Konifar's ZATSU

私はのび太の味方じゃないわ、悪の敵よ

『問いかけの作法』がとてもよかった

fukabori.fm で話されていた『問いかけの作法』を読んだ。自分にとってはかなりよかったので、初めての感想文的なものを雑に書いておきたい。

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とにかくよかった。これまで自分もたくさんの会議や1on1、面談などを行い都度反省して工夫してきたが、それらの工夫がほぼ全て"体系化"されてまとめられていた。自分がやってきた/やっていることが6割くらい、残り4割は新しい発見として楽しく読めた。ハンターハンターで言うと、念の六性図くらい見事に体系化されていると感じた。

たとえば質問を投げかけた後に意見が出なそうだったらいくつか具体例を出してあげるフォローアップなども、『列挙法』という名づけをして解説してくれている。カイゼン・ジャーニーの中で紹介されている、意見を5段階で示すファイブフィンガーも、この本の中の『パラフレイズ』という手法と捉えられる。

やっていることに名づけがされると頭の中で整理されて活かしやすい。本に書いてあるので詳しい内容はここでは書かないが、『とらわれ』と『こだわり』、『フカボリ』と『ユサブリ』といった名づけでさまざまなケースをうまく抽象化して整理してくれている。

全体の構成もよいが、抽象と具体のバランスがとてもよい。fukabori.fmの中でも語られていたが、現場で実践しやすい形になっている。特に3章4章は"今"何かしらに課題を感じている人がすぐに使えるテクニックが満載である。

想像しやすい課題としては、MTG中に意見をうまく引き出せないといったものがありそうだが、この本のテーマである"問いかけ"は、MTG以外のさまざまな場で使えて応用が効くと思う。

例えば自分の場合だと以下のケースで色々と役立ちそうだなと感じた。

  • メンバーとの1on1での課題やキャリア指向のヒアリング
  • 他チームやマネージャー、CXOとの期待合わせ
  • 採用面談における対話、採用面接における見極め
  • 組織課題を抽出するグループワーク

何かをリードしたりファシリテートしたりするような立場ではなくても、こういう話を頭に入れておくと視野が広がるのでオススメである。

ガッと書いてきたが、褒めすぎたかもしれない。たぶん人によってはこんなに刺さらない気もする。テクニックに寄りすぎていると言う人もいるだろうし、『レトリック』の解説部分では気持ち悪さを感じる人もいるかもしれない。まあこういうのは全てを取り入れなければならないということではないので、よしなに取捨選択すればよいと思う。

自分がターゲットど真ん中だっただけかもしれないが、こんなに体系化してまとめられる安斎勇樹さんは本当にすごいと思ったし、それまでにどれだけの実践と探求の研鑽を積んできたのかを想像すると尊敬してしまうのだった。ハンターハンターで言うと、ピトーと闘うゴンのもとに駆けつけたときのキルアの心情に近いかもしれない。

いつか実際に話して"問いかけ"られてみたいものである。

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