今夜はいやほい

きゃりーぱみゅぱみゅの「原宿いやほい」のいやほいとは何か考察するブログ

二泊三日、高知を食べる。神社にカツオの絵が奉納される街。

 

高知と高松ややこしい問題(そんな問題はない)

徳島から高知に移動をしようとしていた。僕は、高徳エクスプレスの高速バスに乗り込み、スマホをいじっていた。あれ、高知に行くのに意外となんか森っぽい雰囲気じゃないんだなと思ていたら、美容室の看板広告に高松と書いてあるのが目に入った。

 

むむ、高松ってそんなに巨大なんだっけと思い、Googleマップを開き、自分の位置を確認すると、そこは、四国の右上で、高知駅まで数十分という位置であった。あれ?どういうこと?高徳エクスプレスに乗ったのに高松に到着しようとしているではないかと混乱していたのだけど、少し冷静になると、高松も高であるということに気がついた。

 

そうか!高知に行こうとおもっていたのに、僕は、高につられて、高松に到着しようとしているのだ!という端的な事実に直面し打ちひしがれた。僕は高松は何回も行っているのだけど高知に行ったことがなかったので、その辺の認識があいまいになっているらしい。

 

3秒ほど、まじか、やらかしたなあと思ったのだけど、あ、じゃあ、高松で美味しいうどんを食べればなんの問題もないではないか、というよりもむしろこれは幸運なことなのではないか思い直し、僕は、高松でとりあえずうどんを食べることにした。

 

偶然の高松うどんだったが、本当に大変かけがえのないおいしさがあった。

 

そんなこんなで、景気よく出汁サーバーをひねって、うどんを食べ、高松を発ち、もうひとつの高、高知を目指した。高知は今まで行ったことが無く、あまりイメージがなかったのだけど、かなり鬱蒼した山の中を電車が突き進んでいくので驚いた。四国出身の人に、徳島は大阪とかと近い、香川は岡山、愛媛は大分も広島も近い、しかし高知というのは、四国の中でも独立性の高い文化圏なのだと講義をうたれたことがあったのだけど、木々の中を駆け抜ける土讃線は確かに、そんな印象を掻き立てるような感じがあった。


 

無事、高知に到着した。高知駅を出ると、路面電車がちょうど到着したらしく、駅の前にちょこんと停まっていた。路面電車がある街というのは、だいたいいい街である。

 

 

酒飲みの聖地、ひろめ市場では皆がビールを飲んでいた。

 

到着したのが14時すぎだったので、とりあえず昼ご飯を食べようと思った。ひろめ市場という所が観光客に人気であるということを知っていたので、そこでご飯を食べることとし、路面電車に乗り込んだ。

 

 

しばらくすると、高校生たちががっと乗り込んできた。驚くべきことに、みな、参考書を開いて勉強している。高知の高校生は勤勉であるらしい。僕は、参考書を眺める高校生集団に取り込まれながら、煩悩を全開とし、さて、いの一番、何を食べるべきだろうか、いきなりカツオか?カツオは結局どこかで絶対に食べるので、もっと変化球で攻めるべきなのではないかなどと思案した。

 

ひろめ市場は、さすがにピークの時間帯を過ぎていたので、やや落ち着いている様子だったが、それでもけっこう人がいた。

 

 

市場に入ると、いたるところにテーブルと椅子が据えられており、出張中なのか同い年くらいのスーツの女性が、スーツケースをわきに寄せ、デカジョッキを鋭敏な角度に傾けて、ぐびんぐびんとビールを飲んでいた。ビール会社はこの女性に広告に出てもらう必要があるのではないかというような飲みっぷりであった。どうやら、酒飲みの聖地に踏み入れてしまったらしいと僕は悟った。

 

 

とりあえずひろめ市場を一周してみた。美味そうなものが大量にあった。前段検討の通り、カツオの刺身は、のちにとっておくこととして、土佐巻きなるものがあったので買ってみることにした。カツオがよい弾力で、噛むとカツオの独特のうまみが広がっていく。中には薬味が挟まっていて、飽きさせない感じがある。くちいっぱいに頬張る巻きずしというのは幸福である。そして、ビールを飲む。うまい!

 

 

つぎはウツボの唐揚げだ。この量にしたら、なんか高いような気がしたのだけど、相場が不明なので気にしないことにした。どんな味なのかとおもいつつ食べてみると、わりとあっさりした味で、衣の塩気がいい感じに仕事をして、ビールが進んだ。

 

 

ここでは、老若男女を問わず、誰もが昼から、気の向くままに酒を飲んでいる。高知はどうも寛容な空間のようだ、などと周りと観察しながら、デザートに文旦をつまんだ。

 

 

ジブリの「海が聞こえる」の舞台になった街

半年ほど前、渋谷の映画館で、映画「海がきこえる」を見た。平成初期の物語って、こういうことで怒ったり笑ったり泣いたり悲しんだりしていそうだよねという時代の感性と、ひと昔前の街並みの醸す雰囲気が、平成生まれとしては何ともたまらなく、胸がいっぱいな気持ちになってしまった。

 

海がきこえる - スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

 

せっかくの機会なので、舞台となった高知の街並みを歩いて回ることにした。

 

 

高校生たちがわらわらと乗り込んでくる。席につくと、参考書を開いて、黙々とそれを読みふけっている。またもや、高知の高校生の勤勉さを目撃した。これは偶然ではないのかもしれない。

 

路面電車というのは、風景ゆるゆると過ぎていくので車窓から外を眺めているだけでも、よい観光になる。

 

 

葛島橋東詰という駅で降りた。

 

 

ここから国分川沿いに歩いていく。

 

 

階段をあがると視界が開けた。川幅は大きく、風も少ないので、水面はつややかである。長く続く、川のへりの道を歩いていく。

 

 

ぴょんぴょんと魚が水面から飛び出してくる。なんの魚なのだろう。頻度が無暗に高いので、目が奪われる。ある魚がぴょこっと飛ぶと、それに反応するかのように、15メートルくらい離れたところで魚が飛ぶ。それが連鎖するように、あちこちでぴょんぴょん飛んでいるのである。なんとなく景気がいい感じがしてきた。

 

 

川をひたすら歩いていくと、護国神社があるのだけど、そのあたりが、映画で出てくるエリアのようだ。

 

 

護国神社にも行ってみる。あんな戦争の影を1ミリも感じない映画のちょっと裏には護国神社があるというのもなんというか不思議な気がするものだ。戦死者の方々の名前がたくさん刻まれていた。

 

 

確かに、海がきこえるに、こんな感じの坂道がでてきていたな。ここからは潮騒は聞こえないけれど気持ちの良い感じの路地だ。ずっと曇っていたのだけど、雲がすこしずつはけてきた。なかなかの勾配で体が重い。僕を小ばかにするように猫がするするとかけていった。

 

 

厚切りのカツオのたたきを塩で食べる

また、魚ぴょんぴょんロードを歩き、路面電車で中心部に戻ってきた。けっこう歩いたので足が休ませろと言っているのを感じた。とりあえずホテルに戻って少し休むことにした。一人旅というのはだるいと思った瞬間に休めるのがよい所である。

 

 

ピンと張られたシーツのベッドに盛大な勢いでひっくり返り、何食べようかの検討を開始した。高知と言えばカツオなわけだが、安易に居酒屋にばかり行っているとカツオばかり食べることになったりしないだろうか。その場合、どのように店に行くべきだろうか...... いやまあしかし、深いことは考えずに、とりあえずまずは、カツオを食べていくという方針で問題ないか。そもそも、カツオ以外には何が有名なのだろう。ちなみに、11月は高知のカツオの旬らしい。運のよい季節に来たものだ。

 

脳内会議の結果、ホテルの近くにあり、カツオがうまそうな店ということで、磯の茶屋という店にやってきた。小料理屋のような雰囲気だ。

 

 

速やかにビールを注文した。ビールはよく冷えた、結構な大きさのジョッキに入れられやってきた。お通しはおひたしだった。炭酸にのって、口の中で苦みがはじけた。旅先での一杯目のビール、これはなんともうれしい瞬間である。

 

 

チャンバラ貝と、イタドリの炒め煮。調べてみると、高知の居酒屋の定番メニューのようだ。どちらも食感がよくておいしい。ビールを飲み、二つを交互につまむこととした。

 

 

この店の名物であるらしいカツオのたたきを注文した。めちゃくちゃ分厚いではないか。もっちもちである。それにしても分厚い。口の中がカツオでいっぱいである。一気にカツオ欲が満たされた。

 

 

高知では〆は屋台の餃子らしい。

店を出ると、空気が少し冷えていた。腹7分目程度で抑えていたので、2軒目に向かうこととした。事前に調べておいた情報によると、高知では、安兵衛という餃子屋が人気で酒飲みたちから愛されているらしい。いくつかの居酒屋のわきを通り過ぎた。どの店も若者たちで大変にぎわっているようだった。角を曲がると、ガソリンスタンドのような大きな屋根の下に、屋台が並んでいるのが見えてきた。

 

 

赤い提灯がぼんやりとあたりを照らしている、人々はみな、餃子を前にして、血色のよい顔を並べて佇んでいる。

 

 

けっこう並んでいるなあと思いながら最後尾についたのだけど、屋台なだけあって、回転が素晴らしく早く、10分も待たずに席に着くことができた。メニューは餃子とラーメン、いくつかのおでんくらいしかないようだった。屋台なのでシンプルである。僕は速やかにアサヒスーパードライを注文した。

 

 

隣にはサラリーマンが座っていた。同じくビールと餃子を注文し、手を胸の前で合わせ、虚空に目を泳がせ、祈るようなポーズで餃子を待っていた。僕は、ここはある種の聖地なのだな...と無性にわくわくした。

 

餃子がやってきた。香ばしい色をしていて、屋台の光を浴びて鈍く光っていた。箸でつまんだ。餃子自体は小さめである。噛むと薄めの皮がカリッと崩れた。メニューとしては焼き餃子なのだけど、食べた印象としては、焼き餃子と揚げ餃子の中間のような味がした。いったいどんな焼き方をしているのだろう。

 

小ぶりな餃子は、酒のつまみに最高である。

 

隣のサラリーマンは、定められたルーティーンをこなすようにこなれた手つきで、餃子をすごい速度で食べ、瞬く間に去っていった。印象が強く、サラリーマンの不在だけ横に残った。僕も、餃子をつまんでしばしぼーっとして、ビールを流し込んだ。がやがやとした雑音が妙にうつくしく感じるのだった。野外で、餃子を食べ、ビールを飲む。なんて心地よいのだろう。

 

 

高知の街を散歩しながらホテルへ向かった。

 

 

オールドファッションは酒のパフェ

いつ立てたのか記憶も定かではないのだけど、Googleマップを見ながら歩いていたら、ホテルのそばに、ピンが立っているのを見つけた。1965年創業のフランソワという老舗のバーのようだ。入ってみることにした。

 

 

老マスターとバイトっぽい感じの若いバーテンダーの二人がカウンターの奥にいた。オールドファッションを頼んだ。若いバーテンダーのお兄さんは、慎重に慎重にフルーツを剥いていた。めちゃくちゃ緊張しているようで、まだ、始めたばかりなのだなと思った。老舗を継ぐことができるのは若い世代だけだ。頑張ってほしいなあと思いながら見守っていた。

 

フルーツ盛りだくさんのオールドファッションが来た。なんかパフェのようだなと思った。酒のパフェだ。

 

 

ドーミーインで夜泣き蕎麦

ホテルに戻った。今回は、ドーミーインを予約していた。幾度となくよいホテルであるという噂は聞いていたが泊まったことがなかったので楽しみにしていた。

 

マッサージチェアがある。横には漫画の棚もある。

 

 

アイスも無料。

 

 

夜泣きそばまで無料だ。必要最低限な構成でいい感じである。これは人気になるのも分かるわ...と僕は納得して、暖かなスープをずずっとすすった。

 

 

高知の喫茶店、亜羅琲珈のモーニングはゼリー付き

とりあえず、コーヒーを飲みに喫茶店へと向かった。はりまや橋近くの亜羅琲珈という店にはいることにした。店は二階にあるようで、入り口はどちらかというとはんこ屋かのようなオーラを放っていた。

 

 

モーニングセットを注文した。ピンクのゼリーが付いてきた。ゼリーが付いてくるのはいい喫茶店である予感がある。コーヒーを飲む。あつあつである。すこし厚めなトーストをかじる。サラダはゴマドレッシングがかけてある。

 

 

ゼリーはさっぱり甘めでおいしい。けっこう古くから営業されていそうだけど、すごくきれいに掃除されていて、居心地よい空間である。高知は人口当たりの喫茶店数が日本一位と聞いたことがある。高知は素晴らしい!

 

 

土佐久礼の港。海がきこえる。

『海がきこえる』を見た人はこの港のシーンを見ると、ジーンとなるのではないだろうか。これは土佐町の久礼港というところらしい。高知市の中心地からはすこし離れているが行かざるを得ないだろうと思い、電車に乗り込んだ。

 

海がきこえる - スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI


トンネルを抜けると、そこは土佐久礼で会った。

 

 

電車を置いた瞬間にどぎつい雨が降ってきた。結構な激しさで、10メートル歩いたらっ全身がびしょびしょになってしまうような豪雨であった。おいおい傘なんて持ってないよと、駅のホームで呆然としていた。五分ほど気まぐれに降り続ける雨に徹底的に呆然としていたら、雨がすこしだけ引いてきた。僕はホームから駅舎まで猛然と走った。

 

駅舎に駆け込むと、おっちゃんがいた。駅舎のスタッフのように見えるが詳細は不明である。おっちゃんにこの辺で傘買えるところってありますか? と聞くと「ああ、傘ならあそこにコンビニがあるよ。観光できたの」と言った。

 

「そうなんです。電車降りた瞬間にすごい雨が降って来て、困っちゃいますよね」

 

「そうねえ、また少しおさまってきたかな」

 

「そうですね......」と二人で外を見た。

 

「もしあれだったら、そこの傘持って行っていいよ。終わったら、また、そこに戻しておいてもらえればいいから」

 

「本当ですか!ありがとうございます」僕は、まさにそうしてもらえると助かるのだといった表情を隠さずに喜んだ。

 

駅員っぽい服を着ていなかったので、駅の公式のスタッフの人だったのかよくわからなかったのだけど、とりあえず救世主のおっちゃんに別れを告げて駅舎を出た。雨は、駅舎を出ると一気に引いていった。なんだったのだろうか。

 

 

久礼の港へ歩いていく。

 

 

しばらく歩くと久礼大正市場についた。

 

 

市場を通り過ぎ、海沿いを歩いていく。久礼八幡宮という神社が道中にあった。鎮守の森に取り囲まれたひっそりとした神社である。漁業関係者が参拝に来る神社だとWikipediaには書いてある。参道から鳥居のほうを見ると海が見えた。

 

 

お参りのひとつでもしていくかと、本殿に向かう。

 

 

賽銭箱に十円を投げ、ふと顔をあげると、カツオの絵が奉納されているではないか。すごい、ここは高知、カツオが息づく街である。

 

 

カツオの刺身だって奉納されるのだ。

 

 

神社を後にする。天気が良くないので、どんよりした空が反射していて、分かりにくいけれど、川の水はかなり綺麗そうだ。

 

 

海沿いの道に出た。港はもうすぐだ。海がきこえ始めた。

 

 

海が見えた。僕はジブリの海がきこえるのサイトに行って、港を杜崎が松野が歩いたシーンと見比べた。かなり近い印象だ。ここで夕焼けを見たら確かにきれいだろうなあと思った。ただ、雨にけぶる港もそれはそれでよいではないかと思った。

 

せっかくなので、港をぐるっと歩いてみる。高校どころか大学を卒業して10年ほどが経ってしまった。もう、思春期的な葛藤と成長というような問題系からはずいぶんと遠いところまで来てしまった。

 

僕は高校生のころ恐ろしく勉強ができず、なんというか、思春期的な自意識の不安定さがどうこうというものよりも、とにもかくにも、あらゆることが何もかもわからないという即物的な感覚がとても大きかった。テストが終わると、学年が、成績が悪い下から10人くらいが呼び出され、再教育という名目で、夕方から別途強制学習などをさせられていた。

 

僕にも、将来のことなどについて、ちょっと沈黙をはさんだりしながら、海辺で友人と話し合うなんていう高校生活ががあったならば!などと少し思う。

 

 

アニメは歳をとらない。現実の人間はただ規則的に歳をとっていく。雨は完全にあがっていた。海は静かだった。

 

 

道の駅のカツオの炊き込みご飯とカツオコロッケ

港の隣に、なかとさという道の駅があった。比較的最近できたように見える。

 

僕はまだまだ行くぞと、こりることなくカツオ関連商品探し購入をした。カツオの炊き込みご飯だ。まだ出来立てで温かかった。

 

 

カツオのコロッケも揚げたてのようでカリッとして美味しかった。道の駅には早い時間に行くといいらしい。名物!と書いてあったイチゴ大福も食べた。

 

 

須崎の鍋焼きラーメン

久礼大正市場を少しぶらぶらして、駅まで戻った。傘は元あった場所にかけておいた。高知に来て初めて知ったのだけど、須崎という地域は鍋焼きラーメンなるものが名物であるらしく、専門店がいくつもあるらしい。そこで昼ご飯を食べて、高知の市内に帰ることにした。

 

 

しんじょう君なるキャラクターが出迎えてくれた。髪がくるくるだなとおもってよく見たら、頭部が鍋焼きラーメンである。どうやら、鍋焼きラーメンはゆるキャラになってしまうくらいに地域のアイデンティティになっているらしい。

 

 

駅前は定休日の店が多いのかとても静かで人気がなかった。雨は無事やんでいた。運がいいではないか。

 

 

検索をして駅から近めで営業中となっていた、谷岡食堂に着いた。気のよさそうなおじいちゃんが迎えてくれた。高知の飲食店は店の人も客も気のよさそうな人が多い気がする。直近鍋焼きラーメンを食べていた人がいたらしく、醤油系のにおいがして、腹が刺激された。

 

 

別の客も入ってきた。鯖寿司はあるのかと聞いていたが売り切れのようだった。どうもこの店の名物であるらしい。食べてみたかったなあ。壁に掲げられたメニューが達筆なので、一文字ずつじっくりメニューを見ることで時間をつぶした。

 

 

「はい~すみませんね」と言って、女性が鍋を持ってきてくれた。「蓋は熱くないですから開けてください」と教えてくれた。

 

 

文字読みの儀を経て、僕は静謐な気持ちで、満を持して蓋を開けた。粒の細かい蒸気がくわっと立ち上った。ぐつぐつとスープが煮えている。美味そうである。食べた第一感は、まじでめちゃくちゃ熱いということだ。具だくさんでちくわや、キャベツ、ニラ、きくらげなど、いろいろなものが入っている

 

なんというか、もっと寒い地域で生まれそうなラーメンのようにおもわれた。どのような経緯で須崎でうまれたのだろう。

 

 

たまごを崩して、麺に絡めすすり上げた。体があったまっていく。せっかくならいろいろな店で食べてみたいものだと思ったけれど、ラーメンを何杯も食べる鉄の胃袋は残念なことに持ち合わせていないのであった。

 

 

ジャズ喫茶木馬で沈む

かたことと電車に揺られ、高知市内まで帰ってきた。コーヒーを飲みに喫茶店に入った。

 

 

1962年創業らしい。高知には、歴史あるお店がいろいろ残っていて楽しい。

 

歴史をある椅子は座ると沈み込みがすごかった。コーヒーを飲んだ。地元のジャズ好きなおっちゃんたちが楽しそうに会話を続けていた。

 

 

出窓につまみがディスプレイされる居酒屋の四角い酎ハイ

やや疲れたので、ホテルに戻って荷物を置いて、だらだらした。ひろめ市場を歩いていた時に、見つけた丸吉食堂という酒場に行ってみることにした。激しくにぎわうひろめ市場を横切って裏道へむかった。ぽわんと光がこぼれていた。

 

 

木製の出窓に、つまみたちが展示されている。深夜の台所のような雰囲気がある。

 

 

入店の前、つまみたちの陰影をつぶさに観察した。気持ちが高まってきた。

 

 

店に入ると、サラリーマンたちがわんさか飲んでいた。一人で来ているのは自分だけのようだった。とりあえずチューハイを頼んだ。

 

 

チューハイは見たことない形状のジョッキでやってきた。角ばった側面には、純と刻まれている。良く冷えている。問題は、通常口をつけるところが角ばっているためやや飲みにくいということである。しかし、おしゃれは我慢なる言葉があるように、酒を飲むにも我慢なのだ。

 

 

僕は、アジの南蛮漬けが好きなので、出窓に向かって南蛮漬け皿を手に取った。つまみは勝手に持って行って勝手に食べるという形式らしい。出窓にいたので、適度に冷えている(11月)。

 

 

鯛も持ってきた。角ばりチューハイを飲み、つまみは自己調達する。なかなか楽しい。

 

 

寿司もあるんだなと思い、店員の人に聞いてみるも、その日は売り切れのようだった。

 

 

おでんもある。これも自分で勝手にとっていく方式らしい。

 

 

牛すじをとって食べた。

 

 

宵まち横丁の田舎家へ

店を出ると、少し雨が降っていた。まじかよ、雨か~と思いながらアーケードまで走った。1軒目はセーブしたので、まだまだ食べれるぞという感じだった。僕は、高松で調べていた居酒屋に行くことにした。

 

 

田舎屋という居酒屋で、宵まち横丁という路地にあるらしい。歩いていると、その横丁の入り口の柱には、板垣死すとも自由は死せずと刻まれていた。酔い人たちは、赤ら目で、この箴言をながめるのだな、高知は文化的な地域である。

 

 

四万十もなかなかいい感じの店構えである。

 

 

高知は酒飲みにはよい店が多そうだ。当初予定通り、田舎屋へ入った。

 


ほぼ満席だったのだけど、カウンターが半人分だけあいていた。お客さんたちが、しゅしゅっと一人分の席を作ってくれた。すみません、ありがとうございます!と告げて、カウンターの上の載っているおばんざいを凝視していると「県内の人?」と店主のおっちゃんが話しかけてきた。

 

「いや、埼玉から来たんです」

 

「埼玉から、じゃあ、いまの季節だったらシホウチクがいいよ。たべたことないでしょ」

 

僕はそれが何なのかよくわからなかったのだけど「じゃあ、それください!」と答えた。

 

シホウチクが来た。タケノコのように見える。調べてみると、秋に生えてくる珍しいタケノコらしい。優しめの出汁でたかれていて、いい甘みがあって美味しかった。

 

青さの天ぷらを食べた。隣に座っている人が話しかけてきた。驚くべきことに、その人も埼玉出身で、めちゃくちゃ近い駅に住んでいたようだ。隣の人は、この店は素晴らしい!なんということだ!これがあるから高知は最高だ!もう食べられない、しかし、コロッケがうまそうだ!とそれはもう快調に酔っぱらっていた。周りの人たちは優しそうにその様子を眺めていた。高知は酒飲みに優しいのである。

 

 

最後に、カツオのたたきを注文した。昨日は塩で食べたので、やはりポン酢で食べておきたいなと思ったのだ。なんだかんだ、やはり、カツオはポン酢がばっちりであるように思った。

 

 

高知の野菜の寿司

ホテルへの帰り道、スーパーに寄った。高知には、野菜で作られた田舎寿司なるものがあり、食べてみたいなと思っていたので、探してみることにした。スーパーのお惣菜売り場に行くと、田舎寿司コーナーがあった。

 

ホテルに戻ってパックを開けてみると、かわいらしい野菜の寿司が現れた。もともと高知の山間部で食べられていたものらしく、それで野菜がもちいられているようだ。赤い寿司はみょうがである。貝類の寿司のように見える。味はベタにしいたけの寿司が美味しかった。

 

 

コーヒーショップパスワードで山盛りの朝食を

朝、ホテルの近くの喫茶店へ向かった。さすが人口対比で喫茶店数が一位なだけあり、そこかしこに喫茶店がある。

 

 

コーヒーショップパスワード。

 

 

モーニングセットを頼んだら、なかなかの量のセットがやってきた。パンも分厚い。サラダも、それなりにお腹にたまるような量である。高知で二泊三日いただけで、普通に1キロくらい体重が増えそうだな...と思いながらコーヒーをすすった。味噌汁が結構おいしかった。

 

 

その後、高知城歴史博物館へ向かった。

 

 

巨大な高知の古地図を見たりした。

 

 

くいしんぼ如月のチキンナンバン弁当で旅はおしまい!

宮崎に行って、チキン南蛮を食べ、うまいと感銘を受けたのだけど、その時に、高知もチキン南蛮が根付いていることを知った。しかし、高知のチキン南蛮は漢字ではなく、チキンナンバンとカタカナで書くものらしい。くいしんぼ如月というローカルコンビニ?弁当屋?で、いい感じのチキンナンバンが食べられるらしい。路面電車に乗って、くいしんぼ如月へ向かった。

 

 

中に入ってみると、半分は弁当屋で半分はコンビニのようになっていた。厨房が奥にあって、その場で弁当が作られているらしい。近所の働いてる人たちが次々とやって来て、何かカスタムをしたような感じの注文をしていた。僕はよくわからいので、とりあえず、オーソドックスにチキンナンバン弁当を注文した。

 

 

近所の公園まで歩いた。パッケージも可愛いではないか。

 

 

作りたてなだけあり、チキン南蛮はカリッとした感じをよく残していた。ソースは、タルタルではなく、オーロラソースのようだ。ごはん、のりたま、漬物、酢の物、そして、キャベツとパスタの上に乗ったチキンナンバン。シンプルな構成ながら、なかなかの満足感で、近所にあったら、夕飯作るのがめんどくさい時など、めちゃくちゃ行きそうだ。こういう店がローカルチェーンとしてあるのはうらやましいものだなあと思った。

 

 

僕は、帰りの飛行機のチケットを改めてたしかめた。実は、帰りの飛行機も高松発をとっていたという失態を犯していたことに前日気がついて買いなおしていたのだ。しかし、入金は後程方式の予約をしていてそれを放置していたので、金銭的な負担は発生しなかった。愚かである。高知と高松は全く違う。どちらも素晴らしく、そして、全く違うのだ。