表と裏の高速回転

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クリスマスプレゼント

私の職場の扉は、開きっぱなしだ。

毎朝、重たい引き戸をうんこらしょと開ける。

閉めても良いのだが、何せ重たいので訪問される方々の負担になる為、閉める事は、基本ない。

 

まあ、倉庫みたいな所と思って頂いたら結構。

 

なので、夏の暑さも冬の寒さも、遠慮無しに入ってくるし、結構交通量の多い道にも面しており、埃等もイケイケである。

 

そんな職場で2024年のクリスマスを迎えた。

 

特別な日と言う感覚は、とうの昔に消え去っており、ちくちくと仕事をこなしていく。

 

そして、昼下がり。

 

何処からともなく男の子の歌声が聞こえてきた。

 

—ぼぉくらはみんな いきているぅ

 

いきぃているからうたうんだぁ

 

その後、横断歩道が青になったようで、声はこちらに近づいてきた。

 

—ぼぉくらはみんな いきているぅ

 

いきぃているからかなしんだ

 

姿こそ見えないが、声の主はそばを通り抜け橋の方へ向かって行った。

 

そこでは、架け替え工事を行なっており、結構な作業員の方々が居た。

 

そんな事も、構いもせず堂々と歌声は続き、

 

—てぇのひらを たいように 

 

すかしてみぃれぇばぁ

 

まぁっかにながれるぅ…

 

と遠ざかっていった。

 

その後、突然。

 

何と言うのだろう。

私の中、胸の辺りに締め付けられる様な、得体の知れない感情が湧き上がって来たのだ。

 

下手をすると、泣いてしまいそうな。

 

決して悲しい訳でも無いし、その曲に紐づいた思い出も無い。

 

きっと、彼の歌が私の、

 

「やらかい場所」

 

を刺激したのは間違いない。

 

説明出来ない感情ではあったが、無理をして表現するなら、

 

「切なく幸せ。」

 

初恋とはまた違う、非常に良い気持ちになれた。

 

—粋なサンタだ。ありがとう。

 

物では無い、良いプレゼントを貰い私は天井を見上げ、独りごちたのだった。

 

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