紡いだ。幸いにも片村さんがそれに迎合してくれ、その場はなんとか収まり、九死に一生を得た。

悔しそうな目をしている三毛猫を横目に、俺は「これ以上この猫には関わらない」と心に誓った。そして、日が傾き夜の帳が落ちる頃、夕食を済ませ、それぞれの部屋で静かに床に就くのだった。

 

 

 暗闇の中、天井を眺めていた。俺の耳に、「プークスクスw」と確かに聞こえた・・・せせら笑う声。その声が耳に残り、何度も繰り返し再生される。あの時、確かに聞こえたのだ・・・。金輪際関わらないと決めていたはずなのに、どうしても気になってしまう。そのせいで目は冴え渡り、全く眠れない。喉が渇いたので気分転換を兼ねてお勝手場へ向かうことにした。

カーテンの隙間から月明かりが差し込み、廊下は妙な雰囲気に満ちていた。俺はその廊下をゆっくり歩いていく。お勝手場に近づくにつれ、「・・・頼むにゃあ、政宗・・・。・・・恩に着る・・・にゃあ、それじゃあ・・・志村・・・」と途切れ途切れの会話のような声が聞こえてきた。俺は思わず生唾をゴクリと飲み込み、音を立てないよう慎重に足を進め、お勝手場の前に辿り着いた。

お勝手場とその他を仕切るすりガラス戸に手を掛け、再び生唾を飲む。大きく息を吐き出して気持ちを落ち着け、意を決してスリガラス戸を開け放つ。その瞬間、確かに話し声が聞こえた。俺の脳裏には例の三毛猫の姿が浮かぶ。声のする方へ慎重に近づき、お勝手場の椅子をゆっくりと引いて覗き込む。心臓が高鳴る中、そこにあったのは・・・なんと携帯ラジオだった。

「なんだよ・・・」と大きなため息をつきながら、俺はラジオの電源をオフにした。本来の目的である水を飲もうと流し台に向かおうとしたその時、くるぶしのあたりにフサッとした柔らかな感触。「ぎゃっ!」と思わず短い悲鳴を上げて下を見ると、そこには例の三毛猫がいた。

「何だよお前・・・日下部さんのところで寝てたんじゃないのか?」と、俺は自然と話しかけてしまう。三毛猫は香箱座りの姿勢で微動だにせず、まるで寝ているようだった。だがその寝息には強弱がなく、すぐに狸寝入りだと分かった。

猫のくせに狸寝入りするのか・・・と驚きながらも、真上から見た流線型のツチノコ三毛柄ワガママボディをムミムミと揉んだ後、俺は一応確認のため瞼(まぶた)に指を掛ける。本当に寝ているならば、瞼(まぶた)は簡単に開くはずだ。ゆっくりと指を動かすと、三毛猫の瞼(まぶた)は頑固に閉じられたまま。狸寝入りであることが確定した瞬間だった。

気のせいか寝息が荒くなり、眉間にはしわが寄っている。まるで「これ以上触れるな」と警告しているかのようだ。もう関わらないと決めたことを思い出し、俺はため息をつきながらコップに水を注ぎ、ゴクリゴクリと一気に飲み干す。そして、お勝手場を後にしようとしたその時、俺は自嘲気味に「ヤレヤレ、嫌われたもんだ・・・」と呟く。すると背中から、「はーーー」と、いわゆる業界用語で言うクソデカため息が聞こえた。

 

 翌日、闇バイトによる襲撃の被害も特になかったことから、屋敷の前に陣取っていたマスコミは姿を消した。警察がしばらく見回りをしてくれるということで、今日は現場の残り作業をさっさと終わらせる予定だ。
俺は手早く身支度を済ませて朝食のためにお勝手場へ向かう。初老で白髪交じりの片村夫妻は黙々と朝食を食べているが、日下部晴美の姿が見当たらない。「あの、うちの日下部は?」と俺が尋ねると、片村さんの妻である奥様が湯呑みを手にしながら答えた。


「晴美ちゃん?猫さ探しに行ったんだって。なんでも、起ぎだらどごにもいねがったんだと」


その後、奥様は再び食事に戻り、片村さんは「猫なんてほっといでも、すぐ戻ってくっから。気にすっことねぇのに」と言いながら沢庵をポリポリと食べていた。

俺は「失礼します」と言い、早足で土間に向かう。靴を履き、玄関から外に出て数秒ほど周囲を見渡すと、庭先で右往左往している作業着姿の女性が目に入った。王子様系の整った顔立ちにショートカット、キリリとした切れ長の目――間違いなく日下部晴美だ。
俺は早足で彼女に近づき、「猫見つかった?」と声をかけた。彼女は振り向かずに答える。「いないですね・・・どこ行っちゃったんだろ?」と庭の植木をかき分けながら探す彼女に、俺も仕方なく捜索を手伝うが、一向に見つからない。今日の予定を考え、俺は彼女に提案する。


「日下部さん、とりあえず一旦中止しようか。今日は現場の作業もあるし、さっさと朝食を済ませよう」

 

彼女は納得がいかない様子で庭を見渡した後、少し間を置いてから「はい、了解しました」と答えた。社会人らしい素直な返事に、俺はひとまず安堵する。

お勝手場に戻ると待っていた朝食は、白飯に藁に包まれた本格派納豆、味噌汁、そして沢庵という、まさに「ザ・和食」。慣れ親しんだ朝食に舌鼓を打ちながら、ふと横を見ると、西側の古都出身であるにもかかわらず、納豆を美味しそうに食べている彼女の姿に少し驚く。
奥様は手早く朝食の片付けを始め、片村さんの姿は見えなかったが、おそらく現場の準備をしているのだろうと想像つき、俺たちは食べるペースを少し上げ、朝食を終えると奥様に礼を言って外に出た。

手早く朝食を済ませた俺たちは庭先に停めてあるトラックに向かう。すると、車内の片村さんが現場に行くよう促してきた。

 

「現場さ行ぐぞ!さっさと乗れっちゃ!」

 

俺たちはすぐにトラックに乗り込み、現場に向けて出発した。あいにくの曇り空で、どんよりとした雰囲気に雪の気配を感じる。片村さんも心配そうに空を見上げていた。
現場に到着した俺たちは、天候が崩れる前に仕上げるべく懸命に作業を進める。一度やった作業ということもあり、順調に進み、三時間ほどで何とか終わらせた。

片村さんが最終チェックをしている間、俺たちは奥様のこだわりコーヒーをいただくことにした。魔法瓶から紙コップに注がれる香りが、降雪前の独特な空気と混ざり、なんとも言えない趣を生む。
俺はそのコーヒーをズズズズッと音を立てて飲み、冷えた吐息が白く濃くなるのを感じた。隣の日下部晴美は、目を細めながらチビチビ味わい、リラックスした表情を浮かべている。

俺たちは言葉を交わすこともなく、ただ麓の景色を静かに眺めていた。

 

「問題ねぇ!この現場は終わりだべ!俺さもコーヒーくれっちゃ!」

 

景色を眺めながらぼんやりしていると、突然の片村さんの声でハッとした。「お疲れ様です!コーヒーどうぞ!」
そう言って、俺は魔法瓶を傾けて紙コップに注ぎ、それを差し出す。


「さんきゅっちゃ!あぁ・・・うめぇなぁ。」片村さんはコーヒーを味わいながら、しみじみと呟く。

 

俺たち三人は何をするでもなく、ただ麓の景色を眺めていた。田園風景の中を一台の軽トラらしき車が走り、それを俺は無意識に目で追う。都内では味わえない、この緩やかな時間・・・。
景色に見入っていた俺の手の甲に、ひんやりとした感触が触れる。反射的に空を見上げると、雪がちらちらと舞い落ちていた。「撤収すっぞ!」と片村さんの一声で、俺たちは撤収作業に取りかかることになった。

 

 
 降りしきる雪の中、早めに撤収したおかげで、何とか無事に山道を抜けて片村邸に到着。玄関先では奥様が誘導灯を持って待っており、俺が運転するトラックを手際よく誘導してくれた。二度目ということもあり、駐車はスムーズに終わり、俺たちは奥様の前に集まる。
 

「寒いべ?屋敷さ入って冷えだ体、温めでけさいん。」

 

奥様にそう促され、俺たちは手をこすりながら屋敷の玄関に向かう。その時、「もし!もし!」という若い女性の声が聞こえ、一斉に振り向くと、サングラスに黒髪のツインテール、トレンチコートにマフラーを巻き、リュックを背負った女性が立っていた。失礼なのは承知の上で、その怪しい女性をつま先から頭までまじまじと観察してしまう。女性はペコリと頭を下げて、妙な語尾でこう尋ねた。

「突然の訪問、失礼しますにゃあ。ちょっとお伺いしますけど、この辺にこけし職人はいますかにゃあ?」

その言動に固まった俺たちを尻目に、片村さんが切り込む。

 

「おめぇ、なんだそのにゃーにゃーは?」

 

女性は咳払いをしながら、「オホン、失礼しますにゃあ。あたいは金のしゃちほこの城下町が出身地なので・・・方言ですにゃあ。」と慌て返す。金のしゃちほこ? 確かに「にゃあ」という方言はあるが、こんなに連発するものだろうか。疑念が頭をよぎり、怪しい目で見つめていると、女性は我関せずとばかりにまた口を開く。

 

「あの・・・こけし職人はどちらにゃあ?」

 

奥様は女性を一瞥し、夫である片村さんに目を向けると、こう言った。

 

「あんた!職人だべ!買いに来たんだから、売ってやりなっせ!」

 

タジタジになりながら片村さんは答える。

 

「あ、あ、まぁ仕方ねぇべ。ほれ、こっちさ来い。」

 

庭先にある作業小屋へ女性を案内する片村さん。その後を俺たちも続き、小屋に入る。片村さんが照明のスイッチを押すと、棚にズラリと並ぶこけしが浮かび上がった。「どれ欲しいんだべ?」と片村さんが尋ねると、女性はブーツを脱ぎ捨て、キラキラとした目でこけしを物色し始めた。その様子を眺めていると、日下部晴美が俺の耳元で囁く。

 

「あの女・・・ただ者じゃないですよ。足音がしないんです」

 

俺は声を潜めて、「ただ身軽なだけじゃない?」と答える。だが、日下部晴美は鋭い目つきで、「まさか!? 某国の工作員!」と言う。これはマズイと、俺は呆れつつも彼女を小屋の外へ引っ張り出す。

 

「日下部さん、工作員がこけしを買い求めるなんて絶対ないから」

 

それでも彼女は納得せず、「兼平さん、私だってそうは思いませんよ。でも、家族構成や屋敷の状況を探って工作活動をする可能性があるんじゃないかと危惧してるんです!」と食い下がった。

意外だった。てっきり荒唐無稽な陰謀論を展開すると思ったが、案外まともなことを言っている。

そんな俺の感心をよそに日下部晴美は小屋を覗きつつ、「はっ!?、もしかして・・・背乗り(はいのり)!?」と険しい顔になり、そんな彼女に俺は、「日下部さん!、ちょ、ちょっと待って!、あの女性がなんとなくこちらの情報を聞いてきたら行動に出ようよ、ね?」と何とか考え直す様に試みた。

少し考える仕草をした彼女は、「まあ・・・いいでしょう。あなたの案を採用します。でも、あの女が片村さんの素性や情報を聞き出そうとしたら・・・いいですね?」と俺に渋々確認する。俺はゴクリと生唾を飲み込み、「いいけど・・・通報だけに留めようね?」と念を押す。彼女は舌打ちしながら、「了解しました。即座に通報しますよ」と少なくとも表面上は納得したかに見えた。

再び小屋に戻ると、女性はまだこけしを眺めていた。日下部晴美が忍び足で奥様に近づき、「あの、何か聞かれました?」と耳打ちする。

 

「晴美ちゃん、なしてそんなこと言ってんの?」

 

奥様は普通の声で答えた。そのやり取りをヒヤヒヤと見守る俺は、日下部晴美の行動に備えて身構える。彼女の爛々と輝く鋭い眼光は、「通報だけじゃ済まない」と言っているようだった。

そんな緊張感の中、「決まったにゃあ!これとこれとこれにゃあ!」と女性が声を上げた。両手いっぱいにこけしを抱えた女性が無邪気に値段を尋ねる。

 

「お幾らですかにゃあ?」

 

片村さんはのんびりした調子で、「値段?んだなぁ・・・三千円でいいべか?」と返す。女性は笑顔を浮かべ、「お買い得にゃあw、ちょっと待つにゃあ」とトレンチコートを弄り財布を取り出し、3万円を差し出す。片村さんはギョッとした顔で、「悪ぃな、お釣り持ってくっから、ちょっと待ってろ。」と言い、早足で屋敷へ向かって行った。

 それから数分後、片村さんがお釣りを持って屋敷から戻ってきた。結果として、謎の女性は礼を述べた後、あっさりと帰ってしまう。奥様が「雪の降る今は危険だ」と留まるよう勧めても、彼女は頑として提案を断り、降り積もる雪道を徒歩で進んでいった。

流石に心配になり、俺は軽自動車を借りて送ろうと車を出した。しかし、歩いて行った方向へ車を走らせても姿は見つからない。車を降りて雪道に残る足跡をたどると、それが途中で途絶えていて、俺は首を傾げるしかなかった。反対側の道も念のため確認したが、どこにも見当たらない。仕方なく屋敷に戻り、報告すると片村さん夫婦は血相を変え、「村の消防団を出動させる」と騒ぎ出した。

俺も見落としがないか確認するため、再び軽自動車に乗り込む。その時、「私も行きます!」と日下部晴美が助手席に乗り込んできた。俺は半ば冗談で言う。

 

「もしかして工作員かもよ?」

 

すると日下部晴美は少し俯き(うつむき)ながら答えた。

 

「私の態度で、留まらなかったのかもしれません・・・。もしそれで何かあったら、悔やんでも悔やみきれません!」

 

真剣な表情を見て俺は頷き、「じゃあ反対側の確認を頼むよ!」と指示する。

 

「了解!」

 

晴美は力強く答え、俺たちは徐行しながら車内から慎重に探した。雪が降り続き、倒れている可能性も考えながら目を皿のようにして捜索を続ける。しかし、足跡が消えた地点を越えても見つからない。焦りを感じつつさらに奥へ進む。

雪はかなり積もり、往来の少ない道には轍も残らない。これ以上進むのは危険だと感じたが、借りた軽自動車は四駆仕様で走破性もある車種だったため、慎重に運転を再開する。山道をくねくねと登るうちに、「徒歩ではここまでは来られないだろう」というある種のあきらめにも似た常識的な考えが頭をよぎる。だが、視界の悪い中で、かすかなシルエットが見えた。

それは村と都市部をつなぐ唯一の屋根付きバス停だった。俺はノロノロと車を進め、バス停の横に停車する。・・・いた。そこには、謎の女性がバス停のベンチに腰掛け、呑気にスマホを弄っている姿。俺は血相を変えて車を降り、彼女に駆け寄る。

 

「大丈夫?」

 

彼女はきょろきょろと辺りを見回し、自分を指差して尋ねた。

「あたいのことかにゃあ?」

 

遅れて降りてきた日下部晴美が、勢いよく詰め寄る。「何をやっているんです!こんなところで一晩中いればどうなるかわからないんですか!」と日下部晴美に言われキョトンとしていた謎の女性は、しれっとした表情で答えた。

「あっ、そういうことかにゃあ!申し訳ないにゃあw。都会育ちゆえ、雪の怖さを知らないにゃあw。このまま雪が止むのを待てばどうにかなると思ったにゃあw。」

その呑気な言葉に俺は呆れるしかなかった。しかし、その時――「パン」と乾いた音が響く。日下部晴美が彼女の頬を平手打ちしていた。

「ほんまにあんた、アホなんどすか?心配してくれる人、おるやろ?金輪際、こんな無茶せんといておくれやす!」

彼女の古都なまりが飛び出した。普段は丁寧な標準語を話す彼女が、地元の言葉で感情をぶつける姿に俺は驚いた。古都出身と聞いていたが、改めて彼女のルーツを感じる瞬間だった。頬を抑えた謎の女性は、少し涙ぐみながら「すまないにゃあ・・・」と一言呟いた。

その後、俺は片村さんに謎の女性を保護したことを伝え、雪も止んだため、そのまま都市部まで送ることになった。山を越え、段々と平地になり、建物が高くなっていく。出歩く人も増えてきた頃、ようやく都市部に到着。

恐らく一番大きなバスターミナルと思われる場所に車を停め、謎の女性を降ろす。彼女は深々と頭を下げ、「この度はお世話になったにゃあ。この恩は一生忘れないにゃあ。」と、相変わらずの語尾で感謝を伝えてきた。助手席から日下部晴美が微笑みながら言う。

「危険なことはもうしないでくださいね」

謎の女性はにこりと笑い、「了解にゃあw。これはせめてもの信頼の証にゃあ」と呟きながら、おもむろに日下部晴美に近づいた。

少し屈み、顔を近づけてくる謎の女性。その光景に俺は動揺して声を上げる。

 

「あ、あ、あ・・・」

 

だが何もできない。そして・・・

 

「ごん」

 

軽い音が響いた。謎の女性が日下部晴美に頭突きをしたのだ。俺は茫然とその光景を見つめ、日下部晴美は困惑しながらおでこを抑える。謎の女性は悪戯っ子のような顔で舌をペロリと出すと、黒髪ツインテールをはためかせ人混みの中へ消えていった。

取り残された俺たちは、しばらく時が止まったように動けずにいた。そして、沈黙を破るように日下部晴美がぽつりと呟く。

 

「そういえば・・・彼女の名前、結局わからずじまいですね」

 

「ああ・・・そうだね。」

 

俺も同じく呟き、謎の女性が消えた方向をぼんやりと眺め続けた。

元来た道をトンボ帰りして片村邸に戻った俺たちは、謎の女性を無事に送り届けたことを伝えた。片村夫妻は大いに喜び、村の消防団を出動させた経費を払わなければならなかったが、特に気にしている様子はなかった。その日の夕飯は外食にすることになり、少し遠出して山を一つ越えた向こうにある集落へ向かった。

車を降りて目の前に現れたのは、この辺りで有名な炭火焼の焼肉店「餓鬼大将(がきたいしょう)・三羽鴉(さんばがらす)」。店内は細部までこだわり抜かれ、まるで少年たちの秘密基地を思わせるイミテーションが散りばめられ、ノスタルジーを感じさせる趣だ。店内には巨大な囲炉裏がいくつもあり、客たちはそれを囲む形で座っている。俺たちは案内され、個室に通された。本来なら数か月前から予約が必須な人気店、しかし片村さんと店のオーナーが同級生ということで、数時間前でも予約が取れるらしい。

赤く熱せられた備長炭の上に金網が整然と置かれ、今か今かと肉が焼かれるのを待っている。とりあえず頼んだ生中を飲みつつ、肉を待つ俺たち。やがて、素人目にもわかる「絶対うまい奴」が皿に盛られて登場した。俺の隣にいる日下部晴美の目は輝き、口元から涎が少し垂れている。

片村さんが咳払いをして俺たちを見た。そして――

「お疲れさんだっちゃ!おかげさまで現場仕事も無事終わったべ!ありがとうな!今日は心ゆくまで食べてけろっちゃ!乾杯!」

宴の開始が宣言され、すでに飲んでいた俺たちも改めて乾杯の仕草をした。早速トングで肉を焼き始めると、じゅう、と小気味よい音を立てて油が滴る。程よく焼けた頃合いで小皿に移し、タレをつけて口に運ぶと、肉はふんわりと雪のように溶けてなくなり、それでいて味は濃厚でジューシー。このレベルの肉はいつ以来だろうか?。

俺は白飯を一瞥し、あることを思いついた。それは、焼いた肉を白飯で包むというアイデアだ。ご飯を極上な肉で包み完成した作品に、タレを少しデコレーションして一口で頬張ると、肉と白飯の相性が抜群で、この上なく美味しい。

「それいいですね!私もやりますw」と、俺の行動を見ていたらしい日下部晴美も真似し始め、「それ編み出すなんて、なかなかだっちゃなw」と片村さんも同じように肉巻きを作り始めた。

宴は夜が更けても続き、記憶が途切れる頃には片村邸に戻り、気がつけば布団の中だった。翌日には仕事があり、俺と日下部晴美は都内に戻ることに。

「じゃあ、また何かあったらよろしくお願いします。」二日酔いで顔を青ざめさせながら俺は片村さんに頭を下げた。「今度は仕事抜ぎで来いっちゃ!歓迎すっからなw」片村さんは苦笑混じりに答える。日下部晴美も深々と礼をして、「お世話になりました。猫ちゃんが帰ってきたらよろしくお願いします!」とお願いした。

奥様はにっこり笑って、「任せてけさいんw 帰ってきたら、めんこがってやっからなw」と快く返答。俺たちは会社の普通トラックに乗り込み、片村夫妻に手を振りながら出発した。

日下部晴美の運転で山道を抜け、高速道路に入るとようやく楽になり、余裕が出てくる。途中、サービスエリアに立ち寄り、日下部晴美は間食用の食べ物を買いに行く。俺は車内で待機していた。ぼんやり流れる雲を眺めていると、目の端に一匹の猫が通り過ぎる姿。最初は何も感じなかった・・・しかし、はっと例の三毛猫ではないかと気づき、慌てて車を降りて辺りを見回す。

駐車場の2台先に停まる白いセダン車の後輪付近に猫らしきものが見えたので、そろりそろりと慎重に近づく。そして、それを目の当たりにした瞬間・・・三色のビニール袋だった。

俺は拾い上げて苦笑する。そのビニール袋は風に乗ってふらふらと空に舞い上がり、やがて青空に消えていった。それを見送ると俺は車内に戻り、目を閉じて静かに休んだ。

 ーおわりー

 

 

382曲目の紹介

 

 

今回ご紹介する曲はセンティメントです。

 

本曲の作詞作曲および動画はポリスピカデリーさんによるものです。

 

 

 何もかも分からない、それを見透かされている感じもする。でも高鳴る気持ちと時間は僕に見方をしている、この曖昧な嗜好に導かれどこに向かうか知らないけど。後悔は無い、きっと辿った僕の足跡は道になり、その先には輝かしい至高が待っているのだ。

 

 

 本楽曲では、クリエイターが作品の完成を目指す道程で抱える心の葛藤と、それを受け取る側や視聴・拝聴する側による身勝手な評価が表現されています。「めぐっぽいど」ことGUMIさんが、それぞれの立場を巧みに歌い上げています。

 

 

 本楽曲のタイトル「センティメント」は、優しい気持ちや情熱、郷愁(故郷への想い)といった意味を持つ英語です。このタイトルが象徴しているのは、おそらく、何かに打ち込む人々が生み出した熱量と、それに対する評価の在り方ではないでしょうか。

 

 


www.youtube.com

 

 本楽曲では、2種類のGUMIを使用しています。いわゆる初期型と準最新型のコラボレーションが実現しており、ポリスピカデリーさんの技術力によって見事に仕上がっている点に感動しました。なお、最新型であるVOCALOID6 Voicebank AI MegpoidおよびVOCALOID6 Voicebank AI Megpoid SOLIDが発売されていますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。

 

www.ssw.co.jp

 

 

 本楽曲「センティメント」は、何かを生み出すクリエイターの情熱と、生み出されたものに対する称賛や拍手、あるいは身勝手な批評を表現した曲です。クリエイターのように何かを生み出せなくとも、誰しも何かに打ち込んだ経験はあるでしょう。出来上がったものに対して、称賛してくれる人もいれば、批判する人もいる。しかし、一度ある種の情熱に取り憑かれた者は、その歩みを止めることはありません。

本楽曲は、そんな心意気を持つ者のわずかな感覚を切り取った、「爪の垢を煎じて飲む」ような曲です。クリエイターの心構えに触れてみたい方は、ぜひ本動画を視聴し、その世界観を楽しんでみてください。

 

 

お借りしたMMD 

Tda様より

Tda式初音ミクV4XVer1.00

 

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