自動車・大型車用タイヤをはじめ、自転車やゴルフ用品などグローバルに事業を展開しているブリヂストンが、新たなコンセプトムービーを制作。少し不思議な視点で日常を映していく今回のムービーで、ブリヂストンはどのような想いを伝えようとしているのだろうか。制作に携わった、ブリヂストン 宣伝・イベント・モータースポーツ推進部 宣伝課の西松悠さんに、その狙いについて話を聞いた。
日常を足元から支える企業としての認知を高めたい
―――今回のコンセプトムービーは、どのような経緯で制作することになったんでしょうか。
昨年の夏に、ブリヂストンの宣伝部として2025年以降の広告戦略や事業活動に対し、どのように取り組んでいくかを全員で考える合宿がありました。その中で、若年層の弊社事業への理解が40代以上の層と比較して低いというデータが上がってきました。例えば今の30代以下の方々は、昔に比べ車を保有したりカスタムしたりする機会が減ってきているので、ブリヂストンと接点を持つタイミングが少なかったのではないかと考えています。ブリヂストンという会社自体を知っていただくことはもちろんですが、私たちが大切にしている品質や安全への価値観を知っていただきたいと思い、宣伝課として何ができるかを検討しました。そして今回、この動画を制作するに至りました。
―――ムービーのテーマについて教えてください。
テーマは「その旅の足元で」です。みなさまの足元・生活を支えている企業であることを認知していただくことを念頭に制作しました。特に今年内定が決まった若者やこれから就職試験に挑む若者をコアターゲットにしていて、彼らが生まれたときから現在までを振り返る年表形式のムービーになっています。彼らは、学生の間にコロナ禍を経験し、あたりまえの日常の大切さをより強く感じている世代です。学校の行事ごとはもちろん、部活動や学校の昼休み・放課後など、何気ないコミュニケーションにも強い制限がかかっていました。親世代にとってあたりまえだった学生期の日々が、まったくあたりまえではなかった世代です。特別なことだけでなく「日常」を大切にする彼らに、生まれて初めて乗った車、三輪車、自転車、通学時のバスなど、人生の様々な場面で、「どんな時でも、ブリヂストンはいつもあなたの足元を支えているよ」ということが伝われば良いなと思っています。
―――ブランドの見せ方にはいろいろな案があったのではないかと思いますが、なぜ動画という現在の形に至ったのでしょうか。
ブリヂストンが社会で果たしている役割や、人々の生活にどう関わっているかといった、会社の広い視点も、映像で具体的な場面や生活シーンを見せることで直感的に伝えられます。さらに、合宿で出ていた『ゆりかごから墓場まで』というコンセプト、つまり生まれてから一生涯のさまざまな場面でかかわり続ける会社・商材であることを表現するには、映像の連続性や生活シーンの描写が有効です。個人的には、タイヤや車輪が社会インフラとして欠かせない存在であることや、私たちの身近な生活を支えている部分にも注目してほしいという思いもありました。特に、ターゲット層の方は必ずしも「ブリヂストン=タイヤ」と結びつくわけではないので、まずは弊社のコア事業を知ってもらいたいという、自己紹介的な思いも込めた動画になっています。
酷暑が続く中、こだわりを詰め込んだ撮影
―――非常に個性的なムービーですが、こだわりや見どころポイントなどはありますか。
一番のこだわりは“カメラアングル”です。映像は常に”タイヤの目線”になっていて、独特のローアングルで進んでいきます。「不思議なアングルだな」というきっかけから、中身にも興味を持っていただけると嬉しいです。別々に撮影されたシーンがキレイに繋がっている点も、注目していただきたいポイントです。商材の豊かさを表現するために、どのようにストーリーを繋げるか、どこでアイデンティティのひとつでもある航空機を登場させるかなどは、かなり考えた部分です。特に、人生を追う年表形式の構成になっているため、小道具などにもぜひ注目していただきたいです。また、安心・安全を重視する企業として、自転車のペダルへの足のかけ方やヘルメットの被り方など、細部に注意を払って撮影しています。細かなところですがそういったところにもブリヂストンの企業理念を感じ取っていただけると嬉しいです。
―――映像を通して会社の魅力やブランドを伝えるうえで、現場ではどのような工夫やこだわりがありましたか。
これは撮影手法の話ですが、三輪車にカメラをつけて並走させて撮影しているので、トラックやバスのタイヤを同じスピードでキレイに撮影するのは非常に難しかったです。ほかにも、宣伝部としては商品に記載されているブリヂストンのロゴがキレイに見えるかどうかも重要なポイントだったので、非常に心苦しい部分ではあったのですが、リテイクを何度かお願いすることもありました。また、撮影は9月で2日間にわたって行いました。猛暑の中、エキストラの方や子役の方々が何テイクも自転車を漕いだり、走ったりしてくださいました。このような皆さんのご協力のもとで、本当に素晴らしい映像に仕上げることができました。
―――完成したムービーを見たときの手応えはいかがでしたか。
上司と一緒に試写を見たときは、感極まるものがありました。個人的に、0から1を作った初めてのプロジェクトだったこともあって、より込み上げてくるものがありましたね。モータースポーツなどの非日常的な場面でなく、日々の暮らしにフォーカスしていることも新しい試みです。実は、こういう広告や宣伝のムービーに人が出てくること自体も非常に珍しいんです。でも弊社のブランドメッセージである「Solutions for your journey」という言葉の通り、世界とそこで生きる一人ひとりが前を向いて進み、挑戦し、その旅をブリヂストンが支え続けるということを伝えるためには、多くの人々に受け入れられて生活に根付いている製品であることを表現する必要があるなと考えていました。また表現上でもよりターゲットが感情移入できるように一人の主人公の人生を追っていき、そのなかでブリヂストンがどのように生活を支えらているかということを表現することにも挑戦したいと考えました。今までやってこなかった表現方法ですが、ものすごくブリヂストンらしい映像に仕上がったと自負しています。
―――今回のプロジェクトに携わって得られた気付きや学びはありましたか。
妥協することなく完成させられたことが、まず大きな成果だと感じています。どの生活のシーンを選ぶのか、どのモビリティのどんなブランドを映すのかなど、細かいところまで厳選できました。準備期間は非常に短かったのですが、社内に向けても動画の意図をしっかりと説明して理解や協力を得られたことも、私にとって大きな成長になったと思っています。
安心や安全を理由に選んでもらえることが嬉しい
―――改めて、ブリヂストンで働くことの魅力を教えてください。
製品が目に見えることは、大きな魅力のひとつだと思います。また、知り合いや家族・親戚にブリヂストンで働いていることを伝えたときに「安心感があるブランド」「信頼できる製品だよ」と言ってもらえることが、とても嬉しいです。タイヤをはじめ、ものを選ぶ基準はコストや使いやすさなど様々あると思いますが、品質や性能を評価してブリヂストンを選んでもらえているということに、誇りを感じますね。
―――ブリヂストンで働く人たちは、どんな属性や傾向の人が多いと感じますか。
いい意味で真面目な方が多いですね。どんな社会を目指しどんな製品を提供すべきかを、真剣に考えている人が多いと感じます。会社には多様な趣味や性格を持つ人が集まっていますが、共通しているのは「最高の品質で社会に貢献」という社是を、単なるキャッチコピーではなく、自分ごととして受け止め、真剣に向き合っている点だと思いますね。
―――ブリヂストンの今後のビジョンを教えてください。
弊社が目指すのは、サステナブルな社会に貢献し続ける企業であることです。これは今や社会全体、そして地球規模での最重要課題であり、当社にとっても欠かせない指針となっています。そのうえで、タイヤはもちろん、モータースポーツといった事業を通じて、人々にワクワクする瞬間を届けられる存在でありたいと考えています。タイヤって多くの人は普段あまり関心を向けないものだと思います。でもじゃあ無いとどんな生活になるんだろう? このムービーを見たら、ぜひそんなことにも想像を巡らしてみてください。そして、毎日の何気ない移動の多くに、ブリヂストンが関わっているということを感じてもらえれば何よりです。
ムービーで描かれているのは、日常を大切に想う気持ちと、それを支えているブリヂストンの誇り。どんなことがあってもタイヤを前へ前へと進めてきたブリヂストンだからこそ、これまでも、これからも、私たちはどこまでも進んでいけるという強いメッセージが込められています。ブリヂストンのことをもっと知りたいと思った方は、ぜひ採用サイトにもアクセスしてみてはいかがでしょうか。
[PR]提供:株式会社ブリヂストン