【わかりますか?】日本語の「かたい」を表す英語表現!

かたい、オンライン英会話、ネイティブキャンプ

かたい 英語表現

日本語の「かたい」は、日常会話からビジネスシーンでのやりとり、フォーマルなスピーチまで、あらゆる場面で頻繁に登場する言葉です。でも、同じ「かたい」でも、実はさまざまな意味があり、私たちは普段無意識にそれを使い分けています。

例えば、国語辞典・辞書を引いてみると、日本語の「かたい」にはだいたい次のような意味があります。

・力を加えられても簡単には形や状態が変わらない様子(固・硬)

「パンがかたくなった」「この肉はかたい」

・融通がきかず、頑固な様子(固・硬)

「うちの父は頭がかたい」

・真面目で、場合によっては楽しくない様子(固・硬)

「かたい話は抜きにして」「あなたもかたい男だねえ」

・緊張したりしてこわばっている様子(硬)

「かたい表情」

・ものがしっかり合わさって簡単には離れない様子(堅・固)

「ドアがかたくて動かない」「かたい絆」

・心が揺れ動いたり簡単に変わったりしない様子(堅・固)

「かたい決意」「かたく信じる」

・信用がおける様子(堅・固)

「手がたい商売をしている」「口がかたい」「彼の合格はかたい」

・小さいことも許さず、厳重な様子(堅・固)

「かたく禁じます」

このように、「かたい」にはたくさんの意味や使い方がありますので、それぞれを英語に翻訳する時には、どんな英単語・英語表現が適切なのかを考える必要があります。

また、上のような分類はあくまでも日本語の意味・ニュアンスにおける分類であって、例えば一番上の「力を加えられても簡単には形や状態が変わらない様子」は、それが食べ物なのか、寝具やソファなのか、石や宝石なのかによって、さらに対応する英語は異なってきます。

そうしたことを頭に入れつつ、今回はさまざまな「かたい」に対応する英語表現を、たくさんの英語例文を交えながら解説・説明していきたいと思います。

なお、「かたい」という読み方をする漢字には「固い」「硬い」「堅い」などがあります。今回は、以下、「固い」「硬い」「堅い」というように、漢字の違いも含めながら説明を展開していきます。ただし、国語辞典・辞書を見てもわかるように、実際にはどの漢字の場合にどの意味になるのかというのがはっきりと決まっているわけではありません。

例えば、肉が「かたい」というような場合には「固」も「硬」も使われます。この点を考慮しつつ、「一般的に、この意味の場合にはこの漢字が使われる傾向が強い」というゆるやかな基準で見ていきたいと思います。

固い 英語表現

「かたい」にはいろいろな意味がありますが、多くの場合に使われる漢字が「固」です。

力を加えられても簡単には形や状態が変わらない様子

「固」という漢字が使われる場合の「固い(かたい)」は、何らかの物が容易に形を変えない様子を表す場合によく使われます。「かたい」の代表的な使い方と言ってもいいでしょう。なお、この意味の場合、日本語では「硬」という漢字もよく使われます。

ただし、こうした同じ物理的な固さであっても、英語にする場合は、何が固いのかによって使う英単語・英語表現が違ってきますので注意が必要です。よく登場するのは、「hard」「firm」「tough」「solid」「stiff」などの形容詞です。

Diamonds are very hard.

ダイヤはとても固(硬)い。

My bed is a little too hard.

私のベッドは少し固(硬)すぎます。

ベッドやソファ等については「firm」も使われます。

My bed is a little too firm.

私のベッドは少し固(硬)すぎます。

食べ物もその種類によって使う単語が違ってきたりします。例えば「肉が固い」場合によく使われるのが「tough」です。

The steak was tough enough for me to give up eating it.

ステーキが固(硬)くて食べるのを諦めました。

「solid」は、物の密度が高く、大きな圧力にも耐えられるような様子を表します。

The high-rise tower was built on solid ground.

その高層タワーは固い地盤の上に建てられた。

肩こりなど、体の一部が固くなっている様子は「stiff」で表せます。

I have stiff shoulders.

肩がこっています。

融通がきかず、頑固な様子

次は、抽象的な意味での「固い」です。この意味では、日本語だと「硬」が使われる場合もあります。「私の父は頭が固い」といった場合の「固い」です。「頭が固い」という場合、面白いことに物理的な固さを表す時に使った「hard」が抽象的な意味でも使えます。

My grandfather has a hard head.

私の祖父は頭が固いんです。

また、次のように、「頑固な」という意味の「stubborn」などで表現することもできます。

My son is amazingly stubborn for a child.

私の息子は、子供の割には驚くほど頭が固いんです。

このように、抽象的な「かたさ」の場合は、意味を汲み取って、適切な英単語・英語表現を探す方がいい場合も多いです。

真面目で、場合によっては楽しくない様子

こちらも抽象的な意味での「固い」です。 日本語だと「固い話は抜きにして」「あなたも固い男だねえ」などという場合です。「硬」が使われる場合もあります。物理的に何か物が固いわけではありませんので、この場合も、文脈に合った単語を探すのが近道です。

Aside from a serious story, let’s talk about our favorite foods.

固い話はさておき、好きな食べ物について話しましょう。

上の例では、「固い」を「serious」で表現しています。

He is a guy without humor.

彼はお固い男なんですよ。

上の例では、「固い」を「without humor」(ユーモアがない)というフレーズで表現しています。「固」や「硬」ではなく「堅」という漢字になりますが、「堅苦しい」という日本語もこの範疇に入るので、ここでご紹介しておきましょう。

Have more drinks without any formality.

堅苦しくならないで、さあもっとお酒を飲みましょう。

上の例では、「without any formality」(どんなフォーマルさもなしに)というフレーズで「堅苦しくない」という意味を表現しています。

硬い 英語表現

物理的に何かが「かたい」場合を表す「硬い」は、上の「固い」のところを見てください。この意味では、日本語の場合「固い」と「硬い」の両方がよく使われます。ここでは、緊張したりしてこわばっている様子を表す時に一般的によく使われる「硬い」についてご紹介します。

緊張したりしてこわばっている様子

「硬い表情」「硬い動き」といった日本語表現がこれに相当します。

Ahead of his essential presentation, he had a very stiff expression.

大事なプレゼンテーションを控えて、彼はとても硬い表情をしていた。

上の例では、「stiff expression」で「硬い表情」を表しています。次のように、意味を考えて、別の表現を探す手もあります。

He looked very nervous ahead of his essential presentation.

彼は肝心なプレゼンテーションを前にとても硬い顔をしていた。

上の例では、「硬い顔をしている」を、文意から「nervous」(緊張している)で表してみました。

堅い 英語表現

「堅」という漢字がよく使われる場合を見ていきましょう。ただ、前にも述べましたように、どの漢字を使うかは明確に決まっているわけではありません。ここでご紹介するものには、「固」という漢字が使われる場合もよくあります。

ものがしっかり合わさって簡単には離れない様子

「ドアが堅くて動かない」「堅い絆」といった例です。日本語では「固」が使われる場合もあります。ドアや引き出しなどがきつくて動かない、動きにくい場合には「stiff」がよく使われます。

The door was so stiff that no one could open it.

ドアはとても堅くて誰も開けられませんでした。

瓶のふたなどがなかなか開かない場合の「堅い」には「tight」が使えます。

The lid of the tomato sauce is so tight. Could you open it for me?

トマトソースのふたがとても堅いんです。開けてもらえますか?

「堅い絆」などと言いたい場合は、次のような表現が考えられます。

Our community is tight-knit.

私たちのコミュニティは堅いきずなで結ばれています。

I have a strong bond with him.

彼とは堅いきずなで結ばれています。

心が揺れ動いたり簡単に変わったりしない様子

「堅い決意」「堅く信じる」といった例です。日本語では「固」も使われます。物理的に物が固いことを表す「firm」が抽象的な意味でも使われます。

She showed her firm resolve.

彼女は堅い決意を示した。

He expressed his firm determination to achieve the plan.

彼は計画を達成するという堅い決意を表明した。

次のように「堅く信じる」というような場合は、「firmly believe」などを使うといいでしょう。

I firmly believe she will come back.

彼女が戻ってくると堅く信じている。

信用がおける様子

「手堅い商売をしている」「口が堅い」「彼の合格は堅い」というような場合です。日本語では「固」も使われます。これらの場合は、日本語の意味を分析して、それに当てはまるような英語表現・フレーズを選ぶのがいいと思います。

They are doing a stable business.

その会社は手堅い商売をしています。

上の例では、「手堅い」を「stable」(安定した)で表現しました。

I ensure he can keep a secret.

あの人の口の堅さは請け負います。

上の例では「口が堅い」を「can keep secret」としました。

No doubt he will pass the exam.

彼の試験合格は堅い。

上の例では「no doubt」(〜は間違いない、疑いようがない)を使いました。

小さいことも許さず、厳重な様子

「堅く禁じます」といった場合です。日本語では「固」も使われます。

You mustn’t smoke here.

この場所での喫煙を堅く禁じます。

さまざまな表現が考えられますが、上の例では、強い禁止を表す「mustn’t」を使いました。

弱い・脆いなどを表す英語表現

上で見てきたように、「かたい」にはさまざまな意味があり、それに対応した英語表現がありました。それぞれの「かたい」に対して、反対の意味の言葉も一緒に覚えておくのもいいでしょう。例えば、物理的に何か物が固い場合の反対語は「柔らかい」などですね。

今回は詳しくは解説しませんが、以下に、「かたい」の反対語として「柔らかい」「弱い」「脆い(もろい)」などを表す英語表現を、最後にいくつかご紹介しておきたいと思います。

The mineral was somewhat more fragile than expected.

その鉱物は予想よりもやや脆かった。

The sofa is nice and soft.

そのソファはいい感じに柔らかいですね。

This meat is tender.

この肉は柔らかい。

In this area, the ground tends to be less solid.

この地域は地盤が弱い傾向にある。

He can think flexibly.

彼は柔軟な考え方ができる。

She had a relaxing expression on her face before the presentation.

プレゼンの前、彼女は穏やかな表情を浮かべていた。

The lid of the tomato sauce is very loose.

トマトソースの蓋がとても緩いです。

Unfortunately, our bond was weaker than we thought.

残念ながら、私たちのきずなは思ったよりも弱かったです。

Be careful; he never keeps his mouth shut.

気をつけて。彼は口が軽いんで。

まとめ

いかがでしたか。日本語の「かたい」にはさまざまな意味があり、それぞれに当てはまる英語表現は1つの単語である時もあれば、意味を分析してフレーズで言い換えた方がいいような場合もあることがおわかりいただけたかと思います。

また、日本語では同じニュアンスであっても、例えば「何が」固いのかによって、英語では使う単語やフレーズを変えた方がいい場合もありました。

まずは、日本語で「かたい」がどのような意味でどう使われているのかを見極めて、適切な英語を探すようにしなければなりません。

そうした作業はなかなか大変ではありますが、慣れてくると楽しいものでもあります。どんな「かたい」がどんな英語表現になるのか、楽しみながら探索を続けてみてください。

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