おもちもちもちMotical Material Ótico

やいのやいの。

2017年これは良かった声優ベストアクト

去年もやったので。

2016年声優の演技ベストアクト選 - おもちもちもちMotical Material Ótico

開始。

黒沢ともよ(フォスフォフィライト)『宝石の国』

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結局黒沢ともよについては各員書いてるので今回詳しくは扱わない。もともと赤城みりあ(モバマス)とかLiko(アクティブレイド)とかでガッチ萌え萌え声してたのに、ユーフォ以後は独特のやれてよれた地声演技でキャラ確立した人。いわば女性声優界の野沢那智(コブラの人)。

黒沢ともよは上手いのか問題は永遠に終着しないわけだが、それは結局、演技というの評価が、既にあるステレオタイプ(≒上手い演技)との距離感を行ったり来たりするからだろう。黒沢の演技が収まるステレオタイプは今のところ存在しないが非常に微妙な位置にいるからこそ独特な場所に落ち着いていると言える。強いて言うなら、宮﨑駿がジブリ声優やキムタクや庵野に求めていたのが「デジャブ的ステレオタイプ」(初めて聞いたのにどこかで聞いたような声)だったんだけど、それを一発撮りの使い捨てにせず自分のイメージに取り込んだ初の女性声優だった。友人の知り合いにいそうな感じだが、銀幕には居ない。

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画像は正直どうしていいのかわかってない感じの演技の黒沢ともよ(バンドリ)。

 

尾崎由香(サーバル)『けものフレンズ』

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けものフレンズってこの人がいなければ評価もそれなりだったと思っている。明らかに怜悧な知性と直感、そして動物的な残酷さを持っているんだけどそれを温和な人柄が抑制しているような、緊張感のある(しかしとぼけた)演技を通してサーバルが本当のアホの子にならずにボケとツッコミを兼任していた。冷静さ…?と少し伝わらなかったかもしれないが、例えばサーバルの殺し文句の「ひどいよー!」の中にも、自身の状況を冷静に判断して不当な扱いを受けていると感じながら、あくまでそれをジョークとしてその場では処理し、別の機会にそれをきっちり精算しようとする計算高さを感じるとおもいませんか。ないか。つかタモリとか古舘との受け答えとか見るにこの人実はかなり頭いいよね。俺はね、そういうのが好き。

 

能登麻美子(盛岡森子)『ネト充のススメ』

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能登麻美子って卑怯だな〜って演技。前…つっても2011年?ぐらいに『花咲くいろは』でかなりリアルおばさんアトモスフィアを出した仲居を演じてきたときに、こっちの方もやるのかな〜と思っていたが、それでもその後もアルテラ(『FGO』)とかミカ(『ガルパン』)とか若い女の子を演じていたし、成熟した大人の女性演技も弁天様(『有頂天家族』)とかやってたので、もう「おばさん」演技はやらないのかなぁと思っていた矢先、2つをうまく融合させた演技を好演した。ある部分では落ち着いているんだけど、部分的にはその落ち着いた内面のまま子供みたいにはしゃぐ(しかも乗り切れない)…みたいなすごく生生しくて良い演技だった。それにしても相手方の櫻井がまた出汁の効いたいい演技をしていた。正直最近の櫻井にはどことなく勢いを感じていませんでしたが、素直にW射精です。

 

日笠陽子(源内あお)『フレームアームズ・ガール』

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日笠陽子って面白い感じになったよね…というのを去年の『New game!!』の八神コウぐらいから感じていたが、それはもともと日笠がテン年代前半にツンデレヒロインを演じまくっていたので、 篠ノ之箒(『インフィニット・ストラトス』)みたいな棘のある生硬でありがちな演技に固執していた(ので筆者は嫌いだった)ところに、いきなり甘さを取り入れた柔軟な演技にシフトしてきたからよ。普通は年食うと渋くて大人な感じの演技に行く所を、日笠は逆のルートを通って甘さ多めにしてきた結果、どっちでもいけるかなり強いタイプの声優になったと思う。それがこの源内あおの演技で、他の若い新人声優に比べても声のトーンがめちゃくちゃ高い上に感情表現がとても上手い。この結果、今年の南禅寺玉蘭(『有頂天家族2』)の演技なんかでも、上記の生硬なツンデレヒロイン一本槍の頃にはできない柔軟な感情表現が可能になっている。

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これが成長か…と同時に一時代を風靡した声優でもこれだけ伸びしろってあるんだなぁと感慨深くなったりした一年だった。

 

中村悠一(滝谷真)と小野大輔(ファフニール)『小林さん家のメイドラゴン』

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 これは、メイドラゴンってなんか上手い場面あった気がする…って思い出して出てきたのがこの二人が半分だけ登場する六話だった。これってアニオリなんだけど、言っちゃうと原作者のクール教信者が『旦那が何を言っているかわからない件』の男同棲版なんですよね。声優の演技として紹介していいのか悩んだんだけど、男同士で同棲して、ものすごい近くで生活しながら他人の自由やプライバシーに極力干渉せず、しかし気遣っていることは常に伺わせるっていう絶妙な距離感の描写がうまいなぁと思った次第。そしてこのファフニールって奴がそういう距離感でのみ慰撫されるようなめんどくさい存在なんですよ。やっぱ別に声優の演技部門じゃない気がするが、この声優二人よく共演してるんだけど今回はなんか阿吽の呼吸感がそれ以前のどの作品よりもあってたのが、なんかしみじみした覚えがある。

( 2018年1/11追加)

早見沙織(アタランテ)『Fate/Apocrypha』

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 元々は理知的な戦士だったが、敵の精神汚染的なのを受けて、元々持っていた性質が暴走してしまって狂化した状態を早見沙織が好演していた。とはいっても、元々の願いが「すべての子供たちを幸福に」みたいなピュアでケアでありながら節度をわきまえたものだったわけだが、死んでしまった子どもたちに引きずられて願いが合理的な部分を超えてしまったのねん。

そしてこの部分の演技が本当に壮絶で、母性がひっくり返って恨み節になった祟る女のジャパニーズホラー的な恐ろしさをビンビンに感じて生理的な恐怖すら感じる。早見さん自体普段は理知的な幼馴染なんだけどあるラインを超えるとちょっとONRYO系になる感じあるよね。というわけで是非元祖祟り系女子である源氏物語の六条御息所とか演じて欲しい。

他。

 

出演者全員うまかったよね部門

・ひなろじfromLuck and Logic

・にゃんこデイズ

・兄につける薬はない!

・此の花綺譚

 

こいつ今年ちょっとうまくなったよな部門

浪川大輔(宝蔵院胤栄)『FGO』

 

・こいつめっちゃ上手くなってない?部門

川澄綾子(セイバー)『Fate』

具体的に言うと最初期のエクスカリバー⤵⤵⤵はマジで鞘から抜け落ちそうなテンションだったけど、年数を重ねるごとに弾道がホップしている。

 

解散です。だが、なんか足りない気がするので数日経って確認すると追加しているかもしれない。

 

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