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古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

国民民主、乙武洋匡氏を自民推薦なら応援せず(毎日新聞)/「支援者に説明つかない」乙武洋匡氏推薦方針の自民内が混乱 過去は「敵側」、女性問題も(東京新聞)

 衆院東京15区補選の件で、ファ◻︎ストの会が擁立予定を発表した乙武洋匡に公明党が難色を示しているという件が報じられたことについて、私はいつものように公明党が一時は何やら言っても、結局最後には組織票を供給するんだろとしか思っていなかったのだが、民民(国民民主党)が思わぬ反応を見せた。昨日まず見かけたのは下記毎日の記事だった。

 

mainichi.jp

 

 以下引用する。

 

国民民主、乙武洋匡氏を自民推薦なら応援せず 衆院東京15区補選

毎日新聞 2024/4/5 17:31(最終更新 4/5 18:47)

 

 国民民主党の榛葉賀津也幹事長は5日の記者会見で、衆院東京15区補選(28日投開票)に出馬予定の作家の乙武洋匡氏について「自民党が推薦を出すような人は応援できない」と述べ、乙武氏が自民の推薦を受け入れた場合は支援を取り消す考えを示した。

 

 乙武氏は、地域政党「都民ファーストの会」の特別顧問を務める小池百合子東京都知事が擁立を公表。榛葉氏は3月29日に「全面的に応援する方向だ」と語っていたが、この日は「今の自民党が応援する方を一緒に応援することは(国民民主党の)都連も望んでいないし、全国(の選挙)に影響を与える」と説明した。

 

 立憲民主党から立候補する元東京都江東区議の酒井菜摘氏の支援に変更する可能性については、「酒井氏が共産党の応援をもらうようだったら、できるわけない。それも含めてしっかりと見ていきたい」と述べるにとどめた。【田中裕之】

 

URL: https://mainichi.jp/articles/20240405/k00/00m/010/139000c

 

 この毎日のニュースは昨日Yahoo! JAPANへの配信で見たが、言を左右にする民民への批判が目立った。小池百合子からの打診なら大丈夫、と軽く見て支援を快諾したところ、思わぬ逆風にたじろいで現在大逆風を受けている自民党のせいにしているが、それがまた見苦しい。

 さらに、乙武には昨年4月の木村弥生前区長を応援していた過去があった。これを問題視しているのが、私が江東区の自民党関係者の中でも特に警戒して敵意を燃やしている例の前々区長の「漢字もろくに読めない」ドラ息子・山崎一輝だ。山崎は当の区長選で木村に敗れた世襲御三家の一人だから当然の反応ではあるが、柿沢や木村ともども自民党の腐敗の象徴ともいえる御三家の世襲政治家であり、かつ柿沢や木村とは違って極右人士だからもっとも性質が悪い。仮に選挙に出て当選したら間違いなく安倍派の議員になるから、この人だけは絶対に国会議員にしてはならない。

 下記東京新聞記事にはその山崎の名前や、山崎に近い江東区の自民党区議らのコメントが掲載されており、彼らの空気をよく伝えている。

 

www.tokyo-np.co.jp

 

 以下引用する。

 

「支援者に説明つかない」乙武洋匡氏推薦方針の自民内が混乱 過去は「敵側」、女性問題も 衆院東京15区補選

2024年4月3日 19時10分

 
 16日に告示される衆院東京15区補欠選挙で、小池百合子都知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」が母体の「ファーストの会」が擁立する乙武洋匡氏(47)を推薦する自民党の方針に対し、地元の党江東総支部や都連で反発や疑問の声が相次ぐ。昨年4月の区長選を巡る乙武氏の言動や過去の女性問題が背景にある。ただ、裏金問題を巡る逆風の中で独自候補を出せる状況になく、苦境が浮き彫りとなっている。(井上真典、三宅千智)

 

◆「木村弥生前区長側の人間には乗れない」

 

 3日、江東区役所で開かれた党江東総支部の会合。元都議の山崎一輝総支部長(51)は区議ら対し、乙武氏を推薦するという党本部の方向性を伝えたという。会合後、山崎氏は取材に「推薦する方向性を伝えただけだ」と話したが、複数の区議によると、異議が続出したという。

 

 取材に応じた区議は「支援者にはどう説明するのか」とし、反発の理由に昨年4月の区長選を挙げた。乙武氏は、当時自民推薦候補の対抗馬だった前区長木村弥生被告(58)=公選法違反罪(買収など)で公判中=の応援演説に立つなど積極的に支援した「敵側」の立場だった。「木村氏側の人間には乗れない」とぼやく。

 

 「党本部が地元の話を聞いてくれないのはいつものこと」という別の区議は、2021年の衆院選での対立を振り返る。地元と都連が公認を求めた候補者が、党員でもなかった柿沢未途元衆院議員(当選後に追加公認、公選法違反罪で有罪確定)と並び推薦となり、「(党本部に)メンツをつぶされた」(都連関係者)。さらに別の区議は「党本部は地元を軽視している」と冷ややかに語る。

 

◆女性問題で「痛い目」にあった記憶

 

 「乙武氏を支援することは、普通の自民党員だったらありえない」。自民都連幹部も苦い表情で語る。自民が2016年の参院選で乙武氏擁立を検討しながら、週刊誌に女性問題を報じられ断念に追い込まれた経緯があるからだ。

 

 小池知事は3月末の会見で、乙武氏の女性問題について「二度と過ちを犯さないということで、誠実に活動していると確認した」と沈静化に先手を打った。しかし、別の都連関係者は「そう見ていない市民もたくさんいる」と漏らす。支援を要請されている公明党の関係者も同様の懸念を示す。

 

 とはいえ裏金問題のあおりで次期衆院選でも苦戦が予想される中、一定の人気を持つ小池知事を「なるべく自民党へのアンチにしないように」という思惑から、乙武氏推薦以外に選択肢がないのが実態だ。都連自体も会長の萩生田光一衆院議員が裏金問題で処分の対象になっている。

 

 昨年末の江東区長選でも自民は、小池知事が擁立を主導した候補を推薦。推薦候補を出し苦戦した今年1月の八王子市長選でも小池知事の応援を仰いだ。都連幹部はこぼす。「一にも二にも小池さん対策。小池さんが『乙武』と言わなければ全くない話だ」

 

  ◇

 

◆選挙には8人が出馬の意向

 

 東京15区補選では、3日に立憲民主党が新人の酒井菜摘氏(37)の擁立を決定。共産党は新人小堤東氏(34)の擁立を発表しているが候補者調整が行われる可能性もある。同日には参院議員の須藤元気氏(46)も無所属で出馬する意向を表明した。

 

 このほか日本維新の会の新人金沢結衣氏(33)、参政党の新人吉川里奈氏(36)、政治団体「日本保守党」の飯山陽氏(48)、元自民衆院議員の秋元司氏(52)が出馬表明している。

 

(東京新聞より)

 

URL: https://www.tokyo-np.co.jp/article/319098

 

 この記事を読むと、公明党と民民が報じられているような態度を取る理由がうすうすとわかってくるような気がする。

 公明党は自民党総裁が安倍晋三だろうが岸田文雄だろうがずっと連立を組んできたから、自民党が乙武の推薦を止めて仮に「党江東総支部長」に就任なさったらしい山崎*1が出ることになる場合、山崎を推す可能性があることも考えて小池と自民の両睨みに出ているのだろう。

 また香川県出身で「大平正芳と同郷」という意識が強い民民の玉木雄一郎は、首相が大平と同じ宏池会の岸田文雄だから特に自民党にすり寄っているのであって、過去に自らを「ニッキョーソ」呼ばわりした故安倍晋三の系列に近い山崎にはあまり乗りたくない。その一方で玉木は希望の党を自らに託してくれた小池は裏切れない。それで民民が「自民党が推薦するなら推薦できない」と言い出したものではないか。

 こうみると、自民党執行部、同江東総支部、公明党、民民、小池百合子の5者の思惑が相当に交錯しているわけで、もしかしたら小池はそれを狙って、あえて去年木村弥生を推していた乙武を選んだのではないかと勘ぐりたくなる。小池にとっては、多少なりとも自民党内がガタガタしていた方が自らが権力を掌握するには有利ではないかと思われるからだ。

 問題は、与党候補がこのようにガタガタしていることに無党派層がどう反応するかであって、当初予想されたような自公民ファ4者連合の鉄板というわけにはいかなくなる可能性もかなり出てきたように思われる。いや希望的観測に過ぎないかもだが。

*1:おそらく柿沢未途の離党あるいは逮捕後に就任したものだろう。仮に乙武が補選に負けた場合、衆院選の本選にはこの山崎が出てくる可能性が相当に高いと思われる。