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冬休みのおでかけ年始編(東京国立博物館、上野動物園、そごう美術館、東京都美術館、地下鉄博物館)

年末編に引き続き、年始編もまとめておきたい。

↓年末編はこちら↓

nagainagaiinu.hatenablog.jp

では、書いていこう。

東京国立博物館(長谷川等伯「松林図屏風」公開、博物館に初もうで)

上野駅から少しいったところに東京国立博物館はある。

長谷川等伯画 国宝「松林図屏風」

東京国立博物館では、毎年年初に、国宝である長谷川等伯の「松林図屏風」を公開しているので今年も観に行ってきた。これって「トーハク」で掛けてるんかなあ。

(写真は去年のもの←)

何度見ても素晴らしい。墨の濃淡だけで遠近感を出したり遠くの山をイメージさせたり、あえて描かない部分を大きく取ったりと、かなり技術的に高いと感じる、何度見ても。まあ国宝なんだから当たり前なんだけれども。

また、TOPPANミュージアムシアターでは「VR作品「国宝 松林図屏風 - 乱世を生きた絵師・等伯 -」が上映されるのでこちらも合わせて観てみた。
この松林図屏風が何の景色を描いたのか、この絵はそもそもなんだったのかなどの説明が面白く、また、同じく国宝の「楓図」と「櫻図」が本当に素晴らしかった。見に行きたいけれど、京都は今もうインバウンドに奪われ観光できたもんじゃないって言うしなあとか。

東京国立博物館 - 展示・催し物 催し物 ミュージアムシアター VR作品『国宝 松林図屛風-乱世を生きた絵師・等伯-』

博物館に初もうで -ヘビーなパワーを巳たいの蛇-

もう一つの目玉がこの「博物館に初もうで」という企画だ。結構大きな面積で、蛇にちなんだ、蛇をモチーフにした作品がひしめいている。中でも、蛇の自在がニョロニョロうごくのが面白かった。

自在置物 - Wikipedia

さらに、1月2日は、和太鼓の演奏があってそれも楽しめた。座ったベンチの隣のベンチでおじさんがおばさんをナンパしていて面白かった。
なお、Hello Kitty展は激混雑で入場待ちの列が普段より長かった。わたしは昨年の平日を狙って観に行ったのでゆったり観れたので、今後来たいって人は、有給つかって平日の朝観にくるといいと思う。休日は待ち時間があることを覚悟して来るといいと思う。

www.tnm.jp

上野動物園

ついでなので上野動物園に寄った。双子パンダのシャオシャオとレイレイは110分待ちということで諦めた。110分待って2分しか(正面から見れるのは1分)見れないの悲しい。昨年まで親パンダのリーリーとシンシンがいて、こちらは並ばずに何分でも見られたのでときどき癒されたい時に見に行っていた。中国に帰ってしまって悲しい。シャオシャオとレイレイももうだいぶ大人になってきて、子供の愛らしさとかそれほどあるのかなあとも思うのだが、そもそもパンダは愛らしさがアイデンティティであり大人でも愛らしさの塊なので問題ないのかもしれない。今年はアドベンチャーワールドに行っていっぱいパンダみたいな。閑話休題。

ということで何を見たか。
まずは象の耳の手入れの現場を見た。手入れのために、耳だけ鉄柵の外に出すようにくれんされており、それがすごかった。

次にヒグマを見た。

お日様にあたって気持ちよさそうにケツを右手で掻きながら寝ていた。お父ちゃんか!

先日、ヒグマによる被害を読み解く番組を見たばかりだったので、このヒグマがあのヒグマとは思えない。しかしでかい。たしかにこんなでかいクマに猛突進されて抱きつかれて連れて行かれて引き裂かれたらひとたまりもない。恐怖しかない。

でもかわいかったのよ。
このあとツキノワグマとマレーグマも見たけど、みんななんかかわいい。クマはいろいギアはパンダとそう変わらないからシルエットとしてとてもかわいらしいし、だからこそテディベアが世界でみんなに愛されるのだろう。

クマ注意。

あとバクがお日様を浴びて欠伸していてとても可愛かった。夢を食べてくれよ、夢を。

www.tokyo-zoo.net

そごう美術館 ミュシャ展-マルチアーティストの先駆者

上野から上野東京ラインにとって古巣横浜へ。上野からって、渋谷までと横浜までが電車でそう時間が変わらないというか、横浜の方が近い?いや遠いんだが、速い、上野東京ラインが!

ということでサクッと横浜へ。横浜そごうにあるそごう美術館へミュシャ展を観に行ってきた。

ミュシャは、大学時代全員が好きだった(誇張)ので敬遠していたが、ごめんなさいと謝りたい。なんだろう、この絵のうまさ。人物がやばい。曲線が……!骨格のすべてが頭に入っていないと、そしてその上で練度を高めないと無理な人物の数々。

絵を商業に提供した初めての画家と言われていたが真偽は知らぬ。が、ポスターデザインやパッケージデザイン、紙幣のデザインなどもしており、本当に「マルチアーティスト」なんだなあと思った。画家というよりイラストレーターに近い気がする。

このポスター(メディアのポスター)が一番ええとして気に入った。めちゃくちゃかっこいい。模写したいって思った。こんなふうな絵がかけたら最高だろうな。また絵の勉強を再開しようかななんて思ってしまうおこがましいわねほんと。

ということで、今まで敬遠してきたミュシャだったが、大好きな画家となった。わたしはそもそもプロ意識のある人が好きで、そのプロ意識というのは自分の感性を信じて最高のものを作り上げるといった側面もあるだろうがどちらかというと、クライアントの求めるものをきちんと汲み取って適切なアウトプットをする側面をわたしは重視していて、ミュシャはまさにその最たる人だったのだと思う。日本で言ったら北斎。

そういうことで、大変満足した展示だった。おすすめだけど今日まででしたね。明日からはブラックジャック展でこちらも観にいかないと。

ミュシャ展 マルチ・アーティストの先駆者 |そごう横浜店|西武・そごう

手塚治虫 「ブラック・ジャック展」が横浜そごう美術館にて開催!!|虫ん坊|手塚治虫 TEZUKA OSAMU OFFICIAL

東京都美術館 上野アーティストプロジェクト2024 ノスタルジア - 記憶の中の景色

また上野かよ、はい上野です。今回は東京都美術館へ足を運んだ。

8人のアーティスト(画家)のノスタルジアをテーマにした展示、「ノスタルジア -記憶の中の景色」を鑑賞してきた。

8人のアーティストの背景などがそれぞれ質問形式で掲示されており、それを観てから絵を眺めてみるとなかなかに思いを巡らすことになり、思いの外楽しめた展示だった。8日までだけど……

南澤愛美が面白い絵を描いていた。
どこか懐かしい風景の中にいるのは、二足歩行の服を着たクマや犬やペンギン。なんか擬人化されたアニマルがひたすら釣りをしている風景などが描かれていて、なのにシュールじゃなく、自然と「あるかもしれない」世界としてみることができる。

楽しかった。

なんかリンク貼ろうとしたけどうまくいかないので検索してみてください。

地下鉄博物館

連休最終日の今日、何もしなくてもよかったのだがやはり何かしたかったので、葛西にある地下鉄博物館へ行ってきた。特別展や企画展などがあるわけではないが、地下鉄の始まりやあらましや、トンネルの掘り方や指示の出し方、いくつかの駅の断面図、実際の重要文化財に指定されている銀座線の車両など、楽しかった。

昔の車両運転席狭くて、閉所恐怖症になっちゃうと思ったけど、よく考えたらバスの運転席も狭いか。

あと、シミュレーターとか脇から観ていて、ひたすらトンネルを走って行くわけなので、運転手さん相当なメンタルタフネスが要求されるなあと思った。景色の見える見えないって結構大事な要素だと思っていて、なんか話聞いてみたい。知り合いにいないけど。

地下鉄博物館(ちかはく)

Back to the usual routine

というわけで明日から通常営業。無職だが、夫のいない間に家事を粛々と行い、美味しいご飯でも作って待ってましょうねえ。

しかし連休最後の日に見た「ザ・ノンフィクション」が神回だった。ちょっと飲み屋で人と語り合いたいくらい、飲めないけど。

では。

冬休みのおでかけ年末編(世田谷文学館、国立現代美術館、東京都庭園美術館、日本科学未来館、麻布台ヒルズギャラリー)

今年の冬休みは12月20日から1月5日。18歳の犬様が医療ケアと介護を必要とする状態になってしまい、3日に一度病院に行くような状況だったので旅行や遠出はできなかったが、可能な限りいろいろとおでかけをした。

この冬休みの間に出かけた展示について、年末編と年始編で分けてまとめたい。

世田谷文学館「森薫と入江亜季展-ペン先が描く緻密なる世界」

千歳烏山駅から数分、住宅街、団地、高級そうなマンションを通ってたどり着く。庭には池があって、やたらにでかい鯉がたくさん泳いでいる。酸素は足りるのだろうかなど心配になるが、足りてるんだろう、生きてるんだから。

さて、森薫は「エマ」や「乙嫁語り」の作者、入江亜季は「乱と灰色の世界」「北北西に雲と往け」の作者。この二人の企画展に行ってきた。

展示は原画の展示がメイン。森薫の描き込みやばすぎるじゃろ。

二人が影響を受けたものや好きなものなどもたくさん置いてあり、「やっぱアウトプットしっかり出す人はインプットもちゃんとやってるんだよな」とか「同人でこのレヴェルか、そりゃデビューするよな」とか「そりゃ人の心掴むよな、これだけ魂がこもってれば」とか考えたりした。

自分も創作したくなる。森薫が「漫画は読者がいて完成だから、いっぱい描いて同人誌作って、できるだけポジティヴなフィードバックがもらえる場で発表し、練度を高めていくべき(大意)」というようなことを言っていて、まったくその通りだよなあと思った。

漫画を描く人も描かない人も、創作をしている人もしていない人も、何か感じ入るものがある展示だと思う。やはり、いい仕事を丁寧にすれば人はついてくるよなあとか、リーマン時代の自分が思っていた。

www.setabun.or.jp

国立現代美術館「坂本龍一 | 音を視る 時を聴く」

清澄白河駅からどうしてこんなに歩かなくてはならないの?というくらい歩かされて着く国立現代美術館(13分らしい)。建物はとてもかっこよく、土地も広く、隣は木場公園なので緑も多い。まあそれは13分くらい歩かせるわね。

ということで、エッジの効いた企画展で名高い国立現代美術館の「坂本龍一展」に行ってきた。

坂本龍一がキャリアの後半で繰り返してきた、イメージ。長尺の映像作品が多く、椅子に座れないと立ち見になるので、立っているのがつらいって人や疲れやすい人はちょっとつらいかもしれない。
映像作品はどれも音楽がかぶっているのに静謐で、時のうつろいの加虐性や不可逆性(韻を踏んだ)を感じるものが多かった。

が、あれです、言います、いきます。「現代アートさっぱりわかんねえ」

でも面白かったものもいくつもあった。

最後の作品だったと思うのだが、坂本龍一の弾くピアノに合わせてノーツが壁を流れていく展示がよかった。

しかしわたしにとって坂本龍一といえば運動会で踊った「ライディーン」だった。「GEISHA GIRLS」だった。そして「戦場のメリークリスマス」であり「energy flow」だった。それらを期待してこの展示に行くと「待て、さっぱり意味がわからねえ、きょ、教授……!」となるが、展示の中の坂本龍一の読んできた書物とかインプット兼アウトプットのメモのノートとか見ると、やっぱり一線で活躍するにはここまでやらないとだめなんだよなあと思う。

現代アートとしての坂本龍一はさっぱりわからなかったが(目で見て驚きがあったり興味を引く展示はあった)、でもこれが結局やりたかったんだろうなと思った。オペラとかもやっていたし。

やっぱり繊細だよなとは思った。

www.mot-art-museum.jp

東京都庭園美術館「そこに光が降りてくる 青木野枝 / 三嶋りつ惠」

東京都庭園美術館はまじでおすすめの美術館で、それは建物が理由である。この建物は、旧朝香宮邸、つまり昔は皇族がお住まいになっていた邸宅だ。詳しくないから詳しくは書けないが、端的にめちゃくちゃかっこいい作りになっている。眺めているだけで飽きない。寝室に入るだろう東からの朝日を想像するのも楽しいし、冬にここでティータイムでもしたのかなというウィンターガーデンにそそぐ光も心地よい。

その庭園美術館で今は「そこに光が降りてくる」という展示がやっている。青木野枝と三嶋りつ惠の「光」をテーマにした作品が各部屋に設置されている。

中でも青木野枝はすべての作品に「ふりそそぐもの」というタイトルをつけていて面白い。

三嶋りつ惠のガラス作品は、本当に「どうやって作っているのだろう」と想像もできないような自由な造形をしていて、そこにふりそそぐ光が作品を透過してテーブルに、床に、屈折して注ぐ。その美しさはずっと観ていられるほどだった。

ちなみに、職人さんたちとチームで作っているらしい。職人に適切な指示を出せる三嶋さんもすげぇし、意図を汲みとって形を理解して作り出せる職人もまじですげぇ。

一方で青木野枝はすべてのものに「ふりそそぐもの」とタイトルをつけていて、鉄の丸と赤い色の入ったグラスでできた作品が主な作品だった。

これもどうやって作っているのだろうと思ったがのだが、全部自分で切って溶接しているらしい。1万個は輪っか作ってきたと言っていたが、わたしが思うにもっともっといっているだろう。どういうことよ。これ作るのにわたしなら机ぶん投げちゃう。

そしてそうした質実剛健とした作品群の中で、一つだけかわいらしいお菓子のような作品があった。

 

 

二人とも鬼才だと思った。

www.teien-art-museum.ne.jp

日本科学未来館「パリ・ノートルダム大聖堂展」

ゆりかもめでお台場を通り過ぎ、テレコムセンター駅というなんかセンターがあるらしい駅で降りて少し歩くと、日本科学未来館がある。

今回はこちらの「パリ・ノートルダム大聖堂展」を鑑賞してきた。

この展示では、来場者の一人に一台タブレット端末が貸し出され、その端末で会場内にあるさまざまな写真を読み込むという形式で展示が進む。タブレット端末にはいろいろな時代のノートルダム大聖堂の様子が映し出され、大聖堂に何が起こったのか、大聖堂で何が行われてきたのかなどを3Dで見ることができる。タブレット端末を掲げて回すといろんな角度から大聖堂を見ることができたりもする。工事に様子などは時間経過を追って見ることもできる。

科学未来館への道は閑散としてインバウンドしかいなかったのだが、いざ入館して見てみると子連れで溢れていた。ノートルダム大聖堂展も目玉展示なのでちゃんと混んでいたが、これ休日もっとかーと思うと平日に行くことをお勧めしたい。

タブレット端末を用いた展示は、その場にいることの意味が希薄になる。体験として「家で見てもかわんなくない?」となってしまう。もちろん臨場感は大事なのだが、結局みんな端末見て下向いたり前向いたり回ったりしてるだけだもんなあとなる。この辺をもう一歩踏み込んだ、何か画期的な展示が出てくることを期待したい。

でも今回の展示もとてもよかった。ノートルダム大聖堂がこんなにも苦難の道を歩んできたのかとか、ナポレオンの結婚のことなども詳しくしれて楽しかったし。普通にお勧めですが、いかんせん遠い。

www.miraikan.jst.go.jp

麻布台ヒルズギャラリー「ポケモン×工芸 - 美と技の大発見」

麻布台ヒルズは大垣書店が入っているので好きだ。今回も散財してしまった。ペリカンが入っているので好きだ。地元でいけよ感しかない。

そんな麻布台ヒルズのギャラリーでポケモンと工芸のコラボレーション企画展がやっているということで見に行ってきた。

ら、ガチ工芸作家がガチ工芸を作ってきていてガチびっくりしたガチィ。

のっけから心を持っていかれた。細かい仕事の積み重ねでこの迫力を出している。やばい。

フシギバナエディションのGBAspを使っていたので思い入れがある。この質感。そこに本当に生きているようで、しかし生きていないこともはっきりとわかる。そこが好き。

信楽焼のロコンかわいいゆ。本気の仕上がり。

 

こうした本気の工芸作品が並ぶ。中には70歳を超えて「初めてゲームをプレイして作った」という方もいて、プロってそういうことだよなあと思った。

しかしこれ企画してどこに話持って行ったんだろう。どこかに書いてあったかもしれないが見落としている。工芸協会みたいなところに企画を持ち込んだのかしら。

いやーよかった。麻布台ヒルズはそこまで混んでいないのでいいのだが、ユニクロ着て行くと気後れするのは確か……

www.azabudai-hills.com

以上

以上が冬休みのおでかけ年末編だ。お出かけ自体は他にも東証とかホテルでのナイトティーとかいろいろあったのだが、まあ共有しておきたいのはやはり美術館・博物館周りなのでそこに絞ってお送りした。

今年もたくさんいろいろな展示を見に行きたいなあなどと、この記事を書いていて思っていた。そうしたい。そうする。そうしよう。そうだよ。

今年のブログ更新について

今年、どのようにブログを更新するかを考えていた。

読書記録

読書記録はこのブログのメインコンテンツである。これまで一冊につき一記事として更新してきた。これについて、「一週間でまとめた方がいいのではないだろうか」という気持ちと「いやいや、タイトルでタイトルがわかった方が読みやすいでしょ」という気持ちとがある。

そんななか実は今回、ブログの上部にメニューバーを設けてた。ここに「読書」というカテゴリへのリンクを設けた。ってこれはPCから閲覧している人にしか関わりがないことだから、もしかしたらいまや大半の人には関係ないことかもしれない。
が、このリンクからもしくはサイドバーから「読書」カテゴリに飛んでくれた場合に、タイトルに書名が入っていた方がその記事を読んでみようと思ってくれるのではないかと考えた。

このことから、これまでどおり、一冊一冊記事にしていくことでしばらく続けていきたいと思う。

美術館・博物館

これまでは更新したりしなかったりだったが、これからはできるだけ記事にしていきたいと思う。というのも、やはりブログに書いている方が後から振り返りやすいからだ。といって紙の手帳も書いているので大いなる二度手間ではあるが。そして、美術館・博物館の記事に関してはほぼ閲覧されていないという。なので自己満足だ。

文具

とりたてて文具が好きという訳ではないが、手帳やノートは好きなので、少しだけ記事にしてあったりする。これからも少しずつ記事にしていきたいと思う。とりあえず年明け一発目は2月上旬に更新予定だ。

以上

こういう方針でやっていこうと思う。その他、ゲームや映画などのカテゴリの記事も書いてはいきたいと思います。

A HAPPY NEW YEAR

あけましておめでとうございます

年賀状は4枚。自分から出す年賀状を廃止して10年近くになるが、ようやくみんな諦めてくれたらしい。逆に言えばそれでも年賀状をくれる3人(1枚は業者からだった)は、わたしや夫のことをどれほど大事に思ってくれているのだろう。いや単に、印刷する住所録リストから外すのが面倒臭いだけなんじゃないかと思うのだけれど。

 

パンダを待ってる110分

ブログのタイトルを変えた。毎年変えようかと今は思っているけれど、来年には気が変わっているかもしれない。

「パンダを待ってる110分」というのは上野動物園での多くの人の過ごし方のことで、双子パンダを見るために、今日、1月2日の午前中には110分待つ必要があった。ちなみにそれで見れるのは正式には1分で、はけてから一応さらにもう1分は見ることができる。つまり合計で2分。110分待って2分。2分のために人は110分並ぶ。パンダにはそれだけの魅力があるのだ。

(とはいえ、去年中国へ帰ってしまった親パンダのシーシーとリンリンは0分待ちで何分でも見ることができたのだ。いなくなってしまって本当に残念だ)

やりたいこと

小説をたくさん読む

昨年は本を99冊(小説は96冊)読んだ。たくさん読んでいた時期とまったく読んでいなかった時期がある。
今年はコンスタンスにたくさん読んでいきたい。とくに古典・現代に限らずSFを読みたい。SFは物理学や宇宙の知識がないと難しくてわからないと思って敬遠していたのだが、昨年いくらか読んでとても面白くてもっと読みたいと思っている。とくに今は柞刈湯葉と柴田勝家が好きなので、その二人の作品はもっと読んでいきたい。古典としては、直近では「銀河ヒッチハイク・ガイド」とか「星を継ぐもの」とか「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」とか「われはロボット」とかを読んでいくつもりだが、あとは「バーナード嬢曰く。」でも読んでみてとっかかりをつかもうかと思う。

それからミステリも読んでいきたい。ミステリも今までほとんど読んだことがなかったのだが(伊坂幸太郎くらい)、昨年いくらか読んで大変面白かった。米澤穂信もめっちゃ作品あるから読んでいきたいし、知念実希人も面白かった。青崎有吾も読みたい(裏染天馬シリーズ)。

って、時間がどれだけあっても足りないって。

RPGゲームをたくさんプレイする

今ドラクエ3のHD-2Dリメイクをプレイしているが、とても懐かしくとても面白い。
昨年や一昨年はほぼゲームをプレイしていなかったのだが、物語をたくさん摂取したいということで、RPGを月1くらいでプレイできないかなあと思っている。1年で10本できたらいいなあ。

って時間がどれだけあっても足りないって。

文フリ東京41に出店する

ということで、インプットを増やしたいのは、小説を書いて文フリ東京41に出店するのが今年のもっとも大事な目標だからだ。別にすごく小説を書いて読んでもらいたい!という気持ちが強い訳でもないのだが、人生で一度は文フリに出たいと思っていたからそれを実行するまでだ。20冊くらい刷って2冊売れたら嬉しいなみたいなノリでもし1冊も売れなくても絶対楽しい。で、小説を書くにはまだインプットが足らんなと思い、たくさん読むと。そして執筆も1月からちゃんとしていく。毎日少しずつでいいから進めていきたい。

って時間がどれだけあっても足りないって。

やらないこと

短歌とは少し距離を置く

なので短歌とは少し距離を置きたい。情熱が冷めたとも言えるが、今年は短歌に使う時間がないという感じ。文フリに出すなら。まあいろいろあったしってのもあるし、短歌を作って読んでもらいたいという気持ちにならないんよねえ、今は。

以上

今年もよろしくお願いします。

2024年の読書を振り返る

はじめに

今年は100冊読もう。1月に漠然とそう決めたのだけれど、別段大きな理由があったわけではない。ただ無職をもてあまし、暇で暇で暇で暇で仕方ないのでそのくらい本を読んでみてもいいだろうと思ったのだ。

そしてtuini、100冊読み切った(歌集を入れると124冊)と思ったら99冊だった……。まあよい。それでも結構読んだなあという感想だけれど実は読書していた時期は偏っていて、4月、7月、8月は1冊も読んでいない。活字に飽きるというのではないけれど、永遠に延々とYouTube見続けてた時期があったり、あとは7月8月はシンプルに歌集ばかり読んでいたという記憶が今蘇った。

さてそういうわけで今回は、今年、2024年の読書を振り返ってみたいと思う。

下の「表示」をクリックすると目次が出ます。

1冊目に読んだ本:R帝国 / 中村文則

正月から何読んでんだという感じなのだけれど、ディストピアものである「R帝国」を面白く読んでいた。

この小説は、ある種ハリウッド的あるいはゲーム的な展開を軸にしつつ、ディストピアの様子を執拗に描いている。ディストピアには「一人一人が自分で何かを判断しなくてもいい」という逆説的な人間にとっての甘さや合理性もあり、決して人ごとではないと言える。「半径5メートルの幸福」というワードが主題となるが、しかし実際それは批判されるべきことなのかと少し思う。想像力があれば、半径5メートルの人の半径5メートルの人の幸福を考えられるはずで、そうすれば決して自分本位でない幸福の追求ができるはずだ。それとも細胞のように、全体のためにプログラム死すればよいのだろうか?

そんなことを正月から考えていた。

99冊目に読んだ本:使いみちのない風景 / 村上春樹文・稲越功一写真

99冊目(読み始めた時は100冊目だと信じていた)に読んだのは村上春樹と稲越功一によるフォトエッセイ。

村上春樹が心の中に貯めて持っている「使いみちのない風景」。何か物語になるかと言えばそうではない、本当にただ心の中にあるだけの風景。
村上春樹のわずかな怒りを含んだしかし穏やかな語り。自分の中にも「使いみちのない風景」はあるだろうかなんて考えながら読んだ。けどあまり思い浮かばない。きっと創作には向いていないだろうと思った。
村上春樹のように、「旅」ではなく「住み移り」のような生活をしてみたかったといえばしてみたかった。わたしは結構引越ししたい派なのだが、現実のさまざまな手間や問題を考えると無理だ。マンション買ってしまったしな……。だから村上春樹のエッセイを読むと、その生活を追体験できるので好きなのだ。スノッブでしかないけど。

というのが99冊目。まあ、最後を締めくくるには、なかなかによい選択だったのではないか。村上主義者(仮)としては。

 

ミステリ小説を結構読むようになった

今年に入るまでミステリって伊坂幸太郎しか読んでこなかった(ミステリというジャンルを認識しておらず、伊坂幸太郎をミステリと思って読んでこなかった)。
今年は斜線堂有紀を読みまくったのをきかっけに、ミステリ小説を結構読んだ。(カレイド・ミステリーも死体埋め部も最高だったよん)。

冬季限定ボンボンショコラ事件 / 米澤穂信

まず、米澤穂信に出会った。

とくに小市民シリーズ、「春季限定いちごタルト事件」「巴里マカロンの謎」「夏季限定トロピカルパフェ事件」「秋季限定栗きんとん事件上・下」「冬季限定ボンボンショコラ事件」の5作。超面白く読んだ。ほぼ一気読みだった。

最初はささいな事件から大きな事件へと発展していく。そうしてシリーズを読み進めていくと「冬季限定ボンボンショコラ事件」は、まさかの設定からのスタート。物語が少しずつ明らかになっていく様は、ほんわかしたキャラクターたちのほんわかした空気感に少しピリっとした感覚を与え、しかし損なわず、だけれどもやはり緊張感があり、みたいな謎の調和が成立していた。シリーズを「いちごタルト事件」から読み進めていくことで、「ボンボンショコラ事件」で明らかになる二人のあらましを知った後に二人を抱きしめたくなるほどの愛おしさが湧く。

が、できれば春季限定から全作読むのがオススメ。

また、「氷菓」「黒牢城」はまだ読んでいないのだが(読んでないのかよ)、「満願」など骨太のミステリ作品も面白く読んだ。今年は米澤穂信に出会えて嬉しい。結構作品を多く出してる小説家なのでこれからのわたしの読書では頻回に登場することになるだろう。

スフィアの死天使 天久鷹央の事件カルテ 完全版 / 知念実希人

知念実希人はなんとなく食わず嫌いしていたのだが、主治医の先生の同級生ということもあり、読んでみた。最初に読んだのは「放課後ミステリクラブ1」で、わかりやすい言葉でささいなしかし不思議で謎な事件で、うまくミステリを成立させていてすごいなと思った。

次に読んだ「屋上のテロリスト」はオチが予想できたが、設定やキャラの動かし方が面白いなと思って読んだ。

そして天久鷹央シリーズ。これがめちゃくちゃ面白い。
アスペルガー症候群を特別な存在や天才みたいに書いてるのが若干気になる(鷹央が天才かつアスペルガー症候群なのであって、アスペルガー症候群=天才ではないし、割と一般的にいる)のだが、それはさておき、設定、話の始まり、謎、引き、話の展開、ドキドキ感、さまざまな要素がそれぞれにレヴェルが高いと感じた。好き。鷹央ちゃんの傷つきとか寂しさとか、伝わってきてときどき心が痛いけれど、だから愛おしい。
というか、これ読んだら鷹央をみんな大好きになると思う。そういう魅力的なキャラが作れてることがすごいし、現役の医師が書いているのでいちいちリアルなのも本当によい。
このシリーズは続きも読んでいきたい。

ミステリ・トランスミッター 謎解きはメッセージの中に / 斜線堂有紀

今年は本当に斜線堂有紀を読みまくった。ミステリ、ホラー、SF、さまざまな小説を書き分ける斜線堂だが、今年発売されたこちらの短編集はとてもよかった。
「伝える」ことをテーマにした各話の話の設定というか場面設定がすごく良くて、どういう話になっていくのだろうと興味深く読めた。amazonレビューはあまりよくないのが謎なんだけれど、わたしにとっては「斜線堂やっぱ面白いな」と思わされた作品。

斜線堂有紀は筆が早く、とにかく作品が出まくる。わたしは今年単著を全部読み切ろうと思ったのだが、新版の「不純文学」と「プロジェクト・モリアーティ2」と「コール・バイ・ノーネーム」が読めていない。ぐぐぐ。

斜線堂有紀は設定を多分まず決めていて、そこから話をどんどん書いていっているのかなと思う。速さを考えるとプロットとかがっちり固めて書いてるかは分からない。とにかく設定がまずあって、その設定を生かして話をどう展開するかを考えていっていると思う。ワンアイディアを膨らますやり方は多くの人が取っているやり方だとも思うが、斜線堂有紀は結構そこに頼りすぎている気もしなくもない。わたしはすごく面白くてすごく大好きなんだけど、夫が「もう手癖で書いていて、話に重さがない。一つ「代表作」と言える作品を、腰を据えて書くべき時なのではないか」「アンソロジー出しても意味がない」などと言っていた。「手癖」というのはちょっとわからなくはない。また、確かに、「斜線堂有紀の代表作って何?」と聞かれた時なんと答えるか悩ましくはあるな。一番売れてるのは「恋に至る病」なのかなとも思うけど、それが本質ではないと思うし。作風を出版元や小説の種類(ミステリとかホラーとか恋愛とか)によって変えていてしかも多作なので答えに窮する。確かにここらで腰を据えて一年くらいかけて「これが斜線堂有紀だ文句あるか」みたいな作品を書いてもらって、何度も読み返したい。賞ばかりがすべてじゃないけど、なんか賞ほしいねーそろそろ。

今年は「本の背骨が最後に残る」も意欲作で大変すさまじくめちゃくちゃ面白かったです。

結構SFを読むようになった

SF小説って物理学の知識が必要で世界観にいちいち入り込めないから苦手……と思っていたのだが、今年は結構SFを読むようになった。スペキュレイティヴ・フィクションの意として「SF」という言葉を捉えたい。

横浜駅SF / 柞刈湯葉

永遠に完成しない横浜駅が自己増殖をして本州全土を覆った世界の話。横浜駅の外から「18きっぷ」を用いてエキナカへ入っていく主人公。出てくるキャラがみんな個性的で魅力的だった。「自己増殖をして本州全土を覆う横浜駅」という設定がぶっとんでいるのだが、なんかありそう(いやなさそう)でとてもよい発想。物語の展開もよく、さまざまな謎が解けていく中で、主人公の心情があまり詳しく描かれていない。そこがとてもよかった。主人公がなんかニュートラルなのだ。だからハラハラもするし、だから見守りたくもなる。最後主人公に課せられた役目が重すぎて、この物語の終わったあとの物語がとても気になる。

本作には「全国版」もあり、前日譚というかスピンオフというかになっている。合わせて読むと、登場人物にめちゃくちゃ愛着が湧いてくる。

柞刈湯葉は今年初めて読んだが、「人間の話」というSF短編集もとてもよかった。とても。来年もモリモリ読んでいきたい。それほど作品数がないのでさらっと追いつけそう。まず「まず牛を球とします。」を既読とします。

パラークシの記憶 / M.コーニィ

名作「ハローサマー、グッドバイ」の続編。「ハローサマー、グッドバイ」のストーリーを神話として受け継ぐ別の星のお話。SF恋愛青春小説とでも言おうか、めちゃくちゃめちゃくちゃめっちゃくちゃ面白かった。
SFでありミステリでもある。話がどう展開していくのかわくわくしたし、すごく緊張もした。一方で、恋愛小説としての側面は、二人の男女が出会って恋愛していく中であるべき葛藤があまりないので、なんだか惚気を聞かされているような気分になって不思議だった笑。

「ハローサマー、グッドバイ」を読んでいなくても単体で面白いが、読んでいると関連性とか、前作のラストに残された謎とかの意味がわかって大変面白い。

こうしたいわゆる「不朽の名作」のようなSFを来年はもっと読んでいきたい。「電気羊」とかもいい加減読みたいし(まだ読んでないのか感)。

走馬灯のセトリは考えておいて / 柴田勝家

SF短編集。未来、物理、科学の知識は別にいらない。
こんなことが本当にあるのかもしれない、あったのかもしれない、これから起こるのかもしれないと思わせるようなリアルさでさまざまな題材を取り扱っている。

柴田勝家はとにかく話が面白い。読ませる力がめちゃくちゃある。そして、実はエモい小説が多い。表題作も、「こんな未来がくるのかな」とも思いつつ読んでいって、話の展開、結末にむかって収束していく様は読んでいてとても心地よく、そしてエモい。エモいって言葉嫌いな人多いけどわたしは使う、エモい。

柴田勝家は他にも「雲南省スー族におけるVR技術の使用例」というやはりSF短編集があるがそちらもとても面白い。こちらは物理学や宗教学の知識があるとより楽しいかもしれない。

SFって多分やっぱりワンアイデアを膨らまして書くのかなあと思うのだが(世界観を工夫する、キャラの特性を工夫する、みたいなところからかなと)、そのアイデアがものすごい面白くて、しかもそこから展開する話が、まあ読ませる。すごい作家だと思ったけど、なんで「柴田勝家」なんてペンネームなんだろ。

とはいえ結構クセつよなので人を選ぶというか、柴田勝家がメジャーになる未来はいまいち見えないのだが、わたしは大好きなので今後も推しの一人として推し推しでいきたい。

そのほかも、いろいろな作家の本を節操なく読んだ

結構いろいろな作家の小説を読んだ。ブックチューバーやほんタメがオススメしているものや、好きな作家が帯を書いている(amazonでわかる範囲で)ものなど。

令和元年の人生ゲーム / 麻布競馬場

直木賞候補作。全四話からなるこの小説は、各話の主人公がいわゆる意識が高い系だったりキラキラ丸の内OLだったりする。

な、なんなんだこの解像度の高さは!という感じで、いや知らんけど、ありありと情景が浮かび、心情をトレスできるという点で、おそらく解像度が高いのだろうと推察できる。各話の主人公の影に(別に隠れてはいないが)隠れ主人公がおり、その視点で物事を眺めてみるとものすごい寂しくなって大変に苦しくなる部分もあるのだが、とっても楽しめた作品だった。各主人公視点からの想像でこの隠れ主人公の心情を追っていくのが楽しい。

麻布競馬場は他の作品を読んでいないが、こういった世相を反映して綺麗に切り取って再構築したような小説がきっと得意なんだろう。注目の作家な気がする。わたしはね。

永遠についての証明 / 岩井圭也

数学の天才、「数覚」を備えた三ツ矢暸司の死をめぐる物語。小さめの13章からなり、各章で視点と時系列が変わる。

暸司には答えが「見える」。高校時代、大学時代と、だからこそ周りとの葛藤があり、周りとの共闘があり、周りからの隔絶、別離がある。この小説は寂しすぎてめちゃくちゃ泣いた。野生時代フロンティア文学賞受賞作なのだが、冲方丁、辻村深月、森見登美彦が絶賛したらしい。

この小説は結構いろいろな人に読んでみてほしい。こういう寂しさが世の中にあることを知ってほしい。底なしに寂しい小説。

ただこの小説の良いところの一つとして、事実が非常にドライに描かれている。暸司の孤独も苦しみも丁寧に描かれているが、読者がそこに強く共感して深く落ち込むということは無いだろう。また、周りの人の心情についても同じことが言え、とにかく登場人物に共感して読みたいという人で天才じゃない人は、あまり合っていないかもしれない。御涙頂戴ではないのだ。なのにわたしは号泣した笑。

岩井圭也は今年直木賞候補にもなっていて、大注目の作家な気がする。ちょっと他の作品も読んでみたいが、この小説が個人的にツボに入りすぎていて、あまり読まない方がいい気もしている。

トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー / ガブリエル・セヴィン

子供の頃、病院のゲームコーナーで出会った二人の男の子と女の子が、大学生の頃に再会して一緒にゲームを作るようになっていく。

こういう小説を読みたかったんだよというのがまず最初の感想。変に明るくなく、御涙頂戴でもない、だけれど人生のすべてがここに描かれているというか。こういうふうに人は出会うし、行き違うし、和解する。協働するし、反発し合うし、しかし求め合う。と、前に感想を書いていた。

こういうなんか愛なんだよなー、愛って難しすぎるよーってもどかしい。だいたい全部が行き違いで苦しい。

海外の小説って、とくに現代の小説家のものはまったく読んでこなかったのだけれど、たまには読んでみるものだなあと思った。とくに韓国文学は日本でも一定の地位を築いているし、少し読んでみてもいいかもしれない、と思った読書。

フラッガーの方程式 / 浅倉秋成

浅倉秋成は「六人の嘘つきな大学生」と「俺ではない炎上」の2作を読んでいたので、しっかりとしたミステリを描く人だという印象だった。ら、超かわいい青春ラブコメを過去に書いていた。それがこの「フラッガーの方程式」だ。

これは、平凡な高校生である主人公に、ある日白羽の矢が立ち、「誰でもドラマチックな人生を送れる」という「フラッガーシステム」のデバックを請け負うことになる。このシステムを使って生活をするということなのだが、要するにこのシステムを利用し、フラグを立てたり折ったりして人生をドラマチックにしていくということ。

めーーーっちゃかわいい青春ラブコメ。全部の話がかわいくて、全部の話が楽しくて、全部が伏線。最後の怒涛の大御都合主義的伏線回収は読んでいて爽快でしかない。ものすごく楽しくてむふふな読書体験ができた。

こういうふうに、今の作風と全然違う作品とかが出てくると、なんか「見つけた」感じがあって楽しい読書になる。この作品は結構オススメしまくっているが、最近本オススメおばさんになってきているかもしれない。

2025年に向けて

とりあえず今年と同様に99冊は読んでいこうと思う(漫画、歌集を除く)。

古典SFを読んでいきたい

2025年は、意識してSFの古典を読んでみたいと思う。電気羊とか、銀河ヒッチハイク・ガイドとかも読みたいし、まあ他にもいろいろ調べて読んでいきたい。

というのは、SF小説を書いてみたいからなんだけど、安直すぎるかしら。

好きな作家の作品を読み進めたい

たとえば斜線堂はなんかもう読んだと思ったら出るから諦めつつあるんだけど、知念実希人の天久鷹央シリーズは全部読みたいし、柞刈湯葉も柴田勝家も全部読みたい。この記事では触れなかったが、青崎有吾の裏染天馬シリーズも全部読んでいきたい。

時間がいくら合っても足りない

無職なのに!

おしまいに

数がすべてではない。99冊読まなくてもいい読書はできるし、99冊読んでも無意味な読書もあるだろう。

ただわたしは読みたいものがめちゃくちゃたくさんある。そして、無職なので何か達成感が欲しいのだ。ということで99冊を目指して読んでいく。

読書感想はこれまでと変えて、毎週「今週の読書」という形か、毎月「今月の読書」という形で書いていこうと思う。というのは、別に読まれないからまとめちゃっていいやという判断笑。

ということで、来年もよろしく(今年まだ更新すると思いますが)。

【読書感想】入院中(10/31-11/29)に読んだ本の一言感想とリンク

今年も無事、2回入院してしまった。といっても一月ずつなのでだいぶ進歩した。一年の6分の5は家にいれているわけだから。

さて、では今回も、読んだ順に一言感想と記事へのリンクを貼り付けていくので、「なに読んだのかしら」と気になる方はチェックしてみてほしい。
ちょっと今回読んだ本どれもめっちゃよくて、どれも大体おすすめなので、ざーっと見てみてもらえると嬉しい。

とくにおすすめの本には☆をつけます。

 

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1 ツミデミック / 一穂ミチ

パンデミックを背景に罪を重ねていく人たちを描いた短編集。後半3作はなかなかにハートウォーミング(さざなみドライブは違うかもだけど)、わたしはその3作が好き。人の気持ち悪い部分とか、醜い部分とか、結構適当な部分とか、合理化してしまう部分とか、優しい部分とか、強い部分とかが、描かれていてよかった。

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2 ずっとイケメンを追いかけていたかったけど、そうもいかないよ現実は / 竹内佐千子

著者の竹内さんと編集のM田さん金持ってるな、貯金なさそうだなとか思った。

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☆3 アメリカン・ブッダ / 柴田勝家

SF短編集。全作めちゃくちゃ面白い!ほんとすごい面白い!宗教学や仏教、あと物理学の知識があるとより楽しめると思うけれども、知らなくても全然面白い。

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4 バッタを倒すぜ、アフリカで / 前野ウルド浩太郎

「バッタを倒しにアフリカへ」の続編。前作より、より研究の内容に踏み込んだ内容で、エッセイとしても面白いし、プチ学術書としても面白い。研究者としてサーバイブしていくことの難しさとか、胃がキュッとなるわ。

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5 ウは宇宙ヤバイのウ / 宮澤伊織

面白かった。ドタバタ系のライトなSF小説。SF好きだと元ネタがわかるパロディが結構あるらしいが、知らずとも本作だけで十分に楽しめる。タイトルは「ウは宇宙船のウ」のパロディ。オチがめちゃくちゃなのに大団円、っていうすごい楽しい小説。

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☆6 横浜駅SF 全国版 / 柞刈湯葉

「横浜駅SF」の前日譚と番外編という感じ。この作品だけでも面白く読めるけど、「横浜駅SF」を読んでる方が面白いと思う。横浜駅が自己増殖して本州全土を覆っているという世界観。この一言で気になった方はぜひ手に取ると楽しい時間を過ごせると思う。

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7 人間たちの話 / 柞刈湯葉

SF短編集。すべての作品を楽しく読んだ。発想がいいのもあるんだけれど、この作者の描く人間って、なんかやさしくてあたたかいのよなあ。なんか無害というか。この作者のことわたし絶対好きと思うし、みんな好きと思うと思う。いろんな角度からの短編集。

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8 俺ではない炎上 / 浅倉秋成

これありうるよと思いながら読んだ。逃げる主人公に対して追ってくる人々、警察。ハラハラドキドキさせられ、最後のオチはなんかなんだろうこれ、悲しいとか優しいとか苦しいとかがいろいろ混ざった気持ちになった。

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9 自転しながら公転する / 山本文緒

貫一がひたすらかっこいい。ひたっすらかっこいいのを楽しむ小説。のみならず、都の立場に立ち都の気持ちに寄り添うと、また違う感想になってくる。いろいろ煮詰めた感じの小説。

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10 君の顔では泣けない / 君嶋彼方

入れ替わりものなのだが、普通の入れ替わりものではない。読めばわかる。人が他人の身体で生きていくことで気付くこと、大切にできること、しなくてはならないこと。自分も他人の身体を借りて生きていると思うようにすれば、自分を大事にできるのかもしれないと思った。

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11 体育館の殺人 / 青崎有吾

きゃー楽しい。高校で起こった密室殺人、それを解決するのは!わたしの好きなタイプのミステリだった。探偵役がかっこかわいい。でもミステリって実はみんなこのタイプなのか?とかも思う。
続編があるので読んでいこうと思う。面白かった。

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12 ポンコツ一家 / にしおかすみこ

母認知症、姉ダウン症、父酔っ払い、本人一発屋芸人。にしおかすみこがあるとき実家に帰ると実家が大変なことになっていて、戻ってくることを決意。生活を立て直していくべく紛争するが、家族はなに知らぬ顔。でも愛があるのよ、この作品には、この家族には。

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13 宇宙に花火を / 松井尚斗

いい人と嫌な人の対比が結構ぎゅっとつまっていた。Youtuberとして成功していく過程をもうちょっと詳しく読みたかったけれど、かなりハートウォーミングでちょっとした良作。

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14 きょうも芸の夢を見る / ファビアン

芸人(志望)が主人公のショート・ショート集。芸人(志望)って、こういうふうにすごしてるんだ、こんなことを考えているんだと興味深く読んだ。

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☆15 #真相をお話しします / 結城真一郎

ミステリ短編集。めーっちゃくちゃ面白かった。人間のダメな部分、闇の部分がきちんと描けていて、どれも作品として完成度高くレヴェル高い。怖いのよ。怖いの。

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16 丸の内魔法少女ミラクリーナ / 村田沙耶香

短編集。可愛らしいタイトルと装丁だけれど、しっかり村田沙耶香。いろんな角度から、「じゃあこれってどうなの?」「どうあるべきなの?」という問いを投げてくる。自分の中で、うーむと考えさせられたりして、やっぱ実力あるわと思った。

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17 月まで三キロ / 伊与原新

全部心温まる短編集。気象学、地学の知識がからむ小説って今まで読んだことないなと思って、面白く読んだ。中学とか高校レヴェルの知識で読めるので、構える必要もなく。ほっとするような作品が多く、肺腑を抉られるような読書の合間にちょうど良さそう。

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18 冬季限定ボンボンショコラ事件 / 米澤穂信

小市民シリーズの完結編。事故に遭って動けない状況で断片を組み合わせて事件の真相に迫っていく。作者がここまで小鳩くんを追い詰めるんだと、苦しくなった。ひたすらに小佐内さんがかっこいい。二人の馴れ初めが分かって、それも嬉しかった。

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19 神様の定食屋 / 中村颯希

神様に祈った結果がこんなぶっとんでる小説他にあった?ってくらい最初度肝を抜かれる。ハートウォーミングな作品で、料理の描写もとても美味しそう。主人公も妹も頑張って生きていってほしいが、休職中の主人公がその後どうしたのかとかも気になるし、続編も読んでいきたい。

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☆20 トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー / ガブリエル・セヴィン

こういう小説を読みたかったんだよというのが最初の感想だった。結構長い時間軸の小説で、登場人物たちの心の葛藤とかがギリギリ音がなるようなくらいまで描かれていて、サムのひたむきな優しさには涙が溢れる。

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☆21 満願 / 米澤穂信

ミステリ短編集。めちゃくちゃ完成度高い。全部の作品が緻密。重たくて、怖い。人の心の怖い部分や倫理にもとる部分なども描かれていて、重厚感のある短編集。いやーこれ怖かったほんと。どれもドキドキハラハラしながら読んだ。

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22 廃遊園地の殺人 / 斜線堂有紀

オリジナル版から、ほぼ全文書き直したらしい。斜線堂有紀は偏愛しているので公平な感想が書けないが、やっぱり面白いし好きだと思った。限定された中でキャラクタを活き活きと描けて、読んでいて楽しい。いや楽しいワクワクする作品ではない。殺人事件だから……

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23 屋上のテロリスト / 知念実希人

25万部売れるほどかと言われると疑問だけれど、まあ面白かった。知念実希人だしねー。

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☆24 フラッガーの方程式 / 浅倉秋成

浅倉秋成の二作目の長編。今のイメージと全然違う、ドタバタ恋愛コメディ。めちゃくちゃ楽しく、面白い作品だった。ポップでキュートで、ときに切実で。フラグを折りたいのに折れず、立てたくないのに立て、どんどんドタバタ進んでいく中で、全部が伏線。最後は感動。やばい。

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25 スフィアの死天使 天久鷹央の事件カルテ 完全版 / 知念実希人

小鳥遊と鷹央のやりとりのテンポが楽しかった。小鳥遊視点なので、小鳥遊と一緒に、鷹央の一挙手一投足に振り回され、ハラハラドキドキしながら読み進めていった。読んでいるうちに、小鳥遊もそうなんだけど、鷹央を大好きになっていく。シリーズの続刊も読んでいきたい。

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26 マリコ、うまくいくよ / 益田ミリ

現代OLホラーの金字塔益田ミリの作品。本作はホラー色はうすいものの、うすらさむいものがあり、胃がぎゅっとなること必至だ。

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↓Xやってます

↓Blueskyもやってます

ちえなみき行ってみたいな。

— mah_ (@nagainagaiinu.bsky.social) 2024-12-06T08:19:06.363Z

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手帳を一元化すると言ったな、あれは嘘だ。【2024年第5回手帳・ノート会議】を経て、各手帳の使い方。

手帳は一元化すべきだと思った。

手帳は一元化するべきだと思った。情報は一つにまとまっていた方が取り出しやすいし、そばに置いておくノートが一冊の方が楽だからだ。そして、人生の全てが詰まったノートができるのがいいと思う。それを見れば、わたしのすべての人生がわかるような。

しかしわたしには欠かせない2つのノートがある。
一つは、行動記録(なんちゃってCBT)用のノンブルノート、もう一つはモーニングページ用のSoooafだ。行動記録は医療者に見てもらうノートなので独立させる必要があるし、モーニングページを普通のノートに組み込みたくはない(ハローダークネス、マイオールドフレンド)のだ。

なので、厳密な意味では一元化はできない。しかし、それ以外を一元化しようと思い、トラベラーズノートにほぼ日weeksと無地のトラベラーズノート純正リフィルを挟み、上記の2冊以外のノートをすべてこのトラベラーズノートの中身に集約させようと試みた。

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ほぼ日weeksとトラベラーズノートを使った手帳一元化の問題点

しかしだよ。
問題点がいくつもあった。

ほぼ日weeksのメモページやトラベラーズノートの純正リフィルは幅が狭いし、押さえておかないと180度パタンと開かない。このことから、ぼんやりした頭の中をぼんやりしたなりにドドドっと書きつけての一人ブレストにまったく向いていない。わたしは困ったり迷ったりしたときには一人ブレストをやることにしているので、これは困った。何か解決策が必要である。どうしよう。

っていうか、そもそも手帳・ノートの一元化って必要?(突然売る喧嘩)。
いや、いらんやろ(そして自己解決)。

第5回手帳・ノート会議

ということで第五回手帳・ノート会議を急遽行った。

無職に一元化は要るのか

利便性的な意味だけで話す。

わたしは無職なので、家にいつもいる。土日は出かけることが多いが、ウィークデーはカタツムリでももうちょっと外に顔出すよ?くらいの勢いで自宅に篭っている。
そう、一元化してどこでもすべての情報にアクセスできる、ノートのすべての使い方を網羅できる、そんな必要は無いのである。そう、だから、ノートは複数冊使いでいい。なんならどうやったって3冊はマストなんだし。

要件定義

ということで、0ベースで考えます。
何かしらで管理したいことをまずは挙げていく。

  • 家計簿
  • 予定
  • to do
  • ミニ日記
  • 犬の最後の記録
  • 目にしたり調べたりした情報
  • 年間、月間の引き継ぎと設定した目標
  • その他メモ
  • チケット貼りたい
  • 何でもノート(一人ブレストからブログや創作のアイデアなども)
  • 入院中ノート(各入院につき一冊。主には読書記録)

デジタルで管理するのがいいこと

家計簿、予定、to do、調べた情報などはデジタルで管理すれば手間がアナログより全然かからなくなると思う。

家計簿、予定、to do

家計簿はマニーフォワードを使っているのでもう少しルーティンとして覗くようにしていく。
予定やto do。家族の共有カレンダーはtime treeを採用しているが、そこに書くような内容じゃ無い細かい個人の予定や、to doはGoogleカレンダーを使っていく。

調べた情報

調べた情報については、今時全部インターネッツなのでNotionに蓄積していくのがよかろうかと。手書き派の主張としては「情報をそのまま貼り付けるのでは無く、要約することによって理解が深まる」ということが挙げられるが、わたしは断固「情報は量だ」と主張する。とにかく貯めていけば、いい情報が眠っているので、あとでゆっくり掘り返せばいいだけだ。
唯一弱いとすると、関係ない情報と情報がリンクされにくいという点。
しかし何度でもいうが、わたしは無職なのだ。仕事のアイデアが家庭の日記から発想されるなんてことは金輪際無いのである。なのでこの弱点は無視する。

アナログで管理したいorした方が楽なこと

日記、犬様の記録、各年各月の引き継ぎ等、なんかとっておきたいメモ

日記、犬様の記録、各年各月の引き継ぎ等、なんかとっておきたいメモ(例えば病院で言われたこととか)は、ほぼ日weeksで管理する。普段使うのってこれらのことがほぼ全てなので、そういう意味では集約してはいる。

チケット貼るノート

チケットは写真にとってデジタルで保存していこうと思ったのだが、貼る方がはるかに楽なのでアナログ保存にする。

なんでもノート

主には何かに困ったり迷ったり、はたまた創作のアイデアだしをするときなどに使う何でもノート。パタンと開くのとトモエリバーがお気に入りなのとで、これまでほぼ日の方眼ノートを使っていたのでそれをこのまま利用していく。

入院中ノート

入院中はPCやスマホが使えないので、情報を書こうと思うとノートが必要。とくに読書感想は忘れてしまう前に書いておきたいので必須。ロルバーンLを積みがちなので、ロルバーンLを採用する。

手帳・ノート会議はこれで終了だ。

満場一致で大正解。

使っていくノートたち(各手帳・ノートの使い方)

次の6冊で運用していく。

左から、

  • ほぼ日の方眼ノート
  • ロルバーンL
  • Sooofa
  • ノンブルノート
  • ほぼ日weeks
  • MDノート(文庫サイズ)

ほぼ日の方眼ノート

一人ブレスト、一人会議を行う。

ロルバーンL

入院中の読書管理などに用いる。入院は年に2回までにしたいねえ。

Sooofa

モーニングページに用いる。

闇。

ノンブルノート

行動記録(なんちゃってCBT)に用いる。

「イベント」「状況」「感情」「思考」

ほぼ日weeks

ミニ日記、犬様の記録、各年各月の引き継ぎ等、なんかとっておきたいメモ(例えば病院で言われたこととか)を管理する。

下は、メインのウィークリーページ。左から、睡眠時間と天気と気温、心と体のフェイススケール、ミニ日記、犬が食べたもの、ハビットトラッカー、補液の記録を記録していく。

MDノート(文庫サイズ)

ただただ貼っていく。感想を書くのもよい。

そういうわけでした。

weeksが12月から使えるので、もう移行しているが、この運用で2025年を始めていきたい。
実は自宅にほぼ日HONが余っているのだが、別に用事がないのに使っても仕方ないので、ファングッズとして持っておくかなんかしましょうね。

用事があってこそノートが決まるんだよ

であるから今回、トラベラーズノートの利用にこだわらず、さくっとリストラした。

しかしこの命題は逆もまた真なのだ。ノートがあってこそ用事が顕在化するという面もある。一元化してもよししなくてもよし。思い思いに手帳・ノート楽しんでいきまっしょい。