昭和32年にLPレコードをかける喫茶店としてスタート。
長野県大町市大町3205
茶房かじか | 大町市観光協会
ごく普通に山が見えますし……北アルプスでしょうか。
しっかり雪が積もっています。東京は寒かったけど雪じゃなかったよ(^_^;)
(信濃大町は18きっぷで日帰り)
階段の上のアーチみたいなぐにゃりとした看板。
看板と一体化した「営業中」が点灯。
薄暗いビルなのですが、化粧室もひんやり儚げ。
「し」の字の上の点が時代を感じる。
最初、店名入りのショーケースだと思ってましたが、看板とは別々でしたね。正面からだと一体化して見えます。
信濃大町では何軒かの喫茶店に入ったのですが、こちらは外観からして他店とはオーラが違った。
ここは別格だ…!
入った瞬間、予感が確信に変わる。ああ…私の見る目に狂いはなかった。
華美な装飾はないものの、年季と渋みと重厚感がある。分かるかなあ…この感じ。
この写真でピンと来る方がいたら、ぜひ足を運んで欲しい。実物の方がグッときます。
大きめの音量、きれいな音でクラシック音楽が流れています。
窓からは山も見える。これぞ信濃国。
さりげない心遣いとセンス。
なんの根拠もないのですが、この赤い実に信州らしさを感じました。
「いつも綺麗な花が飾ってあるわねえ」
私の心の声を代弁したのか絶妙なタイミングで、常連のお客さんがママさんに話しかけたのですが、
「西友で買ったのよ」
えっ!西友?スーパー? どうせなら朝早く山に登って摘んできた花とか言って欲しかったかな(^_^;)
ドリンクメニューは豊富。
雰囲気的にコーヒーが間違いないと確信し、コーヒーを注文。
大正解。口の中でフワッと膨らむ柔らかさ。酸味を感じさせない酸味。
そもそもお水も美味しかったです。信州だからですかね。
なんでも信州に繋げてしまう(笑)
でも、喫茶店のため遠くまで出かけるのは、凄い内装だけを求めているわけではないのです。もしそれだけだったら、信州よりも京都とか大阪に行った方がてっとり早い。もっと豪華な美術館のような喫茶店に出会えますからね。でも、それじゃ物足りない。ご当地感を求めて、わざわざ面倒な思いをしても、田舎に行くのです(笑)。
そして、その土地の空気に浸りながらコーヒーを飲みたい。信州は18きっぷで行ける近くて遠い田舎です。
入口の渋い一画。黒電話と信州を強く感じる赤い実。
信濃大町駅の時刻表。
時刻表を見ると、旅してる事を強く実感し、ワクワクします。ご存知ない方も多いと思いますが、信濃大町はJR大糸線の駅です。乗り換えは松本駅。
存在感のあるカウンター。
端に座るお客さんを避けながら撮ったので変な構図ですが、L字型になっていて、近づくと下が深いことが分かる。掘りごたつ(?)みたいになっててママさんがすっぽり埋もれています。
ママさんはとても愛嬌のある方。
「昔はマッチがあったんですが……」と古いマッチラベルの額装を見せてくれました。
芸術性の高い味わい深いデザインです。いつも思うのですが、マッチは古ければ古いほどデザインが素敵ですよね。
「LP茶房」という見慣れない文字。
現在はCDでクラシック音楽をかけていますが、昭和32年にママさんのお母さまが開業したときは、LPレコードをかける喫茶店でした。
以前は大町郵便局のそばの地下の店で、現在の場所に移転して44年。
(大町郵便局はここから近い)
「この辺では一番古い」
常連のお客さん2人とママさんが一斉に声を揃える。
実はこの前に入った喫茶店でも、「『かじか』さんはいいわよ。この辺では一番古い」と言ってました(笑)。きっと大町の人は「この辺では一番古い」事を皆さんご存知なんでしょうね。
額装されたマッチラベルは3種類ですが、これは歴代マッチを古い順番に上から並べているのだろうか?
「どれも同じ時期じゃないかしら?」
えっ!もしかして同時期に3種類のマッチを置いていたの?なんて贅沢な…。今なんて1つもない店も多いですからね。
さらに詳しく突っ込むと、「母の時代の話なので正確なところは分からない」
当初はないと言われたのですが、「もしかしたらあるかも?」と奥を探しに行き出てきたマッチ。
新しい(?)マッチには「LP茶房」の文字がありませんが、「し」の字の上のチョンチョンは健在。
レジのそばには、大きいレモン。葉山のお客さんが持ってきてくれ、珍しいから飾っているのだそうです。
「大きいね!これレモン?」
他のお客さんからもツッコミが入っていました。
メニューではコーヒーは420円でしたが、お会計では400円。「おまけ」だとのこと。
「また来てくださいね」とママさん。
「大町名店街」を散策してから、帰り際に再び通りかかると、「準備中」
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
コメント