■ オリオスペックの静音PCを購入
そろそろ速いマシンが欲しいニャ、と。使用中のデスクトップPCのパフォーマンスに少々不満が出てきた。使っているのはNECの水冷PCで、CPUはPentium D 840、メモリは2GBてな感じ。遅くはないんですけどネ。そろそろ買い換え時だなぁと感じたりしていた。
そこで紆余曲折あった結果、拙者によく向きそうな一台と遭遇。オリオスペックのミニタワー静音型PCのSilverStone SST-SG04 Micro Silentというモデルを購入した。
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オリオスペックのSilverStone SST-SG04 Micro Silent。主要パーツをカスタマイズして購入できるショップブランドのCTOパソコンだ。コレ買いましたヨ!!
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これまで使ってきたNECの水冷PC、NEC VALUESTAR G タイプX。超静音パソコンの代名詞!? てなくらい静かに稼働するデスクトップPCである。2年以上も働いてくれてありがとう!!
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SilverStone SST-SG04 Micro Silent(以下、SG04)はショップブランドのCTOパソコン。マザーボード、CPU、メモリ、HDDなどを選んで購入できるわけですな。拙者のパーツ選択は以下のとおりで、合計15万7500円となった。
以降、このマシンの使用感を……てか、主に静音性とシャーシの扱いやすさなどについてレポートしてみたい。
■ 自作は断念、水冷も断念、ついでに失敗
拙者がメインマシンに求めるのは、ある程度高いパフォーマンスもそうだが、それ以上に静音性。静かなマシンじゃないとイヤ!! なのである。ウルサいPCを使ってると生産性が激低下すると感じている。
で、ですね、いきなり横道に逸れる感じですけど、実はスッとこのSG04を買ったわけじゃなかったんスよ。まず自作を考えた。水冷PCの自作。てなわけでパーツをアレコレ物色していた。そのとき、「あれ? このパーツはどんなふうに選べば?」的に迷った。以前にも水冷PCを組んだので、オサライな感じで現在は無用の箱と化している自作水冷機のシャーシを開いてみた。
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以前に自作した水冷PC。サーバー用シャーシに入ったドでかいヤツなのだ
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水冷ユニットはCOOLER MASTERのAQUA GATE。5インチベイ×2のスペースに入る
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ホースでCPUなどにクーラント(青い液体)を流して冷却するしくみ
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上の写真は水冷PC完成後間もない頃のもの。2004年に組んだんですけど、現在は冷却用の液が蒸発し、ホース内がほとんどカラになっていた。2007年までコレを使い、そこから2年ほったらかしにしたら水冷液蒸発!! 自作の水冷マシンのヤバげな側面を見ちゃったわけですな。
もちろん、自作水冷PC使用中は、2~3カ月に一度、水冷液の減り具合をチェックし、その都度クーラントを足していたので問題は起きなかった。が、「そうそう、そうなんだよ、メンテナンスが」と思い出した。現在はメンテ不要の水冷ユニットなんかもあるが、自分で組んだ水冷PCのトラブルは自己責任だし、上記のクーラント蒸発状態を目撃してナンか萎えちゃったし、自作はヤメにした。
拙者の目的は自作を楽しむとか最適化されたPCを組むとかじゃなくて、静かでソコソコ速いパソコンを利用すること。PC使用上のストレスを、ちょっと解消したいという程度なのである。
そこでサクッと買ったのが、NECのVALUESTAR G タイプM。フツーの空冷PCなんだが、静音性を謳っている。また、価格的にもリーズナブルだった(10万円以内でカスタマイズ購入可能だった)ので、ポチッとな。
しかし、VALUESTAR G タイプMの実物はそーんなに静かではなかった。前述のNECの水冷PCと比べると、しっかりファンの騒音がある。デスクトップPC全般からすれば静かな部類だと思うが、ん~、静音マシン慣れした拙者がコレを毎日ずっと使い続けるのは……ちょっとストレスだなぁ、と。
結果、サブマシン用途に。ていうか、現在引き取り手募集中。てか、ポチッとしたのが間違いだった。てゅーかッ!! あーっ!! モッタイナイ!! 壮大なる無駄遣い感!! NECの水冷PC超静か→NECが静音っていうなら問題ないっしょ、てな拙者脳内短絡が生んだ失敗であり、大いに反省ッ!!
そこで、さらに正々堂々と静音を謳っているPCを探し、結局、オリオスペックのSG04を選んだというわけである。
■ ちょいと感動の今時的静音PC
SG04購入後、キンチョーしたのは最初の電源投入時である。アイドリング時の騒音レベルが19dBとあるが、実際どーなのよ? と。ウルサかったらどーしょましょ、と。
しかし結果オーライ。フロントに2基、CPU冷却と電源冷却を兼ねたファン(電源ファン)が1機、合計3基の冷却ファンを持つPCとして考えたらチョー静かと言えるレベルだ。てか、これまで使ってきたNEC製水冷PC(前述)とほぼ互角の静かさだと感じられる。
あと、HDDは手持ちのBarracuda 7200.12(ST3500418AS/500GB)を入れたが、コレも静か。発熱少なめのCPU、静かで大容量のHDD、十分高速に描画するけどファンレスで動くビデオカード。今時的な静音PCって、一昔前の静音関連苦労を考えると、なーんか非常に好都合な要素が揃ってる感じですな。
ちなみに、このマシンを使い始めてから約1カ月経つが、現時点でも静音性に関しては十分満足している。真夜中に窓を閉め切ってエアコンや換気扇の類を全てオフにすると、さすがにすこ~し排気音やHDDの音が聞こえてくるが、自分の深呼吸の音で掻き消される程度。拙者的には全然気にならないレベルである。
窓をちょっと開けて、外の環境音が聞こえたり、エアコンもしくは換気扇が動作していると、ほぼ無音PCという印象となる。恐らく、フツーのデスクトップPCを使っている人にとっては「え? コレって電源入ってる!?」てなイメージになると、思う、が、音に対する印象は人それぞれなので明言はできにくい。
■ コンパクトでカッコイイけど若干使いにくいシャーシ
SG04のシャーシはSilverStone SST-SG04というもの。アルミのエンクロージャで、外観はシンプルでクール。サイズもコンパクトで、幅200×高さ360×奥行き347mmだ。シャーシ自体の質量は4.79kgなので、中にパーツが入った状態でもわりと軽量という印象がある。
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SilverStone SST-SG04の外観
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右側面
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左側面
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SilverStone SST-SG04の背面
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上部に電源やインターフェイスが集まる。電源は縦置きですな
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下部にカードスロット/コネクタ部。10.5インチクラスのビデオカードも収まる
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マザーボードであるGIGABYTE GA-EG45M-UD2Hとこのシャーシとの組合せだと、あんまり拡張性はありませんな。ただ、拙者の場合、追加のハードウェアはまぁだいたいUSBの外付けデバイスで済ませちゃってるんで、全然問題ナシな感じ。
ちなみに、拡張やメンテ時の使用感はまずまず。ネジ2本で側面のカバーが開き、内部にアクセスできる。のだが、コンパクトなシャーシだけに、内部は狭い。また、カードを抜き差しする場合はカバーの内側にある金属パネル(後述の扉とベイに係わる金具)を止めているネジを外す必要がある。
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側面のカバー(パネル)はそれぞれネジ2本で外せる。ネジは指でも回せるタイプだ
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側面のカバーを取り外した状態。中身けっこーギッシリ。カード類の抜き差しをする場合、下部に見える金属パネルを取り外す必要がある
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本体底面にはゴム足があり、これも静音性向上に一役買っていると思われる。また、この内部には3.5インチHDDを2基固定できる
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実質、頻繁にイジるにはチョイ向かないシャーシだが、個人的には底面の作りが気に入った。底面には横長のゴム足があって、これが床などへ振動を伝えにくくしている。また、底面内部にはHDDを2基収納できる。さらに、HDDを固定する部分は、シャーシのほかの部分よりも重く厚く頑丈にできている。ので、HDDの振動を抑えつつ、HDDからのノイズも伝わりにくい、のだと思われる。
それと、このシャーシを物色したとき、ちょっと便利そうかも!? と思ったのが本体前面にある扉とベイ。扉内側上部にいくつかのインターフェースが並び、下部には3.5インチドライブが入るベイがある。
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本体前面左側の扉はこのように開く
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扉内部の上側には、USBポートなどが並ぶ
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下部には3.5インチベイに入るデバイスを挿入できる。ココにカードリーダを入れてみた
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しかし、この扉も、この縦並びのインターフェースも、なーんか使いにくい感じ。マシンを机上に設置するなら便利な位置になるかもしれないが、床に置くと手から遠くて……。また、扉も写真のような角度までしか開かないので、フラッシュメモリカードリーダに対してSDカードサイズ以下のものを挿抜するのが非常にやりにくい。
あ~このカードリーダーライタ、付けなきゃ良かったニャ、とか思ったりして。現状、全然使っておらず、外付けのUSBハブへ各種カードリーダを接続して使っている。
とか細かい不満はあるものの、常用するメインマシンとしてイイ感じのSG04。現時点におけるCore2 Duo E8500あたりはコストパフォーマンスも高いし、このマシンの静音性にも十分満足できた。
拙者のBTOではカードリーダーライタをつい入れちゃったり、メモリを多く積んだり(←RAMディスクにする予定)、DVI×2のファンレスビデオカード入れたり、Windows Vista Ultimateも入れたりして、微妙に高くついての15万7500円となった。が、手持ちのOSを使ったり廉価めのビデオカードを使ったりすれば価格をグッと抑えられる。
てなわけで、このSilverStone SST-SG04 Micro Silent、シンプルで安価な静音マシンとして、わりと安心してオススメできると思う。もちろん、処理能力方面のスペックだけ見れば決して安価ではないマシンになるが、この静音性は“静かなマシンの良さ”を知っている人には捨てがたい魅力になると思う。
■ URL
シャーシ「SilverStone SST-SG04」製品情報(英文)
http://www.silverstonetek.com/products/p_contents.php?pno=SG04&area=jp
マザーボード「GIGABYTE GA-EG45M-UD2H」製品情報
http://www.gigabyte.co.jp/Products/Motherboard/Products_Overview.aspx?ProductID=3019
ビデオカード「ASUS EAH3650 SILENT/HTDI/1G」製品情報
http://www.asus.co.jp/products.aspx?l1=2&l2=8&l3=637&l4=0&model=2205&modelmenu=1
光学ドライブ「LITEON iHAS322-27」製品情報
http://www.links.co.jp/items/liteon-drive/ihas32227.html
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