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政治の生産性

教基法、与党単独採決も=やらせ質問「つまらぬこと」−自民・二階氏ï¼ Yahooニュース
 自民党の二階俊博国対委員長は10日夜、那覇市で講演し、教育基本法改正案について「国会の会期もある。いつまでも慎重審議で(野党に)引きずられていたら、政治の生産性が上がらない」と述べ、与党単独での採決も辞さない考えを示した。
 また、二階氏は、野党がタウンミーティングでの「やらせ質問」などの真相解明が先決としていることに対し「教育基本法を60年ぶりに改定しようとしている。それに比べたらやらせがあったなんてつまらないことだ」と語った。

 via. http://d.hatena.ne.jp/annntonio/20061111/1163223189。
 annntonioさんは「「生産性」という偏った見方と判断になじむ案件ではない」という言い方をしているけれども、この言い方はいただけない。「何の生産性か」と問わなければならない。生産性という概念を批判するのではなく、彼らがその概念に込めた意味を批判しなければならない。言い換えれば、生産性という概念を取り戻さなければならない。*1

 二階の言う生産性とは、「一定期間内に通過した法案の数」のようなものであろう。バカじゃなかろうか。政治の生産性とは、その活動によってどれだけ社会がよくなったかで測られるべきものであり、十二分に審議して、その結果提出された法案のすべてが廃案になったとしても、「法案通過させて社会が悪くなるよりは、現状維持の方がマシ」=生産性が高い、ということは十二分にありえる。・・・もちろん、廃案になった法案はすべてが良い法案のはずであり、それを廃案にしたことは、大きな損失だ、ということもある。だから、現状より何かをよくする見通しがない法案を通過させないこと。指摘された問題点に応答できない法案は通過させないこと。これが政治の生産すべきものであり、その生産のための審議は実に生産性が高いのである。これまでの議論の経緯からすれば、「改正案は論理の飛躍だらけで話にならんから、今すぐ廃案にして別のこと議論するのが生産性高い」んじゃないですかね。

 ところで、提出された法案の提灯持ちばかりで、決して批判的に検討しようとしない与党の質問時間。ありゃ、一番生産性が低いね。まっさきにリストラすべきじゃないのか。政治の生産性を高くしたいならば、質問時間の議席配分を見直して、野党に傾斜配分しろよ。

*1:同様に、学校という概念も、批判されるのではなく、学校という概念に込められた意味を批判しなければならず、学校という概念を奪取しなければならない。