最近Twitter眺めたりブログ読んだりしていると、 「伝えたいことがある時は汚い言葉は使わない方がいいんじゃないかなぁ」と感じることが多いです。
自分もブログを書くようになったので、自戒を込めて考えをまとめておこうと思います。
汚い言葉のエネルギーすごい
汚い言葉や過激な言葉の与える印象ってすごく強いです。
政治の話題だと特にありがちなんですが、例えば「老害は引退しろ」とか「馬鹿な政治家に任せてられない」とかよく目にするんですけど、すごく目立ちますよね。主張や印象がどうかは置いといて、とりあえず目立つ。
そう考えると、汚い言葉のエネルギーはやはりすごいなぁと思うわけです。
汚い言葉を使うと伝えたいことがブレる
エネルギーはすごいんですけど、どうも主張が伝わってこないなぁと感じてしまうことが多いです。主張したいことに意識を向けてみるとそんなに悪いことは言っていないのに、言葉の汚さの方に気がいってしまうというか。
感覚的に言うと、話をちゃんと理解する前に 「うわ、なんかこの人怖い」ってなってしまうんですね。
例えば、「戦争は悲しみしか産まない、憲法9条を守ろう!」と言われるとたしかになぁと思うんですが、「憲法9条改正反対!安倍の独裁を許すな!」とか言われると、「この人首相のこと呼び捨てにしてる…」みたいな過激なところに目がいってしまって、主張がいまいち入ってこないです。
汚い言葉や過激な言葉を使うと目立つけど、 伝えたいことがブレてしまうんじゃないかなぁと思うわけです。
伝え方の問題
これは主張そのものが良い悪いという話ではなく、やはり伝え方の問題だと思うんですね。
爆笑問題の太田光さんが「安倍首相はバカ」という発言をたくさんしていて、妻の太田光代さんにちょっと気をつけようよと注意されたという話がありました。
Twitterでも以下のように言っています。
意見以上に相手を言葉で過剰に揶揄した段階で、折角の意見は低いレベルになって無礼です。言葉が大切なメッセージを消すの。
— 太田光代 (@ota324) 2015年4月5日
私が太田光に、何度も繰り返して言葉の注意をしていることは、相手に対しての無礼です。
太田光が、本人も言うような品の無いことからでしょう。が。
まさにこの通りだと思っていて、意見があること自体はすごくいいことなので、せっかくならそれを誤解のないように伝えられる方がいいのになぁと残念に思ってしまいます。
死ねとかバカとかクズとか過激な言葉が入ってしまうと、本当はいいこと言っていても、「なんかこの人嫌な感じだなぁ」となってしまって伝わりません。短絡的で感情的な人なのかなというところに意識が行ってしまうからです。
仕事でも同じく気をつけるべき
仕事でも同じで、 うまく伝えるための言葉のチョイスってすごく大事です。この考えは自分が前職でやらかした経験が元になっています。
4年くらい前、BtoBのシステムを作っていた時のことです。顧客からの問い合わせが1日2,000件くらいあったんですが、それを他の部署の方が人力で担当者に振り分けたり優先度を考えたりしていて、何とか効率化できないかなぁと考えていました。
とりあえず業務がどのくらい大変か実感したいなと思って1日だけ1人で作業をやらせていただいたんですが、最後の方は意識が朦朧とするほど疲れました。
で、翌日メールで「昨日はありがとうございました!身を以て体験して、これは人間のやる仕事じゃないなと思いました。自動化できるところもあると思うのでちょっと考えてみます!」という内容を送ったら、ものすごい怒られたんですね。どういうことかというと 「人間のやる仕事じゃないとはどういうことですか、私たちが毎日やっている仕事に対してそういう言い方をされるとすごく悲しい」ということで。
もちろんそんなつもりで言ったわけではなかったんですが、 「自動化しよう!」という主張よりも「人間の仕事じゃない」という言葉の印象が強くなってしまったわけです。
そもそもヒューマンスキルなさすぎという問題もあるんですが、自分はこの一件から「伝えたいことがある時は、過激な言葉を使わない方がいいなぁ」と感じて発言に気をつけるようになりました。別に伝わらないだけならまだいいんですけど、無意識のうちに誰かを傷つけてしまうこともあって、それは本当に嫌なので汚い言葉はなるべく使わないように意識しています。
戦略的に汚い言葉を使うのはどうなのか
テレビのコメンテーターなんかは、発言を印象づけるためにあえてそういう言葉を選ぶこともあるかもしれません。これはキャラやその場の空気にもよるので、非常に難しいところです。
ブログでも釣りタイトルをつけてまず読んでもらうというやり方がありますね。読んでもらわないと始まらないこともあるので、そういう戦略は大事なことと言えば大事なことです。例えば、「休日に子供と遊びに行かない父親が増えてきた」という記事よりも「ゴルフや飲み会ばかりで子供をないがしろにするダメ親」みたいなタイトルの方がPV自体は増えそうです。
ですが、人を不快にさせて伝わらないことがあるなら、それは本末転倒だと思うんですよね。また、その戦略を実行している人を見てると、 どうも癖になって暴走しやすいんじゃないかって気がしていて、ちょっと危険な気もします。
伝えたいことがあるなら汚い言葉は控えた方がいい
良いこと言っていても 言葉のチョイスのせいで伝わらないのってすごくもったいないです。
例えばベンチャー好きな人が「大企業は時代遅れだ」みたいな記事を書いた時って、本質的には「こういうところはこういう理由で変えないといけないと思う。変えたらより良くなると思う」みたいなポジティブな主張があるはずだと思うんですよね。ですが『時代遅れ』という言葉に気を取られてしまって、「なんだこの言い方は!気に入らない奴だ!」となってしまう。これはすごくもったいないです。
言葉の汚さだけの問題ではないのかもしれませんが、個人的にはやはり汚い言葉や過激な言葉はなるべく使わないようにした方がいいんじゃないかなぁと考えているところです。
最後に、自分が常に意識しているお決まりの台詞で締めたいと思います。
「…あまり強い言葉を遣うなよ 弱く見えるぞ」
以上です。