教基法施行but再生会議は迷走、民主党はきちんと野党共闘の体制作りを!
2006年 12月 23日
22日、改正教育基本法が公布、施行された。
ただ、この基本法だけでは、教育の現場がそう大きく変わることはないだろう。
<強いて言えば、保守系の好調や教師が愛国心的要素のある指導、教育がやりやすくなる
かも知れないけど。>
実際には、これから作られる教育関連の法律、命令(政府や省庁が出す規則みたいな
もの)、通達、そして学習指導要領などが、教育現場に関わる具体的な事柄を決めて行く
ことになる。
<しかも、改正基本16条では、教育は法律に基づき行なうものと規定され、政府側は
学校や教員が上述の法律等を遵守することを強く求める方針である。>
だから、私たちはこれらをしっかりウォッチしていかなければならないと思う。
ただ、幸いに(?)安倍氏&仲間たちが提案していた施策は、そう簡単には実現しそう
にない感じだ。というのも、彼らは、教育再生会議に答申を出させることによって、法案
作りを進めようとしていたのだが、教育行政の主導権を保持したい文科省の抵抗によって、
思うように提言がまとめられずにいるようなのだ。
<官邸主導は、税調に続きピンチか?!(・・)>
朝日新聞22日は『「まるでヒトラー」 迷走続く教育再生に有識者委員反発』<*1>
というものものしいタイトルで、教育再生会議vs.文科省の様相を伝えている。
今の状況では、安倍首相が熱心だったバウチャー制度や大学9月入学制度は、答申には
まったく盛り込まれないようだ。
教員免許の更新制度に関しては、もともと中教審でも提言されており、文科省が法案
作りを進めていたので、採用されることになると思われる。ただ、これも文科省は「10年
毎に30時間の研修で更新」、再生会議側は「5年ないし7年、不適格教員はすぐに免許
剥奪」と開きがあり、まだまだもめそうな感じがある。
<教員免許を5年と主張する一派には、憲法改正やその後を考えて、国旗、国歌への
態度がよくない教員、反戦・反政府的な言動をする教員(早く言えば日教組の教員など)
を早めに排除したいという意向を持っている者もいると言う。>
色々なやりとりを見ていると、文科省の方が、再生会議よりは、まだ何倍も教育の現場
をわかっているし、現実的な考え方をしているようなので、官邸への抵抗勢力として期待
したいと思う部分がある。
ただし、ある意味ではもっとコワイのは、文科省が出す省令や通達、自治体の通達
などや学習指導要領の改訂だ。これらは、法律ではないので、内部で作ることができて
しまうからだ。
たとえば、あと2~3ヶ月ほどで卒業式シーズンにはいるが、東京都のような国旗、
国歌に対する指導(処分つき)の通達が、国として、または全国の自治体単位で出される
こともあり得る。
東京都の通達の場合、今年10月の地裁判決では教基法の「不当な支配」に当たると
判事された<旧・教基法では「不当な支配」は国や政府の強制を意味したので)。
改正基本法では、伊吹文科大臣いわく「『不当な支配』は法律に基づかない思想団体
などの教育への介入を指す」という解釈で立法されている。この解釈に沿えば、学習
指導要領に国旗、国歌の指導が明記されている以上、その指導や通達内容の実行を教員
に強制し得ると主張がなされることが考えられる。
<だからと言って、処分までしていいかどうかというのは、話が別なのだが。>
このような施策は、表から見えにくいだけに、メディアや野党がきちんと機能して
問題があれば、きちんと国民に伝えてくれるようにして欲しいと願っている。
* * * * *
教基法のことを考えると、つい民主党のことを思い出してしまう私なのであるが。(--)
実は20日に鳩山幹事長が、共産党が民主党を批判したことに対し<コチラ参照>
「共産党との共闘関係はもう一度根底から考え直さないといけない。共産党を除いた協力
関係という話になると思う」との発言をしており<*2>、私はこれで野党共闘がうまく
行かなくなるのではないかと危惧する部分があった。
<もともと鳩山氏&仲間たちが、共産党は好きじゃないから、組みたくないんだよね。
国民新党もそうらしいのだが。^^;>
でも、民主党を批判しているのは、共産党だけじゃない。社民党の福島代表も「体たら
くがあった。残念で心外」と批判。国民新党の亀井代表も「民主党国対幹部の総入れ替え
を要求したい」と発言している。<*3>
また、マスメディアでも、民主党の曖昧な対応への批判や疑問がかなり見られた。
民主党の教基法や防衛省昇格法案への対応の仕方にも疑問を覚えた人は少なからず
いるだろうし、何より教基法改正の参院の審議、議決の際に民主党の国対の動きがおか
しかったことから、他の野党の信頼を失ってしまったところがあるからだ。
一部では、参院民主党は自民党の国対と委員会の審議や採決に関するシナリオ作りを
していたという話も出ていた上、徹底抗戦する約束だったのに、参院で首相の問責決議
案を出すのも拒否してしまったのである。
<それこそ民主党の高木国対委員長が「参院の国対が言うことをきかない」(TVで目撃)
となげいていたほどだった。>
こんな風だと、来年の1月から始まる通常国会でも、またギクシャクすることがあった
ら困るな~と思ってたら、いい記事を見つけた。
『民主党の菅直人代表代行が来年の通常国会で、国会対策の総指揮をとる見通しになった。
民主党は臨時国会での改正教育基本法審議への柔軟姿勢をめぐり、他の野党から「体たら
く」(福島瑞穂社民党党首)と批判を浴びた。来夏参院選へ向け、与党との対決姿勢を
鮮明にするためにも「戦う国対」の立て直しが急務となっている。<毎日23日>』
もうあと参院選まで7ヶ月しかないのに、そんな風にもめているヒマはないのだ。
小沢代表は、あくまでも4党共闘で行くと言っているのである。そのためには、まずは
1月からの通常国会できっちりと野党共闘の基盤を固めて行かなければならない。その
途中で野党間でギクシャクして、参院選の共闘体制にヒビがはいることがあれば、自民党
の思うツボである。<当然、自民党はそれを狙って来るだろう。>
菅氏であれば、社民、共産党の意向も理解できるので、うまく4党を連携させて、自民党
との対決姿勢を明確に示すような国会対策ができるのではないかと期待する。そして、
何とかいい形で統一地方選を乗り切り、参院選で気持ちよく野党共闘ができるように、そし
て与党を過半数割れさせられるように頑張って欲しい。
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『「まるでヒトラー」 迷走続く教育再生に有識者委員反発<朝日新聞22日>
安倍首相直属の教育再生会議(野依良治座長)が21日の総会で提示した第1次報告
の原案には、教育委員会の見直しや不適格教員の排除などの具体策がほとんど盛り込まれ
なかった。原案の作成は「実現可能性」を重視する事務局が主導したものだが、「独自色」
にこだわる有識者委員は「我々の意見が反映されていない」と猛反発。来年1月のとり
まとめに向け、首相の指導力がここでも問われている。
「まるでヒトラーのようだ。事務局の案と私たちの言っていることが全然違う」
劇団四季の代表である浅利慶太氏は総会後、吐き捨てるように言い、首相官邸を後に
した。原案作成が、官僚中心の事務局の「独裁」で決められたとの受け止めで、不満が
収まらない。
浅利氏ら17人いる有識者委員の一部と事務局が参加し、素案や原案を練り上げる運営
委員会では「あきれるくらいのスピードで教委を全面的に見直す」「文部科学省が用意
する教員免許更新の法案にストップをかける」との意見が相次いでいた。
しかし、教委については、11月30日に示された素案にあった「教育委員に保護者
代表を任命」「教育長は教職経験者に偏らせない」などの具体策は、原案では姿を消し、
「今後の検討課題」に。「学校再生」をテーマとする分科会に出席した有識者委員の間
では文科省の準備する免許更新制だけでは不十分との意見が大半だったのに、不適格
教員排除の具体策は盛り込まれなかった。
当初の素案に盛り込まれた「ゆとり教育の見直し」の文言も消えた。歴代文相・文科相
の決定を否定しかねないだけに事務局が配慮した。大半の委員が賛同した「教員の量の
確保」も「予算の裏付けがない」と事務局が難色を示した。
第1次報告の素案や原案は、総会や分科会での各委員の発言をもとに事務局がたたき台
をつくり、運営委員会で意見を言い、事務局が書き直す――を繰り返し、最終的には事務
局がまとめた。
21日の総会は「百家争鳴」状態で、ワタミ社長の渡辺美樹氏は「我々が話し合った
ことが(原案で)触れられていない。会議を報道陣に公開し、そこで総理が判断するなら
納得できる」と首相に「直訴」。首相は「みなさまの意見をまとめるのは大変な作業だが、
だんだん収束していくと思う」と、理解を求めざるを得なかった。
その首相は今月6日、再生会議座長代理の池田守男・資生堂相談役らとの会合で、
「教育改革の意見は出尽くしている。実行できるかどうかだ」と強調したという。有識者
委員には「もっと再生会議の独自色を」との思いが強いが、事務局はこうした首相の姿勢
を盾に「立派な作文をしても、実現しなくては意味がない」とかたくなだった。
事務局は政策決定過程を熟知する官僚出身者が仕切る。教育改革には、与党の文教族議員
や文科相の諮問機関の中央教育審議会、規制改革・民間開放推進会議などが絡むため、慎重
になりがちだ。伊吹文科相も21日、「皆さんがおっしゃったことを国会に出すか、まず
行政が判断する。その上で立法の判断がある」とクギを刺している。
一方、再生会議担当の山谷えり子首相補佐官は21日の原案について「おおむね方向性は
了承された」と述べたが、担当室長に抜擢(ばってき)されたヤンキー先生の義家弘介氏
は「ペーパーは提出されただけ。たたき台のたたき台」と食い違いも見せる。
首相が掲げる官邸主導が機能しているとは言えない状況だ。』
『社民党の福島瑞穂党首は20日の記者会見で、臨時国会終盤で安倍晋三首相の問責決議
案提出を拒否した民主党の国会対応について「体たらくがあった。残念で心外」と改めて
批判した。「社民党が議席を増やすことこそ政治を変えるという確信はますます強まった」
とも述べ、来夏の参院選では野党共闘より独自性を重視する姿勢を強調した。
国民新党の亀井静香代表代行も同日の会見で「民主党国対幹部の総入れ替えを要求した
い」と発言。共産党の志位和夫委員長も19日の会見で「民主党は小沢一郎代表の下で
(与党との)対立軸路線を打ち出したが、その中身は何も見えない」と述べており、野党内
は民主党に対する不満さめやらぬ雰囲気だ。<毎日新聞20日>』
『民主党の鳩山由紀夫幹事長は20日、時事通信社のインタビューに応じ、来年の通常
国会での野党連携について「共産党との共闘関係はもう一度根底から考え直さないといけ
ない。共産党を除いた協力関係という話になると思う。基本的に選挙で協力することも
ない」と述べ、選挙協力を含め、共産党との共闘関係を解消することもあり得るとの考え
を示した。
鳩山氏の発言は、志位和夫共産党委員長が19日の議員団総会で「自民党との悪政の
共同執行者という姿が浮き彫りになった」と民主党批判を展開したことを踏まえたもので、
「(共産党は自分たちが)有利な時だけ一緒にやり、そうでない時は大きな野党を徹底的
に攻撃することで存在感を高めている」と批判した。
民主党は先の臨時国会で、共産党と改正教育基本法の成立阻止などで共闘を組んだほか、
11月の沖縄県知事選では野党統一候補を擁立した経緯がある。ただ、小沢一郎代表は
20日の記者会見で、共産党との選挙協力に関して「それぞれの地域で事情が許す限り
やっていきたい」と引き続き連携を模索する意向を示した。<時事通信20日> 』
『 民主党の菅直人代表代行が来年の通常国会で、国会対策の総指揮をとる見通しになった。小沢一郎代表の就任後、裏方に回ることの多かった菅氏だが、来春の東京都知事選への出馬待望論も広がりつつあり、来年は出番が増えそうだ。
民主党は臨時国会での改正教育基本法審議への柔軟姿勢をめぐり、他の野党から「体たらく」(福島瑞穂社民党党首)と批判を浴びた。来夏参院選へ向け、与党との対決姿勢を鮮明にするためにも「戦う国対」の立て直しが急務となっている。
菅氏が国対の前線に出ることは、小沢氏、鳩山由紀夫幹事長との協議で固まった。鳩山氏らと少人数のチームを編成して総指揮をとる方針。菅氏は臨時国会の閉会した19日、党常任幹事会で「安倍内閣の支持率は低下傾向を続けているが、民主党の評価も高まっていない。来年に向けて反転攻勢を」と呼びかけ、通常国会を与党との主戦場に位置づけた。
菅氏といえば、国会で激しく政府・与党を攻撃してきた論客。野党共闘が揺らいだ臨時国会終盤、菅氏は衆院本会議で内閣不信任決議案の趣旨説明に立ち、約1時間にわたり安倍晋三首相の批判を展開。ヤジが聞こえる間は演説を止めて与党席をにらみつけるなど「ケンカに強い」存在感を印象づけた。
相変わらず菅、鳩山両氏らが「党の顔」を続けることには中堅・若手を中心に反発もあるが、来年は菅氏の言動に注目が集まることになりそうだ。<毎日新聞23日>』
浅利慶太氏の発言らしいですね。どの人が「まるでヒトラー」 なのでしょうか。ほぼ、仲間内の方々の委員会ですのに。
大歓迎ですが、ほんとうに、無駄な(有害な)事ばかりです。
先日はコメントありがとうございました。自分の記事で書きましたが、私も「今のところ多数派?」の人たちに挑戦状を叩きつける事に決めました。簡単に言えば、人気ブログランキング・政治部門に参加します。
キツイ言葉は吐いたけど、記事の書き方は変えませんけどね。この事だけお知らせしたくておじゃましました。ちなみにこの後忘年会(私は酒なし)→朝勤です…。
レスが大変遅くなってしまってすみません。m(__)m
<1回書いたのですが、アップする前に、PC不調でボツに
なってしまったです。>
本当に再生会議は、どちらがヒットラーかわかりません
よね。近時でも、不適切な教員はすぐに免許剥奪、出席停止
で懲戒とか、塾禁止とか上から強制、抑圧する教育法ばかり
考えている感じで。
この人たちだけには、教育政策は考えて欲しくないと
思ってしまいます。
レスが大変遅くなってしまってすみません。m(__)m
<1回書いたのですが、アップする前に、PC不調でボツに
なってしまったです。>
伊東さんも、政治ブログ仲間ですね~。(~~)/
私は彼らが世間でも多数派だとは思いません。
伊東さんだって、そう思ってるでしょ?
私の周囲の自民党支持者でさえ、あんなことは
考えていない人が多いですもの。私には何かフィク
ションの世界のようにさえ見えてしまうです。
さて今年もあとわずか。身体に気をつけて、よい
お年をお迎えください。
そして、これからも頑張って行きましょうね。(^^♪