先のブログに書いた図書館ワークショップに参加してきました。

 - 勝手に考える - 「豊橋市まちなか図書館(仮称)」市民ワークショップ - 愛知豊橋・長坂尚登のblog http://nagasakanaoto.blog.jp/140909.html

新しい図書館をつくるなんて、こんなやりがいのある仕事なかなかない。 正直、うらやましい。・・・なのに、なんなんだ、この熱量の違いは。 その理由をちょっと考えてみました。



1.減点主義の評価制度
成功するよりも、失敗しない方がいい。 新しいことをやるよりも、ありふれた・やり慣れた・古いことをやってでも失敗しない方がいい。 新しいことに挑戦すれば、失敗する可能性も高くなる。 何もしない方が評価されるなら、そりゃ何もしないですよ。 もちろん、僕らも新しいことを求めるなら、失敗もまとめて受け入れるつもりでいないと。

2.プロジェクトを完遂できない
会社なら自分が関わっているプロジェクトを最後まで見届けられない、ということは少ない。 少なくとも、はじめから、完遂できない前提でプロジェクトに関わるなんてことは滅多にない(超長期プロジェクトを除く)。 ところが、市役所では、数年で人事異動を繰り返す。 だからきっと、今、まちなか図書館に関わっている職員は、図書館ができる5年後には、きっと誰も関わっていない。 部課長級の方たちなんか、そもそも市役所にすらいらっしゃらないかも。 そりゃ、そんなプロジェクトに本気で取り組め、って言ったってきつい。

3.過剰な公正公平主義
こちらが4回のワークショップのテーマや流れが書かれた配布資料。
140910IMG_20140912_020816
残念ながら、今のままの予定では、コンセプトやそれに伴うターゲットについて、話し合うことはなさそう。 ターゲットを決めれば、当然、ターゲットでない人も決まってくるので、公平公正第一主義の行政では、やはり表立ってそういうことやりにくいのでしょう。 ターゲットを外れた人たちからの反発必至なので、そういう波風もあまり立てたくないでしょうし。 けれど、ターゲットを決めなければ、いいサービスは絶対できない。

そして、ちょっとかじったことがある人が見ればわかると思いますが、特に議論を深めたり、まとめたりすることはなく、主催者の意に沿うものを、市民の意見としてあとで取り上げるためにアイデアだけを出させるという、よくあるあのタイプのワークショップでした。 けれども、今、波風立ててでも議論しておかなきゃ、いつやるのか。 優秀なファシリテーターがいれば、まだコントロール下におけるワークショップで、代理戦争させておかないと。 その代理戦争の産物こそ、まだしも「市民の意見」と呼ぶのにふさわしい。 今それをしておかないと、あとでもっと大変なことになりそうだけど。



きっと僕が自治体職員でも、同じふるまいをしていたと思うので、新しいことをやるには、本当に自治体の制度設計は根深いと感じます。 特に人事面について。 でも、ありがたいことに、僕の周りには、とてもモチベーションの高い職員が何人もいます。 自治体職員だけでなく、国家公務員も。 彼らが口々に言うのは、「僕ら役所のマイノリティですから」。 そんな少数派の彼らですら、このシステムで年月を経れば、スポイルされていってしまうのかと思うと、残念でなりません。

けれども、運がいいことに、中には、年月を経ても、挫けずめげず前向きにモチベーション高く仕事をされている方もいらっしゃいます。 そういう方がいるので、僕もあきらめず、日本一の図書館を目指します。 僕は5年後10年後も豊橋市民なので、誰のためでない自分のためと思って動きます。

だから、これを読んでくれたあなたも、自分のためと思って、応援よろしくお願いします。

まずは、新しく図書館ができることを知らない人に知ってもらうこと。
そして次に、「なんか今までにないすげー図書館ができるらしいよ」って期待すること。
たくさんの人がそう思えば、話せば、まちがその話題でもちきりになれば、きっと変わるはず。

では。