株式分割とは みんかぶ編集室 2021.10.29 (2021.10.28公開) 株初心者入門講座 ひとこと解説 株式分割をした割合に応じて株価は下落する1株を細かく分割すること(1:2、1:4など) 詳しく解説 株式分割とは、1株をいくつかに分割を行い発行済み株式総数を増やすことです。株式分割を行うと株数が増えますがその反面、分割を行った割合に応じて株価は下がります。 このため、時価総額が同じ場合、株価は株式分割を行った割合に応じて下落していきます。たとえば、株式分割の割合が1:2の場合、株式数は2倍になり株価は2分の1になります。1:4の場合は株式数は4倍になり、株価は4分の1へと下落していくのです。 目次株式分割の目的株式分割の権利を受け取るには株式分割が株価上昇を招くとは限らない?まとめ 株式分割の目的 株式分割の目的は主に3つあります。 流動性を高めるため上場する市場を変更する準備のため配当や株主優待の方針を変更するため 1.流動性を高めるため 株式分割をすることで株価が安くなり、投資家にとって株が買いやすくなります。同時に売りやすくもなるため、売買が活発化するのです。そのように株主数が増え、流動性が高まると株価の安定にもつながります。 2.上場する市場を変更する準備をするため 東証マザーズから東証一部へ変更するというように、上場している市場を変更するときには、「株主数」や「流通株式数」に一定の基準が設けられています。その基準を満たすために、株式分割を行う企業もあります。 3.配当や株主優待の方針を変更するため 株式分割が行われても、1株あたりの配当金に変更がなければ、実質増配ということになります。また、株主優待についても同様に、分割前と内容に変更がなければ、従来よりも多くの優待がもらえることになります。 株式分割の権利を受け取るには この株式分割の権利取りを行うためには権利確定日の最終日の3営業日前までに株式を購入する必要があります。以下のカレンダーをご覧ください。 このカレンダー場合、30日の権利確定日の4営業日前(土曜日と日曜日は祝日のためカウントしません)にあたる24日(木)が権利取り日となります。 つまり分割の権利が欲しい場合、24日までに購入する必要があります。今回の権利落ち日は、25日(金)となります。これが権利取りの行使の仕方です。 株式分割が株価上昇を招くとは限らない? 株式分割は理論的には、時価総額(発行済株式数×株価)を上昇させる要因でも下落させる要因でもないにも関わらず、今まで「株式分割=株価上昇」という認識が一般的でした。それは、主に株式分割により買い需要が大きくなることが多かったからです。 しかし、近年では株式分割をしても株価が上昇しないことも多くなっています。なぜなら、株式分割による買い需要の増加と同時に売り需要も増加しているからです。 例えば、2020年9月に株式分割をしたウエルシアホールディングスは株式分割の発表後、一時的に株価は上昇したものの、株式分割後に株価は上昇しませんでした。 MINKABUより引用 株式分割は必ずしも株価上昇を起こすものではないということを覚えておきましょう。 まとめ 株式分割について解説してきました。 株式分割は本来、株価に対して中立であるため、株式分割による投資家のデメリットは特にありません。 かつては、株式分割をすると株価が上昇する「株式分割バブル」のような状態がありました。 しかし、近年では必ずしも株価上昇を招くというわけではなくなってきています。株式分割が発表されたからといって、よく考えずに飛びつくことのないようにしましょう。