夏はフルーツがおいしい季節。いろいろなフルーツを買いたくなりますが、せっかく買っても冷蔵庫の中で上手に保存できないと、おいしさが堪能できない場合もあります。そこで今回は、料理研究家・沼津りえ氏による著書『「冷蔵」「冷凍」「常温」−どれがおすすめ? 食品長持ち保存術』(主婦の友社)から、夏のフルーツのおすすめ保存方法を少しだけお届けします。
すいか、もも、マンゴー……夏はフルーツがおいしい季節! でも近年の値上げトレンドの中で、フルーツの価格もどんどん上がってきています。だからこそ、「せっかく買ったフルーツを大事に食べていきたい」「できるだけおいしく長持ちできるように保存したい」と思いませんか?
実は、夏のフルーツの大半は、冷凍保存することで旬のおいしさを長く楽しめます。そこで今回は、各フルーツの冷凍保存の方法をご紹介します。
注意点は、解凍しすぎるとずいぶんが出てべちゃべちゃになってしまうところ。解凍できたらすぐに食べるか、もしくは半解凍のままシャーベット状で食べるのがおすすめです。
まるごと冷凍保存すると冷凍室の中で場所をとるので4等分に切り、ラップで包んで冷凍保存。ラップをぴっちり隙間なく使うことで、水分をキープできます。
常温に1分ほどおくと、包丁でサクッと切れるので食べやすい大きさに切ります。こまかく切って冷凍すると、果汁が出てしまので、食べるときに切るのがおすすめ。シャキシャキとした食感と十分な甘みが味わえます。
90%以上が水分で、夏場の水分補給にも一役買ってくれるフルーツです。赤い果肉の品種には、トマトにも含まれるリコピン、黄色い果肉の品種には、β-カロテンが含まれ、どちらも抗酸化作用があります。皮や種にも健康に役立つ成分が含まれ、特に皮には、血管を若返らせるシトルリンがたっぷり!どちらも食用可能なので、無駄なく活用しましょう。
材料と作り方 (作りやすい分量)
1、すいかの皮200gは緑の表皮を切り落とし、食べやすい大きさに切る。
2、ボウルに入れ、少し多めに塩(少ししょっぱいくらい)を振り、ラップをしてひと晩おく。水けをしぼり(しょっぱい場合、流水で軽く洗う)みそ小さじ1であえ、冷蔵室で冷やす
ラップで包み、保存用のスポンジに包むか、すき間ができないように1枚のラップで包み、ポリ袋に入れて保存。傷つきやすいのでやさしく扱ってください。
常温に約30秒おくと、手で簡単に皮がむけます。半解凍で食べるのがおすすめ。
弥生時代に日本に渡来したといわれる中国原産のフルーツで、夏から初秋にかけて旬を迎えます。白鳳、白桃、黄桃などの品種があり、水溶性食物繊維のペクチンを豊富に含んでいます。皮の付近にはポリフェノールのカテキンが含まれるため、皮はなるべく薄めにむくのがおすすめ。
材料と作り方(1個分)
1、冷凍もも1個をさっと水にさらし、皮を手でむく。
2、種を包丁などでとり除く。
3、ブレンダーやフォーク、泡立て器でつぶす。
※再冷凍する場合は、レモン汁を数滴まぜるとよい。
ラップをぴっちりかぶせてさらに保存容器のふたをし、外気を遮断したうえで冷凍。軸を残すことで鮮度をキープできます。
水につけず、30秒ほど常温におくと、手で皮が簡単にむけます。甘みが増して、ジューシー! 色もきれいなままです。
8月〜10月が旬で、その時期には多くの品種が出回ります。抗酸化作用のあるポリフェノールを豊富に含むのは、皮の色が黒や赤の品種。皮の表面にある白い粉状のものは「ブルーム」といって、実を保護するためにぶどう自身が作り出した物質なので、食べても問題ありません。皮には抗酸化作用のあるポリフェノールが含まれ、老化を防ぎ、視力回復などの効果が期待できるので、皮ごと食べられる品種もおすすめです。
材料と作り方(作りやすい分量)
1、冷凍巨峰(正味400g)は軸をとって包丁で4等分に切り、種があればとる。
2、厚手のなべに1を入れて火にかけ、沸騰したら中火にし、アクをとり、ときどきまぜながら10〜15分煮る。
3、皮がやわらかくなったら、グラニュー糖100g、レモン汁大さじ1を加え、さらに5分ほど煮る。
4、グラニュー糖50gを加えて5分ほど煮詰め、火を止める。
皮をむき、一口大に切って、ポリ袋に入れて冷凍してください。
冷凍室から出して自然解凍。冷凍室から出したばかりのマンゴーはあまり甘みがないですが、しばらくおくと甘みが戻ってきます。
南国のフルーツですが、4月〜9月には、宮崎県、沖縄県、鹿児島県など、国産の完熟品も出回ります。未熟なものは常温において追熟させます。熟したものは、なるべく早く食べるか冷凍保存するのがおすすめです。
材料と作り方(作りやすい分量)
1、まるごと冷凍したマンゴー(正味200g)を30秒ほど常温におき、果肉をこまかく刻む。種のまわりの果肉はスプーンでこそげとる。
2、小なべにおろしたまねぎ50g、おろししょうが5g、白ワインビネガー・トマトジュース各1/4カップ、グラニュー糖25g、塩小さじ1/4、種をとった赤とうがらし1/2本と1を入れ、火にかける。沸騰したら中火にし、アクをとりながら15分ほど煮る。
3、香辛料少々(ナツメグパウダーやシナモンパウダーなど好みのもの)を加え、軽くとろみがつくまで煮詰め、火を止める。
本文は『「冷蔵」「冷凍」「常温」−どれがおすすめ? 食品長持ち保存術』(主婦の友社)より一部抜粋・編集しています。
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水分豊富なフルーツは、実は冷凍保存にピッタリなんです。常温保存や冷蔵保存よりも、香りやみずみずしさがキープできますし、夏は暑さをやわらげ、水分補給にもなりますね。
わが家でも、冷凍庫にいろんなフルーツが入っていて、おやつや食後によく食べています。お客様にいろんな冷凍フルーツを組み合わせてお出しすると、カラフルでとても喜ばれますよ。ぜひフルーツの冷凍保存を試してみてくださいね。
食品の価格は上がり続けています。せっかく買ったその食品、できるだけ長持ちさせたいですよね。でも、あなたがやっているその保存方法、自信がありますか?
昔と今とは、気候も住環境も、そして冷蔵庫も大きく変わってきました。それに合わせて、食材の正しい保存方法も変化しています。
この本は、著者の料理研究家・沼津りえさんがさまざまな方法を試してたどり着いた、ムダを出さずに最後までおいしく食べきるための食材の保存方法をまとめた1冊。ご紹介している食品は、野菜・肉・魚・果物・乳製品・穀物などなんと166種類!この本で、皆さんがふだん行っている食材保存方法をアップデートさせませんか?
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沼津 りえ(ぬまず りえ)
料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室「COOK会」主宰。東京の杉並区阿佐ヶ谷を中心に、数多くの料理教室を開催。バラエティー豊かなレッスン内容で、幅広い年齢層の生徒に支持されている。著書に『低糖質だからおいしい!「おやつ&スイーツ」』(K&M企画室)、『米粉があれば!パンもおかずもおやつも極上』(主婦の友社)、『母から娘に伝えるはじめてのLINEレシピ』(ART NEXT)などがある。