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2005年 01月 10日
このブログには数学本のレビューばっかり載せているのだけれど、実生活では相当数のビジネス本も読んでいる。
最近数ヶ月は、戦略コンサルの書くような、「戦略的思考」とか「論理的思考」とか「仕事術」がどうしたとかいう本をまとめて15冊くらい読んだ。ボスコン流のプロダクトポートフォリオマネジメントだとか、マッキンゼー流のロジックツリー、ピラミッド…とかそういったやつだ。どれもアマゾンで4星以上ついてたり、良い本と書評されているものばかりだ。 で、結論。どれも紹介する価値がない。 #もちろん、コンサル業界に新たに参入するのならば、価値は大いにあるのだが… 中には熱いメッセージがある本もあることはあるが、論理的思考を売りにするわりに、論理が破綻していたり、主張の根拠付けがインチキだったり、分析ツールを補完するための我田引水的例示ばかりをしていたり、成功例から逆算して「コレコレこうしなければならない」なんて主張したりしていて、やはり所詮は口八丁手八丁の領域なんだな、という思いを強くしただけだった。 #似たような本として、マーケット分野のビジネス本がある(コトラーとかそいういうやつ)。 もちろんビジネスという曖昧な対象に分け入って、その対象を記述する「言葉」を探そうとしている努力は認めよう。でも、どの本も「なんたらツリーを使って分析すると、これこれこういった因果関係が認められるのでアール」なんていうように分析ツールを無根拠に信じている様と、無根拠な自信に満ち溢れる言説には、かなりゲンナリする。まるで、物理学科に入学した学部一年生が、ランダウの「力学」の第一章を読んで「まずラグランジアンを定義する、その最小作用の原理により全ての力学系は記述できるのでアール」なんて、理解もできてない他人の受け売りを述べて、いい気になっているようだ。このような本を読んでも何か得られるような気分にならない。 一方で、人のやらないことをやって成功した経営者が書く「成功物語」はかなり面白いし、何かが自分の中でピンとくるような感覚がある。たとえば、"逆風野郎!", "インテル戦略転換", "発想する会社!", "シンプリー・パーム", "破天荒!", "デルの革命"のような本たちである。 一般的に考えると、コンサルが書くノウハウ本は一般化されたノウハウが書かれているために誰にも役に立ち、成功経営者が書く成功物語は成功の要因があまりに特殊なことから誰にも役に立たないように思われる。しかしことビジネスに関しては、人は具体的なビジネス環境で具体的な対応をしなければならない。具体的で固有のビジネス環境という拘束条件を記述する変数はあまりに多い。固有の対応は、拘束条件という変数を一般化されたノウハウに入れてでてくるものである。つまり、固有の対応なんてものは、変数の取り方によりいかようにも変わる。このことが、一般化されたノウハウなんて書かれていても、実際には何の役にもたたない理由だろう。特殊から一般を帰納的に抽出して、エラソーなツールにまで祭り上げても、あまり役に立たないのだ。 それに対して成功物語は、「成功するには人と違うことをしなければならない」というメッセージを、具体的な形で提示するために実感を持つことができるのだろう。そして成功物語には、自分で責任をとる経営者の「肚の決め方」がその経営者固有に提示してあるから何かがピンとくるのだろう。結局は、みんなと同じことをやってもそこには価値がない、ということを当たり前のこととして再確認するだけなんだけれどね。
by yutakashino
| 2005-01-10 21:54
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