WINSの「X-ROADシリーズ」は、日本初のインナーバイザー付きオフロードヘルメットとして2015年に登場。その最新モデルとなる「X-ROAD3」の詳細をチェックしてみた。
各部の見直しで、実用的な快適さを向上
走行中の眩しさを和らげるインナーバイザーと、林道走行時に泥などがシールドに付着したり、木の枝が接触するのを低減するバイザーを同時に装備した、日本初のインナーバイザー付きオフロードヘルメット「X-ROAD」。
標準装備のトレイルスタイルに加えて、シールドを外せばモトクロススタイル、バイザーを外せばストリートスタイルと、自分の愛車やスタイルに合わせて3フォームにチェンジできる機能もあり、幅広く使えるハイブリッドヘルメットとして2015年の初登場以来、多くのツーリングライダーから支持を得ている。
2022年には口元のダクト形状を変更し、ベンチレーション性能を向上した「X-ROAD2」へと進化。そして、2024年には新設計シールド、新デザインのバイザー、ロングインナーバイザーの採用などを行ない、「X-ROAD3」へとさらなる進化を遂げた。
ホールド性がよく、高速域でも振られにくい
筆者は普段、国産メーカーのMサイズを着用しているので、X-ROAD3もMサイズを選択してみた。そのX-ROAD3の実測値重量は1750gで、インナーバイザー付きヘルメットとして重量は抑えられているが、手に取ってみると重さは感じた。しかし、実際に被ってみるとずっしりした重い被り心地ではなく、重量が分散しているようなヘルメット全体のバランスのよさが分かる装着感だった。
ヘルメット内部は頭頂部にぴったりとフィットし、チークパッドが頬をしっかりとサポートし、頭全体がやさしく包まれるようなホールド性を感じた。それでいて頬が圧迫されたり、頭頂部を締め付けるような箇所もないので、長時間着用しても疲れにくいだろう。
エアインテークは口元とバイザー下に設けられ、エアアウトレットは後頭部に設置。エアインテークからの走行風の流入は明確には体感できなかったけれど、50km/hくらいから、エアアウトレットからヘルメット内の空気が排出されるのはハッキリと体感できた。
新デザインのバイザーは、エアアウトレットが空気抵抗を確実に軽減している。80km/h巡航時も風圧でバイザーが振られることもなく、不快な振動を発することもなかったからだ。高速走行時には風切り音が聞こえることもあったが、ストレスを感じるほどではなく、シールド付きオフロードヘルメットとしては静粛性も確保されている。
新形状のシールドとインナーバイザーがクリアな視界を実現
X-ROAD3のシールド先端は、旧モデルより曲率を緩くした新形状で、先端視界の歪みを抑えてよりクリアな視界を実現している。またシールド下端側を折込形状とすることでシールドの強度も向上。開閉時にシールドのねじれが減少し、先端に持ち手を設けたことで走行中でもスムーズに開閉できるようになった。
インナーバイザーも旧モデルから12mm長くなり、視界を覆う面積を拡大している。このインナーバイザーを上下するスイッチの操作性も良好で、眩しさを感じた際に即座に対応できる。このシールドとインナーバイザーがクリアな視界を確保し、新デザインのバイザーは空気抵抗を軽減し、ホールド性のいい装着感もあって、つねに快適な被り心地となっている。さらに、バイザーを外したストリートスタイル、シールドを外したモトクロススタイルと、使用状況や愛車のスタイルに合わせてフォームチェンジできるのも使い勝手を高めている。
足下を見るなど視線を下げた際にシールドの折込形状が視界に入ることがやや気になったのと、エアインテークとエアアウトレットにシャッターがあれば、より細かくベンチレーション機能を調整できるだろうと思ったが、2万9700円~という価格を考慮すれば、コストパフォーマンスはかなり高いと言える。X-ROAD3は、街乗り、高速道路、林道ツーリングと、幅広く快適なライディングを楽しみたいライダーにおススメのヘルメットとなっている。
X-ROAD3 詳細
・価格(ソリッド/グラフィック):税込2万9700円/税込3万2780円
・カラー:マットブラック/マットアーミーグレー/マットブラック×アイアンレッド/セラミックホワイト/グロッシーモノ/イエローグレー/マットホワイト×アイアンレッド/マットカモグレー/ホワイト×ブラック/グレー×ブラック/ブラック×オレンジ/ブラック×ホワイト
・サイズ:M、L、XL
・規格:SG/PSC(JIS2015と同等)
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