群の発見
すばらしい群論入門書である。学部時代にこのような本で群論を勉強したかった。
すっきりとした語り口、丁寧な説明と豊富な例、そして親切な問を読み進めるうちにガロア理論が身についてしまうような名入門書だ。まさに「ラグランジュ、アーベル、ガロアの足跡をたどりながら」群論の成り立ちがだんだん明らかになっていく「小説群論」。この本は数学科の学生はもとより、物理や化学や情報工学の学生にこそ是非読んでもらいたい。
著者の原田さんは、すばらしい業績を持つ有限群論を専門とする数学者である。同じ著者の「モンスター/群のひろがり」も大変面白い。