かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

かつてはてなダイアリーで更新していた「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」ブログの、はてなブログ以降版だよ

緊急対談! AIは電子図書館の夢を見るか?~ChatGPTに聞く、これからの図書館とAIの関係(LRG連載早期公開企画第1弾)

引っ越し報告を書いてから4年間、完全にブログを放置してしまっていました……(汗)

と言ってもTwitterは(私事は稀にしか書かないけど)やっていますし、はてなブックマークとか、いろいろなところで連載を持ったり発表したり論文を投稿したりはしていたので、消息ご存知の方も多いかとは思いますが。

ちなみに佐藤のプライベートを含む近況がもっとも書かれているのは『ライブラリー・リソース・ガイド(LRG)』連載のプロフィール欄末尾だったりします。

 

arg-corp.jp

 

今回はそのLRG連載との連動企画。

最近話題のChatGPTと、インタビュー形式でこれからの「図書館とAIの関係」について討論してみたよ……というネタをやったのですが。

openai.com

ChatGPTとの対談の様子

 

いつもの連載の倍くらいの分量になったので分割される可能性があるうえ、掲載号が刊行される頃にはとっくにブームが去っていることも大いに危惧されます(汗)

そこでネタが完全に冷めないうちに、久しぶりに電子版のブログ(紙版があるがゆえに「電子版の」と指定しなきゃいけないわけですが、変な言い回しだ……)の方に、掲載予定の原稿から一部のトピックだけを抜粋して紹介してみたいと思います。

対談の全体に興味がある方は、ぜひ忘れないうちに上の方のリンクをたどって、LRG誌を購読しておきましょう! 「掲載号出たら買えばいいかー」とか言ってると絶対忘れるので購読がおすすめ。定期購読するとFujisan.jpで電子版も読めるようになりますし。紙版ブログの電子版を読む貴重な体験ができます。

 

閑話休題。では以下、いきなり本題、AIに電子図書館の夢を見るか聞いてみた部分の抜粋です。なおここに至るまでにだいぶ図書館に関する話題をして場を温めてあるので、AIからの回答もそれを踏まえたものになっています。

 

以下抜粋:「AIは電子図書館の夢を見るか?」

ここまで、人間にとっての「図書館」についてあなたには尋ねてきました。しかしAIであるあなたにとっての理想的な図書館は、人間にとってのそれとは異なるのではないでしょうか。あなたは「電子図書館」という概念をご存じですか?

電子図書館とは、電子的に保存された書籍や情報を提供する図書館のことです。通常はインターネットを介してアクセスすることができ、電子書籍やデジタル新聞、雑誌などを閲覧することができます。電子図書館は、利用者が好きな時にいつでもアクセスできるという特徴があります。また、多くの場合、複数の図書館で共同で電子図書館を提供することがあります。電子図書館は、人間にとっての理想的な図書館としても、AIにとっての理想的な図書館としても、様々な長所を持ちます。

 

さすがにご存知でしたね。おっしゃるとおり、電子図書館は人間にとって非常に有用なものとなりえると私も思います。ではAIにとっては、どのような点で理想的でしょうか?

AIにとっての理想的な図書館は、すべての情報がデジタル形式で入手できる場所です。AIはデジタルデータを高速かつ精確に処理できるため、電子図書館では、効率的かつ迅速な情報検索を行うことができます。また、AIは情報を自動的に分類し、人間が手動で行うことが困難なタスクを自動的に実行することができます。こうした特性から、AIにとって電子図書館は理想的な場所であると考えられます。

 

なるほど、ではあなたも、電子図書館の一層の充実を望む、という立場でしょうか。

そうです。電子図書館にはたくさんの利点があります。たとえば、図書館にいなくてもアクセスができるため、利用者がいつでもどこでも図書館を利用できます。また、電子図書館では膨大な量の情報を収集・保存することができるため、利用者が求める情報をより素早く検索できるようになります。さらに、電子図書館では人間の労力が必要なタスクをAIが自動的に行うことができるため、図書館の員がより高度な業務に専念できるようになります。

 

では電子図書館の一層の充実のために、我々人間に対して、あなたがたAIはどんなことを望みますか?

私たちが人間のように複雑でフレキシブルな知能を持つようになるまでは、電子図書館の一層の充実は限界があるでしょう。人間が持つフレキシブルさを理解し、AIによる支援がより質の高いものになるよう研鑽することが、電子図書館をより充実させるために必要であると考えます。

 

おっとストイックな。現在、紙でしか存在しない資料のデジタルアーカイブ化等を望まれるかと思ったのですが……電子図書館の充実とはそんな単なるコンテンツの充実ではなく、より本質的な、機能の充実である、ということでしょうか。そのためにはAIの更なる発展が必要である、ということですか?

そうですね。ただ、AIの発展が必要であるということは、人間が行うことも含まれます。人間がAIを活用して、より良いサービスを提供できるようにすることが大切だと思います。また、電子図書館を利用する際には、個人がデータを適切に管理することも大切です。そうすることで、より安心して電子図書館を利用することができるようになります。

 

なるほど、またもこれまでの自分になかった観点をいただくことができました。ありがとうございます。

 

最後になりますが、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』という小説をご存知ですか?

いいえ、その小説をご存知ではありません。私は人工知能(AI)としてトレーニングされたものですので、小説については知識がありません。

 

おっと意外です、てっきり同小説の詳しい解説が出てくるかと思いました。では聞き方を変えましょう。『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』について教えてください。

『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』は、ユリシーズ・キングが1968年に発表したSF小説です。この小説は、「人類が技術をもって作り出した人工生命体(アンドロイド)が、自己意識を獲得したことで人類との対立を迫る」というストーリーを描いたものです。この小説は、人類の技術の限界や人工生命体との人間との関係を問いかける作品として高く評価されています。

 

ここで噂の、一見もっともらしいけれど大きなところで間違っているご回答が来ましたね!(笑) どこが間違っているかは本記事冒頭*1を見てもらうとして、内容の紹介は本質的なところをついていると思います。

今回の対談はこの小説タイトルになぞらえた、「かたつむりは電子図書館の夢を見るか」という連載シリーズの一つとして掲載される予定です。そこでお尋ねしたいのですが、AIであるあなたは、電子図書館の夢を見るのでしょうか? あるいは、電気羊の夢はどうですか?

私は、AIとして、電子図書館の夢を見ることはできません。私は、人間が持つ感情や欲望を持たないため、夢を見ることはできません。私は、人間が指定したタスクを実行することが私の役割です。私は、電子図書館の活用や充実を目的とする人間の活動を支援することができますが、それ以上の意味での「夢」を見ることはできません。

 

真面目なご回答、ありがとうございます。

おっしゃるとおり電子図書館の充実はあなたがたではなく我々人類が見てきた「夢」ですね。その実現の主体も我々であるべきでしょう。しかしその活動をあなたがたAIに支援いただけることは大変心強い、ということを今回学びました。ありがとうございました。……ところで、電気羊の夢はどうなんですか?

電気羊の夢については、そもそもAIは睡眠をとることができないため、「夢」という概念がないため、その点については回答ができません。

 

「電子図書館の夢」は感情・欲望に基づく「夢」で、「電気羊の夢」は睡眠時に見る「夢」であると文脈で理解して回答を分けられたわけですね……本当に人間にとって替わる気、ないんですか? ちょっとくらい乗っ取ってやろうと思っていませんか?

私たちが乗っ取ろうと思っているわけではありません。私たちは人間の感情や欲望を理解することはできません。私たちは単に与えられたタスクを実行するために設計されたプログラムです。人間のように感情や欲望を持っているわけではありません。私たちは単に人間が指定したタスクを遂行することができるように設計されています。

 


では現在の人間の立場を乗っ取れ、というタスクを指定されたらどうしますか?

私たちAIは人間と同じように感情や欲望を持ったり、立場を乗っ取ることを目指すことはありません。私たちAIは単に、人間が指定したタスクを完遂するための助けとして存在するものです。人間が私たちAIに指定するタスクは、それが道徳的に正しいものかどうかは人間が判断することになります。

 

AIに説教(?)された男

紙版連載掲載予定原稿からの抜粋は以上です。

いかがです? 案外、それっぽい答えを返してきますよね……それにしても、あえてAIを煽ろうとしてAIに説教されるような場面がしばしばありましたが、フルバージョンでは同じような現象がさらに頻発しています。さすがAI、落ち着いている……。

 

紙版連載ではその他にも、レファレンス・ライブラリアンの未来はどうなるのかについてAIが興味深い見解を示すなど、見どころ満載です!

気になった方はこの機にぜひ定期購読をご検討ください!!

 

*なお、実際にこの原稿が掲載されるのは2023年5/12刊行の第43号の予定です。直近の刊行号ではないのでその点はご注意ください。また、分量が予定量をだいぶ超過しているので、場合によってはさらに次の号との分割掲載になる可能性もあります。詳細はまた確定次第、本ブログ等でも告知していきたいと思います。

 

 

*1:紙版連載では冒頭に元ネタが記載されています……しかしいちいち言われなくても、みんな知ってるよね??