nemunemu_usami’s blog

ゲーム、映画、音楽、漫画、小説などについてああだこうだ言う

【01】ざくざくアクターズ英訳版を触ってみた_OP

個人的な見解として、ざくざくアクターズにとってOPの解説は極めて重要だと思っている。「そもそもハグレとは何なのか」「何によってこのような状況が作られてしまったのか」「現在はどうなっているのか」を明確に提示しており、これがブレたら作品としての根幹が揺らいでしまう。

 

以下、操作可能になる前の部分で明らかに変えられている部分を列挙する。作者様に許可取ってるならごめんなさい。

 

1. ここはそのまま

 

2. ここもそのまま。英訳版は2カットに分かれてるが言語的性質からこれは仕方ない。

(より厳密に言うと画像2枚目でちょっと表現が加えられている)

 

3. ここもそのまま。

 

4. ここからかなり独自色が出てくる。

「我慢の限界~暴れまわった。」の一文が「Many went ~ for freedom」まで増えている。

画像1枚目の「Many went ~ called monsters.」は「多くは暴徒と化したか、制御するには単純すぎた、(そして彼らは今では)モンスターと呼ばれている。」と和訳できる。

("暴徒" の方が "モンスターと呼ばれている"に当てはまるのか訳に議論の余地があるにせよ)少なくとも原作ではこんなこと一言も言ってない。

そして画像2枚目は無から湧いてきた1カットである。和訳するなら……

「けれどもその多くとは彼らの世界ではごく一般的な生き物であった。普通の市民や、小さな子供や、愛されていたペットや、年老いた脚本家などである。それら全ては彼らの意志に反して連れ去られたのだ。自由のために戦った者もいた。」

とでもなるだろう。

世界観的にずれてなければ何を書いてもいいというものではないと思うが……。

 

5. ここはそのまま。

 

6. ここはちょっと脚色アリ。

「疲労しまくった。」まで訳されているのだが、ついでになぜか「続いた戦いで疲労し、そしてハグレの敗北宣言が出された」とされている。

 

7. これもちょっと脚色アリ。

「That was ~ the summoned.」が追加されており日本語版での「大幅な制限」の説明をしている。和訳すると「(制限とは)召喚への自主的な権利制である」とかになるのかな。concessionにダブルクオートがついているのは「そもそも召喚そのものが勝手な行為なのにそれを権利制とか何様やねん」という皮肉と思われる。

 

8. ここはまあまあそのまま。

 

9. ここもそのまま。

 

10. ここもそのまま。ハグレという日本語的な固有呼称について英語での説明を加えているがまあしょうがない。

 

11. ここは完全に独自に追加されたセリフ。

「このような区分はハグレとこの世界の住人とで摩擦を生むに違いない。この状況を見てどこが解決したと言えるのだろう?」

「召喚士の罪が大きくなっていく……」

とかだろう。言ってる人が誰なのかは想像に難くないが、ついに英訳どうたらではなく勝手に演出を追加している。作者じゃないのに何の権利があんねん。

 

12. ここもまあ許せる。

 

地の文によるOPはここまでなので一旦ここで終了。

ちょっと独自解釈が多い気がする。

 

別の作品の話をすると、前にはメイドラゴンで正規の英訳字幕に翻訳者の独断でやや政治的な主張が入ってしまっていたとか、カヲルくんの「好きってことさ」がloveなのかlikeなのかで訳が変わって反感があったとか、そういう話は割と枚挙に暇がない。

 

ちなみにこれ以降から操作可能になるまでのデーリッチとローズマリーの会話文はほぼ全て直訳だし、最初だからテンション上がってやりすぎちゃったのかなとも思う。

(ただしローズマリーのステータス紹介文が「デーリッチの親友(育ての母)」と書いてあっていやいや・・・とも思った)

でも他者の作品使ってるんだからもうちょっと慎重になるべきか、あるいは改変する部分を事前に監修してもらうか、までは必要な気がする。解釈やより詳しい説明でなく付け足しがあるってのも良いとは言えない。

一番怖いのはこういった独自色あるものがやがて正規の英訳版扱いされる可能性があるという点で、もちろんそれはエンドユーザーが考えることではないのかもしれないけど、序盤でこれだけ気にある点があると全部チェックするべきなんじゃないの? となる。

 

気になったら続きます。

Outer Wilds 本編+DLC 90+/100

デザイン 詰まるとヒントがない-2 時々謎の死がある-1 モデルロケットの操作が難しい-1

UI 記録はその場で見たい-1 うとうとはどこでもやりたい-1 量子物質を視界から外すのは瞬きでできるのでは-1 誤訳が多い-2

演出20+ 絶賛

ストーリー そもそもストーリーがない

キャラ キャラの掘り下げというのもそもそもない

がどちらにも魅力はある

ゲームデザイン: 28/30

 ・ヒントや誘導が無いので詰まると抜け出すのが難しい

 ・時々意味の解らない謎の死が発生する
UI, 操作性: 25/30

 ・航行記録は船外でも見たかった

 ・うとうとはキャンプ以外でもやりたかった

 ・誤訳や直訳が多く、やや没入感を壊すことがある

演出,楽曲等: 20+/20 

 ・宇宙や未知の物体、現象への恐怖感や酸素を発見した時の安心感がよく描かれている。

 ・ただしアンコウはもう少し調整できたかも。
ストーリー: 9/10 そもそもこのゲームにストーリーはない。
キャラクター: 9/10 同様にキャラクター主導のゲームではない。
総合: 90+/100

 

「好奇心主導型」と作者が表現している宇宙探索オープンワールドゲーム。

定価は3250円+DLC2000円(よくセールをやっているので40%オフくらいでも買える)。

昨今のゲームの中でもかなり完成度が高い。エンディングはやや抽象的というか形而上的であり好みの分かれる部分もあるが、それを差し引いた探索ゲームのみで評価しても非常に作りが細かい。

良かった点
・環境音や呼吸音が秀逸。個人的に最も記憶に残っているのは、脆い空洞のブラックホールに落ちて宇宙に出された時。十中八九ゲーム序盤にやってしまうので、いきなり自分が宇宙におり、死を覚悟するのだが、ホワイトホールステーションにたどり着いて酸素補給できた時の安堵感はとても素晴らしい。

・DLCも含めたエンディング。上述のように好みが分かれるが、非常に好きな展開だった。よく別のサイトでは「先人の想いを繋ぐ」とか「好奇心に種族的垣根はない」などと表現されるが、それはちょっと不適当だと感じている。個人的には「好きなようにやった結果が未来の誰かに影響を与えることもある」というだけだ。

ともかくも、危機が去ってめでたしではなく、最後にみんなで静かな終わりを迎えるのはとても叙情的でしみじみといいゲーム体験だったなと思える。

良くなかった点
・エンディングに到達するのは正直ちょっと難しい。「どうやって灰の双子星プロジェクト内に移動するか(そもそも情報を知れるか)」「利用可能なワープコアはどこにあるか」「闇のイバラにあるNomaiの船にどうやって辿り着くか」を明確に理解しなくてはいけないので、クリアできず投げてしまう人も少なくないのではないかと感じた。

・多くの人が練習のためにモデルロケットを使用すると思うのだが、この操作が尋常でなく難しいため返金してしまう人もいるんじゃないか?

 

総評

超名作。

宇宙の怖さ、未知への興味、多くの要素が複雑に絡み合っているが、根本にあるものは種族に関わらず持っていた眼への好奇心でしかないというアンバランスさが独特。また、唯一会えるNomaiとDLC種族とのコミュニケーションには感極まるものがある。

定期的にセールになるので買っておくべき。

 

ファイアーエムブレム風花雪月 61+/100

ゲームデザイン: 17/30(24点から加減点)

日常パートの追加+2 ギャルゲーとしてはまあまあ満足+1 兵種が自由に選択できるようにはなった+2 兵種選択の幅があるようでない-3 鍛冶解禁が遅い-1 魔法不遇剣不遇男不遇-2 キャラと兵種の噛み合いが悪すぎる-4 最上位兵種が必要ない技能まで要求してくる-2
UI, 操作性: 12/30(24点から加減点)

ミニマップが見にくい-1 メニューが見にくい-2 資格試験のタイミングが限定的-2 技能経験値ボーナスが見れない-3 試験パスを買うのが意味ない-1 最上位を"?"にしておく必要がない-3
演出,楽曲等: 15/20(16点から加減点) 

不満はないが目立って良い部分もない
ストーリー: 7/10(8点から加減点)  

ストーリーを楽しむほど熱中できない
キャラクター: 10+/10(8点から加減点)   

誰かしら好きになれるキャラクターはいそう
総合: 61+/100

 

[導入]ファイアーエムブレムの実質的な最新作(後続のエンゲージはお祭り作品なので)。定価は7500円くらいで、セールや引換券を使えば5000円くらい。

FEシリーズについては、GBA封印烈火聖魔と3DS覚醒をクリアしている程度のライト層だが一応経験あり。特徴や勘所はわかっているつもりだったが今作は自分の肌とは合わなかった。

 

良かった点
・ギャルゲーキャラゲーとしては悪くない

自キャラを教師として、士官学校の生徒と過ごしながら訓練や課題という形式で戦闘を行う進行となっている。必然戦闘で役に立ったキャラや日常生活で気に入ったキャラに愛着がわくわけだが、そちらの占める割合が大きく、もはや完全なギャルゲーとなっている(FEシリーズは元からギャルゲーだろと言われれば否定しないが)。それが良くなったか悪くなったかはわからないが、ギャルゲーを求めているならひとつの候補になり得る。

・従来のFEの欠点(?)である「ひたすら戦闘が続く」展開を打破できた

特にGBAシリーズはそうだったが、「章開始→戦闘前会話→戦闘→戦闘後会話→章終了」
という流れが最初から最後までずっと続いていた。それに対して別のアプローチを行えた点については評価したい。一応戦闘のみがしたい人についてはそうすることもできるようになっているので遊び方が限定されているわけではない、

・職業選択が自由になった

従来はキャラの職変更ができず、どれだけ職が競合しようが成長が逆特化しようとその職で使い続けるしかなかった。今作はそれとは違い武器技能等の条件を満たせば誰でも職を自由に変えられる。武器技能は戦闘以外でも日常パートで上昇させることができるので、形式的には魔法職から斧使いなどに転向させてから戦闘に出すことが可能になっている。思い切った変更であり評価したい。

 

良くなかった点

正直なところかなり多い。無理して上のように褒めたが、UIやゲームデザインの悪い部分がかなりストレスになり魅力を帳消しにしている。

・昨今のゲームにしてはUIがすこぶる悪い

メニュー画面やステータス画面が非常に見づらい。特にステータス画面がひどく、自キャラの武器技能確認が名簿からしか見ることができず、また職技能の進行度確認は戦闘以外では数値で確認できない。どの職にどの技能が必要になるのかも毎回職選択画面からでないと確認できず、画面の移動が多く面倒。加えて職を変える際に"資格試験"というものを受けて合格する必要があるのだが、それを受ける際に試験パスというアイテムを消費する。資格試験は一日の始まりにしか選択できず、やり忘れたりすると次の自由活動日にしか行えない。また、試験パスは道具屋で売っている(しかも個数有限!)が持っている分が無くなったら「資格試験→メニュー画面→ショップ→道具屋→試験パス購入→メニュー画面→資格試験」と遷移する必要があり、あまりにもデザインがひどすぎる。こんなものはなくなったら試験の画面でも「購入して試験を受けますか?」と表示させてその場で購入できればいいし、もっと言えば購入するのでなく試験を受けるときに金を払えばいいだけなのに全く洗練されていない。これ以外にも細かい部分での不満は多いが、昨今のゲームにしては珍しいバッドデザイン。
・シミュレーション要素が減ってランダム要素が増えている

従来も成長率、必殺率、命中率、確率発生のスキル等はあったが、今作は全員が"紋章"というキャラ固有の確率発生スキルを持っている上、日常パートでも確率で教育時にBad, Good, Great, Perfectとなり得られるポイントに差が発生したりする。場合によっては思ったように伸びなくなり計画に支障が生じる。

戦闘シミュレーションが好きな自分にとっては、この手のゲームで楽しい瞬間は「最大効率で敵を排除し、自分の想定通りに事が進んだ時」なのであって、たとえ自分が有利になる場合でもあまりランダムな現象が起きてほしくはない。しかし今作は特にランダムになるように思えるので、それによって戦闘をドラマチックに演出させてキャラクターへの愛着を沸かせようというデザインなのだと思う。自分には合わなかった。

・技能や要素を増やし過ぎていてリソースが足りない

この手のゲームは資金、時間、施設、武器などリソースに乏しい序盤が最も難しいとよく言われるが、本作もその例外ではない。教育による効果をもっと大きくし、選択した技能だけが上がるのではなく全部がいくらか上昇し、選択した技能は特に上昇するように変えたりしないと色々な職を試すことなんてできないだろう。

・職選択の自由が実質機能していない上、取りたくもない技能を取らされる

上述したように職選択が自由になっているが、それは形式的であり実質は得意な技能を伸ばすか最終的にどの職になりたいのかを序盤に決めてから育成しなければよくわからないステータスになってしまう。

また、女性魔法職は理学と信仰(攻撃魔法と回復魔法)を共にAにすることで魔法特化職になれるが、男性魔法職はその枠すら与えられていない。男性は物理職(斧と格闘術)に特化したものがあるが、格闘術が得意なものは少ない上に男性魔法職は多いため、極めて不遇。

加えて、例えば剣に特化したキャラがいても最上位職で剣を活かすには理学を上げる必要があり、必要ないのに技能を上げる不毛な時間が発生する(一応最上位の一つ下に剣Aのみでなれる職があるが、じゃあ上位/最上位とか区別するなという話)。

職にも職技能が設定されているので最大まで経験点を貯めるとかなり強いスキルが得られるが、戦闘でしか経験点が得られない。無論必要最低限の戦闘では獲得できないため、効率の良いプレイングとしては敵を動けないようにし、味方の反撃が発生しないようにしつつひたすら戦闘のみ続けるのが一番となる。こんなデザインが正しいわけないだろ。

 

総評

ゲームデザイン/UIデザインがひどすぎてクリアまで遊ぶ気も湧いてこないのは久々なので自分でも驚いている。実際不毛な時間が多くてこんな評価になるのもやむなしかと感じる。

戦闘シミュレーションを求めているなら値段と釣り合わないが、キャラゲーギャルゲーを求めているなら妥当か(ただしそれならそれでグラフィックが厳しいが)。

FEは戦闘シミュレーションからもう撤退したくて、キャラゲーに舵を取りたいのだがコア層にそっぽ向かれるのも怖いのでどっちも中途半端になっている部分がある。少なくとも、数年発売を遅らせてでももっとデザインを洗練させないといけなかった。

キャラ育成については初対面で才能と今後どう運用していくか決めて指導を行う必要があり、それはつまり職業選択の自由など建前でしかないことを意味している。途中で変更もほぼできない。それなら従来通り決まった職で登場させればよかったのではないかなと感じる。

総合して、とにかく残念。

SUPERLIMINAL 63/90(換算70/100)

ゲームデザイン: 21/30 やること自体は単調 
UI, 操作性: 18/30 ダッシュが無い オブジェクトの落下、配置位置がわからない
演出,楽曲等: 18/20 錯視自体は面白い
ストーリー: 6/10 やや説教くさい
キャラクター: ?/? (キャラクターが登場しないので採点不可)
総合: 63/90 (100点換算で 70/100)

(採点基準を各8割の点数から加減点する方式に変更した)

 

「The Witness」を意識しているように思える、一人称パズル風ゲーム。

クリア時間は2-3時間程度。

 

良かった点

・錯視のコンセプトが面白い

遠近感や立体視など色々なトリックアート的なデザインが登場し、ステージ毎に雰囲気が異なる。難しい問題などもあまりないのでさくさく進められる。

悪かった点

・やること自体は単調

上記のように錯視パズル自体は面白いが、それを解く方法はかなりワンパターン。

もう少しバリエーションが欲しかった。

・オブジェクトの落下位置・置かれる位置が分からない

物を掴んで大きくする過程で、大きさを自由自在に変えるというのは難しい。ここが作品の重要なコンセプトなので台無しにするようなデザインにするのは良くないがもうちょっとわかりやすかったらよいなと感じた。

それができないならせめてオブジェクトの大きさ、位置を微調整する必要のあるステージはもうちょっと考慮するべき。

・ストーリーが説教くさい

「物事とは視点によって如何様にでも形を変えられるんですよ」という教訓めいたことを定期的に言われる。

プレイヤーが何かを受け取るのは自由だしメッセージ性を持たせるのは良いが、教訓を求めてプレイしているわけではない。

 

総評

定価2000円くらいの錯視パズルゲームで、割とデザインは大味。コンセプトが全てなのでこういう変わったゲーム体験が好きなら気に入ると思う。値段相応かはちょっと厳しいかもしれないが、スピードランモード等も実装されているため遊びつくそうと思えばけっこう時間を使えそう。

ただ、この手のパズルゲームはThe Witnessが頭一つ抜けているのでどうしても比較してしまう。それと比べると・・・。

Hi-Fi RUSH 73+/100

ゲームデザイン: 16/30 パリィ解禁が遅い シールド持ちの敵が面倒 敵の攻撃が優秀すぎる 対複数戦闘がぐちゃぐちゃ 終盤の戦闘のリズムが難しい 前ステやり直しがクリア後までできない 強化チップレベル上昇で必要枠数も増える
UI, 操作性: 19/30 ターゲットロックがない ダッシュがない ボタン配置が煩雑
演出,楽曲等: 20+/20 INAZAWA CHAINSAWはじめとした楽曲は全部かっこいい
ストーリー: 9/10
キャラクター: 9/10
総合: 73+/100

 

定価4000円くらいのリズムアクションゲーム。開発は『Ghostwire:tokyo』のタンゴゲームス。

BGMのリズムに合わせてアクションを出すことを楽しむゲームで、とにかくそれに尽きる。

 

良かった点

・使用楽曲がかっこいい

常にかっこいい曲が流れており、テンションが上がるのは事実。言ってしまえばそれだけなのだがこういう部分で楽しく感じさせるのはゲームとしては重要なので評価できる。

・リズムアクションが楽しい

攻撃や回避などのモーションを拍(リズム)に合わせて出し続けるのがこのゲームの売りで、なおかつそんなに判定が厳しいわけでもないのでリズム盲な自分でもしっかり楽しめた。演出もド派手で気持ち良い。

・終始明るい雰囲気の展開と会話

悲しき過去やぐちぐちした会話が全然なくカラッとしている。ゲーム性とストーリーが合っているのでそこは評価できる。

 

良くなかった点

かなり多いので特に気になった点を抜粋。

・戦闘のデザインがかなり雑

このゲームを面白くなくしている部分はこれが9割。

雑魚戦は複数を相手にするが、ターゲットロックができない上に近くの敵に攻撃が向かうため方向が一貫しない。また、回避が3回までしか連続で行えないためパリィ必須なのだが、そのパリィの解禁が遅く、極めて不親切。加えて相手の攻撃の予備動作はわかるが、「どれだけ続いて何回連続で攻撃してくるか」が分からないため何回回避/パリィをすればいいのかは食らって覚えるしかないというデザインで、なんじゃそりゃと思った。(なおコンティニューするとスコアが減点される)

さらにさらに、盾/シールド持ちの敵はそのままでは攻撃できず、特定の味方を読んで破壊してからでなければダメージを与えられない。これはギミックや駆け引き。リスクリターンではなく『所定の手続き』になっており、面白さを見出すことができない。

・動きが妙にもたもたしており、移動時間がストレス

このゲームにはダッシュがなく、回避で代用している。ただし回避は3回までしか連続で出せないしそこまでの距離もない。歩くリズムをBGMのテンポと一致させるためにこういった仕様になっているのだと思うが、ダッシュが無いならせめて移動速度を倍にするべきだった。

また、ジャンプ時に横移動速度が大きく減衰する。ジャンプで渡っていく飛び石なども数多くあるのだが、かなりの回数落下した。(自分がアクション苦手と言われたらそれまでだが)

・ボタン配置がとても煩雑かつ独特

キーコンフィグがあるので言うほどではないのかもしれないが、ボタンが足りてない。仲間を呼ぶ/呼ぶ仲間を変えるがボタン2つを占有しており、また必殺技がL3R3同時押しなのが妙すぎて、正直これを削除してダッシュとターゲットロックとかにした方が明らかにわかりやすくなる。

3Dアクションはダークソウル/SEKIROというデファクトスタンダードなキーバインドがあるのだから、それに合わせた方が良かったと思う。(ダークソウルはあまり好きなゲームというわけではないのだが、ゲームデザインとUIフォーマット自体は高く評価している)

 

総評

ねっとり探索してもクリア時間10時間程度だったので、本筋だけサクサク進めると7-8時間くらいだと思う。定価出してやりたいかと言われると微妙。ただ擁護できる点もそれなりにあるし、クリア後のエンドコンテンツや実績などはかなり充実しているので、戦闘が楽しめる人はかなり好きになれるはず。

Sea of Stars 68/100

ゲームデザイン: 19/30 ロック数のバランスが取れてない 属性の選択肢が少ない

MPが少ない 生マナの数が少ない 持てる料理の数が少ない 敵と味方で火力差が大きすぎる

UI, 操作性: 18/30 走れない 暗い画面が見にくい 町に移動するのにダンジョンを通過しなければいけない

演出,楽曲等: 18/20

ストーリー: 6/10 ずっと内輪もめ、ずっとおつかい

キャラクター: 7/10 学院長がカス

総合: 68/100

 

定価4000円のインディーゲーム。Xboxのゲーパスでやれたので触ってみた。

ゲームとしては「クロノトリガー」「マリオ&ルイージRPG」をメインに、「オクトパストラベラー」のシールド/ブレイクのデザインを合わせたような感じ。

このスタジオでは過去に「The Messanger」という横スクロールACTも作っている。

 

良かった点

・とても綺麗なドットグラフィック(演出,楽曲等)

このスタジオはドット絵に異常な執念があり、SFC時代の美麗グラフィックが再現されている。ゲーム性としての評価ではないが、当時のゲームが好きでああいう絵が動くという意味では素晴らしい。

 

悪かった点

数が多いので相当気になった点だけ抜粋する。

・ロック数のバランスが取れてない(ゲームデザイン)

敵の特殊攻撃に対して、指定ターン以内に指定の属性で攻撃出来たらキャンセルできるというシステム(オクトパストラベラーのシールドが属性指定されているイメージ)なのだが、2ターンで5つとか指定されることが多く、また使える属性はキャラによってかなり限定されているし、1ターンでばらばらの3属性とか指定されたら絶対にキャンセル不可能な構成になっている。

チュートリアルで「必ずキャンセルしなければいけないというわけではない」と言われるのだが、それにしては敵の攻撃が苛烈だったり回復手段が極めて限られていたりで、かなりバランスが悪いかなといった印象。

・移動が遅い、暗い画面が多く見にくい(UI)

上述のようにクロノトリガーと同じくらいのテンポ感なので、ダンジョンやマップを歩いているとダッシュが欲しくなる。

さらに、暗いところをゆっくり歩いて見逃しがないか確認するのは相当苦痛。

・ストーリーがずっと内輪揉め

イメージ的にはRWBYに近い展開が続く。特にとあるキャラが偉そうなくせに黙って勝手に決めて失敗するしその失敗の責任は取らないしで若干腹が立った。

 

総評

今日日1500円で数百時間遊べるインディーも多い中で、4000円出してこれをやる価値があるか、あるいは見合う時間とゲーム体験を提供してくれるかと言われると個人的には勧められない。

グラフィックに特化していてそういうものが好きな人なら多分楽しめるが、昨今の丁寧に不便さを取り除いてあるゲームと同じ土俵には立てていない。

 

前にやった好きなゲームの点数付け

・アーマードコア6

ゲームデザイン: 28/30 一部の高速移動するボスがちょっと相手するの面倒
UI, 操作性: 26/30 近接を左手のみにする必然性がわからない Sランクなら初クリア時に出してほしい ミッション選択画面でログデータとパーツ未回収があるか表示してほしい
演出,楽曲等: 20+/20
ストーリー: 10/10
キャラクター: 10/10
総合: 94/100  買う価値あり(ただし難易度は高い)

 

・SEKIRO

ゲームデザイン: 26/30 赤鬼火牛が序盤に出ていいボスではない 鬼刑部を倒さないと忍具強化すらできない 攻め力のデザインが良くない
UI, 操作性: 30/30
演出,楽曲等: 20/20
ストーリー: 9/10 ストーリー分岐がわかりにくい
キャラクター: 10/10
総合: 95/100 買う価値あり(ただし難易度は高い)

 

・ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド

ゲームデザイン: 29/30 矢を増やしにくい
UI, 操作性: 29/30 祠探索が「近づいた時に音が鳴る」なのがちょっとわかりにくい
演出,楽曲等: 20+/20
ストーリー: 10/10
キャラクター: 10/10
総合: 98/100 Switch持ってるならまず買うべき

 

・ゼルダの伝説 ティアーズオブキングダム

ゲームデザイン: 28/30 過去のハードモード、剣の試練がなくなったのが残念
UI, 操作性: 28/30 ポゥなど「何個解放してあと何個あるのか」がわからない
演出,楽曲等: 18/20 空から直線距離で移動できるので旅情が薄い
ストーリー: 10/10
キャラクター: 10/10
総合: 94/100 Switch持ってるならまず買うべき

 

・ざくざくアクターズ

ゲームデザイン: 30+/30
UI, 操作性: 29/30 耐性や無効で装備ソートできたら嬉しい(ただしツクールなので辛めの採点になっている)

演出,楽曲等: 20+/20
ストーリー: 10+/10
キャラクター: 10+/10
総合: 99++++/100Â