新・怖いくらいに青い空

アニメ・マンガ・ライトノベル考察

2010-01-01から1年間の記事一覧

「普通」と「異常」の境界で―『侵略!イカ娘』が大ヒットした理由

私は以前、注目しているアニメ作品として『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』を挙げ、このブログでも記事にしました(詳しくは、「普通」と「異常」の境界で―『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』が描く「一般人から見たオタク像」を参照)。しかし、実際…

服装から見えてくるキャラクターの深層心理―『けいおん!!』エンディングテーマの映像について

けいおん!!の放送が終了し、かすかな寂寥感にひたっている今日この頃ですが、今回はけいおん!!のエンディングテーマについて考察します。さて、けいおん!!の後期エンディングテーマだったのが、皆さんご存じの通り『NO,Thank You!』という曲です。今日はこの…

「ネウロイ」とは何だったのか―『ストライクウィッチーズ』に見る反戦・反核の思想

はじめに 先日、ストライクウィッチーズ2の放送が終了したが、皆さんは今どのような感想をお持ちだろうか。今日は、作中のウィッチ達が戦った敵「ネウロイ」について考察してみようと思う。あらかじめ断わっておくが、私はここでネウロイの正体とか、ネウロ…

「システム」の「外部」にいるということ―『とある魔術の禁書目録』の上条当麻について考える

今日は、ライトノベル『とある魔術の禁書目録』を13巻まで読んで思った事、特に主人公である上条当麻についての私論を述べたいと思います。さて、主人公というものは普通、主人公を取り巻く何らかの「システム」の内部にいます。そして、バトル物の作品の場…

「固有名詞」を徹底的に排除する特殊な構造―私が考える『けいおん!』最大の特徴とは

今日は、私が日ごろ『けいおん!』について思っている事をまとめて見ようと思います。結論から言えば私は、この作品の最大の特徴は徹底的に「固有名詞的なもの」を排除しているところにあると思っています。ここで言う「固有名詞的なもの」とは、「軽音部のキ…

「普通」と「異常」の境界で―『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』が描く「一般人から見たオタク像」

今年、「普通」と「異常」との交流をテーマにしたアニメがいくつか登場しており、『WORKING!!』や『荒川アンダーザブリッジ』がその典型である、という記事をかつて書いた(詳しくは、「「普通」と「異常」の境界で―『WORKING!!』『荒川アンダーザブリッジ』…

アニメにおける挿入歌の役割とは―『けいおん!』『Angel Beats!』の挿入歌の比較・考察

『けいおん!!』と『Angel Beats!』。2010年を代表する両アニメには、一つ共通点がある。それは、キャラクターの心情やストーリーを盛り上げるために挿入歌が多用されていることである。両アニメとも、挿入歌が単にBGM的な音楽の枠を超え、作品に無くてはなら…

それでも「生きることは素晴らしい」と言う究極の「人生讃歌」―『Angel Beats!』私論

2010年、衝撃的な怪作が誕生した。『Angel Beats!』である。この作品が各所で賛否両論を巻き起こし、良い意味でも悪い意味でも2010年前半に大きな注目を集めたことは、皆の知るところであろう。この作品については他のブログでさんざん語り尽くされているの…

「本当に信じられるもの」とは何か―『電脳コイル』に見る物質主義(唯物論)からの決別

全てのアニメを見ているわけではないので断言は出来ないが、おそらく『電脳コイル』は2007年のテレビアニメにおける最高傑作である。独創的な世界観と美しい作画、魅力的なキャラクターと声優達の名演など、良い所を挙げていてはきりがないが、今日は第24話…

誰かの犠牲の上に成り立つ平和とは―『イリヤの空、UFOの夏』が描く「日本人の罪深さ」

セカイ系の代名詞とも言われているライトノベル『イリヤの空、UFOの夏』を読み終わった後に、我々が感じるモヤモヤとした思い、やるせなさは一体何に起因するのだろう。もしこの作品が、ただ主人公とヒロインの堅い愛を描いただけの作品だとしたら、こんな感…

「普通」と「異常」の境界で―『WORKING!!』『荒川アンダーザブリッジ』が語りかけるもの

今年、注目すべき2つの作品がアニメ化された。『WORKING!!』と『荒川アンダーザブリッジ』である。この2つには共通点がある。それは「普通」と「異常」とが遭遇することによって起こる出来事を描いているという点である。「日常」と「非日常」、「常識」と「…