パイオニア: 大学教授のぶっちゃけ話

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2018年12月26日 (水)

パイオニア









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パイオニアという会社は有機ELの研究者にとっては特別な会社です。






なぜなら、パイオニアは有機ELディスプレイのパイオニアでもあるからです。






1980年代の後半から鶴ヶ島の総合研究所でいち早く研究を始め、


その技術を7人の侍たちが、子会社である東北パイオニアの米沢工場に移転して、


1997年に世界で初めての有機ELディスプレイの製品化を成し遂げました。




あの時の感動は今でも忘れませんね。






パイオニアとしては小型ディスプレイは有機EL、


大型はプラズマと住み分けして、事業を進める戦略がありましたが、


プラズマ事業は液晶に敗北して、パナソニックに売却。


そのパナソニックも結局はプラズマ事業で数千億もの赤字を出してしまいました。




その上、


東北パイオニアは、独立して上場し、資金調達しましたが、


某社と合弁を作り、TFT有機ELに手を出して、これが大失敗。


せっかく調達した200数十億円が消え、


パイオニアの子会社に戻ることになりました。






だから、心配してます。






経営再建中のパイオニアが香港ファンドに買収され、子会社化されました。




来年1月には上場廃止、しかも3000人のリストラ。




投資ファンドというのは、いずれ企業の価値を上げたのち売却等で利益を得ようとするので、今のパイオニアで最も価値の高い東北パイオニアの有機EL事業が、どこかに売り飛ばされないか心配しているのです。






売却先が国内企業ならともかく、中国企業だったら、遅かれ早かれ技術を中国に移転ということになるでしょう。そうすると、米沢の工場は最悪の場合、閉鎖ということになりかねません。




山形県にとって、米沢市にとって、


そして、


日本にとっても大きな損失です。






今となっては東北パイオニア有機EL事業に、


国内企業が手を差し伸べるのを期待するばかりです。










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