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2024-01-01から1年間の記事一覧

2024年の読書を振り返る

はじめに 今年は100冊読もう。1月に漠然とそう決めたのだけれど、別段大きな理由があったわけではない。ただ無職をもてあまし、暇で暇で暇で暇で仕方ないのでそのくらい本を読んでみてもいいだろうと思ったのだ。 そしてtuini、100冊読み切った(歌集を入れ…

【読書感想】入院中(10/31-11/29)に読んだ本の一言感想とリンク

入院中に読んだ本のまとめ

手帳を一元化すると言ったな、あれは嘘だ。【2024年第5回手帳・ノート会議】を経て、各手帳の使い方。

手帳は一元化すべきだと思った。 手帳は一元化するべきだと思った。情報は一つにまとまっていた方が取り出しやすいし、そばに置いておくノートが一冊の方が楽だからだ。そして、人生の全てが詰まったノートができるのがいいと思う。それを見れば、わたしのす…

【読書感想】マリコ、うまくいくよ / 益田ミリ

現代ホラーの金字塔「すーちゃん」シリーズの作者益田ミリがお送りする作品。 入社2年目、12年目、20年目のマリコたちの会社での日常。それぞれのマリコがそれぞれの思惑の中、それぞれに生きていく様を、MRIのように輪切りにしていく。 <ネタバレあり> ま…

【読書感想】スフィアの死天使 天久鷹央の事件カルテ 完全版 / 知念実希人

外科医から内科医へ転向した小鳥遊優は、医局に言われ、天医会総合病院に務めることになった。しかし配属を命じられた統括診断部。連れられるまま屋上に行くと、レンガ造の家が建っている。これが副院長室だという。 その副院長天久鷹央こそが小鳥遊の新たな…

【読書感想】フラッガーの方程式 / 浅倉秋成

東條掠一は平凡な17歳の男子高校生。同じく平凡な男子とつるみ、なんの変哲もない学校生活を送っていた。 あるとき帰路で掠一を待ち構える男がいた。話を聞くと「どんな人でもドラマチックな人生を送れる」という「フラッガーシステム」のデバック作業を手伝…

【読書感想】廃遊園地の殺人 / 斜線堂有紀

廃墟マニアの眞上は、20年来の廃墟「イリュジオランド」へ招待された。招待したのは、廃墟愛好家で資産家の十嶋財団の主、十嶋庵。十嶋は廃墟を土地ごと買い取って思うがままに愛でるほどの廃墟愛好家だ。 イリュジオランドに招かれたのは10人。10人で宝探し…

【読書感想】屋上のテロリスト / 知念実希人

1945年8月、日本はポツダム宣言を受託せず、戦争を続けた。11月、ようやく日本は戦争を終結させる共同宣言を受託し、東西に分かれた。 それから70年後、西東京市の浅山高校の屋上で、彰人は自殺しようとしていた。靴を揃えて脱いだところ、不登校の女子生徒…

【読書感想】満願 / 米澤穂信

「夜警」「死人宿」「柘榴」「万灯」「関守」「満願」の6作からなるミステリ短編集。 「夜警」では、部下の川藤が殉職してしまった柳岡。柳岡は、川藤のことをはじめから警察官に向いていないと思っていたが、かつて部下に教育をしているつもりが追い詰め、…

【読書感想】トゥモローアンドトゥモローアンドトゥモロー / ガブリエル・セヴィン

セイディの姉は白血病で小児病院に入院している。そこでセイディは、足の骨を27ヶ所折った少年サムと出会い、病院のゲームコーナーで一緒に遊ぶようになる。来る日も来る日も二人で遊んだが、ちょっとした行き違い(サムにとっては重大な行き違い)があり、…

【読書感想】神様の定食屋 / 中村颯希

「一皿目 チキン南蛮」「二皿目 天たまかけご飯」「三皿目 具だくさん豚汁」「四皿目 フレンチ風オムライス」「五皿目 「てしをや」名物・唐揚げ」「おかわり ほくほくおでん」の6作からなる連作短編集。 両親と妹は定食屋「てしをや」を営んでいた。あると…

【読書感想】冬季限定ボンボンショコラ事件 / 米澤穂信

主人公小鳩常吾郎と小佐内ゆきは、小市民たるための互恵関係にある。 二人が学校の帰り道に堤防道路を歩いていたところ、突っ込んできた車に小鳩くんは轢かれてしまう。小佐内さんは小鳩くんに突き飛ばされて無事、小鳩くんは意識不明の渋滞。そして事故では…

【読書感想】月まで三キロ / 伊与原新

「月まで三キロ」「星六花」「アンモナイトの探し方」「天王寺ハイエイタス」「エイリアンの食堂」「山を刻む」「特別掌編 新参者の富士」の8作からなる短編集。 「月まで三キロ」では、浜松の有名な鰻屋で鰻を一口食べ急に吐き気を催し退店した主人公は、回…

【読書感想】丸の内魔法少女ミラクリーナ / 村田沙耶香

「丸の内魔法少女ミラクリーナ」「秘密の花園」「無性教室」「変容」の4作からなる短編集。 「丸の内魔法少女ミラクリーナ」では、丸の内OLの主人公リナは、コンパクトを開くと魔法少女に変身し、悪の組織ヴァンパイア・グロリアンと戦う……というごっこ遊び…

【読書感想】#真相をお話しします / 結城真一郎

「惨者面談」「ヤリモク」「パンドラ」「三角奸計」「#拡散希望」の5作からなるミステリ短編集。 「惨者面談」では、麻布高校卒の大学3年生の主人公は、家庭教師の営業のバイトをしている。あるとき、一軒の家庭に訪問すると、随所に違和感があって…… 「ヤリ…

【読書感想】きょうも芸の夢をみる / ファビアン

芸人を主人公としたショート・ショートの11作。 大体全部面白くて、芸人の裏側が垣間見れて楽しかった。 とくに劇場のマイクが人格を持ち芸人のネタを覚えたりする「まい君」はほのぼの面白かったし、「藍情」では14年目の漫才師がM1に挑んでいくのだが、そ…

【読書感想】宇宙に花火を 。/ 松井尚斗

空の夢は宇宙に花火を打ち明けること。クラス中に払われても、先生に「子供の夢」と思われても、じいちゃんだけは応援してくれた。 時は経ち、大学四年生になった空。授業をサボりまくっているうちに単位が怪しくなり、テストに向けてカンニングペーパーを作…

【読書感想】ポンコツ一家 / にしおかすみこ

母80歳認知症、姉47歳ダウン症、父81歳アルコール。そして自らは元SM女王キャラ一発芸人。 あるときふとしたきっかけで実家に帰ると、床が砂でザラザラ、ゴミが溢れ、その中に埋もれるように母がいて。 にしおかすみこが実家に戻り、仕事をしながら、家族の…

【読書感想】体育館の殺人 / 青崎有吾

風ヶ丘高校女子卓球部の柚乃は同じ所属の早苗と大雨のある日、旧体育館へ向かった。 先に来ていたのは2年生で部長の佐川奈緒。ともあれ二人は部活の準備を始めていく。顧問の増村と練習メニューについて話していると、ドーンドーンと太鼓が鳴るような音がす…

【読書感想】君の顔では泣けない / 君嶋彼方

第12回小説野生時代新人種受賞作。 まなみはある人に会いにいくため、夫と子どもを置いて新幹線にのる。その相手は、高校のクラスメイトの坂平陸。まなみと陸は、高校一年の夏、あることがきっかけで身体が入れ替わってしまっていた。 それ以来今に至るまで…

【読書感想】自転しながら公転する / 山本文緒

与野都は東京でアパレルの仕事をしていた。ブランドが好きでバイトから入り正社員にまでなった。しかしあるとき、母が重度の更年期障害を患い、父だけではケアと仕事の両立ができず、父の頼みで仕事を辞め、実家に戻ってくる。地元のアウトレットモールのア…

【読書感想】俺ではない炎上 / 浅倉秋成

ある日、住吉初羽馬はtwitterで殺害を告白しているツイートを見つけ、これをリツイートする。元ツイート(告白しているツイート)主は、すぐに、大帝ホーム大善支社営業部長の山縣泰介であると特定される。 このことはすぐに世間に知れ渡り、会社へも電凸が…

【読書感想】人間たちの話 / 柞刈湯葉

「冬の時代」「たのしい超監視社会」「人間たちの話」「宇宙ラーメン重油味」「記念日」「No Reaction」の6作からなる連作短編集。 「冬の時代」では、日本中が雪、氷の覆われた世界でヤチグモ、エンジュの二人が南へ向かう。あるとき自律走行する除雪車に出…

【読書感想】横浜駅SF 全国版 / 柞刈湯葉

「横浜駅SF」の前日譚。 本州全土が自己増殖する横浜駅に覆われた世界。corpocker-3型のAndroidであるハイクンテレケは、JR北日本技官帰山に指示され、瀬戸内海を渡り四国へ向かう。その途中に、横浜駅の構造物がなんらかの理由で離島に飛散し独自に増殖した…

【読書感想】ウは宇宙ヤバイのウ / 宮澤伊織

久遠空々梨はある日の下校途中でいとこである非数値无香に「どうするんですか?」と問われる。无香が指し示す頭上にはm真っ赤に焼けた巨大な隕石が今まさにこちらに向かって落下してきていた。「どうにもできん」と言う空々梨に无香はこう言う。「そうですか…

【読書感想】バッタを倒すぜ、アフリカで / 前野ウルド浩太郎

前作「バッタを倒しにアフリカへ」の続編。前作についての記事はこれ。 nagainagaiinu.hatenablog.jp バッタ研究者の筆者が、研究者としての生き残りをかけた決死のフィールドワーク&実験の一大記録。バッタの婚活についての研究。 すげー面白かった。前作…

【読書感想】アメリカン・ブッダ / 柴田勝家

「雲南省スー族におけるVR技術の使用例」「鏡石異譚」「邪義の壁」「一八九七年:龍動幕の内」「検疫官」「アメリカン・ブッダ」の6作からなるSF短編集。 「雲南省スー族におけるVR技術の使用例」では、雲南省とベトナム、ラオスに曲がるところに、VRのヘッ…

【読書感想】ずっとイケメンを追いかけていたかったけど、そうもいかないよ現実は / 竹内佐千子

著者の竹内さんと編集のM田さんがイケメンをおいかけていたシリーズの最終巻っぽい。だけどコロナも相待ってイケメンと触れ合えるイベントも少なくなり、洋服を買いまくるエッセイ漫画に仕上がっている。 感想としては、「服買いまくる金あっていいな」と。 …

【読書感想】ツミデミック / 一穂ミチ

「違う羽の鳥」「ロマンス☆」「憐光」「特別縁故者」「祝福の歌」「さざなみドライブ」からなる短編集。 「違う羽の鳥」では、大阪出身の優斗が繁華街で居酒屋の客引きのバイトをしていると、「関西の人?」と女の子が話しかけてくる。仕事終わりの時間に待…

【読書感想】たゆたえども沈まず / 原田マハ

東京開成学校を卒業した重吉は、同じく東京開成学校で学んでいた林忠正に誘われ、パリに着いた。忠正はパリで日本美術の販売を行っており、そこの事業に呼ばれたのだ。パリは二人にとって憧れの地だった。 グーピル商会で働いているテオは、しかし、グーピル…