学研全訳古語辞典 |
ほどろ
わらびの伸びすぎてほうけた穂。
出典方丈記
「わらびのほどろを敷きて、夜の床(ゆか)とす」
[訳] わらびの伸びすぎた穂を敷いて、夜の寝床にする。
ほど-ろ
〔「夜(よ)のほどろ」の形で〕
(一)
(夜が)明け始めるころ。明け方。
出典万葉集 七五五
「夜のほどろ出(い)でつつ来(く)らく遍多(たびまね)くなればわが胸截(た)ち焼くごとし」
[訳] 夜の明け始めるころ(別れて)出てくることが度重なったので、私の胸は切りさき焼かれるようだ。◇上代語。
(二)
【程ろ】時分。ころ。
出典宇津保物語 蔵開下
「翁(おきな)かく夜のほどろに参りて」
[訳] 翁(=私自身)が、このような夜の時分(=夜更け)に参上して。
参考
「ろ」は接尾語。(二)は、中古に入って上代語の原義が忘れられ、「ほど」を「程」と解してできた語。
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