nemunemu_usami’s blog

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【01】ざくざくアクターズ英訳版を触ってみた_OP

個人的な見解として、ざくざくアクターズにとってOPの解説は極めて重要だと思っている。「そもそもハグレとは何なのか」「何によってこのような状況が作られてしまったのか」「現在はどうなっているのか」を明確に提示しており、これがブレたら作品としての根幹が揺らいでしまう。

 

以下、操作可能になる前の部分で明らかに変えられている部分を列挙する。作者様に許可取ってるならごめんなさい。

 

1. ここはそのまま

 

2. ここもそのまま。英訳版は2カットに分かれてるが言語的性質からこれは仕方ない。

(より厳密に言うと画像2枚目でちょっと表現が加えられている)

 

3. ここもそのまま。

 

4. ここからかなり独自色が出てくる。

「我慢の限界~暴れまわった。」の一文が「Many went ~ for freedom」まで増えている。

画像1枚目の「Many went ~ called monsters.」は「多くは暴徒と化したか、制御するには単純すぎた、(そして彼らは今では)モンスターと呼ばれている。」と和訳できる。

("暴徒" の方が "モンスターと呼ばれている"に当てはまるのか訳に議論の余地があるにせよ)少なくとも原作ではこんなこと一言も言ってない。

そして画像2枚目は無から湧いてきた1カットである。和訳するなら……

「けれどもその多くとは彼らの世界ではごく一般的な生き物であった。普通の市民や、小さな子供や、愛されていたペットや、年老いた脚本家などである。それら全ては彼らの意志に反して連れ去られたのだ。自由のために戦った者もいた。」

とでもなるだろう。

世界観的にずれてなければ何を書いてもいいというものではないと思うが……。

 

5. ここはそのまま。

 

6. ここはちょっと脚色アリ。

「疲労しまくった。」まで訳されているのだが、ついでになぜか「続いた戦いで疲労し、そしてハグレの敗北宣言が出された」とされている。

 

7. これもちょっと脚色アリ。

「That was ~ the summoned.」が追加されており日本語版での「大幅な制限」の説明をしている。和訳すると「(制限とは)召喚への自主的な権利制である」とかになるのかな。concessionにダブルクオートがついているのは「そもそも召喚そのものが勝手な行為なのにそれを権利制とか何様やねん」という皮肉と思われる。

 

8. ここはまあまあそのまま。

 

9. ここもそのまま。

 

10. ここもそのまま。ハグレという日本語的な固有呼称について英語での説明を加えているがまあしょうがない。

 

11. ここは完全に独自に追加されたセリフ。

「このような区分はハグレとこの世界の住人とで摩擦を生むに違いない。この状況を見てどこが解決したと言えるのだろう?」

「召喚士の罪が大きくなっていく……」

とかだろう。言ってる人が誰なのかは想像に難くないが、ついに英訳どうたらではなく勝手に演出を追加している。作者じゃないのに何の権利があんねん。

 

12. ここもまあ許せる。

 

地の文によるOPはここまでなので一旦ここで終了。

ちょっと独自解釈が多い気がする。

 

別の作品の話をすると、前にはメイドラゴンで正規の英訳字幕に翻訳者の独断でやや政治的な主張が入ってしまっていたとか、カヲルくんの「好きってことさ」がloveなのかlikeなのかで訳が変わって反感があったとか、そういう話は割と枚挙に暇がない。

 

ちなみにこれ以降から操作可能になるまでのデーリッチとローズマリーの会話文はほぼ全て直訳だし、最初だからテンション上がってやりすぎちゃったのかなとも思う。

(ただしローズマリーのステータス紹介文が「デーリッチの親友(育ての母)」と書いてあっていやいや・・・とも思った)

でも他者の作品使ってるんだからもうちょっと慎重になるべきか、あるいは改変する部分を事前に監修してもらうか、までは必要な気がする。解釈やより詳しい説明でなく付け足しがあるってのも良いとは言えない。

一番怖いのはこういった独自色あるものがやがて正規の英訳版扱いされる可能性があるという点で、もちろんそれはエンドユーザーが考えることではないのかもしれないけど、序盤でこれだけ気にある点があると全部チェックするべきなんじゃないの? となる。

 

気になったら続きます。