いつか愛せる

DVのその後のことなど

こんな体位変換テクニックもあります

 前回の記事で、要介護者の階段を上る手伝いのことを書きましたが、もうひとつ思い出しました。これも義両親の介護があったころでしたが、実は夫のために教わった一般的ではないテクニックです。

◆夫の状況 今はかなり元気ですが、当時の夫は原因不明の不具合でしばしば動けなくなりました。元々うつぶせに寝ることが多いせいか、私が急いで帰宅すると、死んだようにうつぶせで固まっていることがあります。顔が布団に埋もれていれば呼吸できるのか不安になるし。腕が胴体の下敷きになっていれば「痺れてしまうかも?」と不安だし。床に倒れていれば「凍死しない?」「首は痛まない?」と不安でした。声をかけると反応はあります。その姿勢で何か話されても、下を向かれていると聞き取れません。これが非常に困りました。

(クリスマスローズの花言葉は「私の心配をやわらげて」「追憶」「慰め」など)

◆仰向けにしたい 寝返りをうたせることの何たる😞難しさ。腕を引っ張るのはまったく駄目でした。肩を持ち上げようとしても頭の重さがあります。呼吸できなくなるのが心配で、早く上を向かせようと私は焦り、夫の首を傷めそうになりました。彼の体重は軽い方ですが、それでも私の力では動かせません。私は「見た目より腕力あるね」と言われますが、必要なのは力よりテクニックですね。ある人が、寝返りさせる方法を教えてくれました。

◆隣に横になる 私が教わった方法は、介護ではあまり使われていないかも知れません。

  1. まず対象のすぐ隣に添い寝するように横になります。
  2. 相手の体の上から抱きつく姿勢になります。自分が相手の上になるので体重をかけないよう注意です。
  3. その格好のまま全身密着して一緒にごろり!と仰向けになります。
  4. 高確率で自分が相手の下敷きになるので、自分の体を引き抜きます。

 ここまで恐らく体重の10分の1くらいの力で出来ます。相手の協力は不要で脱力している方がやりやすく、抵抗されると動かせません。

◆問題 家族なら気になりませんが、他人だと😓抵抗ありますね。抱きついて密着してごろんとしますから、異性だとなおさら大変。それにベットの上でこの寝返りをやると、ふたりともドスンと落ちてしまうでしょう。そもそも介護ベットだと、柵があったりして隣に横になるスペースも足りません。我が家のように、お布団や床にうつ伏せで倒れている人限定のテクでした。

 ヘルパーさんには別のテクがありそうだと思ったら、検索で解説動画やイラストがたくさん見つかりました。そちらは密着しなくても大丈夫です。ただ細かい知識も道具も無しで、相手の意識がなくても出来る点では、私が教わった方法は優れていると思います。